第1号 平成26年2月26日(水曜日)
本分科会は平成二十六年二月二十四日(月曜日)委員会において、設置することに決した。二月二十五日
本分科員は委員長の指名で、次のとおり選任された。
秋元 司君 金子 一義君
山本 有二君 西野 弘一君
石田 祝稔君 佐藤 正夫君
二月二十五日
石田祝稔君が委員長の指名で、主査に選任された。
平成二十六年二月二十六日(水曜日)
午前九時開議
出席分科員
主査 石田 祝稔君
秋元 司君 秋本 真利君
今枝宗一郎君 金子 一義君
菅家 一郎君 中川 俊直君
藤丸 敏君 務台 俊介君
山本 有二君 吉川 赳君
鈴木 望君 西野 弘一君
村岡 敏英君 百瀬 智之君
佐藤 正夫君
兼務 大島 敦君 兼務 武正 公一君
兼務 玉木雄一郎君 兼務 鷲尾英一郎君
兼務 重徳 和彦君 兼務 上田 勇君
兼務 大口 善徳君 兼務 中野 洋昌君
兼務 柿沢 未途君 兼務 高橋千鶴子君
兼務 小宮山泰子君
…………………………………
国土交通大臣 太田 昭宏君
総務副大臣 上川 陽子君
国土交通副大臣 高木 毅君
国土交通副大臣 野上浩太郎君
国土交通大臣政務官 土井 亨君
国土交通大臣政務官 中原 八一君
国土交通大臣政務官 坂井 学君
政府参考人
(内閣府大臣官房審議官) 佐々木克樹君
政府参考人
(内閣府政策統括官) 日原 洋文君
政府参考人
(警察庁長官官房審議官) 濱 勝俊君
政府参考人
(消防庁国民保護・防災部長) 室田 哲男君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 中岡 司君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房技術総括審議官) 三浦 公嗣君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 大西 康之君
政府参考人
(厚生労働省医政局長) 原 徳壽君
政府参考人
(厚生労働省労働基準局安全衛生部長) 半田 有通君
政府参考人
(農林水産省大臣官房生産振興審議官) 西郷 正道君
政府参考人
(農林水産省大臣官房参事官) 高橋 洋君
政府参考人
(国土交通省大臣官房長) 武藤 浩君
政府参考人
(国土交通省大臣官房危機管理・運輸安全政策審議官) 染矢 隆一君
政府参考人
(国土交通省大臣官房技術審議官) 森 昌文君
政府参考人
(国土交通省大臣官房官庁営繕部長) 鈴木 千輝君
政府参考人
(国土交通省総合政策局長) 西脇 隆俊君
政府参考人
(国土交通省国土政策局長) 花岡 洋文君
政府参考人
(国土交通省土地・建設産業局長) 毛利 信二君
政府参考人
(国土交通省都市局長) 石井喜三郎君
政府参考人
(国土交通省水管理・国土保全局長) 森北 佳昭君
政府参考人
(国土交通省道路局長) 徳山日出男君
政府参考人
(国土交通省住宅局長) 井上 俊之君
政府参考人
(国土交通省鉄道局長) 滝口 敬二君
政府参考人
(国土交通省自動車局長) 田端 浩君
政府参考人
(国土交通省海事局長) 森重 俊也君
政府参考人
(国土交通省港湾局長) 山縣 宣彦君
政府参考人
(国土交通省航空局長) 田村明比古君
政府参考人
(観光庁長官) 久保 成人君
政府参考人
(気象庁長官) 羽鳥 光彦君
政府参考人
(海上保安庁長官) 佐藤 雄二君
参考人
(独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構理事長) 石川 裕己君
国土交通委員会専門員 宮部 光君
予算委員会専門員 石崎 貴俊君
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分科員の異動
二月二十六日
辞任 補欠選任
金子 一義君 菅家 一郎君
山本 有二君 田畑 裕明君
西野 弘一君 伊東 信久君
佐藤 正夫君 大熊 利昭君
同日
辞任 補欠選任
菅家 一郎君 務台 俊介君
田畑 裕明君 藤丸 敏君
伊東 信久君 村岡 敏英君
大熊 利昭君 佐藤 正夫君
同日
辞任 補欠選任
藤丸 敏君 今枝宗一郎君
務台 俊介君 吉川 赳君
村岡 敏英君 鈴木 望君
佐藤 正夫君 杉本かずみ君
同日
辞任 補欠選任
今枝宗一郎君 山本 有二君
吉川 赳君 中川 俊直君
鈴木 望君 百瀬 智之君
杉本かずみ君 中島 克仁君
同日
辞任 補欠選任
中川 俊直君 秋本 真利君
百瀬 智之君 西野 弘一君
中島 克仁君 柏倉 祐司君
同日
辞任 補欠選任
秋本 真利君 金子 一義君
柏倉 祐司君 三谷 英弘君
同日
辞任 補欠選任
三谷 英弘君 山内 康一君
同日
辞任 補欠選任
山内 康一君 三谷 英弘君
同日
辞任 補欠選任
三谷 英弘君 佐藤 正夫君
同日
第一分科員武正公一君、第四分科員玉木雄一郎君、高橋千鶴子君、第五分科員重徳和彦君、大口善徳君、中野洋昌君、第六分科員大島敦君、鷲尾英一郎君、上田勇君、第七分科員柿沢未途君及び小宮山泰子君が本分科兼務となった。
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本日の会議に付した案件
平成二十六年度一般会計予算
平成二十六年度特別会計予算
平成二十六年度政府関係機関予算
(国土交通省所管)
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○石田主査 これより予算委員会第八分科会を開会いたします。
私が本分科会の主査を務めることになりました。よろしくお願い申し上げます。
本分科会は、国土交通省所管について審査を行うことになっております。
平成二十六年度一般会計予算、平成二十六年度特別会計予算及び平成二十六年度政府関係機関予算中国土交通省所管について、政府から説明を聴取いたします。太田国土交通大臣。
○太田国務大臣 国土交通省関係の平成二十六年度予算について、その概要を御説明申し上げます。
まず、一般会計予算の国費総額につきましては、社会資本整備事業特別会計の廃止に伴う経理上の変更分約七千億円を除きまして、五兆一千六百十六億円です。
また、国土交通省の関係事業として復興庁に一括計上した予算を含め、東日本大震災からの復旧復興対策に係る経費として東日本大震災復興特別会計に五千三百八十五億円を計上しております。このほか、自動車安全特別会計及び財政投融資特別会計に所要の予算を計上しております。
北海道、離島及び奄美に係る公共事業予算につきましては、他省関係予算を含めて、国土交通省予算に所要額の一括計上を行っております。
次に、財政投融資計画につきましては、当省関係の独立行政法人等分として二兆九千九百十四億円を予定しております。
それでは、平成二十六年度の国土交通省予算の全体方針につきまして、御説明申し上げます。
まず、東日本大震災からの復興に総力を挙げて取り組みます。また、大規模災害の発生の懸念、インフラの老朽化の進行に伴い、国民の命と暮らしを守る社会資本整備が大きな課題となっております。さらに、アジア諸国の成長が著しい中、激化する世界的な都市間競争に勝ち抜くための国際競争力の強化が必要となっています。
こうした考えのもと、東日本大震災からの復興加速、国民の安全・安心の確保、経済・地域の活性化の三分野に重点化し、各分野の施策の進展を実感していただけるよう効果の早期発現を目指します。
よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
なお、時間の関係もございますので、主査におかれましては、お手元に配付してあります印刷物を会議録に掲載されますようお願い申し上げます。
○石田主査 この際、お諮りいたします。
ただいま太田国土交通大臣から申し出がありましたとおり、国土交通省所管関係予算の概要につきましては、その詳細な説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石田主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○石田主査 以上をもちまして国土交通省所管についての説明は終わりました。
―――――――――――――
○石田主査 この際、分科員各位に申し上げます。
質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。
なお、政府当局におかれましても、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
これより質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。菅家一郎君。
○菅家分科員 おはようございます。自民党の菅家一郎でございます。
質問の機会を与えていただきまして、心から御礼申し上げます。よろしくお願いいたします。
まず初めに、平成二十三年三月十一日は東日本大震災ということなんですが、実は、同じ年の七月なんですけれども、平成二十三年七月二十七日から三十日にかけまして、新潟・福島豪雨災害が発生したわけです。どうも東日本震災で隠れてしまって、実はこれはとんでもない、大変甚大な被害を会津地域はこうむったわけです。それから、福島県の中でも、浜中は原発等の津波なんですが、会津は新潟・福島豪雨災害なんですね。
解析雨量では、福島県の只見町付近で一千ミリメートルを超えたんですね。ですから、七十二時間降水量、一時間降水量においては、新潟県と福島県会津地方の多くの地点では、何と統計開始以来の観測史上一位を更新したというわけであります。
これに伴う災害はもう御承知のとおりで、今時間がありませんから細かいことは申し上げませんが、いわゆるダムも、只見は戦後、電源開発に貢献した地域ですから、田子倉ダムを初め大変なダムがあるわけですが、これもダメージを受けたり、あるいは橋梁もそうですね、道路もそうです。甚大な被害をこうむったわけですが、これにつきましては激甚災害の指定をいただいて、早期復旧に御尽力いただいてまいりましたことを心から御礼申し上げる次第であります。
ただ、問題は、JRの只見線というのが通っていまして、それも同じように鉄橋がダメージを受けていて、直接の鉄橋が三カ所で、また、改修しなくちゃならないのを入れますと四つの橋梁がダメージを受けて、現在は、実は会津川口駅から只見駅間が不通になっているんですね。
これが、いわゆる激甚災害の指定を受けたけれども、地元の方では何とか開通してほしいということで、前向きに、県もそうですし、地元市町村もそうなんですけれども、みんなでJRを復旧させるために復興基金もつくっていこうじゃないかということで、県と全会津十七市町村がお金を出しましょうということで、現在、七対三の割合でありますが、いわゆる総額、整備費が出されたのが約八十五億円なんですけれども、これの四分の一を目指して積み立てをしようじゃないか、こういった取り組みで、福島県JR只見線復旧復興基金、こういったものもつくって予算化していこうじゃないかというような動きがあるわけですね。
こういう激甚災害の指定を受けて、そしてローカル線で、本来であればJRが前向きに、迅速に復旧するべきなんですけれども、残念ながら、いわゆる赤字路線で、甚大な経費もかかるというようなことで二の足を踏んでいるといいますか、これが現実なんですね。見放されるような運命にあると言ったらおかしいですけれども、そういう路線なんですね。
地元は何とかそれを守りたいというような思いで、基金をつくっていこうじゃないか、そして活性化もみんなで考えようじゃないかという協議会も立ち上げて、そういう中でいろいろ意見を出しているんですけれども、問題は、国としても何とか支援してほしいというのが地元からの切実な願いなんですね。
私は、只見線に限らずに、やはり日本全国でも、このような同じような災害に見舞われた、ただ、やはりドル箱の新幹線とか首都圏の鉄道であれば、それは問題なく早急に整備するんですが、ローカル線で赤字路線で、どうもこれは経営的には切り離しとか切り捨てた方がいいんじゃないかというような路線は、その憂き目に遭うような流れなんですね。
私は、本当にこれでいいのかなと思うんですよね。私は、国民の生活を、過疎地域だろうと高齢化の地域だろうと、やはり交通機関なしには生活できませんから、道路も必要だ。ただ、鉄道も、今まで引いてあったものがダメージを受けて、今不通になっている。災害復旧だということで、国も県も、道路だ、橋だ、河川だとやってきたわけですから、何とか鉄道も一体となって支援をしていくことが国民の生活を守ることになるわけで、そういう意味で、このような事例も含めて、大臣として、国交省として、やはり今度は鉄道も、ローカル線の赤字路線であってもしっかり守る、国民の生活を守るためにも支援をしていくべきではないか、このように思うんですが、大臣のお考えをお示ししていただきたいと思います。
○太田国務大臣 大変な要望があるということはよく存じておりますし、また、歴史的な経過ということから考えても、只見というところがいろいろな、電源開発を初めとして日本全体に、首都圏にも大変貢献をいただいているというような歴史的経過もよく承知をしております。
協議会がつくられて今論議をしているということなんですが、JR東日本は、一日当たり大体五十人ぐらいの乗客、利用者であるということで、再開については難色を示しているということは承知していますし、また、黒字の経営のところには助成措置としては適用しないという基本原則があるということも承知をしているところでありますけれども、ここを何とか打開するためには、この協議会が去年から、十一月、十二月、この一月と、三回打ち合わせがされている、そして地元も基金を積み立てるという、今先生から御指摘のあった努力というものを示していただいている。これらも含めて、何ができるかというその検討を、もう少し熟度を増していただくということを、我々としては、その協議会の進展ということに、促進されるように努力をしていきたいというふうに思っています。
非常に大事で、また、観光という点でも、歴史的経過でも極めて重要だという認識はしておりますものですから、協議の調整が促進されるよう、まず努力をすることに努めたいというふうに思っておるところです。
○菅家分科員 今ほど大臣から御答弁がありましたように、いわゆる鉄道軌道整備法、これによると、国は黒字の会社には補助はできないようなルールになっているわけですね。
私は、黒字会社であれば補助しないということは、黒字会社だから当然復旧すべきだということが前提だと思うんですね。ですから、もうかっているんだからやりなさい、だから国は支援しない。問題は、やらないんですね、これが。やらないんですよ。やらないので、どうするかということで、地元でも基金をつくって何とか応援したいという、私は、JR東日本も大事ですけれども、そういう地域の動きですね。県も地元市町村も、みんなで頑張るから、お金も出すので、何とか支援してほしいというその願いがある。
私は、その地域に応えるというんですか、そういう、どこでも災害を受けたようなところに同じように支援をするということではなくて、激甚災害があって指定を受けた地域であったり、あるいはJRがなかなか乗ってこない、費用対効果から考えればかなりの整備費がかかるとか、そして、そういうところでも、地元が基金までつくって、予算化までして何とかしてほしいというような、例えばこういうような限られた条件においては、やはり国の方の、整備法の見直しをして、国から、JRじゃなくてそういう地域に支援する。例えば基金がつくられたならば、では基金には支援しようじゃないかとか、そういうような見直しをしない限り、この問題は解決しないんですね。
これは只見線の問題だけじゃないんですよ。これからどのような災害に見舞われるかわからない。地方の赤字ローカル線が切り捨てられるし、見放される運命にあるんですね、このままだと。申請してやるかやらないかの意思はJRにあるんですけれども、しかし、こういうふうにして頑張ってやってくれという可能性、今のままだとその可能性もない。
協議会の中では、やはり財源の問題、これからの利用促進の問題もたくさんあるんですね。まず、入り口論の一つとしては、やはり今のような改正をして、見直しをして、そういうような限られた条件の中では国から支援できるというような見直しをして、後はやはり地元で活性化策を、これを協議会の中で、沿線の町は、一生懸命頑張って活性化策を考えますよ、予算化もして誘客に努めるからという熱い思いがあるんですね。
そういうことを考えれば、やはりこの鉄道軌道整備法を若干見直しをさせていただいて、補助ができるというような対応をしていただきたいと思いますが、この点についてのお考えをお示しいただきたいと思います。
○太田国務大臣 法律は全国的にわたるものですから、今回、いろいろな形がございます。滋賀県の、雨が降って第三セクターがやっているとか、いろいろなことがあったりしまして、どういうふうにこれを災害から立ち直らせるかという観点で一つの方策を示したり、また、東北の太平洋沿岸の鉄道も寸断をされてきているところも、それぞれの協議体をつくりまして、そこでいろいろな形を模索しているということがございます。
JR東と、そして地元と国と入っての三者での協議体ができ上がって、三回、動きが開始をされておりますので、もう少し粘り強く、私たちも入っているわけですから、そこを促進するという努力をさせていただきたいというふうに思っております。
○菅家分科員 先ほど大臣から、歴史的な経過というお話があったんですね。まさに戦後の日本の発展のためのエネルギー基地と言ったらおかしいですけれども、只見川電源開発ということで、田子倉ダムを中心に水力発電が国策として整備されてきた。これの資材の搬入搬出を含めて、そのインフラ整備が実は只見線であり、それがJR、国鉄の方に移管された歴史があるわけですね。つまり、利用客、通常の乗る人が少ない、多いではなくて、もともとそういう国策にのっとって、歴史が違うんですよ、普通のとは。一緒にするのでは、ちょっと私は違うと思うんですね。国策でやってきた。それが戦後の日本の発展に大変寄与してきたのは間違いがないんです。
それが、例えば赤字路線ということだとすれば、赤字で議論をして、この路線はもうできないというようなことであれば地元も理解できるんですね。激甚災害に見舞われてこれ幸いだと、赤字路線だから、災害で復旧するのにお金がかかるからだめだ。突然、住民は、自分の地域がダメージを受けて、自分の家も流されて、甚大な被害を受けて、国も県も全力で復興しながら、JRは、それは震災でこれだけお金がかかるからできないという、私、ちょっとこれでいいのかなと思うんですね。災害復旧と、もともとその路線の経営的な問題は別個に考えていかないと、災害においては全部同じような受け身になってしまうんですよ。
でも、その大きな課題は何かといったら、それは整備費の補助の問題もあるけれども、これからの利用度、利用するのもあると思うんですけれども、ここは地元もそういう意思があるから復興基金までつくってお金を予算化するんですよ、議会で、この当初予算に。全会津ですよ、全会津の市町村が全て予算化するんです。これが地元の意思ですよ。
これは大臣、ほかもいろいろあるからとおっしゃったけれども、私は、重く受けとめていただいて、やはり何とか国からの財政的な御支援をいただきたいというふうに思っておりますので、いろいろ調査されながらも、ぜひひとつここは御検討をいただきたいというふうに申し上げておきたいと思います。
ほかと違うと言ってはおかしいけれども、その辺の御認識がもしもおありであれば、一言お考えをいただきたいと思います。
○太田国務大臣 歴史的にも、また地域の重要性ということの中でも、観光資源ということにおいても、私は極めて重要な地域であるという認識はしておりますし、災害があったら、その災害から復旧するということは一つ大事なことだというふうに思っています。
別であるということは、それは別の話ではあるんですが、そこから次の段階にどう結ぶかということについて、十分、本当に三者で調整をするということを、さらに進めていくということを申し上げたいというふうに思っているところです。
○菅家分科員 それでは、鉄道軌道整備法の見直しといいますか、その点についてのお考えはいかがでしょうか。
○滝口政府参考人 委員御指摘のように、鉄軌道整備法、これは、厳しい財政状況などを踏まえますと、鉄道事業者が赤字経営であるなど苦しい経営状況にあること、それから、地域の社会生活や経済活動を支えるために、他の交通手段で代替できず、鉄道が復旧する必要があること、そして何よりも、鉄道事業者自身に復旧の意欲があること、こういったことを総合的に勘案し、この補助制度が適用されるかどうかということを判断されるべきだというふうに考えております。
こういったことを考えてみますと、現在の補助制度、すなわち、経営主体が赤字であること、そしてまた国からは四分の一の助成をするということにつきましては、制度の趣旨及びこれまでの経緯から考えますと、維持をすべきものだというふうに考えております。
なお、実は昨年も、JR西日本の営業区域におきまして、三江線という赤字路線、それから山口線という、またこれは津和野の観光路線と結ばれておるんですけれども、これも赤字路線が同じく豪雨で被災を受けました。これも、鉄橋が落ちたり、同じような被災を受けました。
地元と他の事業との連携を図りながら、この鉄軌道整備法の助成制度を受けるのではなく、当然のことながら、JR西日本自体が黒字でございますので、この制度を受けるのではなく、他の事業などの連携を図りながら復旧をするというようなことが、地元とJRとの間で話し合いが進んでおります。
こういった例を参考にしながら、ぜひとも只見線についても、たびたび大臣が申し上げております検討会議で議論を進めるということが必要だろうというふうに考えております。
○菅家分科員 阪神・淡路大震災のときも、東日本大震災のときも、ダメージを受けたJRの鉄道には支援しているんですよ。法律をつくって支援しているでしょう。それから、整備新幹線、これも支援していますよね。それから、新幹線を海外に売り込むにも国は財政支援しているんですよ。一方では、そういう収益が上がり国策のものは、国は支援しているんですね。ところが、人が少なくて赤字路線のローカル線は切り捨てられるんですよ。私は、これでいいのかなと思うんですね、平等にすべきだと。
リニアモーターカーの固定資産税の減免法案を出したでしょう。これは、ある意味では形の違う財政支援だと私は思いますよ。ところが、今の整備法だけをもって、これからも受けるだろう地方のローカル線は財政支援できない、やる気がないからと。
だから、やる気を出すためには、国から財政支援をして、そういう救済するような制度を見直しをすべきであるし、国交省の補助事業で四分の一というのは最低の補助制度ですよ。多いところは三分の二とか二分の一あるわけですね。四分の一、二五%の補助。二五%であれば、半分は国と地元で支援できる制度にあるけれども、重い腰を上げて、赤字路線で、これを切り捨てるような路線に対してJRにやる気を起こさせるためには、やはり補助率を上げる、三分の一とか。そうやって、やる気を出すということが必要だと思いますが、この辺の補助率の見直しについてお考えをお示しいただければと思います。
○滝口政府参考人 委員御指摘の阪神・淡路大震災のときにも、いわゆる赤字要件というものは維持をさせていただいております。
さらに、補助率についてでございますが、まず、一日五十人規模の利用者ではJR東日本としてはなかなか運営するのが難しいということでございますので、JR東日本自体が復旧の意思を示していないということがございます。そういったことを前提にして本件の議論をするということが必要だろうと思っております。
これを、たびたび申し上げております検討会議の場で、それぞれの関係者が抱えております問題意識を示しながら問題点を整理し、何とか解決策がないかということについて議論を進めてまいりたいというふうに考えております。
○菅家分科員 ここに、鉄道軌道整備法施行規則第十五条の三で、東日本大震災、阪神・淡路大震災のときも、確かに、赤字、黒字要件は外してはいないんです。していませんが、これをもって支援しているわけですよ。このように見直ししているんですよ、大臣。だから私は、同じような、もしも黒字要件を外さなかったならば、そのまま新たな見直しをしてやったらいいでしょうという提案をしているんですよ。
大臣、なぜ、地方のそういう、みんなでお金まで出して、何とかしてくれというその地域の声に、国民の声ですよ、これ。JR東日本の声じゃないんですよ。福島県の、会津全域十七市町村の声なんです。その下には住民がいるんですよ、二十万人の。その思いに応えてほしい。これは、只見線という一つのモデルかもしれませんが、今後、福島県だけではなくて、日本じゅうの管轄されるところの、同じような激甚災害の指定を受けて、同じような憂き目に遭うようなところの私は救いになってくると思うんですよ。
