宮崎市消防局によりますと28日午後2時前、宮崎市佐土原町石崎で住民から突風の被害に関する通報が相次いで寄せられたということです。
突風で車が横転したり、窓ガラスが割れたりして10代から80代の男女4人がけがをして病院などで手当を受けているということです。
現場付近では屋根瓦が吹き飛んだり、窓ガラスが割れたりしている住宅が多くみられました。警察と消防が詳しい状況を調べています。
宮崎市役所の佐土原総合支所によりますと「飛んできた瓦で窓ガラスが割れた」とか「倉庫が飛ばされた」などという住民からの通報が少なくとも30件、寄せられているということです。
【台風10号被害】宮崎で突風か 奄美では転倒でけが
台風10号やそれに伴う大雨などの各地の被害に関する情報をまとめています。
宮崎 突風被害か 車横転などで4人けが
宮崎 看板が風で飛ばされ車のフロントガラスにひび
宮崎市大塚町の紳士服店では、28日正午前、駐車場の入り口にある金属製の看板が風で飛ばされ、停めてあった軽乗用車にぶつかりました。
乗用車は看板の下敷きになり、フロントガラスにもひびが入りました。
店は当時、営業中でしたが、従業員によりますと、車の中に人はおらず、けが人はいないということです。
鹿児島県内 9人けが
【けが人の情報】
鹿児島県内の自治体や消防によりますと、これまでにあわせて9人がけがをしたということです。
奄美市名瀬仲勝町では、27日午後6時半前、60代の男性がオートバイを止めようとしたところ、風にあおられて転倒し、足の骨を折る大けがをしたということです。
南種子町などによりますと、28日午後0時半ごろ、町内で台風の接近に備えて自宅の窓などに板を打ち付けていた50代の女性が強風にあおられて転倒し頭を地面に打ちつけたということです。女性は病院に運ばれ頭にけがをしているということですが、命に別状はないということです。
このほか、薩摩川内市で3人、指宿市で2人、南さつま市で1人、鹿屋市で1人としています。
【建物などの被害】
喜界町によりますと、住宅の屋根の一部や外壁が剥がれたり石垣が崩れたりしたという情報が5件寄せられているということです。また道路標識やカーブミラーが倒れるなどしたほか、倒木で道路が通行できないといった情報も複数寄せられているということです。このほか漁港などで漁船2隻が転覆したということです。
龍郷町によりますと、建物の屋根がめくれたり外れて飛んだりするなどの被害の連絡があわせて7件寄せられているということです。
奄美大島などの自治体の担当者は29日にも調査に向かい、詳しい被害状況を調べることにしています。
専門家“飛ばされた物で被害おそれ 注意を”
非常に強い台風10号の影響で、九州や四国では30日にかけて猛烈な風が吹くと予想されています。暴風の災害に詳しい専門家は、ぬれた週刊誌が秒速およそ40メートルで飛ばされるとガラスが粉々に割れるなど、飛ばされた物で被害が出るおそれがあるとして注意を呼びかけています。
京都大学防災研究所は台風の被害を検証するため、風に飛ばされる可能性がある物を速度を変えてガラスに衝突させる実験を行いました。
その結果、ぬれた週刊誌の場合、秒速およそ40メートルで飛ばされると厚さ3ミリのガラスが粉々に割れました。
また、サンダルは秒速およそ50メートルでガラスを貫通しました。
週刊誌やサンダルなどは、秒速およそ30メートルで飛ばされ、滞空時間が長いほど風速に近い速さで移動するということです。
暴風の災害に詳しい京都大学防災研究所の西嶋一欽 准教授は「家の中ではなるべく窓ガラスに近づかずシャッターや雨戸が無い住宅ではカーテンを閉めるとともに、風で飛びそうな物を屋外に置かないようにするなど暴風に備えてほしい」と話しています。
また、台風10号の接近に伴い九州南部では、29日にかけて最大風速が50メートル、最大瞬間風速が70メートルと予想されていますが、西嶋准教授によりますと木造住宅が倒壊するおそれがあるほどの強さだということで、頑丈な建物で安全を確保するよう呼びかけています。