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全国各地の公園や商店街で若者らがスケートボードに乗り、ベンチや路面を傷つける迷惑行為が深刻化している。日本人選手が活躍した昨夏の東京五輪でスケボーが注目され、愛好者が増加したことが背景にある。自治体は通報を呼びかける看板を設置するなど対策を強化するほか、練習施設の整備も進めている。(松山春香)
修理80万円
「整備された練習場は単調で飽きるし、街中の方が爽快感があって楽しい」。神戸市中央区の商店街「三宮センター街」で24日深夜、アーケード下をスケボーで勢いよく滑っていた20歳代の男子学生はこう話した。
同商店街のベンチや路面に、スケボーによる傷やタイヤ痕が目立ち始めたのは昨夏頃から。商店街の振興組合が今年1月に約80万円かけてベンチ5か所を修理したが、すぐに新たな傷がついた。
服飾雑貨店では1月にシャッターが壊された。防犯カメラには若者らがシャッターを使い、壁面を走行する「ウォールライド」という技を練習する姿が映っており、店は器物損壊容疑で警察に被害届を出した。
振興組合事務局長の男性(66)は「東京五輪後、看過できないほど迷惑行為が多くなっている」と困惑する。
各地で被害が相次いでおり、大津市のJR大津駅周辺では昨年5月以降、階段や石畳が損傷。大阪市北区の中之島公園では階段が壊されるなどし、昨年の大阪府警天満署へのスケボー関連の苦情は約110件に上った。
東京都や金沢市でも公園や商店街でベンチが壊されるなど被害は後を絶たない。
悪質なら摘発も
東京五輪では、スケートボード・ストリート男子で堀米雄斗選手や、同女子で西矢