ですから、こういう災害に見舞われたところの地方の赤字ローカル線を救うために、大臣、何とか、まさに国民を救う、これからの弱い立場の国民の生活を守るためにも、これは政治的な判断、ぜひこの太田大臣の大臣の期間中に、救えるような対策を私は熱望申し上げますが、一言、御意見をいただきたいと思います。
○太田国務大臣 今御指摘のところはよくわかります。そしてまた、地元から資金も出すというような、その努力というものもよくわかります。そこも含めて、よくお気持ちを受けて、三者での協議ということの調整の促進ということに努めたいというふうに思います。
○菅家分科員 これについては、議員立法も踏まえながら、できる限り実現に向けて努力してまいりますので、その点については御協力を賜りますようお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○石田主査 これにて菅家一郎君の質疑は終了いたしました。
次に、佐藤正夫君。
○佐藤(正)分科員 おはようございます。みんなの党の佐藤正夫です。
早速質問に入らせていただきたいと思います。
太田大臣、昨年からエレベーターのことでいろいろ御尽力を賜りまして、ありがとうございました。
当時は、佐藤はエレベーター男だというぐらいに、予算委員会も初め、ずっとエレベーターの問題を取り扱ってまいりました。質疑を深める中で、太田大臣の方も、これはやはり早急にやるべきだという御判断をいただいて素早い対応をしていただいたことに、本当に感謝を申し上げたいと思います。
そこで、まずお尋ねをさせていただきたいのは、大臣の命を受けて、国交省の中で、エレベーターの改善策がとられたと思います。それについて御説明を願いたいと思います。
○鈴木政府参考人 お答えいたします。
まず、公共建築のエレベーター工事の発注につきましては、委員からさまざまな御指摘をいただいたことを受けまして、国交省で改善策の検討を行い、昨年十月一日に対応策をまとめて公表し、鋭意取り組んでいるところでございます。
このうち、エレベーター工事の価格等の情報につきまして、国、地方公共団体及び国立大学法人等の公共発注機関の協力を得てデータの収集を行い、現在、エレベーター価格等情報データベースの構築を行っております。年度末までには、データの提供に御協力いただきました公共発注機関に提供できる見込みでございます。
あわせまして、データベースの活用方法ですとか、あと分析方法等につきましても情報提供することにしておりまして、これによりエレベーターの仕様ごとに適切な予定価格の設定が図られるものと考えております。
今後とも、データベースにつきましては、公共発注機関と協力をして、充実改善に努めてまいります。
○佐藤(正)分科員 どうもありがとうございました。
大変な業務量だったと思います。当初は、本当にレクの段階でもかんかんがくがく議論をさせていただきまして、強い言葉も言ったことはお許し願いたいと思います。
ただ、私が言いたいのは、ただ安ければいいという話をしているつもりは全くありません。いわゆる適正価格で、しっかり競争原理が働いた中で受注をしていただきたい。この一心で、いろいろなデータをとりながら、全国もこの目で見てまいりまして、大学も見ましたし、法務省も見ましたし、いろいろなところに行かせていただきました。その積み重ねをもって質疑をさせていただいたわけでありますが、しかし、やはりまだまだ十分とは言えないところもあるんだろうと思います。
それから、私は福岡出身ですけれども、福岡県においてもいち早くそういう問題意識を持って取り組んできたわけです。なぜかというと、もともと見積価格が、正確ではありませんが、四億円を超えるエレベーターが、実は入札したら一億円で終わったとか、こんなことがあったんです。考えられない。ということは、本来の見積価格というのは一体何だろうかということがあったんですね。
さらには、その議論の中でもいろいろ指摘をさせていただきましたけれども、全てが高どまりをしている。九七%、八%、また一〇〇%で高どまりをしている。その中身を見てみますと、一者応札、一者入札とかの現状だったんです。これは、そこで談合が発生したかどうかは私は計り知れませんけれども、今も談合問題、いろいろ取り扱われています。疑われることがいまだに後を絶ちません。ぜひ、このデータを活用していただいて、全国の自治体に発信をしていただけたらと思います。
国だけの問題ではなく、全国の自治体が困っていたのは、例えば、エレベーターの見積もりをお願いしても一者しか来ないとか、入札をお願いしても一者しか来ないとかいうことで、非常に困っていたんです。さらに言うなら、大学を回らせていただいたときに、大学の施設課の方々が、九州の方はもう皆さん同じ思いでした。
そこで一つ考えたのが、例えば、これは全ていいとは思いませんが、分離発注ではなくて一括発注の中にエレベーターを入れ込んだらどういう結果が出たかというと、それだけで実はエレベーター価格が二割から三割落ちた。これは一体何を意味するのかということなんです。
これは一つは、例えばゼネコンさんが一括発注で受けると、ゼネコンさんの中で競争原理が働いて、さらには、エレベーターメーカーは各メーカーとおつき合いをしています。一物件だけではないんです。そうすると、当然、競争原理がエレベーターの中にも働くという結果が出て、最終的には二割から三割、これは佐賀大学だったと思いますけれども、そういう結果が生まれたということなんです。
ということは、予算を組むときに何が本当の適正価格かというのがわからないということで、太田大臣に何度も何度も質問させていただきまして、ぜひデータベース化をしていただきたい、こういうお願いでした。
何度も申し上げますが、こんなに早く取り組んでいただけるとは実は思っていませんでした。一年以上はかかるだろう、一年間はずっとエレベーターの質問をし続けようかなと思っていましたが、大臣がいち早く、本当に指示をしていただきました。
ただし、これからこのデータ化を生かすのが問題です。そのために、年度末までにデータベース化をされるということでありますが、その後の活用方法についてどのような計画を持っているのか、教えてください。
○鈴木政府参考人 データベースを皆さんに提供するだけではなくて、このデータベースの活用方法ですとか、それから分析方法、これも我々の方でつくりまして、これもあわせて情報提供をすることにしております。こういうことをすることで、エレベーターの仕様ごとに適切な予定価格の設定が図られるものと考えております。
○佐藤(正)分科員 実は、これはエレベーターだけの問題じゃないんですね。
これだけ各省庁、そして地方自治体も含めて、総合的に横串を刺して、こういうデータベース化を含めてやったのは、これまであるんですか。やったことありますか。
○鈴木政府参考人 これまでに一度ちょっと調べたことがあるんですけれども、これほど大規模にやったというのは今回が初めてでございます。
○佐藤(正)分科員 太田大臣、そこで答弁願いたいんですが、これまでにやっていなかったことを、大臣がやはり指示をしたことによってこれだけ動いたということに関して、大臣から一言。
○太田国務大臣 佐藤先生から指摘を受けまして、確かに一者応札の問題、そして価格の設定、そして落札率がもう本当に九九%、一〇〇%、一〇〇という数字が出てきているという現実、いろいろなことから、これは確かに先生おっしゃるとおり、調べて、適正な価格、そしてまた、同じようなエレベーターもあるのに価格がばらばらである。いろいろなそうしたこともありましたものですから、さまざまな手を打たせていただくということを、御質問いただいたことを受けまして、やらせていただいたところです。私の方が感謝を申し上げたいというふうに思います。
委員からの御指摘を踏まえまして、エレベーター価格等のデータベースの構築を進めて、年度内の提供ということを目指しておりまして、年度内ですから、もう三月、間もなくそれを提供し、今営繕部長から話のありましたように、その有効な活用というものを行って、競争性や透明性をしっかり努める。そしてまた、これは税金でやるわけですから、そこが決して無駄にならないようにということについて努めたいと思います。
エレベーターのみならず、そうしたことについてはよく監視をしていきたいというふうに思っています。
○佐藤(正)分科員 大臣、ありがとうございます。
まさにエレベーターだけではないと思います。ただし、今は、基本的に、建設工事をするに当たって、材料も人件費も全て上がっています。そういう中での適正価格というのは、非常に日々変わるんだろうと思います。それは時々の問題だろうと思います。
それも踏まえながら、先ほど何度も申し上げましたが、安ければいいということを私は決して言っているわけではありませんので、確実な適正価格で仕事をしていただける、これはエレベーターのみならず、他の部分でもお願いをしたいと思いますし、予算委員会も含めて太田大臣の方にいろいろな御質問が出るのは、いわゆる公共工事がある意味では潤沢に出ている、しかし受けたくても受けられないというのが九州でもいっぱいあります。
九州の私の地元でも、小さな町でも入札の不調。ある私の県議の先輩、町長をやられていますけれども、町長がこの間訪ねてきて、うちの町でも入札が不調になっているということです。
ですから、そういうところも踏まえながら、適正価格をしっかり提示していただいて公共工事の発注に努めていただきたい、このことを申し上げまして、エレベーターの問題について、また入札の問題については終わらせていただきますが、今後もぜひ前向きに取り組んでいただければと思います。
重ね重ねこの早い取り組みに関しては感謝を申し上げて、この質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございます。
次に、独立行政法人等についてお尋ねをさせていただきたいんですが、今ちょっといろいろ談合の疑惑がある独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
これまで、国交省の関係筋で、談合で事件になったことが何度もありますよね。何度かある。国立図書館だとか調査課からいろいろな資料をいただきますと、談合に関するこういう資料がいっぱいあるんですね。
その中で、なぜこの談合が、官製談合がなかなか後を絶たないのか。その調査の、この国立図書館のレポートでいきますと、やはりどうしても天下りが絡んでくるんです。そして、例えば国交省のOBの方が天下って談合の指揮をとったという事例も実はあるんですね。なぜそうなるのか。ということは、そこの利益団体に天下っていくものですから、仕事を受ける方に天下っていくものですから、そこでどうしても官製談合が起きるというシステムなんですよ。
だから、国会でも地方でもそうですけれども、この天下り問題が国民的議論になりました。なって、国会の中では、我々、みんなの党ですから、天下りは根絶だと言い続けてきている政党でありますけれども、その中でいろいろな策をとってきましたよね。国家公務員法も変えられた、天下りも、今はあっせんはだめだとか、公募はいいだとか、公募で募集されたところに行くのはいいだとか、いろいろなことをされてきました。しかし、談合の事件がなかなか終わらない。
今回の整備機構もいろいろな疑惑があって、まだ捜査中ですからお答えにくいところはあろうと思いますけれども、新聞報道によれば、そこの機構のOBがいわゆる民間企業に行っている、そこで公取から一度注意を受けた、しかし、機構の方で調べたら、そういうことはありませんというお答えを出したけれども、実はもう捜査が入った、しかも、公取だけではなくて、検察庁の方からも調査が入ったということなんです。
この仕組みを何とか改善させなければならないと思いますし、さらに言うなら、公務員の方は逆にかわいそうだなと思います。その一つで全部の信頼をなくしてしまうし、昔よく地方でもあったのは、予定価格の漏えいとかありましたね。漏えいしたばかりに、その方は一生をだめにする。
大体、僕の今までの経験で見ますと、そうやってされる方は、結構人のいい人が多いんです、本当に。つい魔が差したというか。しかし、それは決して自分が利益を得ようとは思っていなかったんですよ。一回やると、それがたび重なって、今度は断れなくなるということで、家族まで含めて人生をだめにする。だから、いろいろな問題が起きて、地方では、入札価格を全てオープンにしましょうと。もう最初から価格設定を全部オープンにする。最低落札価格もオープンにする。
これにもいろいろな弊害がありますよ。ありますが、私も県議時代にこの問題に取り組んできたときに、やはりオープンにしちゃおう、オープンにして、やはり公務員の方も、そういうところに力を与えないでしっかり仕事をしてもらった方がいいということも、そしてまた、変な話、いろいろな圧力がかかってきたりするものですから、そういうところから取っ払ってあげた方が公務員の方は能力を発揮できるだろうということで、最低価格の公表なんかはなったんですけれども。
ただ、そこで、今回、機構さん、例えば先ほど、談合が起きて、公取から改善命令が出るんですよ。そうすると、改善命令が出ると、大体決まっているのは、退職して五年間はその関係には再就職しないですよ、しませんというようなことを公取の方に、大体どこも同じ報告書を出しています。国交省もそうだと思いますけれども。
そこで、例えば独立行政法人はそういう取り決めというのはあるのかないのか、機構の理事長にお尋ねをしたいと思います。
○石川参考人 お答えさせていただきます。
現在では、機構のような独立行政法人の役職員の営利企業への再就職というものを制限する規定はございません。
ただ、先生御案内のとおり、昨年十二月に閣議決定された独立行政法人改革等に関する基本的な方針という中で、役職員が非公務員である法人の役職員に対して、再就職あっせん等に関する規制を導入するということがこの閣議決定に盛り込まれております。
○佐藤(正)分科員 理事長、実は、こういうことは閣議決定される前にみずからやらなきゃいけないんですよ、みずから。
例えば、今回がそうやって事件になるかどうかわかりませんよ。わかりませんが、そういう営利企業を含めて入札をやっている独立行政法人だったら、いち早くそういうものは取り込んで、相手から指摘を受ける前にみずからが変わっていかなきゃいけないと思うんですよ。だから、今理事長が言われたように、閣議決定されるとかじゃなくて、こういうことがあるんだったら、うちはもう最初からやっていますよと胸を張って言う方がいいんじゃないですか。
それを踏まえて、理事長は今後どうされるんですか。機構はどうされるんですか。間違いなくそれをやっていくということですか。
○石川参考人 私ども独立行政法人は、当然、政府の御方針に従ってやってまいるわけでありますから、このような閣議決定がなされれば、当然そのような形で進めてまいりたいと考えております。
○佐藤(正)分科員 ぜひやってもらいたいと思いますが、私から言わせれば遅過ぎると思います。
そこで、太田大臣にお尋ねをしたいんですが、これまでの経緯を見ますと、私はやはり、いち早く所管の独立行政法人にはすぐやれと。先ほど、エレベーターの、太田大臣のリーダー、大臣としての指揮命令系統はすばらしいと思います。ぜひ大臣、きちっとやるように、すぐさまやれということを言われたらどうでしょうか。
○太田国務大臣 この場で直ちにというわけにはいきませんが、閣議決定をされておりますので、指導はまずしたいというふうに思います。
○佐藤(正)分科員 ぜひやっていただきたいと思います。
なぜそう言うかというと、この運輸機構も、いわゆる委託先に、例えばレールウェイサービス株式会社とか株式会社レールウェイエンジニアリング、フリーゲージトレイン技術研究組合とか、こういうところに全部運輸機構から再就職をしています。ここは委託先です。要するに、まさにそのまま流れているんですよ。これは今までずっとそうなんでしょう。こういうところもしっかりメスを入れていただきたいと思いますので、理事長、ここは指摘をしておきますので、前向きに考えてください。
それからあと、例えば国交省から鉄道・運輸機構に再就職すると、もしくは僕らは天下りと言っていますけれども、定義が違うんでしょうけれども、退職金がまず国からいただける。そして、この運輸機構に行くと、運輸機構でもまた退職金をもらうんですよ。これが当たり前なんですか。理事長、どうですか。
○石川参考人 私どもの役員、職員は、一定期間勤務をすれば、その期間に応じて、一定の率に応じて退職金を支払うということになってございます。
○佐藤(正)分科員 もう変えたらどうでしょうかね、そういうの。
一時期、天下りもそうですし、わたり、羽が生えていって、行くところ行くところ何回も何回も退職金をもらってくる、これが大きな問題になりました。国民、納税者から見たら、あり得ない話なんです。全て税金から何回も退職金をもらっていく、最後は、はたと計算してみたら、退職金だけでもう一億円を超えている人もいる、これが大問題になったんですよ、実は。いや、理事長はなっていないですよ、ある方はということでね。理事長はもう少しでしょうけれども。
それにしても、私が問題提起を差し上げているのは、やはり退職金を二度もらうのはおかしい。これは何でここまで言うかというと、実は、私も県議会議員を十五年ほどやっていましたが、県議会議員、通ったのが平成七年です。その当時、県の外郭団体に天下るたびに退職金を二度、三度もらっていました。この問題を、平成七年から、エレベーター男というよりも退職金男と言われるぐらいに、五年間、県議会でずっと質問をさせていただきました。
結果的には、五年かかったんですけれども、福岡県は、県の出資団体に再就職をした場合は、退職金はいただけません。もらえません。そして、当初はいろいろなことを言われました。いや、国ではもらっているとか、ここは県だから、県は県だという話で。最終的にもらえない。もらえないんですよ。
そのことによって、一つの事例を挙げますと、ここは国交省ですから、福岡でも福岡北九州都市高速道路公社というのがある。そこは、全部、福岡県も北九州市も福岡市も出資をしている。そこで福岡県の方が再就職して、福岡県出身者だけが退職金をもらわないのはおかしいという議論もありました。逆ですよね。もらう方がおかしいということになりまして、福岡市、北九州市は、一年後に、同じく退職金はいただけない。
これはどうしてできたかというと、県の方からその出資団体に通知文を出しました。通知文を出して、支給は見直すように考えてくれという指示です。その通知文を踏まえて、福岡県が出し、北九州市が出し、その後福岡市が出して、今や再就職をされても退職金は出ません。
私は、普通に考えたらこれが当たり前だろうと思います。今回、この問題を取り扱うに当たっていろいろ調べてみたら、えっ、国はまだいただいているんだと僕は逆にびっくりしました。地方でできて、なぜ国ができないのかという問題提起なんです。
そして、今、退職金は一億ない、下げられましたが、基本的に、独法の退職金の規程も、あるとき見直しになりましたよね。これはどうして見直しになったんですか、理事長。御存じですか。
○石川参考人 私どもの機構の退職金につきましては、基本的に、政府、国の退職金の算定の考え方というものに準拠してございます。
したがいまして、平成十四年の閣議決定で、俸給月額の百分の三十六というのが百分の二十八に引き下げられ、さらに平成十五年十二月に百分の二十八が百分の十二・五という形で引き下げられているということでございまして、基本的に国の制度に準拠してございます。
○佐藤(正)分科員 国の制度に準じているんだったら、なぜ、機構から再就職をする、そこは国と準じていないんですか、そんなところだけは。おかしいじゃないですか。
いいですか、国は、再就職するときには二年間はしっかり監視をされるはずですよね。そういう公務員法に変わっているんです。そういうことは準じなくて、そんなものは準じなくてもいいんですよ、別段、退職金なんかゼロにすればいいんだから。
そこは、もう時間がありませんからまた別の機会で議論をさせていただきたいと思いますし、これは国土交通省所管の独立行政法人だけではないんです。全てにかかわる大きな問題だと思いますので、これからはこの問題をずっと提起させていただきたいと思います。また、予算委員会等でもこの問題は取り上げさせていただきたいと思います。
最後になりますけれども、理事長、今、いろいろな意味で、この談合疑惑で世間に大変御迷惑をかけているというか、社内も大変だと思いますね。それについて、理事長の思いがあったらお答え願いたいと思います。
○石川参考人 私ども鉄道・運輸機構は、北陸新幹線の消融雪装置の設備工事に関しまして、現在、公正取引委員会と東京地方検察庁により強制捜索、調査を受けております。
私どもは、公正取引委員会及び東京地方検察庁に対しての調査、捜査に全面的に協力してまいりますけれども、今先生お話がありましたように、本件につきまして、世間に対して大変お騒がせいたしました。さらに、新幹線を待望しておられる沿線地域の皆様方を初め関係者の方々に多大な御心配と御迷惑をおかけしたということでございまして、深くおわびを申し上げたいと思っております。
○佐藤(正)分科員 大臣にも本当は一言この問題について御意見をいただきたかったんですけれども、もう質問時間が来ましたので、これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○石田主査 これにて佐藤正夫君の質疑は終了いたしました。
次に、務台俊介君。
○務台分科員 自由民主党の務台俊介でございます。
一年ぶりの予算委員会の分科会ということで、張り切っております。私は、自民党の中で災害対策特別委員会の事務局の次長という役割を仰せつかっておりまして、今回の豪雪被害に当たっても、自民党の中の議論を踏まえて、図らずも今回の事案によってあぶり出されたさまざまな問題について、特に国土交通省関係を中心に御質問をさせていただきたいと思います。
今回の記録的な豪雪により、各地で観測史上最多積雪を記録し、新幹線はもとより、JR、私鉄、高速道路、国道、地方道等が数日間にわたって全面的に閉鎖、麻痺し、人命も失われ、国民生活に甚大な影響が発生しました。予想をはるかに超える短時間の多量の降雪により、閉鎖された高速道路から締め出された車は下道に殺到し、雪の中で立ち往生した大型車により道路機能は麻痺し、多くの人が車中泊を余儀なくされる事態となりました。
実は私も、金曜日の晩に「あずさ」がとまったものですから、新幹線で長野に行って、それから車で松本に向かったんですが、十九号の中で立ち往生しまして、朝までいた。結局、東京から松本に着くのに十八時間かかった、そういう事態に見舞われました。
道路管理者の除雪機能も絶対的に不足し、高速道路、国道、県道、市町村道をまたがるトラフィックマネジメントともいうべきシステムがない中で、私も含めてドライバーの不満が募ったということではなかったかと思います。
特に、今回の豪雪は、豪雪地域に指定されていない市町村を中心とした記録ずくめの異常豪雪であったということで、除排雪の機材、オペレーターの圧倒的不足、集落の孤立、食料品、燃料等生活必需物資の品切れ、小中学校等の休校など、住民生活への影響が深刻化、長期化したということではなかったかと思います。
農業用生産施設にも多大な被害が発生し、その被害回復が急務でありますが、春の作付の時期を前に、農業を中心に今後の影響が心配されることに加えまして、観光、製造業などの経済活動にもさまざまな影響が懸念されるところでございます。
いわば、ふだん大雪になれていない広範囲の地域の意表をつくともいうべき今回の豪雪被害の際の教訓を踏まえて、幾つかの点について政府のお考えをお聞きしたいと思います。
まず、喫緊の対応ということでございますが、今回の災害の際に、人工透析患者、人工呼吸器を使用している方への安否確認などのきめ細かい対応がどのように行われたのか、厚生労働省に伺いたいと思います。
〔主査退席、秋元主査代理着席〕
○三浦政府参考人 御指摘のとおり、災害時には、配慮が必要な方に対して、その特性を踏まえて適切に対応するということが重要であると認識しております。
特に、在宅での医療の確保が必要な方としまして、人工透析患者さん、また在宅で酸素療法を受けている方々、このような方々に対しましては、医療提供に空白が生じないよう、各都県によって速やかに対応することとしておりますし、また、対応いたしました。国も、積極的に情報収集をするように依頼いたしまして、また医療機器メーカーや関係団体に対しましても協力を依頼し、状況把握に努めてまいりました。
同時に、医療機関につきましても、各都県が積極的に情報収集に努めるとともに、国としても、広域災害救急医療情報システムや日本透析医会災害時情報ネットワークを活用いたしまして被災地に所在する医療機関等の情報を把握し、例えば、緊急対応が必要になった場合に備えまして、隣県への受け入れ体制を準備しておりました。
障害者や要介護高齢者の状況につきましても、各都県を通じて施設の被災状況を把握しております。これまでのところ、いずれの施設につきましても、建物に大きな被害はなく、また、転倒によって負傷された方はおられますものの、適切な対応をしたということを確認しております。
地域における高齢者、障害者につきましても、例えばケアマネジャーなどによる戸別訪問などによりまして安否確認などを行っている自治体もあると承知しております。
厚生労働省といたしましては、地方自治体や関係府省と連携して、配慮すべき方々への対応が適切に行われるように、引き続き努力してまいりたいと考えております。
○務台分科員 障害者、高齢者など、災害の際に配慮すべき方はたくさんおられるというふうに思います。
今回は、特に問題になった事例はなかったわけでございますが、一方で、昨年の通常国会で災対法の改正が行われ、その中で、市町村長は避難行動要支援者名簿を作成しなければならないというふうになっております。
この部分の改正はことしの四月一日の施行と聞いておりますが、もう準備が進んでいると考えていいのか。特に、安否確認、避難の適切な実行を行うためにはデータ整備が不可欠でありますが、現在のところの準備はどうなっているのか。特に、電子化それからデータのバックアップ機能というのも重要だと思うんですが、そこら辺の対応について、内閣府の考え方を聞きたいと思います。
○日原政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、災害時におきましては、高齢者、障害者等の円滑な避難を進めるために、まず、名簿を作成し、これをもとに、あらかじめ対策を講じておくということが重要でございます。
そのために、昨年六月に法改正を講じたところでございますけれども、この四月からの施行に向けまして、昨年の八月に避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針というマニュアルのようなものを作成いたしまして、どのように名簿を作成するのかという作成の方法、あるいは名簿の更新及び情報の共有のあり方、名簿の情報提供の方法、それから、先ほどの情報提供は事前の提供でございますが、発災時におきます名簿の活用方法等につきましてのガイドラインをお示しし、また、あわせて、全国九カ所で開催したブロック会議におきまして、その周知徹底というものを図ってきたというところでございます。
四月からの施行に向けまして、要支援者名簿の作成が円滑に進みますように、引き続き、消防庁とも一緒になりまして、作成を働きかけてまいりたいと思っています。
また、委員御指摘のデータベース化あるいはデータの多重化ということにつきましても、あわせて努めてまいりたいというふうに思います。
○務台分科員 災害はあす起こるかもしれないものですから、ぜひこういう基盤的なデータ整備を早急に進めていただきたいと思います。せっかく法律ができたのに、準備が間に合わなくて、後の祭りになったということがないようにお願いします。
次に、今回の最も大きな被害は、農林水産物、農業用施設被害だというふうに思います。これについての救済制度の現状がどうなっているか、確認したいと思います。今回の災害を受けて、農水省で新たな対応を行う決定が行われましたが、そのさわりを簡潔にお答えいただきたいと思います。
そして、今回の災害は広範囲に広がりを見せておりますが、追加的な対応をどしどしとやるべきではないかというふうに思っております。そこら辺の対応について伺いたいと思います。
○高橋政府参考人 今回打ち出しました対策の概要でございますけれども、五点ございます。
まず、災害関連資金の貸し付けを五年間無利子化。それから、農業用ハウスなどの再建、修繕への助成、これに加えまして、再建の前提となる倒壊したハウス等の撤去に要する経費の助成、これは補助率十分の三としております。それから、共同利用施設への助成として、強い農業づくり交付金を別枠で優先的に活用する。それから、被害果樹の植えかえなどの費用、あるいは、これにより生ずる未収益期間に要する経費の助成。そして、五つ目ですが、被害を受けた農業法人の従業員を他の法人に研修目的で派遣する場合に必要な経費を助成いたします。
そして、今後の対応ですが、さらに詳細な被害状況を把握しまして、現場のニーズを伺った上で、追加対策を検討することとしております。
○務台分科員 ありがとうございます。
私の地元も、今回の大雪で特に果樹園を中心に大分やられていまして、新たな設備投資をするぐらいならやめてしまった方がいいという人もちらほら出かねない状況にありますので、ぜひ、農家の方を励ますような、温かい支援のスキームを積極的に出していっていただきたいと思います。
次に、大学の受験生それから国家資格の受験生の中には、今回の大雪のためにたどり着けなかった人もいます。あるいは、たどり着けても、徹夜で移動した結果、疲労こんぱいのままで受験せざるを得なかった人もいるというふうに聞いています。この方々への救済制度、文科省、厚労省、簡潔にお答えいただきたいと思います。
○中岡政府参考人 大雪の影響によりまして、一部地域の受験生が大学の入学試験を受験できなかったことから、十七日付で全大学に再試験実施などの配慮要請を文書により行うとともに、十五日以降試験を実施した大学には、電話によって配慮要請等も個別に行ってまいったところでございます。
関東甲信越地方の大学で、十五日から十八日に試験を実施いたしました中で、対応の検討を必要とする受験生がいたと把握しておりました二十六大学のうち、一部学部での実施も含めまして、再試験または試験日程の振りかえを行う大学は二十三大学となってございます。
なお、再試験または試験日程の振りかえを行わない大学としては、公平性の観点、既に規定の定員に達していること、再試験を実施しない場合の影響等の事情を十分に考慮したと聞いております。
文部科学省といたしましては、各大学において受験生の事情に配慮した適切な対応が行われるよう、引き続き状況の確認及び要請をしてまいりたいと考えております。
○原政府参考人 看護師の国家試験についてお答えを申し上げます。
二月十六日に、第百三回看護師国家試験が行われたところでございます。
厚生労働省としましては、看護職員の確保の一つとして、この国家試験の合格者数をしっかり確保することは重要と認識しているところでございます。このため、当日、宮城、東京、愛知におきます受験会場において、最大二時間、開始時間を繰り下げたところでございます。
ただ、それでも試験会場に到着できなかった方がおられますので、この方々につきましては、来る三月十九日に追加の試験を実施することとしております。
また、国家試験については、受験者が万全の状態で受験していただきたいわけでございますが、今回の大雪のために、必ずしも万全な状態でなかった受験者もいるということは認識をしております。
ただ、この方々について、受験されたわけですけれども万全でなかったという方をこの追加試験の対象者にするかどうかにつきましては、例えば、風邪等による体調不良の方や、あるいは長時間かけて苦労しながら会場に到着した受験者などもございますので、追加試験を受験する人の基準を公平に設定できるのかどうか、非常に困難な課題もあると考えております。
ただ、議員からも御意見をいただいておりますので、対応の必要性や、実際に可能かどうかを含めて、早急に省内において相談をしていきたいと考えております。
○務台分科員 受験生にとっては、本人にとっては一生の問題でございますので、ぜひ温かい配慮をお願いしたいと思います。
次に、今回、先ほども申し上げましたが、高速道路から下道におりた車が、立ち往生により、道路閉塞の原因となったのではないかというふうに思われます。そして、立ち往生が発生している道路に、後から後から、事情がわからない車が次々と進入してくるという実態がありました。私もその一人でした。
今回、素人目に思ったのが、いたずらに高速道路を閉鎖するのではなくて、高速道路、国道、地方道の交通事情を全体に見通して、どういうふうにするのが最も交通が安全に保たれるかということを判断する、そういう機能が必要ではないかというふうに感じられました。非常時にドライバーに適切に情報提供するシステムを構築することが求められるのではないかと思っておりますが、国土交通省に御見解を伺いたいと思います。
○徳山政府参考人 お答え申し上げます。
非常時の高速道路や一般の道路の情報共有、提供につきましては、例えば、高速道路をとめる際、関係機関にファクス等で連絡を行うとか、立ち往生の状況についても頻繁に連絡を行う、あるいは、日本道路交通情報センターにおきまして情報を一元的に集約してラジオやホームページ等で提供する、こういうことをやっております。
ただ、先生御指摘のとおり、今回は、このあたりについては大変大きな反省点があると思っております。
こういう記録的な雪のために、みずから通行規制を実施する前に、スタック車両によって事実上通行どめの状況が発生してしまったこと、そして今度は、それに対する安否の確認、あるいは、人命救助という観点から、食料配布などの対応に追われたようなこともございまして、関係者間の情報共有や利用者への情報提供は不十分であったと認識をしております。
先生おっしゃるとおり、一元的に、道路ネットワークとしてどのように管理をしていくのがふさわしいのか、あるいは、こういう雪の少ない地域、ノーマルタイヤでおいでになるような方もいらっしゃる、そういう方々への事前や途中の提供、こういったものはどういう改善点があるのか。今回の大雪における対応の経緯等をよく整理、分析いたしまして、検討そして改善をしてまいりたいと考えております。
○務台分科員 ぜひ英知を結集して対応をお願いしたいと思います。
今回、ちょっと配付資料を示しておりますが、乗り捨てられた車による渋滞という事態が発生しております。緊急車両の通行が妨げられたことを踏まえて、災害時、道路上の車の撤去を可能とする仕組みの検討も行われるべきではないかというふうに言おうと思ったんですが、実は、根拠法はもう既にあるんです。災対基本法六十四条、それから道路法六十七条の二、ここに権限は既にあるんですよね、随分前から。
なぜこれが発動されていないのか。何か、手続法ができていないからとかいう話を聞いているんですが、既に権限があるのに運用を怠っていたといううらみがあるのではないかと思いまして、ぜひこの点についての御見解を伺いたいと思います。
○日原政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、除排雪のための放置車両の強制的な撤去に関します道路法の規定、市町村あるいは警察によります災害対策基本法に基づく規定等がございます。
まず、今般の大雪に際しまして、この規定が不十分であったのか、あるいはどういうふうに使われたのかということにつきましては、除排雪の必要になった事例につきまして、具体的にどういう点が必要であり、どういう対応策が講じられる可能性があったのかということなどにつきまして、詳細につきまして、関係省庁と連携の上、分析、検証した上で、その法的な有効性なりなんなりを判断してまいりたいというふうに思っております。
また、特に、首都直下地震等の大規模地震を念頭に置いた場合におきましても、首都直下地震発生時に放置車両が具体的にどのような発生をし、それを排除するためにどのような方策がとり得るのかということにつきまして、その主体でありますとか体制等も踏まえました実効性も含めて、種々論点を検討し、現行法の限界というものも検討してまいりたいと思っております。
いずれにいたしましても、災害時の放置車両の強制的な排除というのは大変大きな課題でございますので、国土交通省、警察庁など関係省庁と連携をいたしまして、法改正も視野に入れて、速やかに検討してまいりたいというふうに思っております。
○務台分科員 ぜひ早急にお願いします。
次に、今回の豪雪では、コミュニティーFM、ケーブルテレビ、ツイッター、フェイスブック、SNSなどの機能が必ずしも十分に活用されたとは言えなかったと思います。私の地元でも、コミュニティーFM、最近できたばかりのものがあるんですが、ほとんど情報が共有されなかったということがございます。せっかくできたツールが非常時に生かされないというのは非常にもったいないと思います。
消防庁では、地方自治体が今回の災害情報をどのように住民に提供したか、調査をかけたとは伺っておりますが、簡単に御紹介いただければと思います。
○室田政府参考人 今回の大雪に係ります情報提供の手段等につきまして、山梨県の全市町村、群馬県、埼玉県、東京都の孤立集落が発生した市町村、合計四十七市町村に調査を行ったところでございますけれども、四十一団体で防災行政無線を、また二十四団体で登録制メールを活用いたしまして、大雪に係る注意喚起等が行われたところでございます。このほかにも、二十八団体において、ホームページにより情報提供が行われました。
一方で、委員御指摘のコミュニティーFM、ケーブルテレビにつきましては、整備されているのがもともと合わせて十七団体と少なく、実際に活用された団体もそのうちの七団体にとどまっております。また、フェイスブックなどのSNSを活用した団体は六団体にとどまっているなど、利用し得る手段の全てを活用していない市町村も見受けられたところでございます。
さらに、情報提供を行った団体の中でも、被害が既に発生していた十七日になって初めて二次災害防止の注意喚起等を行った町も見受けられるところでございます。
このような状況を踏まえまして、今後、さらに実態を把握した上で、迅速かつ確実に全ての住民への情報提供がなされるよう、あらゆる場を通じましてしっかりと指導助言を行ってまいりたいと考えております。
○務台分科員 ぜひ情報基盤の積極的な活用を促すようにお願いします。
ところで、総務省で、避難情報等の情報を多様なメディアに一斉配信する公共情報コモンズという制度が平成二十三年より運用を開始しているというふうに聞いています。もしこれが今回しっかり機能したら、相当程度役に立ったというふうに思います。この点について、運用の実態がどうなのか、伺いたいと思います。
○上川副大臣 務台委員御指摘でございますけれども、おっしゃるとおり、避難指示等の重要な災害情報が確実に住民に伝わること、これが被害を最小限にとどめるためには極めて重要であるというふうに考えております。
東日本大震災の折でございますが、住民への一斉同報の手段である防災行政無線、これがなかなか聞こえにくかったという御指摘もございました。こうしたことを教訓にいたしまして、総務省として、先ほど御指摘いただきました公共情報コモンズ、地方公共団体が発する災害情報を集約して、そして、ラジオあるいはテレビ、携帯電話、インターネット、さまざまな多様なメディアを通じて一括して配信するシステム、これが大変重要であるということでございまして、二十三年の六月に運用を開始したところでございます。
その後、現時点では十三府県にこのシステムを御利用いただくに至っておりまして、運用開始後三年となることしの夏ごろには、半数を超える都道府県が公共情報コモンズに参加する見込みでございます。平成二十七年度中には全国の都道府県に御利用いただくということを目標に、今鋭意取り組んでいるところでございます。
今回の大雪による深刻な被害を受けた地域の中にも、実は公共情報コモンズを利用していない県も含まれておりまして、総務省といたしましては、公共情報コモンズの全国普及が早期に実現することができ、また、その役割を果たせるように、具体的な戦略を検討する場を設けるなどして、引き続き全力で取り組んでまいりたいと思っております。御協力よろしくお願いします。
○務台分科員 今の話は、お願いしてやってもらうということをベースに話が進んでいると思うんですが、こういうものは半ば義務化して、あるものをきちんと使うということを当たり前のようにしなければいけないと思いますので、ぜひ上川副大臣の政治力をお使いいただきたいというふうに思います。
以上の答弁を踏まえて、国民に迅速的確に情報を提供し、共有するシステムの構築、これが本当に重要だと思うんですが、内閣府から一言お願い申し上げます。
○日原政府参考人 お答えいたします。
まず、今回の対応につきまして、十四日に大雪が予測されたことから、古屋防災大臣をヘッドとする災害対策警戒会議におきまして、国民への呼びかけ、あるいは関係省庁におきます対策の検討等を行いまして、その情報は国民に伝えたわけでございますけれども、その後、十六日までの間、内閣府からはきちんとした、まとまった情報を伝えてこなかったために、十四日から十五日にかけて政府として取り組んできた数々の対応が国民になかなか知られなかった点については反省したいというふうに思っております。
その上で、十六日以降、大雪対応で、ツイッター、フェイスブック等を活用した情報提供を行いまして、それにつきまして、今後さらに工夫を行っていく必要があるというふうに考えております。
また、内閣府におきましては、発災時におきます情報収集を目的として、気象情報や雨量、水位などの洪水情報、あるいは停電、ガスなどのライフライン情報などを収集した総合防災情報システムというものを持っておりますが、これにつきましては、来年度、システムを改修し、一般への配信というものが可能になるような予定をしております。
また、先ほど委員から御指摘がございました公共情報コモンズにつきましても、総合防災情報システムに接続になりますような検討を進めているところでございます。
また、フェイスブック、ツイッターを活用した、いわゆるビッグデータの活用というようなことにつきましても、さらに検討を進めていこうというふうに思っております。
いずれにいたしましても、災害時におきまして、国民の皆様に安心を与えるための情報をきちんと提供することが大変重要だと思っておりますので、取り組んでまいりたいと思います。
○務台分科員 日原さん、次があるということなので、どうぞ御退席ください。
ちょっと時間がなくなったので、幾つか質問を飛ばさせていただきます。
実は、今回の災害で松本から首都圏への交通が遮断される中で、松本空港が比較的早期に復旧したために、他地域とのルートが早期に復旧したという事態がございました。私もたまたま再開されたその飛行機に乗り合わせたんですが、ある意味で、災害時のリダンダンシーを強化するという意味でも、地方空港のメリットが大きく、地方空港間の定期路線の拡充、これを災害の観点からぜひ検討していただきたいと思うんですが、国交大臣、もし可能でしたら、お答えいただきたいと思います。
○太田国務大臣 今回、改めて、松本空港を初めとする地方空港、極めて重要で、東日本大震災のときにもそういう現象がございました。そういう点では、住民の足の確保、命を守る、経済の活性化、さまざまな意味で、地方空港をバックアップする必要があるというふうに思っています。
二十六年度の予算にもこの措置はとっておりまして、具体的には、条件不利な地域を発着する路線の維持に向けた地域の取り組みを支援するプログラム、あるいは小型機材に係る着陸料や固定資産税の軽減など、いろいろな措置をとって地方空港をバックアップするということにしたいと思っています。
それから、先ほどからずっと出ておりますように、私が考えておりますのは、災害に対して情報をということについて、それぞれがどうしたらいいかという、国交省として、タイムライン、五日前にはこうする、三日前にはこうする、一日前にはどうするということの、豪雨とか台風はそうなんですが、タイムライン感覚というのを地方自治体やそういうことで、情報を的確にというだけではなくて、タイムラインという意識を時間軸の中で国民が感じられるような情報提供というものが大事だ。ことしは取り組んでいきたいと思っています。
○務台分科員 ありがとうございます。
タイムラインはいい考えだと思います。
一方で、地方航空、周辺環境を整備するというのが国交省の役割かもしれませんが、定期路線をできるだけ網の目のように張りめぐらせていくという観点の航空政策もぜひ展開していただきたいというふうに思います。
今の話は、ちょっと資料を用意しておりますが、長野県から首都圏に通ずる交通路が、どの交通が一番長く滞ったか、そういう資料を出しております。一番下にあります空港がこんなに早くできた、リダンダンシーがあるというのが地方空港なので、航空局長さん、ぜひよろしくお願いします。
それから、逆に、「あずさ」の問題が今回非常に問題視されております。
「あずさ」は本当に、常におくれる、運休する、そういう評判が立っております。ぜひ、先ほどは只見線のことで菅家先生からも話がありましたけれども、ストレスに耐え得る中央線の強化ということを何とか考えていただけないか。これを強くお願いしたいと思うんですが、国土交通省のお考えを伺いたいと思います。
○高木副大臣 今委員提出の資料にもございますけれども、鉄道が長い間とまってしまいました。高尾―塩尻間が十四日から運休いたしまして、三晩たった十七日時点でも六百八十人の乗客が取り残されるという事実がありました。
鉄道の災害脆弱性というものをしっかり克服するということで、今、情報の話もございました、これも一点だと思いますし、やはり施設の機能強化というものをしっかりやらなきゃならないというふうに思っております。
安定的な輸送を確保するためには、防災対策の強化というのが必要でございまして、例えば、今回の事案にありますJR東日本の中央線におきましても、小淵沢―信濃境間で斜面にコンクリートを吹きつける斜面防護工をやっておりますし、また、高尾―大月間で土砂流入を防止する土砂どめ柵の設置等が行われているところでございますけれども、これからも、しっかりと安全を確保しながら安定的な輸送が確保されるように、鉄道事業者を国交省として適切に指導してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○務台分科員 ぜひ、JR東の中央線強化について、強力な御指導をお願いします。
もう時間が来ましたのでこれで終わりますが、自民党の災害対策特別委員会で今回の被害を受けての教訓をまとめて、十数項目、近いうちに出させていただきたいと思います。その中に国交省関係もたくさんございますので、ぜひしっかりと受けとめていただきたいと思います。
これで質問を終わります。ありがとうございました。
○秋元主査代理 これにて務台俊介君の質疑は終了いたしました。
次に、重徳和彦君。
○重徳分科員 おはようございます。日本維新の会の重徳和彦でございます。
きょうは、国土交通省の皆様方、とりわけ同じ愛知県の三河地方の御出身の太田大臣に、御出身地の状況をお伝えしながら、いろいろと御指導をいただきながら、質問をさせていただきたいと思います。
では、早速質問に入らせていただきます。
昨今、入札不調、不落と言われるこの建設業、公共事業の発注の状況ですが、この原因につきまして、最近、建専連、建設産業専門団体連合会の才賀会長さんが、ある雑誌におきまして、人手不足で受注できないと言われている、これは心外である、こういうコメントを述べられております。技能者の人手が足りないのではなくて、見積もりが適正価格、適正工期になっていない、これが原因だということをおっしゃっております。
特に、近年のゼネコンのダンピング受注が横行した結果、そのしわ寄せが専門工事会社、下請の業者に及んできた、企業として成り立たないところまで追い詰められています、技能者を社会保険に加入させられず、宿舎を用意できない状況です、こうした労働環境では自信を持って若い人たちを募集できません、たとえ高校生が入職を希望しても、その親が入職に反対します、現在の仕事量は一九六四年の東京オリンピックのころと同じくらい、ところが、技能者の賃金水準は、現在の価値に換算して、当時は倍ぐらいあった、当時はゼネコンの技術者よりも技能者の給料の方がよいくらいだったので、プライドもあります、このようなことをおっしゃっております。
このような御指摘に対しまして、国交省としてどのように捉えられているか、御答弁をお願いいたします。
○太田国務大臣 工事がいっぱい出て、公共事業がばらまきで大盤振る舞いだから入札不調が起きてくるとか、あるいは、東北の復興に物すごく仕事が出て、人手が足りなくなって、資材が高騰して、今度は東京オリンピック・パラリンピックというものでさらにそういうことになってくる。予算も、公共事業をまた、いっぱいばらまきのようにとっている。大体、これは冷静な分析ではございません。
才賀さんがここでおっしゃっていることは全くそのとおりで、現在、入札不調の一番の原因は、人や資材の不足ということではなくて、予定価格が市場実態に合っていない。ちょっと前までは、余りにもたたかれ過ぎて、赤字覚悟でとっていたというような状況がありまして、そうした異常な状況から脱して、やるべき仕事というものも、横ばいでありますけれども、適正に出ているというふうに私は思っています。
そのときに、入札不調は、国よりも地方自治体、地方自治体の中でも大きい市よりも小さいところ、手間のかかるような仕事はちょっと敬遠される、そして、土木よりも建築という状況がございます。
そういう意味では、地方公共団体発注の大型建設工事、学校であるとか病院であるとかということが話題になりますが、地方自治体発注の大型建設工事で、今、二回やっても落ちなかった、三回やっても落ちなかった、こういう状況がございます。価格の設定とのずれがあるということが一番大きいというふうに思っています。
その意味では、最新単価の適用や施工実態に応じた工期の設定、そして、市場実態を的確に反映して発注した案件について契約が進んでいるという状況でもありまして、私としては、適正な実態に合う労務単価の引き上げを、昨年の四月に全国で一五%上げ、これは十六年ぶりでありましたが、ことしの二月に七%上げるというようなことをやらせていただいたり、さまざまな手を打って、仕事ができるようにという措置をとらせていただいているところでございます。
全国では、去年四月から十二月までですと、七・二%が一回目の入札等で不調になっているんですが、二回目をやると大体落ちているという状況にございます。愛知県は低くて、三・七%、岡崎は四・〇%という状況で、恐らく二回目にはここは落ちているというのが全国の実態だろうというふうに思います。
○重徳分科員 ありがとうございます。
まず、適正な価格で入札をするという御努力、御尽力には感謝を申し上げます。
一方で、きょう私が指摘をいたしたいのは、今大臣が言われたように、適切な労務単価などで適切に積算をして、算定すべきものを算定して発注をした、そして一回目、場合によっては二回目で無事落札できた、この場合においてもなお問題になっているのは、まず仕事を受ける元請と、そこから先の下請との関係でございます。
まず一般論、全般的な話としてお伺いいたします。
専門工事会社、ここの才賀会長もいわゆる下請の専門工事会社の代表格の方でございますが、いわゆる下請会社は、やはりそこには専門的な人材が必要であるということのために、適切なコスト、応分のお金をもらって仕事をする必要があると思うんですが、どうも元請会社との関係で、力不足といいましょうか発言力が不十分だということで、なかなか物が言えない、その結果、適切なコスト、採算がとれるような仕事をもらえない、こういう状況があるという声が上がっているのです。
元請会社に対して下請会社が物を言える環境づくりが必要なのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○毛利政府参考人 御指摘のとおり、元請業者と下請業者というのは、本来対等な立場で取引することが重要でございまして、下請業者は元請業者に対して対等に物を言いづらい環境に置かれてきたというのが、しかしながらの実態でございました。
特に、近年、建設投資が急激に減少する中で、元請業者のいわゆるダンピング受注が下請業者へのしわ寄せを招いたことは、このような元下関係に一層拍車をかけてきたというふうに考えております。
国交省では、平成十九年に建設業法令遵守ガイドラインというものを作成いたしまして、元下関係の適正な取引のために、書面による契約の締結あるいは社会保険の加入の促進等につきまして業界関係者に周知徹底を図ってまいりました。
現在の状況を申し上げますと、御承知のとおり、現場の建設工事の担い手となる技能労働者を有する下請業者は、需給関係の逼迫を背景にいたしまして、今ようやく元請側との交渉力を発揮できるようになりつつあると考えております。
国としましても、下請業者がみずから担い手を育成して確保していけるように、二度にわたりまして、今年度、設計労務単価の切り上げを行いましたけれども、これが適切に賃金の水準に反映されること、法定福利費相当額を含む適正価格での契約についても、業界団体に繰り返し要請をいたしております。
引き続きまして、下請業者が元請業者と対等な立場に立って、ともに建設産業に期待される役割を果たしていきますように、業界と発注者、国が一体となって取り組んでいきたいと考えております。
○重徳分科員 ありがとうございます。
御尽力いただいている途上であるというような御答弁だったと思います。
下請の交渉力が発揮できるようになりつつあるというような言い回しでございましたが、もう少し現場の話をしてみたいんです。
いわゆる品確法、公共工事の品質確保の促進に関する法律への対応などで、仕事をまず受ける元請会社は、本来もっともっと現場に出ていって現場の管理監督に当たるべき人材の方々が、いろいろと、設計どおりにちゃんと工事が進んでいるかどうか、これはデスクワーク、ペーパーワーク、写真とかそういうもので確認をする、こういう書類作業、書面作業に追われる、そういう傾向が近年起こっていると聞いております。
その結果何が起こるかといいますと、一言で言うと、現場への丸投げ、下請業者への丸投げのような実情がございます。ですから、実際には元請じゃなくて下請会社が現場でのさまざまな監督をする、まあ、下請の親方がやらなきゃいけないという状況なんです。
ここが、先ほどから問題にしているように、労務単価、もともとの役所からの発注においては積算されているようなものがきちんと元請から下請に行き渡っていないがゆえに、その人材、現場で実際にやる親方の人件費を確保するのがなかなか大変だ。
ましてダンピングが続いて、そういう人たちを確保できない状況が続いて、新しい若い人材が入ってこないので、高齢化も進んできて、高齢化が進むということは、そういう方々は近々この業界から引退されるということで、結局人材がいなくなってしまう。こういう状況も招きかねないというようなことが、現場では発生をいたしております。
ですから、下請業者にとっては、受注できないのももちろん大変なことなんですが、受注しても大変だ、こんな状況でございます。
今申し上げましたような現場の実態について、国交省としてどこまで把握をされていらっしゃいますでしょうか。
○森政府参考人 お答えいたします。
今御指摘の現場での状況、私どもの方も、国としましては、直轄事業等々を通じまして、まずこういったような実態も見させていただいている、そういう実態がございます。
実際には、監理技術者と言われる一番の元請の中心となる方々、この方々自身は実際に現場に常駐しないといけないという形で法律で決まっておりますので、そういう方々は現場の監督詰所といったようなところに常時詰めていただいているというところではございますが、今委員御指摘のような、そのかわりになかなか外に出ていけない、あるいは現場の状況をなかなか見られないということは、確かにそういう事態は発生している可能性もございます。
私どもとしましても、直轄事業の中で、例えば予定価格を積算する際には、その下請会社の運営経費といったようなことも、ちゃんと現場管理費の内数として積算をして、見てあげてくださいというような予定価格をつくっております。
また、加えまして、低入の調査価格といったようなこともしっかりと運用するようにということで、直轄事業を中心にいろいろな、御指摘のようなさまざまな問題が解決できるような工夫を過去から取り組んできております。
そういう意味では、その中での現場の施工体制の確保といったようなことも含めまして、模範となるような現場を直轄工事でつくらせていただいているという実態でございます。
以上でございます。
○重徳分科員 国直轄事業についてはわかりましたけれども、先ほど大臣がおっしゃっていましたように、やはり問題は、大きいものよりも小さいもの、国よりも自治体が、手間のかからないものよりは手間がかかる小さなロットのものというようなことでございまして、実際には、今私が申し上げましたような問題は、恐らく自治体が発注する規模の工事により多く発生しているのではないかと思われます。
その自治体発注の工事の今のような実態につきましては、把握をどのぐらいされていますでしょうか。
○毛利政府参考人 公共団体発注工事につきましても、平成十二年以降の入札契約適正化法を通じまして、その発注状況を確認し、それから取り組み状況も確認をいたし、また指導をいたしているところであります。
現時点におきましては、公共団体におきましては、適正な価格を設定する上で、直轄に準じまして、例えば最低制限価格や低入札価格の運用につきまして、まだ直轄並みに追いついていないというところはありますけれども、徐々に取り組みが広がってきておりまして、特に、最近改定いたしました低入札調査価格基準につきましては、ほとんどの自治体におきまして採用に至ってきているということであります。
私どもとしましては、公共団体発注工事も含めまして、適正な施工体制を確保していくために、今国会に建設業法の改正、入札契約適正化法の改正を検討いたしております。
各発注者が本来は把握すべきものでありますけれども、こういった取り組みを通じまして、公共団体の適正な入札契約の仕組み、取り組み状況を国としてもフォローアップしていきたいというふうに考えております。
○重徳分科員 今おっしゃったのは、適正な入札価格、予定価格など、あるいは最低価格についての御指導をされているということですが、そうではなくて、私が今申し上げましたのは元請と下請との関係ですね。今、私が申し上げました問題につきましては、国においてどの程度把握をされていますでしょうか。
○毛利政府参考人 自治体発注工事におきまして、適正な元下関係を把握することで地域の担い手を維持していこうということは、基本的には各発注者が検討していくべきことではございますけれども、国といたしましても、従来より、建設業法あるいは入札契約適正化法で施工体制台帳といった制度を活用して、発注者において、その体制の確認、そして指導ということを行ってきたところでございます。
実際にどうなっているかということでございますけれども、特に、小規模な工事などでは、自治体発注工事だけではございませんけれども、これまで施工体制台帳というものが作成されておりませんでしたので、十分な把握が進んでおりませんでしたが、今後は、小さな工事につきましても施工体制台帳の作成を各発注者の受注をしている業者さんに義務づけまして、これを発注者が確認するというふうに改善していきたい。
残念ながら、現時点では、自治体発注工事の施工体制全ては把握できませんが、これによって全てが把握できていくというふうに考えております。
○重徳分科員 今おっしゃった施工体制台帳、これを全国各自治体に整備をしていき、確認をし、場合によっては指導をしていくという体制ができ上がっていくという御答弁と受けとめました。このような改善を進めていくということでございます。
実際には、書面だけではわからない部分もあると思いますので、今後、実態として、書面だけではわからないようなさまざまな問題が発生しているという情報がありましたら、随時、個別の状況把握、そして指導にも当たっていただきたいと思います。
次に、今少し話題にも及びましたけれども、最低制限価格、低入札調査の基準価格、これにつきましては、少しずつ、改善というか、ダンピングにならないような対応が進んできているとは聞いております。
具体的には、平成二十一年に改定されました中央公契連、中央公共工事契約制度運用連絡協議会モデルというものがありまして、最低制限価格については予定価格の七〇%から九〇%の範囲で行うべしというものが示されました。
しかしながら、やはり七〇から九〇と幅があるんですよね。九〇%なら大抵大丈夫だと思いますが、やはり七〇%のラインに近くなってきますと、事実上ダンピングというような状態になってくると思います。国は、このモデルの内訳としての計算式も随時見直しをされておりまして、実際にはかなり九〇%に近い、約八八%という線で御指導をされているということも聞いております。しかし、自治体によりましては、この最低制限価格についても、変動型と言われるような方式をとっておりまして、その入札価格最低ラインの七〇%に近い落札も事実上許容するような仕組みをとっているところもあると思われます。
このような状況に対しまして、もっと今の国の考え方をきちんと自治体にも周知するべきではないかと思うんですが、現在の状況はいかがでしょうか。
○毛利政府参考人 公共団体に対しましては、総務省と共同で、低入札価格調査基準価格や最低制限価格を、国が定めました最新の中央公契連モデルを踏まえて、適切に見直すよう繰り返し要請してきておりますけれども、この二月七日にも重ねて要請をいたしました。
その結果、現在、都道府県におきましては、二県を除きまして、全ての団体で、中央公契連モデル以上の水準の低入札価格調査基準というものが設定をされております。
また、最低制限価格につきましても、三十八団体でこのモデルの活用が進んでおりますので、引き続き、この中央公契連モデルを踏まえた見直しにつきまして、全国の自治体へ周知徹底を図ってまいりますとともに、先ほども申しましたが、ダンピング防止等を内容といたします法案を今国会に提出させていただきまして、この法案の円滑な施行、そして、要請ということを通じまして、適正価格による契約というものを推進していきたいと思います。
○重徳分科員 ダンピング防止につきまして、政府・与党で議論が進んでいるということも伺っております。
先ほど少し申し上げました変動型という仕組みによりまして、最低制限価格を場合によっては相当下げるということも自治体によってはある。今、都道府県のことをおっしゃいましたけれども、市町村までいくと、いろいろなケースがあると思うんです。
このような変動型を採用している自治体の実態の把握、あるいはそういうことへの問題意識といったことについて、どのように認識をされていますでしょうか。いかがでしょうか。
○毛利政府参考人 お答えをいたします。
変動型といった制度で、いわゆる中央公契連モデルとは違う形の制度を採用しているところというのがあることは承知しておりますけれども、残念ながら、市町村の中でどの団体がというところまでは、まだ把握できておりません。
今後、入札契約適正化法の改正もあわせまして、こういった実態の把握を強化していきたい。さらに、ダンピング受注の防止ということをこれから強化してまいりますので、その一環として、こういった調査、そして入札契約適正化法に基づく要請についても検討していきたいというふうに考えております。
○重徳分科員 ありがとうございます。ぜひ、市町村レベルにおきます実態把握に取り組んでいただきたい。今おっしゃっていただきましたので、ぜひお願いしたいと思います。
やはり建設業者は、きちんとした、これはもうけ過ぎてもいけないかもしれませんが、しかし、適正な利益が出なければ、結局内部留保に回して、人材確保、人材育成、設備投資、こういった必要なところにお金が回らないということになると、例えば災害が起こったときに十分な対応ができないとか、いろいろな問題が出てくると思いますので、各市町村レベルの把握、指導にも当たっていただきたいと思います。
次に、先ほどから問題にしております、下請会社が元請の会社に対しまして、もっと発言力といいましょうか交渉力を備えるために、いろいろな努力がなされています。
この才賀会長のインタビュー記事にもありますように、去年の九月に元請団体と下請団体が申し合わせをしまして、標準見積書をこれから広めていこうという流れができてきております。
ところが、才賀会長御自身も問題意識を持っておられるように、今まで公共工事の発注というのはトン単価、平米単価で非常に機械的に積算をしておりまして、労務単価とか社会保険とか、実際に必要な経費につきまして、きめ細かな積み上げをしてこなかった。そういうことで、まだまだふなれなものですから、それ自体がまずできていない。さらに言うと、そういう標準見積書をもって、元請会社に対しまして、下請会社としてはこれだけのコストがかかるんだということをちゃんと言ってこなかった、まだまだ言えていないという状況が続いているということでございます。
また、これは、地域によっては、標準見積書と必ずしも関係ないことかもしれませんけれども、下請協同組合をつくって元請との交渉力をしっかりと確保しよう、こういう事例も見られます。
今申し上げました標準見積書に関する御見解や取り組みの支援の考え方、また協同組合につきましても、その意義や効果だとかについて、どう評価され、進めていくべしという姿勢かどうか。このあたりの国交省の御見解をお願いいたします。
○毛利政府参考人 社会保険の加入原資となります法定福利費の支払いを確実に担保するという観点で、各専門工事業者団体が作成しました標準見積書を活用して、各業者が見積書を元請企業に提出する仕組みが普及、定着しますように、国が主導しまして、昨年九月、元請下請団体が参画しました協議会で一斉活用を申し合わせたわけでございます。
もともと、国といたしましては、法定福利費の支払い原資を確保できるように、二度にわたりまして公共工事設計労務単価を引き上げまして、技能労働者の社会保険料負担分を全額含む額といたしまして、各建設業団体に対し、社会保険の支払いを含みます適正な賃金等の支払いを繰り返し要請いたしております。
また、標準見積書の活用状況につきましては、申し合わせ後のフォローアップということで全国調査を昨年行いまして、その結果を十二月に公表いたしております。
その中で、元請企業におきましては、標準見積書の取り組みに対する理解がまだ十分進んでいない、下請企業におきましても、依然として元請に対して標準見積書を提出していない企業が多いという状況が把握できた一方で、見積書を提出した場合には、多くの契約で元請企業から尊重されるといったような一定の成果も上がっていることが明らかになっております。
このため、国交省としましては、各建設業団体に対しまして、標準見積書の積極的な活用を繰り返し求めておりますが、専門工事業者が標準見積書をさらに説明しやすく、使いやすいものにできるようにするために、各団体が専門家のアドバイスを受けられるような体制といったことも整備をして支援をいたしております。
御指摘のとおり、標準見積書は、漏れなく使われていくことでその存在価値を発揮いたします。引き続きまして、標準見積書の定着を通じた元下関係の適正化に向けまして、さまざまな働きかけと指導や支援を行っていきたいと考えております。
もう一つ、事業協同組合のお尋ねでございますが、これは、中小企業等協同組合法に基づきまして、中小事業者が協同して事業に取り組むことによって、技術、情報、人材など、お互いの不足する経営資源の相互補完を図るための制度と理解しております。
建設業関係におきましては、規模の小さい事業者がスケールメリットを活用しまして、分離発注を実現して工事の共同受注に成功するケースや、人材を育成するための講習会の共同開催によりまして、個々の中小企業の足腰の強化に活用されているというふうに認識をしております。
中小企業は、一般に申しまして、過小性とか技術力の低さ、信用力の低さなどによりまして不利な立場に立たされている場合が多いわけですけれども、建設産業におきましても事業協同組合を活用することは、コストを下げながら生産性の向上につながる、あるいは交渉力の強化につながるための有効な方策の一つとなり得るというふうに評価をいたしているところでございます。
以上でございます。
○重徳分科員 ありがとうございます。
最後に、太田大臣にお伺いしたいのですが、公共事業という分野は、もちろん、大盤振る舞いすればいい、ベクトルをどんどんふやしていくべきだという主張をするつもりはございませんが、やはり政府の財政運営によって非常に大きく左右される業界だと私は思っております。
就業者数は、ピークの平成九年六百八十五万人から、平成二十五年は四百九十九万人と三割近く減っているわけですね。さらには五十五歳以上の方が三四%、全産業の二九%と比べても高い、さらに二十九歳以下は一〇%、全産業一七%に比べて非常に低い、こういう状況でございます。他の産業の高齢化の傾向を十年早いスピードで進んでいるということでございますので、やはり先行きが見通せる財政運営と相まって、先行きの見通せる業界にしていかなければならないと思っております。
このような今後の公共事業の規模に関するお考えと、あと一点、きょうの議論をお聞きいただいて、元請と下請の関係、特に協同組合設立について取り組もうという団体というか業者が出てきた場合に、ぜひ応援をしていただきたいと思うんですが、そのあたりについてコメントをいただければと思います。
○太田国務大臣 建設業界は、私もこの職になりまして、私は土木工学科の出身なものですから、ずっとウオッチしてきた一人ですが、改めて、大変疲弊していると。
雪が降っても、何があっても、昔は重機があって、人もいて、大学病院じゃありませんが、町医者のようにすぐ出動して、ボランティア的にもそういうことができた。しかし、もう重機を離してリースにして、人も高齢化している。ところが、一方では、災害が多いし、首都直下や、そうした南海トラフの地震に対応しなくてはいけないし、老朽化が構造物で進んできている。さまざまに大事な役割を果たすんですが、それを担う建設業界が疲弊しているという状況にございます。
それには、若い人を育てて入っていただけるようにするには、雇う側からいきまして、見通しがきく、予算が急にふえたり、急に減ったりとか、景気のためのそういうことではなくて、大事な仕事をしているんだといって、安定してずっと行われていく、そして、財政制約は当然ありますから、という中に見通しがきいて、それで設備投資ができたり、若い人を入れたり、いや、この仕事は誇りがあるいい仕事だぞということを若い人に言っていただくというようなことが極めて重要でありまして、労務単価の引き上げとか、いろいろなことをやりながら、何とか大事な仕事を担える業界にというふうに思っています。
労務単価を上げても、下請さんのところに行かないというところがありますものですから、そこは、執拗に私の方から言ったり、あるいは一緒に集まっていただいて、私も入ってという場を設定したりしながら、少しずつ改善できているのではないか、さらにしっかり指導していきたいというふうに思っているところです。
○重徳分科員 ありがとうございました。
質問を終わります。
○秋元主査代理 これにて重徳和彦君の質疑は終了いたしました。
次に、武正公一君。
○武正分科員 民主党の武正公一でございます。
きょうは、国交大臣、副大臣、政務官とおそろいでございますが、御質問をさせていただきたいと思います。
今国会には、高速道路無料化を延長する法案が既に閣議決定され、提出というふうに伺っておりますが、小泉内閣のときにスタートで取り上げた道路公団民営化、四十五年たったら高速道路は無料にするんだ、郵政民営化を掲げた小泉内閣にあって、まず最初の主要テーマとして華々しくそれを打ち上げ、そして国会でもそのことにかなりの時間を割いて議論をしたことを覚えております。
これが笹子トンネル事故などを経て、大規模改修にはやはりお金がかかる。三会社で三兆二百億、首都高で六千三百億、阪神高速で三千七百億と伺っておりますが、こうした費用を捻出するためには、この無料化を十五年延長しなければならないといった法律が国会に提出ということであります。
これは、やはりあのときの議論が国民を巻き込んだ大きな議論であっただけに、きちっとした説明が行われないと、一体あのときの議論は何だったのかということになりかねません。今回、こういった法案を提出する背景を、ぜひ国交大臣からお話を伺えればと思います。
〔秋元主査代理退席、主査着席〕
○太田国務大臣 四十五年償還、そして無料になるという基本方針を定めての民営化であったと思います。おっしゃるとおり、私もその場にいましたので、大変な論議だったと思います。ところが、今回、私、この職になりまして、本当に老朽化とかそういうことがこの論議の中に入っていなかった、率直に反省も含めて、ということだと思います。
東日本大震災というものがある。そこで、堅固な建物、あるいは修理、修繕というものをしっかりしておかなくてはいけない。また、笹子トンネルを初めとして高度成長時代につくられた構造物が老朽化している。道路もしかりである。そしてまた、橋脚等の、ちょうど支える部分の支承の部分などは本当に劣化をしていることが心配である。
さまざまなことがありまして、そこに四十五年償還というものが十分ではない、その老朽化をどうするか、そういうことの法案を出させていただいたのは、東日本大震災、防災・減災、老朽化対策、メンテナンス、耐震化というものが一層必要になったという認識を共有できた、また共有しなければならない事態が起きた、そこでどうするかという現実的な判断のもとで、十五年延長するという法案を出させていただいたところです。
論議はこれから、趣旨説明がちゃんと委員会でされてからということになりますけれども、四十五年償還ということについては、これもいろいろな論議があって、ずっとという、細く長くというようなこともあったんですが、ここは決めたことですから四十五年償還をして、それで、そこの老朽化対策を中心にした修理、修繕ということでどれだけかかるか。首都高などは六千三百億ということを考えると、十五年という、これが十四年になるのか十五年になるのか十六年になるのか、いろいろ論議はあるでしょうが、十五年と一応計算をしまして、そこを法案として御審議いただきたいということで考えたというわけでございます。
○武正分科員 私も委員会の質疑などにも立ったこともありましたが、あのときには、民営化後の、あるいは大規模改修、修繕、こういった議論がどこまで深められたのかなというと、余り記憶が定かでありませんし、どちらかというと、民営化ということの新しいスキームというんでしょうか、そちらに議論が集中してしまった感があったと思います。
ただ、笹子の事件の後、国交省からいろいろ御説明を伺うと、国交省自体が、高速道路に限らず道路、建築物、これを、民間であれば当然、減価償却をして、建てかえの費用を捻出して蓄えて、そしていずれ建てかえる、こういうような計画を普通立てるんですけれども、国交省あるいは日本政府としてそういった考え方がついぞなかった。そういう考え方が出てきたのは最近だ、平成十五、六年、七年ぐらいからそういった考え方を国交省として持ち始めたということを聞いて、非常に驚いたわけでございます。
今、一千兆円の借金を抱える日本政府にあって、しかし、その借金には、当然、そうした大規模改修とかいろいろな建てかえとか、そういった費用が入っていない中でのこれだけの借金でありますので、これがさらにまたこれから必要になってくるということを考えると、財政再建というものはやはり何としても焦眉の急ということを改めて考えるわけでございます。
そういったことをまず伺いながらも、高速道路などにつきましては、ミッシングリンクということで、やはり道路や鉄道などは接続をしていくことでその有効性、有用性が増すということは、道路公団の民営化のときの議論、それからその後のさまざまな議論の中でも政府としてあったというふうに思いますし、私どもも、国会としてそういったことを求めてきたというふうに考えるわけであります。
そこで、ちょっと地元のことになりますが、首都高埼玉新都心線という路線がありまして、これがさいたま市の見沼といったところで今とまっております。この路線を東北自動車道まで延伸できないかということで、今お手元の資料は国交省の資料というふうに書いてありますが、これはさいたま市が国に宛てた要望書でありますので、国交省宛ての要望書ということであります。
首都高速埼玉新都心線の延伸ということで、昨年末、新年度の予算要望で、さいたま市が国に、政府に、そして国交省に提出をした資料というふうに承知をしておりますが、この首都高埼玉新都心線の東北自動車道までの延伸、これについて、現在の状況、あるいは今後についての展望をお聞かせいただければと思います。
○坂井大臣政務官 首都圏におきましては、都心部の慢性的な渋滞緩和や首都機能の強化の観点から、中央環状線、外環道、圏央道という三環状道路の整備に力を入れてまいりました。
そして、都心から半径約四十キロメートルから六十キロメートル圏域に位置する圏央道と都心から約十五キロメートル圏域に位置する外環道の間に、さいたま市、千葉市などの大都市が存在をしておりまして、これらの相互の連絡を強化する観点から、首都圏整備計画におきましては、これらの、さいたま市、千葉市など核の都市ということで、核都市広域幹線道路の構想が位置づけられております。
今、武正委員御指摘の首都高速埼玉大宮線と東北自動車道の間の区間につきましても、この構想を踏まえたものであろう、こう認識しておりますけれども、首都高速埼玉新都心線の延伸につきましては、まだ具体化が図られていない状況でございます。
今後、並行する、北側を走る圏央道が間もなく開通するということを聞いておりますし、その効果を勘案しつつ、埼玉県及びさいたま市と協力をしながら、この首都高速埼玉新都心線の延伸の必要性についてしっかり整理してまいりたいと思っております。
○武正分科員 埼玉県の方の公共交通というのは、この首都高の路線もそうですけれども、この後触れるLRTなどの公共交通、首都圏にあっては、東京はもちろんですけれども、千葉、神奈川に比べても非常に脆弱な地域であります。まだまだこうした公共交通のニーズというものは非常に高い地域でありますので、また、人口も今もって伸びております地域でもあるだけに、この首都高の延伸について国としての取り組みをぜひお願いしたいというふうに思います。
あわせて、運輸政策審議会十八号答申、中量軌道システム、東西交通大宮ルート(仮称)の新設について、これは平成十二年の運輸政策審議会決定でありまして、資料の三ページにそのものを持ってまいりました。大宮からさいたま新都心、県営サッカースタジアの新設ということで規定をされておりますが、これは、平成十二年からもう既に十四年が経過をし、また、平成二十七年には、この運輸政策審議会決定を見直すというような方向性も示されておりますだけに、運輸政策審議会決定の東西交通大宮ルートの新設について、現在の状況についてお伺いをしたいと思います。
○高木副大臣 ただいま先生御指摘のとおり、この中量軌道システム、仮称でありますけれども、東西交通大宮ルートの新設につきましては、平成十二年に、「今後整備について検討すべき路線」として位置づけられているわけでございます。
現在、本路線につきましては、さいたま市におきまして、平成二十五年度から、沿線状況の現況把握や整備の必要性等に関する調査が始められたというふうに聞いているところでございます。
本件につきましては、まずは地元におきまして、いわゆる導入空間や、あるいは輸送需要、事業主体、採算性確保等について、さらに調査検討を進めていただく必要がある、国交省としてそのように考えているところでございます。
○武正分科員 平成二十七年に運輸政策審議会決定を見直すというようなことが言われておりますが、この点についてはどういう見通しでしょうか。
○高木副大臣 ただいま申し上げました運輸政策審議会答申第十八号は、平成二十七年を目標年次としているところでございまして、現在、平成二十七年以降の首都圏の鉄道ネットワークについては、少子高齢化への対応や、防災・減災対策、相互直通運転の長大化に伴う遅延への対策等の課題があると認識をいたしておりまして、このため、首都圏の鉄道についてどのように考えていくのかについては、現在、有識者を交えて検討している状況でございます。
○武正分科員 そこで、今言いました東西交通大宮ルートについてはLRTでというようなことが地元でも検討をされているわけでありますが、この新交通システム、LRTにつきましては、国会の方でも議員連盟があり私も所属をしておりますが、過日は、富山市の市長さんに来ていただいて、富山のLRTについての説明をつぶさに受けました。
市内に環状線をめぐらしたことによって外からの市内へのお客さんがふえたこと、あるいは、LRTが非常に人に優しい公共交通、低床式ということがあって、お年寄りの利用がふえたということ、あと、当然、車に乗ってこないで、公共交通として市内中心部に入れますので、飲食業も非常に売り上げが上がっている。こういうような説明を受けて、環境に優しいということからも、このLRTというものは非常に時代の要請にも応えている公共交通ではないかというふうに考えております。
また、国にあっては、この国会でしょうか、整備法の改正法でしょうか、こういったこともお考えで、このLRTも含めた総合的なまちづくりといったことも、過日、議員連盟では国交省から説明も受けておりますけれども、新交通システム、LRTについての国交省としてのお考え、お取り組み、これについて御紹介をいただけますでしょうか。
○高木副大臣 まさにLRTは、人に優しい、環境に優しい、これからの都市の公共交通としてふさわしいものだというふうに考えているところでございます。
LRTの整備につきましては、国交省として、今、関係機関との連携のもと、技術面や財政面など、総合的に支援していきたいというふうに考えております。
財政面での支援制度につきましては、社会資本整備総合交付金等によりまして、総合的な都市交通の戦略に基づくLRT等の整備に対して包括的に支援をしてまいります。
それ以外のシステムにつきましても、具体的な計画に基づいて、既存のどのような助成制度を適用できるのかどうか、検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○武正分科員 ぜひ大臣の御所見も伺いたいんですが、LRTについて、大臣としてどんなお考えをお持ちなのか、また、今後の展望、こういったことについて、大臣としての御所見も伺えればと思います。
○太田国務大臣 今までの都市交通というのは、ほとんどが、埼玉県の道路もそうなんですが、東京の都心から全部放射状に行く。また、都市ということからいきましても、駅の方にみんな、バスも電車も向かっていくという時代であったと思います。
しかし、都市の中で高齢者が多くなる、そして、もう一遍この町を個性的な町にするにはどうしたらいいのかというときには、もう既に始まっておりますが、例えば、バス一つとりましても、本当に少ない人数のところに回っていくという、そうしたコミュニティーバスというのを、私の北区や足立区でも同じように町の中を回って、そして病院の前にちゃんととまるような、そういうようなバスをつくる。また、本当にもっと集落のところでは、ディマンドバスという、要望を聞いて、そしてルートをつくりながらいくというような、バス一つとっても、そういうものになっています。
富山に行っても、確かにLRTというのは、そうしたことのまちづくりと、そして、豊かで静かな、高齢者にも優しい、歩いて暮らせるまちづくりともあわせて、環境ということも考え、また、介護や医療とのマッチングということも考えてまちづくりを再編する、こういう中で極めて有効であろうというふうに思います。
LRTの中には、いろいろな形態があろうと思いますが、今後のまちづくりの中において、この存在、そして、これを有効活用していくという、そうしたまちづくりと交通網の整備、公共交通のあり方という中で極めて重要な位置を占めていると私は認識をしておりまして、まちづくりとあわせてこのことは活用していく必要があるというふうに思っています。
また、先ほどの、これとはまた別のことで論議をしておりました、埼玉を初めとするところにおきましても、検討中という話で答弁をさせていただいていたような状況でありますが、圏央道と外環と首都高の三環状というものと同時に、これを早くつなげていくということが大事で、工場の立地等もありますが、外環と圏央道の間ということで、放射状ではない、ここの交通網の中の道路や鉄路、LRT、こういうものが極めて重要な位置づけを占めているという認識を私はしているところです。
○武正分科員 力強いお言葉をいただいたと思います。
先ほど、核都市間連絡道路、今言った外環道と圏央道との間の整備の必要性について触れていただきましたが、先ほどの東西交通大宮ルートを、首都高の延伸、核都市間連絡道路の延伸に伴って、その高速道路の側道に敷設をしたらどうかというようなことも市民団体などから提案があります。ですから、東西交通大宮ルートの現実性、実現味、これも、首都高の延伸と核都市間連絡道路の敷設に伴って可能になってくるということだというふうに思っております。
大臣、先ほど北区というお話でしたけれども、南北線が赤羽から浦和美園まで通っておりまして、私どもは、浦和美園でとまっている地下鉄南北線を岩槻あるいは蓮田方面に延伸をすべしということで、かねてより国交省にそうした要望活動をしております。
このたび、さいたま市が、首都高埼玉新都心線、核都市間連絡道路の延伸を国に、国交省に対して正式に働きかけを行ったその背景には、地下鉄の延伸に伴って、利便増進法によって、お客さんをふやさなきゃいけない。この浦和美園から岩槻に至る地域で利用客をふやすためにも、この高速道路を東西延伸して、お客さんがたくさん利用できるようなことが必要であろう。あるいはまた、LRTも同様だろうというようなことで、この利便増進法の適用も考えて、こうした首都高の延伸、LRTの敷設といったものがセットであるということも、ぜひ大臣にも御認識をいただきたいというふうに思っております。
そこで、最後、首都高の延伸、LRTの敷設、そして、先ほど触れましたような地下鉄南北線の延伸にも当然これは絡んでくるわけなんですが、こういった総合的な取り組みを、今、地元さいたま市、そして埼玉県を中心に進めようということについて、改めてこの点についての大臣としての御所見を伺えればというふうに思います。
○太田国務大臣 私も、埼玉は土地カンがありますものですから、行きますと、先生のポスターなんかにも出会ったりするほどの土地カンがあって、これから町をどうつくるかというときに、今御指摘のような、新しい、今までとは違った時代のまちづくり。そしてもう一つ、埼玉県のさいたま市を初めとして、東京以外のところに、大事な、防災も含めた拠点を置かなくてはいけないというような大きな構想の中で、先生のおっしゃった、いろいろな意味での道路網。
埼玉に行きますと、渋滞して動かないというところがあって、私も大変困ったときもあったりしまして、鉄道網あるいはまた道路網というものを、いろいろまた御提起いただいて、相談をさせていただければというふうに思っているところです。
○武正分科員 土地カンがある大臣には、ぜひよろしくお願いをしたいというふうに思います。
もうすぐ震災から三年を経過しますが、震災時当日、発災時、私も、これは埼玉には帰れないなということで、宿舎に泊まろうというふうに思っていたんですが、午後十時半ぐらいになって、先ほどの南北線が動き出したということで、溜池山王から乗りまして、通常ですと四十五分ぐらいで浦和美園まで着くんですけれども、一時間十五分ぐらい、あるいはもうちょっとかかったでしょうか、一時間半ぐらいかかって、駅で必ず二、三回、あるいは四、五回ドアがあいたり閉まったり、あいたり閉まったりと、それだけたくさんの方が乗っていたものですから、通常よりも三十分、四十分時間がかかって、浦和美園まで着きました。
浦和美園に着いて、おりますと、タクシーを待っている方が二百人ぐらい並んでいて、そして、道路は迎えの車でいっぱいでした。ただ、埼玉方面で一番初めに動き出した、あるいは当日唯一動いていたのが、実は地下鉄南北線なんです。これは同じく、その年の台風十二号でしたでしょうか、台風のときも同じでした。ですから、割に地下鉄が災害に強いという面があるんだなということを改めて痛感したところであります。
多分、今回の雪のときも同様だったと思います。もちろん、地上の鉄道と連絡をしているところは、そちらの方のふぐあいで、それが地下鉄にも影響が及んだということがありますけれども、割に、そういった意味では災害に強いといった特性があります。
先ほど触れましたように、埼玉方面は千葉、神奈川に比べても公共交通が脆弱であるという中にあって、今大臣触れられたように、災害対応、災害対策といった面からも、ぜひ、この地下鉄の岩槻方面への延伸、それを促すためにも、首都高埼玉新都心線の延伸、そしてLRTの敷設といったことを総合的に取り組んでいく必要があるというふうに考えておりますので、この点についてのさらなるお取り組みをお願い申し上げまして、私の質疑にかえさせていただきます。
どうもありがとうございました。
○石田主査 これにて武正公一君の質疑は終了いたしました。
次に、鷲尾英一郎君。
○鷲尾分科員 民主党の鷲尾でございます。
きょうは国土交通大臣にも質問できるということで、大変貴重な機会をいただいたと思っておりますが、自然災害等々、今、武正委員の話を聞いていて、都心部もやはり大したものだなということを感じたわけでありますけれども、我が地元新潟でも、毎年毎年、かなりいろいろな災害に見舞われておりまして、その都度その都度、さまざまな今まで整えられたインフラが壊されてまいります。
それを適宜に改修、維持をしていかなければいけないというところでは、本当に国土交通省さんの責任というのは重いものだと常々思っているわけでありますけれども、きょうは、まず、防波堤の利用につきまして話をさせていただきたいと思います。
私も新潟の東港の方に視察をしてまいりましたり、あるいは地元の柏崎港とか視察をしてまいりましたが、以前の話ですけれども、やはり防波堤でいろいろ楽しみたいという方もいらっしゃって、ところが、気象条件が悪いと、そこで波にのまれたりして行方不明になってお亡くなりになる方もいらっしゃるということです。
一方でこれを、国交省内でも議論もあると存じますが、一律、防波堤にそういう立ち入り自体を禁止してしまおう、そういう意見もあるということは承知をいたしておりますが、一方で、視察したときに思ったんですけれども、防波堤、大臣も御承知だと思いますけれども、防波堤を歩いていますと、ここからここまで立入禁止だと網があっても、そこを乗り越えて、その先まで行って釣りをしているとか、そういう猛者もいるんですね。ですから、やはりそういうことに興じる方の思いというのは大変なものがあると思いますし、一律禁止をしてしまうということも、果たしてこれでいいのかなという思いがございます。
これは国交省内でいろいろと検討していただいているとは思うんですけれども、やはりここは、防波堤をうまく利用していく。利用しながら、そのかわり管理はしっかりしていく。そういう建設的な立場が、私は、こういったインフラを利用する部分では望ましいんじゃないかと思っておりますが、防波堤の利活用につきまして、今国交省内でどんな議論がされているかということにつきまして、お答えをいただきたいと思います。
○山縣政府参考人 お答えいたします。
防波堤は通常、人が立ち入ることを想定したものではないということでございまして、基本的に人の利用を想定した安全対策が講じられておりませんので、立ち入りが禁止とされてございます。
しかしながら、釣りは人気のある海洋レジャーの一つでございまして、良好な釣り場を求める釣り客からの防波堤開放の高いニーズがあります。このため、防波堤等の釣り利用を検討する際に、港湾管理者が参考とできるような手順と方法につきまして、ガイドラインを平成二十四年の六月に策定いたしました。
このガイドラインでは、港湾施設本来の用途、それから目的を阻害しないということを前提に、一方で、利用者の安全性というものが確保され、釣り利用を検討する際に留意する事項が整理されてございまして、これを参考に、港湾管理者におきまして防波堤等の開放の可否が判断されているところでございます。
ちなみに、先生から先ほど御指摘ございましたが、先進事例といたしまして、新潟港東港第二東防波堤、これにつきましては既に開放されてございまして、年間約二万人以上の利用がされているという事例もございます。
以上でございます。
○鷲尾分科員 そういった事実もございまして、かなりうまく利用すれば、いい場所になっていくのではないか。
もちろん、そこでやはり事故があってはなりませんし、そこは逆に、利用できるがゆえに、危機管理という部分で意識を利用される方が御自身で高められながら、うまく今共存しているというか、うまく運営されているんじゃないかというふうに思っておりまして、今おっしゃるとおりなんですが、こういった取り組みが、別に無制限で広げていくべきだという話をしているわけではありませんが、やはり地元の皆様のニーズや危機管理の意識の高まりと平仄を合わせながら、徐々にうまく活用していく道も探っていっていただきたいなということを、まずもって申し上げたいというふうに思います。
次の質問に移りたいというふうに思いますけれども、地元の話をする前に、海上保安庁にちょっと質問をさせていただきたいなというふうに思います。
大臣も一度、国会での答弁で、海上自衛艦の退役艦を海上保安庁の船として、巡視船として使ってみる検討もしてはどうかななんて話を、たしか太田大臣がされていたような記憶がございます。
今、尖閣諸島周辺海域、私も一度視察をさせていただきました。大変な状況の中で、海上保安官の皆さん、本当にすごい環境の中で頑張っておられるなということを拝察し、また、本当に現場を見て感激をした次第でありまして、そういった意味では、ぜひとも応援をしてまいりたいなというふうに思っているわけでありますが、特に日本の予算編成上、防衛費をどんとふやしながら、防衛するよと言いますと、また近隣諸国も、そういった予算に向ける目というのは、通常の予算よりもかなり厳しいところがあるんじゃないかと思っております。ですから、見た目では防衛予算をぱっとふやしますと、近隣の国が倍返しだみたいな、これはやゆして言っているわけですけれども、そんな世界もあるんじゃないかというふうに思っております。
そういう意味では、私は、今、実効支配を守っているのは海上保安庁さんだと思っておりますし、しっかりと警察権の運用をより強固にしていくという意味で、また、今申し上げたような、相手を余り刺激しないような方法をとるためには、やはり海上保安庁の予算をもっとふやしながら、しかもそれは、あるしっかりとした計画を持って整備していかなければいけないというふうに思っております。
民主党の政権末期でも、公務員の人員を減らすという話がありまして、いや、海上保安庁の人員を減らすというのは幾ら何でもないだろうという話で、随分と頑張った記憶もあるわけですけれども、そういったことも踏まえまして、その後、緊迫する今の南西諸島の情勢を踏まえて、その人員という部分、人員というのは単に数だけじゃないでしょう、恐らく訓練度とか、そういったものもございますし、あるいは装備、そういったものが今どれだけ充実してきているのかということと、今後の計画につきましても、あわせてお話しいただきたいと思います。
○太田国務大臣 尖閣周辺の海域の警備状況につきましては、今までは、沖縄の方からずっと行っているという状況で、足りないときには全国から集めてという状況でありましたが、専従体制をとることにしまして、船隻にしまして十四隻相当の専従体制をとるということにいたしました。そこについては当然人員も必要なわけで、予算措置をとらせていただいて、徐々に、そういうのが早急にとっていけるようにという体制で今進んでいるところです。
実は、全国のところでも本当によくやっていただいておりまして、三・一一以降、今もなんですけれども、十一日という日には、あの第二管区の海上保安庁のメンバーが海に潜りまして、遺品といいますか、何か関連するものがあればということで、毎月潜っているという状況が続いていたり、伊豆大島なんかでも、まだ本当に泥流が海の中にある中で、そこに救助できる人はいないのかということで懸命に動いている。波が荒いときもあるし、条件が悪いときもあるんですが、よく頑張っているということで、人をしっかり育てようということと、そして、十四隻相当の専従体制の尖閣周辺海域ということで頑張っているということでございます。
同時にまた、三十八万平方キロの日本の国土のほかに、EEZ、排他的経済水域は四百四十七万平方キロという実に大変大きな海域を擁していて、そこには資源もあり、安全保障上の重要なこともありということで、海上保安庁の任務は極めて、これからさらに拡大するというふうに思っています。
先生御理解いただいてありがたいんですが、海上保安庁は国土交通省の中にありまして、こちらをふやすとこちらが減るというようないろいろなこともありまして、できるだけ海上保安の体制を強化しようということで今頑張って、ここは政府全体を挙げて、大事なことであるという認識を一致させて、今充実に向けて進んでいるという状況にございます。
○鷲尾分科員 今大臣から御答弁いただいて、国交省内の予算のやりくりというところの懐事情を若干かいま見た気がしますけれども、今大臣も御答弁があったとおり、やはり政府一丸となって、特に緊迫した情勢だというところもこれあり、これだけ広い海域を守る、そして憲法の制約もある、一足飛びに軍事ということになりますと、これは周辺国にもいろいろな誤解もあるでしょうし、そこは非常に難しい問題もあるというところもあって、そこはやはり海上保安庁がしっかりと守ってもらわなきゃ困るという意識がもっとあった方がいいと私は思うんです。
ですから、これだけいろいろな制約がある中で、防衛省的にいきますと、中期防衛計画というのがあります。海上保安庁は中期海上保安計画のようなものをしっかりと作成した中で、国交省内の予算という、ちょっと言葉は悪いですけれども、そういうみみっちいことを言わないで、やはり政府で、もう別枠でこれだけの、それこそ海洋立国の中でやっていくんだという、その気概を見せていかなきゃいけないというふうに私は思うんです。
大臣、これは答弁はいいですけれども、それぐらいの気概がなければ、今の法律の状況の中で、そして周辺各国から日本に対していろいろな見方がある中では、私は、やはり海上保安庁が日本の命綱だと思っておりますので、そこは、そういった旨の主張をぜひ大臣からも強くお願いをいたしたいと思います。
その上で、大きな話を今してしまったんですが、ミクロでも、先ほどちょっと大臣もお触れになりましたが、やはり各地区、そういった意味では海上保安庁に対する視線も、非常に温かいというか応援していきたい、そういう目線にもなってきていると思うんです。
ですから、以前よりも、地域との兼ね合いで、いろいろ防災で、避難訓練するから、では海上保安庁さん、ちょっと来てよという事例も間々あると聞いているんですけれども、そこら辺はいかがでしょうか。
○佐藤政府参考人 お答えします。
海上保安庁といたしましては、全国各地の海上保安部署に地域防災対策官を配置いたしまして、地域と一体となった防災体制を構築するため、防災関連会議などに出席しまして、地域防災計画の見直しに積極的に参画しております。
また、災害時に備え、所要の地域に油などの防除資機材を配置するとともに、平素から警察、消防、自衛隊、地方自治体等の関係機関と合同で防災訓練を実施するなど、防災対策にも万全を期しております。
なお、新潟県には大型オイルフェンスや油回収装置などを配備し、油防除体制の充実を図っておりますが、訓練につきましては、昨年十月、油流出事故などの災害時における関係機関の協力体制の充実強化を図るため、新潟港におきまして、当庁、自治体等十一機関九十四名、船艇十隻、車両四台を動員した海上防災訓練を実施しております。
今後とも、関係機関と合同訓練を実施し、連携を深めてまいりたいと考えております。
○鷲尾分科員 日ごろの備えが一番大事でありますので、さまざまな事態を想定しながらやっていただきたいというふうに思います。長官、お願いします。
それでは、続きまして、ちょっと地元の話になりますけれども、大河津分水という、信濃川が昔氾濫をしまして、明治時代から住民の要望もありまして、信濃川を分流させて分水路をつくりまして、それで日本海に出すという大河津分水という分水路がございます。これの可動堰を、つい一昨年でしたか、改修していただきまして、そういう意味では、流れる流量を非常にうまくコントロールすることができるようになりました。それは本当に感謝を申し上げたいと思います。
その先に、実は、信濃川は巨大な川でありますけれども、急激に新潟平野に、こっちが日本海なんですけれども、長野から新潟におりてきて、日本海に行く直前でぐっと曲がるんですね。そのぐっと曲がるところに大河津分水というのをつくりまして、ですから、そこの氾濫がなくなったわけです。
ところが、分水路をつくったはいいんですけれども、これも極めて難工事でして、明治時代からたくさん、いろいろな事故もありながら完成させたわけですが、これが先に物すごく細くなっちゃっているんです、工事の関係で、難工事だったわけで。
ここの可動堰をうまく改修していただいたので、ここの流量のコントロールはうまくできるようになったんですけれども、ここからやはり、基本的に今の豪雨の状況からいきますと、根本的にもっとこっちに流せると非常にこっちの平野が助かる。こっちが新潟平野です、こっちが新潟市なんですが、都市住民もたくさんいらっしゃるというところなんです。
ですから、ここをどかっと太くしていただいて、下流も太くしていただいて分水路を拡幅すると、非常に治水としては有効なんですが、今、ちょっとるる説明してしまいましたけれども、この状況はいかなりやという質問でございまして、答弁をよろしくお願いします。
○森北政府参考人 お答えをいたします。
大河津分水路につきましては、ただいま委員からお話がございましたように、河口に向かいまして川幅が狭くなる、そういう形状にございます。そういうことから、洪水を安全に流す能力、これが不足している状況にございます。
この大河津分水路は河口部に位置しておりますので、その拡幅、改修することによりまして、信濃川水系全体の洪水処理能力が大幅に向上することになります。したがいまして、その改修を優先的に進めることが必要というふうに考えております。
この大河津分水路の改修を含む信濃川の具体的な河川整備の内容を定めます信濃川水系河川整備計画を、本年一月に策定いたしました。今後、その計画に基づきまして、大河津分水路の改修に向けた調整を進めてまいりたいというふうに考えております。
○鷲尾分科員 計画を立てていただいたということで、早急に事業着手していただいて、難工事だと思います、いろいろと予算も時間もかかると思いますけれども、ぜひ、最後まで完成させていただきたいなというふうに思っておるところでございます。
その大河津分水があるところは私の地元の燕市というところなんですが、ここもいろいろ、もちろん災害という観点もありますが、百十六号線という国道がありまして、ところが、この百十六号線という国道なんですが、これは新潟県内に始点から終点まであるわけです。ここがちょっと今問題になっていまして、始点から終点まで一つの県内にある国道というのはなかなかないと思うんですね。県またぎのものが国道になると思うんですけれども。
この百十六号線で、今ちょうど、いろいろな災害対応もこれあり、また、いろいろな地元のまちづくりの要望もこれありで、バイパスの事業をやるということになっていますけれども、なかなか進捗しないんですね。簡単でいいですから、状況を教えてください。
○徳山政府参考人 お答えを申し上げます。
国が管理しております燕市内の百十六号のバイパス計画につきましては、かねてより北陸地方整備局が、環境アセスメントあるいは都市計画決定に向けた調査、手続を進めていたところでございます。
しかし、今先生からもお話ありましたように、国と地方の役割分担の見直しの議論の中で、平成二十年十一月に、新潟県からの申し出によりまして、国道百十六号については新潟県に移管する方向で今後さらに調整する路線として整理をされたところでございます。
そのために、手続が進行中でありましたバイパス計画につきましては、その取り扱いも含め、具体的な移管の方法や時期等について調整が必要である旨を、国、県双方で確認をいたしまして、事業化に向けた手続は現在中断しているところでございます。
現在、当該バイパス計画の取り扱いにつきましては、昨年十二月二十日に閣議決定されました事務・権限の移譲等に関する見直し方針ということが出ましたので、少し動き出しておりまして、移管先とされております新潟県と個別に協議を実施しているところでありまして、県の意向も踏まえて検討を進めてまいりたいと考えております。
○鷲尾分科員 その県との協議が進まないんですよね。それで困っちゃっているんですけれども、何とか進める方向で国交省からも御配慮いただきたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、この百十六号バイパスというのが柏崎市内に入りますと、国道八号と合流いたします。この国道八号というのは、隣県にまたがる国道そのものでございまして、この国道八号というのは原発立地地域を横断する形で通っているわけでございます。
この柏崎地域では、大臣も御承知の、あの中越沖地震のときに大臣にも来ていただいたと存じておりますが、中越沖地震があって、やはり、あれはもう原発のすぐ近くで、それこそ柏崎刈羽原発には想定の四倍を超える地震動が加わりまして、それでもあのときはうまくとまったわけでございます。その後、冷やすプロセスもうまくいったわけでございます。その結果、大惨事にならずに済んだということでありますけれども、その国道八号バイパス、実は物すごい渋滞であります。
地元の方からは、それこそ、福島の東日本大震災原発事故があってから、実際避難というのはどうなっていくのかと。今、県の方でも、原発災害があったときの避難計画の策定を計画中であるようでありますけれども、そもそもこの国道八号バイパス、もう随分前から、たしか一九八〇年代後半、八七年ぐらい、ちょっと記憶が確かではありませんが、八七年ころの計画と聞いておりますが、まだできていないんですね。
あれだけの災害があって、もしこの八号バイパスができていなければ、もう逃げられないのは言わずもがななんです。ですから、生活道路としてもビジネスの道路としても極めて重要で、その上、やはりああいった原発災害があったことによって、緊急避難道路としても極めて重要性が高いのに、なぜこれまで全然進んでこなかった、そして、このスピードが速まる気配がないのかということで、地元は非常な焦燥感がございまして、その点、ぜひ整備を早く進めていただきたい、今言った観点でも進めていきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
○徳山政府参考人 お答え申し上げます。
新潟県柏崎市におきます一般国道八号は、先生おっしゃいましたとおり、主要渋滞ポイントが八カ所もありまして、慢性的な渋滞が発生しております。しかも、市内には柏崎刈羽原子力発電所がございまして、非常時における迅速な避難、援助という面でも、このバイパスの早期整備の必要性は明らかであると思っております。
この柏崎バイパスにつきましては、これまで、全体延長十一キロメートルのうち三・一キロメートルが開通しておりまして、残る七・九キロメートルにつきましても、現在、用地買収、そして埋蔵文化財の調査、改良工事、橋梁工事を推進しているところでございます。
私ども、こうした用地買収、工事をさらに積極的に進めてまいりますが、一つのポイントは、埋蔵文化財調査でございます。非常にたくさん遺跡が出ておりまして、その調査主体であります新潟県に対して、来年度より発掘調査の体制をふやしていただくように現在お願いをいたしておるところでございます。
今後とも、地元の協力をいただきながら、早期開通に向けて事業を推進してまいります。
○鷲尾分科員 また県なんですよ。ちょっと新潟県と国交省さんはいろいろありまして、北陸新幹線の件とか、いろいろあるんですが、ひとつそこは国交省から応援していただかないと、どうにもこれは大変なことですから、地元からすると。文化財は、確かに大事な話なので、いたし方ないとして、ぜひ国交省さんから応援をお願いしたいと思います。
それから、ちょっと政策論に入ります。大臣からもちょっとお言葉をいただきたいなと思っておりますが、佐渡市、これもまた私の選挙区でございまして、この佐渡に一本の国道がございます。国道三百五十号線といいますが、これがおもしろくて、新潟港から両津港、そして小木港から直江津港という形で、海上を通る国道になってございます。
いろいろ国交省さんも、離島振興法、私も改正に携わりましたけれども、離島振興法の中で、本土と島のいろいろ生活にまつわる格差をできる限り是正していこうということで、それこそ国交省さんの管轄じゃないですけれども、ガソリンの流通コスト支援事業等々、離島にはいろいろな配慮をいただいているというところは周知なわけですけれども、この離島航路は国道であるということもあって、やはり地元の方からは生活道路だという意識が大変強いんです。
今申し上げたように、離島振興法を一昨年改正いたしまして、離島と本土との生活の格差をできる限り少なくしていこうという方向を、今後十年、さまざまな分野でやっていこう、そういう趣旨で、与野党一致して成立をしたと承知しています。そういう意味からいっても、やはり離島航路に対する助成、特に生活道路に対する助成という意味で格段の配慮を賜りたいと思いますが、いかがでしょうか。
○森重政府参考人 お答え申し上げます。
離島地域にとりまして、航路は、委員御指摘のように、生活、産業等を支える重要な交通手段の役割を担っていると認識しております。
この離島航路に対します国の支援につきましては、ナショナルミニマムの観点から、唯一かつ赤字の生活航路を補助対象とすることを基本として対応しております。具体的には、運営費への補助、住民運賃割引に対する補助、航路の構造改革に資する船舶建造への補助などの支援を行っているところでございます。
こうした支援制度を活用いたしまして、御地元であります地方自治体、そして事業者等々とも相談しながら離島航路の維持確保を図ってまいりたい、そういうふうに考えております。
○鷲尾分科員 大臣、一言。
○太田国務大臣 国道になっているということには、田中角栄さん等が、海も道なりという、また奄美大島への航路も、海も道なり、海にも道があるんだという特別の配慮をして、そうしたことの知恵を使って補助ができるようにという、今までのいろいろな政治家の動きがあってというふうに思います。
この佐渡と新潟との間の航路がもっと安くならないかとか、あるいは佐渡において、人口が六万三千ぐらい佐渡にはあるかと思いますが、小笠原の数千人に比べましたらはるかにそれは多い、佐渡は極めて重要だというふうに私は認識をしておりまして、ことしじゅうには一度、佐渡にお伺いして、その辺の航路のこととかいうことを全体的に調べて、力になりたいというふうに思っているところです。
離島は、だんだんだんだん人口が高齢化して大変な状況にあるので、ことし三月には、小笠原と奄美の特別措置法の延長論議というものをさせていただくわけですが、離島全体、日本の離島振興法を初めとして、離島の生活、そしてまた若者がそこで育っていく、お産のときにはどうする、いろいろなことも含めて、どうすれば佐渡について御支援できるかということを研究させていただきたいというふうに思います。
○鷲尾分科員 大臣、大変前向きな御答弁をいただきまして、本当にありがとうございます。
質問の時間が来てしまいましたので、最後の、新潟市内の四ツ郷屋浜の状況につきましては、後で国交省さんから説明を受けたいというふうに思いますので、またちょっと議員室の方に来ていただけたらというふうに思います。
大臣、本当にありがとうございました。ぜひ頑張っていただいて、また離島にもお越しいただけたら本当にありがたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
質問を終わります。ありがとうございました。
○石田主査 これにて鷲尾英一郎君の質疑は終了いたしました。
午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。
午前十一時五十七分休憩
――――◇―――――
午後一時開議
○石田主査 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。吉川赳君。
○吉川(赳)分科員 自由民主党の吉川でございます。
まずもちまして、この分科会におきまして、このように大臣、副大臣、政務官を前にしての質問の機会をいただいたこと、本当にありがたいなと感謝を申し上げながら、時間がない中でございますので、早速質問に入らせていただきたいと思います。
まず一番初め、ちょっと富士山に関してお伺いするわけなんですが、実は私、衆参合わせても非常に数の少ない、世界文化遺産の富士山の麓の町で生まれ育って住んでいるという議員でございます。間違いなく静岡県では私だけかなと思われるわけでございまして、富士山に関して、今回、国交関連ということでございまして、富士山の噴火の防災対策に関してまず冒頭お伺いしたいなと思う次第でございます。
東日本大震災が発生してから、こういった大規模な自然災害に対する防災・減災対策が注目される中で、富士山の噴火、これに関してもいろいろな議論がされているわけでございます。
そこに至って、関係する自治体、静岡、山梨、神奈川の三県を中心としまして、富士山火山防災対策協議会、こういったものが定期的に開催をされて、そこにおいてさまざまな発生時の避難ルート等が協議されているわけでございます。この協議の内容というものを私も一通り目を通しているわけなんですが、これは一定の評価ができる、すばらしい内容になっているかと思います。
しかしながら、富士山の噴火ということなんですが、まず、この避難の担保となるのが、気象庁が設定をする噴火の警報のレベルでございます。警戒レベルですね。もちろん、火山というものは、地震より、より事前の予知ができるというようなことが通常でございます。例えば火山性微動、山だけが揺れる噴火の前の予兆を感じ取ったり、富士山ですと、GPSをつけて膨張率をはかったりして、それを基準にして富士山の噴火の警戒レベルというものを設定してあるわけです。
これは、一から五ありまして、一が平常、そして、二になりますと火口周辺の立入禁止、三で入山禁止、四で避難、五で広域の避難、こういった形に上がっていくわけでございますが、これに基づいて、例えば火山が噴火するのではないかというようなことが切迫した際には避難が必要となって、現在この対策協議会で協議をしているルートによって住民の避難を開始するわけでございます。
しかしながら、私は地元におりまして非常に強く感じることが、富士山の周辺の自治体の皆様方が、そもそもこの警戒レベルの存在自体を余り知っていない、知らないんだという方が非常に多いわけでございます。
そこに至って、気象庁さんにお伺いしたいんですが、この避難の際の、事前の避難の担保となる活火山の噴火の警戒レベルに関して、この啓発において、何か特段行っていることがあればお伺いしたいわけなんです。
○羽鳥政府参考人 お答えいたします。
気象庁では、先生お話しのように、富士山の火山活動を二十四時間常時監視し、火山の活動に何らかの異常があれば、速やかに噴火警報を発表するということをしています。
この噴火警報は、平成十九年十二月から開始したということで、先ほどの警戒レベルも含めて、その周知というのは課題であるということは私も認識してございます。
この警戒レベルの策定なんですが、これは一七〇七年の宝永噴火、こういった過去の噴火事例をもとに、地元自治体、当然、県、関係市町村と協議の上設定しておるものでございます。
さらに、富士山では、先ほど先生お話ありましたような富士山火山防災対策協議会が設置されていまして、静岡、山梨、神奈川の三県、さらには関係市町村、当然のこととして、気象庁本庁並びに地元気象台、さらには国土交通省の関係地方事務所、内閣府等も参画して、警戒レベルと連動した広域避難計画の策定を進めているということで、この具体化のために、やはり先生御指摘のように、警戒レベルの周知啓発というのは極めて重要と考えています。
このため、気象庁としましては、関係機関と連携してさまざまな取り組みを進めているわけなんですが、例えば、気象台も加わってございます協議会、ここにおいて防災に対する市民向けの講演あるいは防災訓練等を実施してございますので、これらを通じた周知、さらには、気象庁はもとより、関係機関におけるインターネットによるホームページ、さらにはリーフレット等での周知、また、独自で関係機関あるいは学校等に赴きまして出前講座あるいは講演をやっているということでございますので、気象庁としても、引き続き火山防災対策協議会と連携して周知啓発に努めてまいりたいと思います。
以上でございます。
○吉川(赳)分科員 ありがとうございます。
そういうことでございまして、昨年、一昨年ぐらいから、静岡県の防災訓練というと、俗に言われる東海大地震に対する防災訓練を、学校、さらには自治体で行ってきました。しかしながら、富士山の周辺の自治体では、富士山の噴火も想定したような防災訓練が最近では行われるようになりまして、ぜひ、そういったものを活用しながら、避難のもととなる避難警戒レベルの徹底に今後も努めていただきたいんです。
しかし、一つ言えることが、この警戒レベルの一から五ですが、これが順次上がって、五になったら噴火するということではないわけです。これはあくまで目安でございまして、最近の調査では、急にレベル三になったり、レベル三の状態から急に噴火をしたり、一から四に飛んだり、もしくは、場合によってはまるっきり予兆がないなんということもなきにしもあらずだということでございますので、警戒レベルの徹底はもちろんなんですが、しっかりと、例えば私が今こうして質問をしている間にも、ぼんとはでる可能性もあるわけでございますから、どうか富士山というもの、この徹底に努めていただきたいわけです。
我々富士山周辺に住む住民というものは、富士山の恵みを受けて万人が幸せになる権利というものを有しているわけでございます。今回、世界文化遺産化しまして、それによって、さまざまな富士山の新たな取り組み、さらには地域活性化ということで行っているわけでございますが、その反面、富士山というものは、こういった自然災害というものも含んでいるわけでございます。
かの有名な登山家、深田久弥さんという方が、富士山は万人の摂取に任せる、こういった言葉を残しているわけでございまして、ただ眺めてきれい、登ってきれい、見てきれいだけではなくて、富士山を全体的に捉えて、こういった防災面も、ぜひ今後、国交省さらには気象庁の方で重点的に強化をしていただけたらとお願いをする次第でございます。
続いて、次の質問に移らせていただきます。
これに関して、発生後、かなり関係委員会等で質問がされているところなんですが、今回の雪害に関しまして何点か質問をさせていただきたく思います。
今回の雪害、御承知のとおりでございますが、全国の広い範囲で大雪警報が発令をされたわけでございます。大雪警報発令後の対策の内容は、各基礎自治体によって定められているということでございます。それに沿って、各自治体、さらには国が連携をして、さまざまな、より減災に努めてきた、このように思っているわけでございますが、大雪警報のさらに上に特別警報というものがあるわけですね。
この特別警報、国の指定する特別警報の条件といいますか内容なんですが、「府県程度の広がりをもって五十年に一度の積雪深となり、かつ、その後も警報級の降雪が丸一日程度以上続くと予想される場合に、大雪特別警報を発表します。」というのが、大雪警報の一段階上の特別警報ということになっております。
そして、先週の雪害に関しましては、大雪警報の方が発令されたわけでございます。もちろん、三十年に一度と言われる中で、五十年に一度程度ではありませんし、それが府県にまたがって一日以上続く状態ではなかったわけですから、今回はまさに大雪警報ということで適切だったかとは思うんです。しかしながら、一点、一部の地域では人家の倒壊のおそれ等が予想されて、住民の避難等を要したわけでございます。
そこに至って、現在の雪に関する警報レベル、大雪注意報、今回の大雪警報、そして先ほど説明した特別警報、三段階に分かれておるわけなんですが、今回の積雪が、この三段階の区分けだけでは、私の印象なんですが、大雪警報以上特別警報未満だったのではないのかなというようにちょっと感ずるわけでございます。
そこに至って、現在のこの三つの警報の段階なんですが、もうちょっと細かくこれを細分化する必要もあるのではないか、そういったことを感じたんですが、今後、これに関しまして何かお考えがあればお伺いしたいと思います。
○羽鳥政府参考人 お答えいたします。
委員の御指摘は、気象庁が発表する注意報、警報等の一連の防災気象情報、これについて気象現象の状況に応じて、いかに迅速かつわかりやすく情報をお伝えするかということが重要だという御指摘と受けとめてございます。
気象庁では、今回の大雪事例、これを教訓としまして、十分調査を行いますが、まずは予測技術の向上に努めるということと、防災気象情報の適切な発表、さらには自治体等との連携強化、これに向けて改善を進めたいと思ってございます。
その際、特に重要な点は、自治体や住民の方々に、注意報や警報の段階から早目早目の対応をとっていただく、これが重要かと考えています。
このため、気象庁としましては、時間を追って段階的に注意報、警報、さらに特別警報、さらにはその間を補完するような各種情報を出していますが、これらについて、気象現象の状況に応じて的確に期間をお伝えし、自治体や住民の方々が具体的に対応いただけるというふうに、先生御指摘の点も含めて工夫してまいりたいと思っています。
以上でございます。
○吉川(赳)分科員 ありがとうございます。
この自然現象というものは、同じことは二度起きない、やはり毎回毎回、現象が若干違ってくるわけでございまして、細分化したら切りがないという部分も非常によくわかるんですが、ぜひ、その場その場での適切な行動というものをとれる体制を常時とっていただきたいなと思うわけでございます。
それに関連した質問に移らせていただきたいんですが、今回発令されました大雪警報において、気象庁などが、ニュース番組、さらには記者会見を通して、不要不急の外出を控えてください、こういったことを呼びかけてきたわけでございます。
個人レベルでは、不要不急の外出というものはもちろんなるべく控えていただいて、これはもちろん、自助の精神を持って、そういったことにしっかりと心がけていただきたい。特に今回のことを教訓にそうしていただきたいと思うんですが、この不要不急の外出を控えてくださいということが、とかく経済活動になってくるとまた事情が違うわけでございまして、例えば立場の弱い下請さん、こういった会社さんが、運送業、さらには自社商品の配送、これをどうしても納品をしなければならないんだ、こういう状況もあったんだと思います。現に、私の選挙区の国道百三十八号線というところがあるんですが、これはかなり、業務の大型のトラックがそこで停滞をしてしまって道路を寸断してしまったというような現象が見られたわけでございます。
やはり、とかく下請さん、納品業者となると、雨が降ってもやりが降っても、どうしてもクライアントさんのところにそれを届けなければならないんだ、こういったマインドになってしまいますし、これに関しては、仕事の出し手、クライアントさんの方に、そういった気象の状況に応じて寛容な対応をしていただくということはもちろん、さらには、各会社の防災マニュアルの徹底ということを頼っていくということが大前提だと思うんです。
しかしながら、場合によっては、今回、今のところそういった調査事例はないとは思うんですが、例えばこういった大雪警報によって何か大きな仕事が行えなかった、それによって、ある業者さんが会社が倒産するぐらいの損失が出たり、もしくは、客観的に見てかなり大きな損失が出てしまったということが仮に起こったとします。もちろん、そのときに、これを納品を控えていただくということは、それが全体の利益に鑑みて、やはり道路の寸断等を事前に予防するわけでございますから、企業意識の中で利益よりもそれを優先して、こういった納品等を行わなかったことによって企業さんにそのような大規模な損失が出てしまった場合、今後、もし似たような状況が起きたときに、これに対する対策は何かないのかなというのをぜひお伺いしたいわけなんです。
例えば農林関係ですと、今回ハウスが倒壊した、それの修繕等の補助金を緊急に今策定をしているわけでございまして、今後、気象状況が非常に不安定な昨今において、二次産業を中心とした、そういった下請さんたちの、何というんですか、そういうときに全体の利益を鑑みて運送をとめても、そこで出た損失をしっかりと、場合によっては補填してくれるんだよというような、気持ちの上での担保性があればまた違ってくるのかな、こう思いますので、もしそういったことが起きてしまった場合、何かそういった策は検討していただけるのかなということをちょっとお伺いしたいんです。内閣府さんですか、これは。
○佐々木政府参考人 御指摘の補償の関係でございますが、例えば農業との関係でいいますと、若干性格も異なるものかな、こういうふうに思っております。
一般的には、企業のリスク管理の中で、そういったリスクを経済活動の中にビルトインしていただく。私どもの方でも、企業防災の推進という観点の中で、BCPの策定というものを企業の方に強く今求めてきております。そういった中で対応していただくということになるのが基本かと思っております。
今御指摘のところにございましたが、運送の関係でいえば、例えば運送事業者と荷主さんの間の民民の契約の中であらかじめそういったことを定めておくというようなこととか、そういった形で対応していただくというようなことも重要かなというふうに思っております。
○吉川(赳)分科員 ありがとうございます。
確かにそのとおりだと思います。しかしながら、私の地元はかなり道路が寸断したわけなんですが、こういった業者さんに聞くと、大混乱だったりですとか、やはりどうしても意識の中で、届けなければならないから車を出してしまって、従業員の方が約二日にわたって車に缶詰になった、こういった事例もあるわけでございます。
ですから、先ほどの民民契約の中で防災の意識を共有していただくことですとか、リスク管理のビルトイン、これは十分まだ徹底されていないのかなと感じますので、おっしゃるとおりで農業と性質は違いますので、もし、こういった際の損失の補填、こういったものが検討できない状況であるとするのならば、よりそういったものの徹底に今後も努めていただきたいなと思う次第でございます。
そして、次の質問に移らせていただきます。
これは、ちょっとまた震災関連、防災関連の質問になるわけなんですが、東日本大震災発生以降、沿岸部の津波に対する防災、これはかなり注目が高まりまして、現在、防潮堤のかさ上げ、さらには新たな建設、これがかなり急がれておりますし、現に猛スピードで進んでいる部分だと思います。
そして、私の地元は静岡県なんですが、御承知のとおりでございますが、南海トラフの巨大地震、これを想定した中で、静岡県がレベルを、連動に合わせてL1、L2と設定しておりまして、これはL2の方が大きいわけなんですが、このL2の津波を想定して、それに耐え得るだけの防潮堤の建設、こういったものが計画、さらには現在実行されているわけでございます。
これは、まさに全国津々浦々、こういった津波の被害が予想できるところは共通だとは思うんですが、しかしながら、防潮堤の本来の役割、これをもう一度ちょっと確認させていただきたいんです。
先ほど言った、私の地元の富士市、富士海岸というところがございます。ここは、防潮堤が十七メートルございまして、そして、県の、南海トラフ巨大地震での津波の高さは六メートルというような予想がされております。六メートルの津波予想で十七メートルの防潮堤でございますから、これは十分に防げるんだというような形になっているわけでございます。
しかしながら、この十七メートルの防潮堤ができた経緯というものは、実はこれは津波ではなくて、昭和四十一年の二十六号台風、このときに高波が起こりまして、その当時十三メートルあった防潮堤を乗り越えて、人家の倒壊ですとか浸水被害、こういったものが起こったわけでございます。これによって人命が奪われるような事態にもなりまして、そこで防潮堤のかさ増しということで、十七メートルの防潮堤にしたわけでございます。言うなれば、東日本大震災の前に、防潮堤を台風の高波の被害に鑑みて十七メートルにかさ増しをしたというような経緯があるわけでございます。
その防潮堤がありましたから、今回の南海トラフ巨大地震の六メートルの津波は防げるということで、クリアをしているということなんですが、これも最近の気象状況の変化と言えると思うんですが、台風とか起こると、間々、この十七メートルの防潮堤を高波が越えることが現在起こっているわけでございます。それが、水量が大量に越えて人家が流されるですとか浸水に至るまでの被害は今のところ幸いにも起こっていないわけなんですが、どうしても、東日本大震災の後、地震に連動した津波にフォーカスをしてこの防潮堤というものが考えられているわけなんですが、やはり台風でも高波ということは起こるわけでございまして、富士市の例を挙げましたが、全国的にも、台風による高波被害で津波と同じような被害が起こった地域もあると思いますし、今後それが予想される地域もあると思います。
重ね重ねになりますが、この高波、どちらかというと地震の津波より、どれぐらいの高さになるかということ、これはなかなか予想しづらいところではあるんですが、しかしながら、これも起こることでございますので、現在、地震に連動した津波にフォーカスをして防潮堤の高さを計算しているところが多いと思うんですが、津波だけではなくて、そうやって台風で高波が頻発している地域においては、そういったものもぜひ勘案しながら防潮堤のかさ上げや建設を行っていただきたいなと思うんです。この高波対策に関して、何かそういった計画、さらには予算配分等があれば、お伺いしたいなと思います。
○山縣政府参考人 お答えいたします。
防潮堤ですけれども、これは津波対策のみならず、高潮対策ということで整備をされてございます。
ちなみに、静岡県の津波、高潮対策でございますが、海岸管理者でございます静岡県の方で、津波の高さと高潮の高さを比較した上で、防潮堤等の天端高さを決定し、整備が進められてございます。
御指摘の富士海岸を含めた田子の浦港の地区の海岸ですけれども、これも昭和四十一年の台風二十六号の高潮により被災を受けたことから、十七メーターということで防潮堤を整備してございます。
一方、静岡県では、平成二十五年十一月にまとめられました第四次地震被害想定におきまして想定津波高さの見直しが行われたこともございまして、防潮堤等の天端高さにつきましては、高波対策も含めまして必要な見直しを行い、これを海岸保全基本計画に位置づけるというふうに聞いてございます。
私ども国土交通省といたしましては、海岸保全基本計画に位置づけられました海岸保全施設の整備等に対しまして、防災・安全交付金を活用いたしまして必要な支援を行ってまいりたいと思ってございます。
以上です。
○吉川(赳)分科員 ありがとうございます。
実は、まだ静岡県内、私の選挙区、地元以外では、こういった大規模な地震に連動した津波の高さもクリアしていないような防潮堤もあるわけでございまして、もちろんそこにもしっかりと予算を配分していただく中で、富士市の例えば十七メートル、ある程度高さがあって恵まれている感はあるわけでございます。ですから、全体のバランスを鑑みながら、しかしながら、そこにやはり住民の皆様方の不安がありますので、どうかひとつ勘案して、地震に連動した津波だけではなくて、高潮ということにもしっかりとフォーカスをしてこういった計画を立てていただきたいなと思う次第でございます。
そして、次の質問でございますが、ちょっとまた災害関連になってしまうんですが、先ほど別の質問で挙げさせていただいたとおり、今回の雪害において、国道百三十八号線、これは小山町というところから山梨県につながる道路なんですが、ここが約二日間にわたって寸断をされました。
これは国道であり、主要幹線道路なんですが、片側一車線通行の道路でございます。幹線道路で、ある程度の通行量がありつつも片側一車線の道路というところが、全国津々浦々、かなりあるかと思うんですが、しかしながら、これは主要幹線道路でございますから、できれば二車線だったらありがたいなというようなところだと思います。
とかく、例えばなんですけれども、この百三十八号線、先ほどの富士山の噴火にもちょっと関連してくるんですが、仮に富士山の噴火が起こったとすると、約二十四時間で国道百三十八号線は溶岩流が到達するというような計算がされております。さらに、噴火が冬場になりますと、融雪型の雪崩、これが起きるというようなことです。噴火と同時に雪が解けて、津波のような形で山からざあっとおりてくるわけなんですね。これはまさに、溶岩流と違って、二十四時間ではなくて、本当に数分で到達してしまう。そうなると、この百三十八号線というものは寸断されてしまうという予測がされるんです。
先ほど申し上げましたとおり、噴火というものは、事前に予知ができれば、例えば一日前とかに住民の避難が可能なわけなんですね。そうなったときに、主要幹線道路でもあり、そういうときのある意味避難経路となるこういった道路、これがどうも片側一車線通行では、多分、いざとなったときにほとんど使い物にならないんじゃないかな、こういった予想がされるわけでございます。
もちろん、私の挙げた地元の道路だけではなくて、全国には、そういった例えば緊急時の避難路だったりですとか、非常に交通量に見合っていないような片側一車線の道路、本来は二車線、三車線あればありがたいなというような道路があるかと思うんですが、国土強靱化計画も言われている中で、こういった片側一車線道路、これを全体的に、一車線道路を二車線化というような形で、ぜひそういった計画、拡幅等を図っていただきたいなと思うんですが、国交省の道路局でございますか、よろしくお願いします。
○徳山政府参考人 お答えを申し上げます。
今回の降雪におきましても、先生御指摘のとおり、静岡県内だけを見ましても、高速道路で、東名、新東名、東富士五湖道路の三区間、直轄では、百三十八号、百三十九号の二区間で通行どめになりました。
今回の大きな特徴といたしまして、ふだん雪が少ない地域の大雪でございまして、いろいろと多くの課題を突きつけられた雪でございました。
これに対しましては、通行どめのあり方や情報提供、いろいろな課題があるわけでございますけれども、その中の一つとして、先生おっしゃいましたとおり、もしもう一車線、あるいは路肩が広ければ、雪を除雪するという面でも効果があったのではないかということも考えております。
また、今おっしゃいました、噴火時の道路、避難道路としての意味でありますけれども、従来、やはり平時の考え方で道路網あるいは道路構造を考える風潮があったわけでございますけれども、このあたりは東日本大震災を契機として大きく変わったと思います。一本の道路が通行できなくなっても代替性がある、リダンダンシーという考え方ですとか、あるいは、一つの道路そのものの構造も強い道路である、あるいはそこが避難に使える、そういった考え方に変わってまいったわけでございます。
今後、首都直下や南海トラフ、あるいは噴火などの災害も切迫しておりますわけでございますので、平時だけではなくて、非常時の人命を守るという観点からも、御指摘のような、余裕のある、あるいは必要な道路整備を考えてまいりたいと思っております。
○吉川(赳)分科員 ありがとうございます。
時間もないので、最後の質問に移らせていただきます。ちょっと簡潔に。
俗に言われます計画道路というのがございますね。しかしながら、計画されていながらも、まだ事業化されていないというところが、全国津々浦々、いっぱいあるんだと思います。
私の地元でも、伊豆縦貫道というのがあるんですね。沼津市の西側から、伊豆をぐっと行って、伊豆の下田までつながる道路でございます。伊豆縦貫道、とかく、この西側の区間、東駿河湾環状道路なんと言われるんですが、例えば、この一部区域、東駿河湾環状道路西区間なんという言い方をするんですが、沼津市原の一本松というところにつながる七・九キロ区間、これは計画はされているんですが、一向に事業化のめどが立っていないところでございます。
これに関しましては、やはり、これは計画されているものですから、そのさまざまな必要に応じて計画をされたんだと思います。そこにおいて、これに希望を持っている方たちというのがいっぱいおりまして、例えば、地元の地方議員さんでもそれに向けて尽力している方もいれば、まさにこの道路ができれば、本当に、日常の生活、利便性の向上、こういったことにつながっていくんだと期待している地域住民の皆様方がいるんですね。
この計画道路ということなんですが、これは非常に難しい話かもしれないんですが、ぜひ、この事業採択の見込みというものを、未定ではなくて、もう少し全体的に示していただけたらありがたいなと思います。
僕も、地元の方に、この計画道路はいつ事業化するんだと言われて、さすがに近いうちだとも言えずに答えに窮する場面があるわけでございますので、どうか計画されているものに関しての事業化の見通しをもう少し明確にしていただきたいなと思うんですが、それに関して御答弁いただけますでしょうか。
○徳山政府参考人 ただいま先生御指摘の東駿河湾環状道路でございますけれども、今月二月の十一日に、まさに一番東の区間が開通をいたしました。これで国道一号の渋滞緩和に寄与すると考えておりますけれども、地元はまさに、今度は一番左の、今先生おっしゃった七・九キロの新規事業化に大きな期待が集まっている、こういうふうに認識をしております。
当該区間につきましては、事業化の条件となります環境調査を現在実施しております。これは地元の生態系あるいは貴重種などについての環境調査を進めておるわけでございまして、この部分については、なかなか私どもだけでいつまでと申し上げにくい状況でございます。これらの進捗状況を見ながら、事業化について検討させていただきたいと思っております。
○吉川(赳)分科員 ありがとうございました。
最後に、計画道路ということなんですが、先ほど言ったように、一部区間は今、開通しているんですよね。私は、やはり結局、計画道路がもう最初から最後までぴしっと通ることが重要だと思います。この進捗ぐあい、予算の関係ですとかいろいろあるかと思いますので、もちろん長い目で見ながらということなんですが、でも、必ず事業化を行っていただきたいなと思います。
道路ですから、僕は最後まで通すということが非常に大切なんだと思います。上から読んでも道路、下から読んでもロードでございますから、順番は関係ありません。意味は一緒でございます。そういうことでございまして、しっかりとこの道路をつくっていただくということ、今注目されていることなので、お願いをしながら、質問を終わらせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
○石田主査 これにて吉川赳君の質疑は終了いたしました。
次に、大口善徳君。
○大口分科員 公明党の大口でございます。
大臣初め、静岡県のもろもろの問題につきまして質問をさせていただきたいと思います。
二月の二十一日に、今お話がございました東駿河湾環状道路の三島塚原インターから函南塚本インターチェンジまで六・八キロ、皆さんの御努力によりまして供用され、これによって、東名、新東名から天城北道路大平インターチェンジまで一本につながり、伊豆半島の春の観光に大きな追い風になるということで、地元も喜んでいるわけでございます。
そういう中で、今回さらに、伊豆縦貫道路、そしてまた東駿河湾環状道路につきましてお伺いをさせていただきたいと思っております。
まず、東駿河湾環状道路の大場・函南から函南の区間、天城北道路の大平インターから天城湯ケ島インター、そして河津下田道路の二期区間の河津インターから下田北インターの区間の整備計画区間があるわけであります。
特に、大平インターチェンジから天城湯ケ島インターチェンジは、早期の供用をお願いしたいわけであります。そしてまた、河津下田道路二期区間につきましては、河津インターチェンジ―逆川インターチェンジの早期の工事の着工を望む声が地元に非常に強いわけでございます。これらの区間の見通しについてお伺いさせていただきたいと思います。
そしてまた、天城湯ケ島インターチェンジから河津インターチェンジの区間がまだ事業決定されていない。この見通しについてもお伺いさせていただきたいと思います。
○徳山政府参考人 お答え申し上げます。
伊豆地方の観光シーズンの渋滞の問題、あるいは南海トラフ巨大地震に伴います甚大な被害が想定される地域であること、こういった面から考えますと、伊豆地方の交通網は非常に脆弱であると思います。
その中で、伊豆縦貫自動車道は、延長約六十キロでございますけれども、これらの課題を解決する上での重要な道路であると認識をしております。現在、約三割が開通をした状況でございます。
お尋ねの個別区間について、大急ぎで申し上げます。
まず、天城北道路でございますけれども、現在、用地買収と工事を実施しております。ただ、一部、用地取得が難航しているところがございまして、これの様子によりまして、なかなか明確な開通年度をお示しできておりません。ただ、用地は九九%買えておりますので、あと一息ということでございます。
また、河津下田道路二期につきまして、今先生からお話のございました河津インターから逆川インターの間、平成二十五年度から用地買収に着手したところでございます。現在、ここの用地進捗率は九%というところでございまして、まとまった用地が買収できましたら着工していく、こういう手順になろうかと思います。
一方、調査中の伊豆市から河津町間は、現在、整備方針等の検討を実施しているところでございまして、引き続き、必要な調査を推進するなど取り組んでまいりたいと思います。
今後とも、地域の皆様の御協力も得ながら、こういう重要な道路の早期整備に向けて努力をしてまいります。
○大口分科員 房総半島、三浦半島に比べまして、伊豆半島は非常に整備がおくれているということで、本当に、これから観光立国ということを考えましても、ぜひとも推進方をお願いしたいと思います。
そして、今、吉川議員からも御指摘がありました、東駿河湾環状道路の沼津岡宮インターから東側は開通をしたわけでございます。いよいよこれから西側です。岡宮から沼津市原一本松まで七・九キロメートルを残すことになったわけでございます。
この地域は、国道一号線が主要な道路であって、県内有数の交通量で、慢性的な渋滞を起こしている。また、この国一は、想定される南海トラフ地震の際に、津波とか液状化によって多大な影響を受ける道路である。それで、災害に強い道路が早急に求められる。こういうことで、この沼津岡宮インターから原一本松区間は都市計画道路として決定されているにもかかわらず、いまだ事業化がされていないということでございます。
ぜひとも、これは地元の要望が非常に強うございますので、この事業の見通しについてお伺いしたいと思います。大臣、よろしくお願いします。
○太田国務大臣 東駿河湾環状道路の沼津岡宮から原一本松区間は、沼津市街部の国道一号の渋滞の緩和、沿道環境の改善に大きな役割を果たし、また、今後想定される南海トラフ地震時におきましても、避難とか救援、物資の輸送に極めて重要な道路であるという認識をしております。
この新規事業化につきましては、現在実施中の猛禽類の生息調査など、希少種等に関する環境調査の進捗状況等を踏まえまして、引き続き検討したいというふうに思っているところです。
○大口分科員 くれぐれもよろしくお願いしたいと思います。地元の市長を初め、お正月もいろいろとお話を聞かせていただきましたが、よろしくお願いしたいと思います。
次に、三遠南信自動車道についてでございます。
これにつきましては、水窪北インターチェンジから佐久間インターチェンジの間につきまして、ルートは検討中ということであります。昨年の十二月二十六日に、社会資本整備審議会の道路分科会、平成二十五年度の第二回中部地方小委員会で、第二案の現道改良プラス別線整備案を基本として検討するということが決まったわけでございます。静岡県も浜松市もこのルートで推進したいと考えているわけでございますけれども、ルートの最終決定はいつになるのか、お伺いしたいと思います。
そしてまた、この佐久間道路・三遠道路の東栄インターチェンジ―鳳来峡インターチェンジ間、ここが事業中区間でありますけれども、この開通時期のめどについてお伺いしたい。
そしてさらに、青崩峠道路は、全体事業区間十三・一キロのうち、小嵐インターチェンジから水窪北インターチェンジまで五・九キロについて、当面整備区間として国が事業を進めているわけでありますけれども、この開通時期の見通しについてもお伺いしたいと思います。
○徳山政府参考人 お答えを申し上げます。
三遠南信自動車道でございますけれども、高次医療施設への速達性の確保、あるいは災害時の輸送ルート、こういった意味でも非常に重要な路線であると認識をしておりまして、全体延長百キロのうち、これまで約三割に当たる二十六キロが開通したというところでございます。
まず、お尋ねの、調査中の区間でございます水窪北から佐久間間でございますけれども、計画段階評価手続を実施してきたところでございまして、昨年十二月二十六日に地方小委員会を開いて、ルート帯の案を取りまとめたところでございます。
したがいまして、今後は、浜松市などの地方自治体と協力して、詳細なルート、構造の検討や環境アセスメントなどの必要な調査を進める、こういう段取りになろうかと思います。
事業中区間につきまして、三区間、御質問いただきました。
まず、飯喬道路でございますけれども、現在、用地買収及び工事を推進しております。このうち、龍江インターチェンジと飯田東インターチェンジ間につきましては、平成二十九年度の開通を予定しております。
また、次の青崩峠道路でございますけれども、おかげさまで、用地買収は一〇〇%完了いたしました。あとの開通に向けての課題はトンネルでございますけれども、崩れやすい地盤におきまして延長五キロの長大トンネルを掘削することから、慎重に工事を進めております。開通時期につきましては、このトンネル工事の進捗を踏まえながら検討してまいります。
また、佐久間道路・三遠道路のうち、佐久間インターチェンジから東栄インターチェンジは、平成三十年度の開通を予定しておりまして、さらに、残る東栄インターチェンジから鳳来峡インターチェンジにつきましては、二十五年度より用地買収に着手をしたところということでございます。
引き続き、地域の皆様の御協力も得ながら、三遠南信自動車道の早期開通に向けて努力をしてまいります。
○大口分科員 次に、中部横断自動車道につきましては、大臣に大変お世話になりまして、二十九年度には甲府までということで、大変応援していただいているわけでございますけれども、この中部横断自動車道と国際拠点港湾の清水港を直結する地域高規格道路の静岡東西道路の一部を構成します国道一号静清バイパスの清水立体事業についてお伺いしたいと思います。
この清水立体は、御案内のとおり、静岡市清水区の横砂東町から八坂西町の高架化事業でございまして、特に渋滞が著しく、唯一平面区間として残されているわけでございます。当該箇所を立体化することによりまして、慢性的な交通渋滞を解消するのみならず、清水港と高速道路が直結されるということによりまして、事前防災の促進、発災後の救援、復興活動の迅速化、さらには地域経済、この静岡県中部地域の発展に大きく寄与するものと期待されておるわけでございます。
この国道一号静清バイパスの清水立体を早期に整備すべきと考えますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○太田国務大臣 国道一号静清バイパスは、静岡県の中心であります静清都市圏の交通混雑の緩和や、国際拠点港湾である清水港へのアクセス向上を目的にした道路ですが、渋滞がかなり厳しいという状況でございます。
静清バイパスとしましては、平成九年の三月までに全線暫定二車線で開通をしましたが、渋滞状況を勘案しまして、順次四車線化や立体化を進めているところです。これまでに、七割、延長約十八キロメートルの区間が四車線となっているわけであります。
清水立体につきましては、平成二十年一月に立体化の都市計画変更がなされて、これまで約七割の用地買収が完了した。七割完了したということは、まだ用地買収が三割残っているということです。この用地買収は極めて重要でありますものですから、引き続き、地域の皆様の御協力を得ながら、とにかく早期供用できるように努力をしたいというふうに思っているところです。
○大口分科員 昨年五月二十五日に、清水港の新興津コンテナターミナル第二バースが供用開始されたということで、地元はそういう点では非常に評価しているわけです。
ただ、小型船の船だまり整備事業、人工海浜、緑地整備事業は非常に大幅におくれている、これが現状でございます。やはり港内の船舶の運航の安全性、利便性の向上を図るという点では、小型船だまりの移転、集約が必要でございますし、また、観光交流拠点の整備、水産業の六次産業化を促進する基盤整備ということでもあるわけでございます。
そこで、とにかく、興津地域の皆さんにとっては、小型船だまり整備事業と人工海浜完成は悲願でございます。中部横断自動車道の整備によって観光交流人口の拡大も見込まれますので、再びにぎわいのある町を取り戻したいということでございます。一日も早い完成について強く要望をさせていただきたいと思いますが、事業の見通しについてお伺いしたいと思います。
○山縣政府参考人 お答えいたします。
清水港では、新興津地区の国際海上コンテナターミナルでの耐震強化岸壁の整備、あるいは防波堤の粘り強い構造への補強を国の事業として進めているところでございます。
お話のございました港湾環境整備事業といたしまして、新興津地区におきましては、小型船だまりあるいは人工海浜、緑地の整備を、社会資本整備総合交付金あるいは防災・安全交付金によりまして、静岡県が整備を進めております。
私ども国交省といたしましては、地元からの要望を踏まえつつ、小型船だまりあるいは人工海浜、緑地の整備につきまして、これらの交付金により、引き続き支援をしてまいりたいと考えてございます。
○大口分科員 次に、富士山静岡空港についてお伺いさせていただきたいと思います。
昨年の九月二十六日に、交通政策審議会の航空分科会基本政策部会におきまして、首都圏空港をめぐる航空政策上の課題の整理が行われました。その中で、平成二十六年度末に予定されている羽田、成田の空港容量七十五万回は、二〇二〇年代前半に超過する見通しである、あるいは、今後の首都圏空港容量拡大の検討に当たっては、羽田、成田だけではなく、静岡、横田、茨城の空港等の活用も検討すべきである、こういう意見があるわけでございます。
二〇二〇年に東京オリンピック・パラリンピックも行われるなど、首都圏を中心とした大規模イベントのときの輸送計画における富士山静岡空港の位置づけについてお伺いしたいと思うわけでございます。
国土交通省として、この首都圏空港の容量拡大の対応策としての富士山静岡空港の活用をどうお考えなのか。そしてまた、静岡空港を首都圏空港のリダンダンシーとして、富士山の噴火による降灰への対応も含め、防災拠点としての活用を視野に検討すべきと考えます。大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○太田国務大臣 首都圏空港の機能強化は極めて大事な上に、東京オリンピック・パラリンピックが二〇二〇年ということを考えると、かなり力を入れて強化を図らなくてはならない。
今御指摘のように、その中の一つとして静岡、そして横田や茨城もありますが、静岡空港の位置づけは極めて意義あるものだというふうに私は思っているところです。
したがって、現在、交通政策審議会航空分科会基本政策部会のもとで、学者、専門家で構成する小委員会で論議をしているところでありますけれども、この検討の中で、静岡空港も含めて、機能強化ということについて、またその可能性について、議論を深めていただきたいというふうに思っているところです。
また、防災という観点では、大口委員が常に言われています、富士山の噴火という面もございます。また、南海トラフの地震、あるいはまた首都直下の地震でも、静岡空港が防災拠点として果たす役割というのは私は極めて大きいというふうに思いますし、富士山の噴火の場合、灰が降るのはどちらかというと東側になるということからいきまして、静岡空港の防災拠点としての位置づけは極めて重要だというふうに思っております。
ここは、その観点からも、十分利用について検討をしていきたいというふうに思っているところです。
○大口分科員 ソチのオリンピックが終わって、これからパラリンピックということでございますけれども、本当に二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックというのは、やはり世界に向けて日本を発信していく非常にチャンスでもあるわけです。特に、地方におきましても、これは大きく世界に向けてアピールし、スポーツの交流、そして文化の交流、草の根の国際的な交流をしてまいりたい、こういうふうに考えているわけであります。
そういう中で、静岡県におきましては、日本のトップアスリートの練習拠点の施設を充実させて、東京からのアクセスもよくて、富士山もある、観光資源も充実しているということで、昨年十月二十五日に推進本部を設置しまして、合宿誘致のための準備も進めているところでございます。
こういうように、地方はそれぞれ二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックに向けて準備をしているところでありますけれども、観光庁は、二〇二〇年に向けて、外国人旅行者数二千万人を目標に掲げている。昨年、一千万を突破したわけでありますけれども、東京を目指して来る旅行客に、どのようにして日本各地の観光地を訪問してもらうのか、地方都市と協力して取り組む大きなテーマであると思います。
本年六月に、観光立国実現に向けてのアクションプログラムの改訂版の策定も予定されているわけです。今後、どのように地方へのインバウンド戦略を進めていくのか、お伺いしたいと思います。
○久保政府参考人 今先生お話しいただきました、観光立国推進閣僚会議におきまして、総理から、二〇二〇年に向けて、訪日外国人旅行者数二千万人の高みを目指して、政府一丸となって観光立国を推進する、そのために、外国人旅行者に不便な規制や障害の徹底的な洗い出し、そして、現在のアクションプログラムの改定について御指示をいただきました。
このアクションプログラムにつきましては、六月を目途に、有識者の皆さんの御意見も踏まえながら改定を行う予定ですが、その改定の際には、富士山の世界文化遺産への登録、そしてまた、お話をいただきました二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催決定、それと、和食がユネスコの無形文化遺産になっておりますので、そういった登録、これらのことを踏まえた上で見直しをしていきたいと思っています。
今後は、こうした日本への国際的注目度、各地域への注目度を生かしつつ、地方の魅力を積極的に発信するとともに、例えば、富士山周辺の静岡県、山梨県において地域間の広域連携を進める、面としての観光振興を図る、あるいは、オリンピック・パラリンピック前後に東京に来られる場合であっても、東京プラスワン、プラスツーという形で地方への誘客を進める、こういった形で地方への訪問を促進していきたいというふうに考えております。
私どもといたしましては、外国人旅行者の方に魅力ある日本各地を訪問していただくため、地方、地域との連携もさらに強化して、訪日促進に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
以上です。
○大口分科員 次に、三保の松原についてお伺いをしたいと思います。
御案内のとおり、日本三大松原の一つでございまして、美しい砂浜と背後の松林、そして霊峰富士を仰ぐということで、日本有数の景勝地であるわけでございます。まさしく白砂青松の海岸であります。
これにつきまして、本当におかげさまで、昨年六月に世界文化遺産に富士山が登録されたわけでありますが、その構成資産として、本当に大逆転という形で認定をされたわけでございます。
ここは、安倍川における砂利の採取というのがございまして、海岸侵食によって消失の危機に瀕した、そういうことから、国交省もいろいろと御努力いただいて、砂浜の保全や、三保の松原にふさわしい景観を残すために、ヘッドランド工法であるとか養浜などの対策を行っていただいたわけでございます。
しかしながら、今回、世界文化遺産の登録の過程において、砂浜の保全に大きな役割を果たしてきた消波ブロックの存在が、審美的観点においては望ましくない、こういう指摘を受けまして、静岡県として、三保松原白砂青松保全技術会議を開催して、三保の松原の海岸における、世界文化遺産としての資産価値の保護と安全、安心が両立する新しい姿、これを模索しているところでございます。
会議が二回開かれまして、既存の消波ブロックにかわる工法として、L型突堤と養浜の併用で臨もうとしているところでございます。このL型突堤においては、今後、形状、寸法などの基本構造や、色合いなどの意匠設計、施工順序などの施工計画といった工法上の検討や養浜のあり方、さらに、補助的工法の必要性など、景観改善基本方針に沿った効果を上げるために、技術的支援、経済支援が持続的に必要であると考えているわけでございます。
太田国交大臣におかれましては、昨年七月三十一日、三保の松原を視察していただきまして、静岡県の海象、地形状況が非常に厳しい海岸において、海岸の防護と世界文化遺産にふさわしい景観の両立ということで、非常に困難な課題に取り組んでいるところを見ていただいたわけでございます。
国交省からは、海岸工学とか土砂管理の見地からのさまざまな助言をいただいております。今回の検討に当たっても、技術会議への委員の派遣でありますとか技術的支援もいただいています。今後とも、同様の支援を続けていただきたい。
そのことをお願いするとともに、第二回のこの技術会議におきまして、短期対策において、概算事業費で約三十億ぐらいかかる、こういうことが示されているわけです。侵食対策については国の予算確保をしていただいておるわけでございますけれども、今後の対策の実施において必要な予算の確保、これについてもお願いをしたいと思います。
大臣の御答弁をお願いします。
○太田国務大臣 富士山の世界文化遺産登録に当たりまして、三保の松原があわせて登録をされたことは大変喜ばしいことだというふうに思いますし、昨年七月末、大口先生と一緒に現地に行かせていただきまして、改めて、美しい海岸、これを本当に美しい状況で残していかなくてはいけないという思いを深くしました。
技術の会議が行われて、表に出ない形での、L字形のそうした突堤というものの工法の研究が行われて、モデルで二つぐらいそれが始まっているわけでありますけれども、さらに技術的な見地をしっかりと確立すること、そして、御指摘のように、予算をしっかり確保する、補助金になると思いますが、そうした交付金についてもしっかり予算を確保して、ああ、三保の松原は間違いなくいい景色のままで残ったなと。また、現在より一層観光客が訪れていただくように努力をして、頑張っていきたいというふうに思っております。
○大口分科員 大変力強い御答弁をいただきまして、まことにありがたく思っております。
最後になりますけれども、南海トラフの巨大地震の被害想定で、静岡県の死者数は最大十一万と推計され、全国で最も大きな被害となっているわけでございます。
そういう中で、静岡県も、第四次の地震被害想定において、南海トラフ巨大地震での死者数を最大約十万五千としているわけであります。
県として、地震・津波対策のアクションプログラム二〇一三、これを策定しました。そして、この基本方針の一番目として、地震、津波から命を守る。一人でも多くの県民の命を守るために、社会資本整備総合交付金、防災・安全交付金などを活用しながら、防潮堤を初めとする津波防災施設などの整備に加えて、適切な住民避難を確保するための対策というものを今進めているところでございます。
このアクションプログラムの計画期間の十年、総額四千二百億円が見込まれているわけでございまして、今後、国土交通省所管の事業について、事業の促進を図るとともに、県への支援のお願いをしたいと考えております。
国交省のお考えをお伺いします。
○山縣政府参考人 お答えいたします。
議員御指摘のとおり、静岡県におかれましては、東日本大震災を機に、想定する地震の見直しを行いまして、この地震により想定される被害をできるだけ軽減するために、地震・津波対策アクションプログラム二〇一三というものを策定してございます。この中で、新たな津波被害想定への対策とか超広域災害への対応、そして、複合災害、連続災害対策を重点施策として位置づけてございまして、総合的な地震、津波対策を進めております。
このアクションプログラムの中には、国土交通省所管の事業といたしまして、防波堤の粘り強い構造への改良、あるいは海岸堤防の耐震化などが含まれているのは承知してございます。
今後、直轄港湾整備事業によりまして必要な対策を推進していくとともに、静岡県が実施する事業につきましては、防災・安全交付金等を活用いたしまして、大規模地震、津波への対策を支援してまいりたいと考えてございます。
以上です。
○大口分科員 ありがとうございました。
またよろしくお願いします。失礼いたします。
○石田主査 これにて大口善徳君の質疑は終了いたしました。
次に、村岡敏英君。
○村岡分科員 日本維新の会の村岡敏英でございます。
きょうは、第八分科会で国土交通省関連を御質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
思いがあるのは、国土交通省というのは、建設省、運輸省と合併して、その当時、巨大官庁になるんじゃないかということで大変懸念された部分もあったんですけれども、私も内閣官房長官秘書官として、橋本内閣のときに、ちょうど合併のところに事務方として参加した者として、国土交通省の幅広さというのは大変だ、こう思っております。
例えば、道路も河川も、そして住宅も下水等も、町の基本となるたくさんの整備をされている。運輸では、交通体系の中で、鉄道、バス、さらにはタクシー等、いろいろな部分で密接に住民とかかわり合う。国民の生活に密着していることを全てやっている大変な省庁だ、こう思っています。そして、その間、鉄道では、JR東日本、西日本と、JRを民営化した。さらには、道路公団の民営化等、いろいろな意味で、新しい実験もしながら、この南北に広い国土をしっかりと支えている省庁だ、こう思っております。
その意味で、太田大臣は、この国土交通行政を一年間やられまして、国土交通省をこれからどのように発展させ、そして、生活に密着した、国民から信頼を受ける国土交通省としていきたいか、一年間の感想を含めてお願いしたいと思っています。
〔主査退席、秋元主査代理着席〕
○太田国務大臣 一年間、ある意味では毎日のように、いろいろな事故等が起きまして、対応というものに追われましたが、今まで公共事業悪玉論ということが一方では言われてきまして、しかしまた、我が省に、私のところにも、ここの道路を何とかしてほしい、ここの港湾を充実してほしい、いろいろなそういう要望が、また、ほかの省庁より、増して多い官庁だったというふうに思います。
私は、昨年はメンテナンス元年、こういうふうに呼びまして、今までの国土交通行政ではメーンストリームになっておりませんでした、東日本大震災やあるいはまた笹子トンネルの天井板落下事故を受けまして、防災・減災、老朽化対策、メンテナンス、耐震化、こうしたことが極めて重要であるという位置づけをさせていただいたところです。
その方向性の上に、未来に向けてどういう国土行政を展開していったらいいかという、国土に関するトータルビジョンというものを出す必要があるということで、この三月に、どういう形になるかわかりませんけれども、二〇五〇年ぐらいを視野に置いたビジョンというものをつくろうということで、今鋭意努力をしているところでございます。
そうした、現在と未来ということにつきましても感ずることは、日本はつくづく脆弱国土であるということです。首都直下地震、南海トラフの地震というものが緊迫するという状況になってきている上に、災害も、今まで、竜巻とか、あるいは、山梨県やこういうところに一メートル以上の降雪があるなどということはなかなか考えられない気象状況の変化というものがありまして、それらにどう対応するかということでございます。
また、日沿道は極めて重要だということで、私は工事化を進めるという決断をさせていただいたんですが、これから、太平洋の港と同様、またそれ以上に、日本海側の港というものが、これからの世界の大きな物流の動きから見ると、大事なことである。
また、日沿道の小坂―大館のところが開通をしました。そうしますと、大館、小坂から、青森へも、秋田へも、盛岡へも、そこが一番中心になるというようなことで、私は、秋田あるいは日本海側というところに、これからさらに国土交通行政としての光をしっかり当てて、防災というだけでなく、未来へ向けてのインフラ整備に努力をしたいというふうに思っているところです。
それを担う建設業界が、公共事業は無駄であるというようなことの中で、予算が急に減らされてきたりして、また、景気のために公共事業という言葉が使われたりするんですけれども、もっと安定した、そして持続的な公共事業というものをしっかりにらんで、そして、安定した職業で誇りのある職業だぞ、こう若い人に思っていただくような、そうしたこともことしは大事なことだというふうに思っております。
いろいろな意味で、未来に向けて、ことしはいい仕事をしていかなくてはいけないということを強く思っているところです。
○村岡分科員 ありがとうございました。
一年間やられて、防災というのが、東日本大震災から三年たとうとしております。そういう意味では、安心、安全の国土をつくっていくということは、道路、堤防もあります、いろいろな意味で国土交通省がしっかりと頑張っていただきたい、こう思っております。
さらには、先ほど出していただきましたあの東日本大震災のとき、私は秋田におりました。秋田でも、物流で食料が入らない、停電もありました。しかし、実際に大変だったのは、福島、宮城、岩手を中心とする太平洋岸でした。これは、太平洋岸に、地震はあってはいけないですけれども、あったときに、日本海側も、物流として、また救済として、しっかりとした機能を果たすようにお願いしたい、こう思っております。
さらには、国交省には、そういう部分と、観光という大きな分野があります。観光に関しては、今、観光庁というふうな形で力を入れている、こう思っているんですが、日本にとって一つの産業で、成長戦略の中で、観光という視点は非常に大切です。
日本の美しい国土、そして観光資源あふれる日本に海外からいろいろな方に来ていただく。そのために、観光でいろいろな海外の人が来たときに、ホテルにしても、また道路にしても、いろいろな表示にしても、問題になっています。
やはり、観光で海外から受け入れる人に対して、観光行政の中で今いろいろ取り組んでいることを少し教えていただければと思っております。
○太田国務大臣 観光ということについて言えば、外国の方が一千万人を突破したというのは、昨年二百万人ふえまして、目標が達成して大変よかったと思います。
それは、日本という国の魅力が再び出てきた。元気なところに人が集まる、こう言いますけれども、本当に元気になったということが一つ。それから、ビザの緩和等のそうした誘客措置というものがとられたということが一つ。そして、何よりも、日本にはさまざまな、世界に誇るべき、発信できるブランドというものがある。そういうことが相まって、見るものと食べるものと買えるもの、見るものと同時に、買い物と、そして食べ物があるということが非常に大事なんです。私は、これがそろっているのが日本だというふうに思っています。
そういう意味では、秋田なら秋田のここがということだけ言って東北中央道を回るか、あるいは、点ではなくて、山形、秋田、青森というのをどういうふうにつないでいったらいいかという、点から線へ、線から面へという幅広い転換という観光戦略というものを立てていかなくてはいけないと思います。
夢は戦略ではない、政治家は夢を語るのも大事だが、戦略性を持て、こう言われますが、夢だけに終わらないで、戦略を立てるのが国土交通行政を担っている私たちの役割だというふうに思っております。
○村岡分科員 大変ありがとうございます。
国内の観光の中で、国内でいろいろ動くのも大切、それから、海外からお客さんに入っていただくというのも大切だと思います。
そこで、EUだとか東南アジアですと、観光大臣までいるという状況があります。そういう意味では、国土の保全を預かる大臣ですけれども、海外へもどんどん観光で出ていって、日本のよさを国土交通大臣が観光担当として言っていただきたい、こう思っております。そのときには私も賛成いたしますので、海外で観光をぜひ、特に東京オリンピックが六年後ということもありますし、大臣が行けなければ野上副大臣、政務官、そういう形でどんどん海外にも国土交通省の政治家が行くべきだ、こう思っております。
日本は、観光というと、民間にはもちろんある程度主導権を握っていただくわけですけれども、どうも観光を売り出すときに、政治が海外に積極的に行かれていないような気がいたしております。そういう意味では、今後、大臣のもとで、観光で、副大臣、政務官を初め、いろいろな方が日本を東京オリンピックに向けて売り出すために、何か政治家が海外に行って動くことを国土交通省では考えていらっしゃるでしょうか。
○太田国務大臣 私は、東南アジア等、昨年度も集中的に行きましたけれども、対談しますと、全部、観光大臣というのが出てくるんですね。鉄道大臣も運輸大臣も建設大臣も観光大臣も出てきて、一人で相手をするわけなんですけれども、観光というのが非常に大きな役割だなと。そしてまた、観光というものが交流、友好ということに一番つながりやすいという感を大変深くしております。
今、副大臣、政務官がいますが、今までとは違ってかなり海外に行くようになって、特に観光分野について大きく交流を進めていくという布陣をし、また、JNTOなんかの事務所を、この間インドネシアに出しましたけれども、そのように拠点をつくるというようなこと。
また、海外のメディアに日本を取材してもらう。昔から「おしん」とかも出しているということもあるんですが、それはかなり予算もかかることでありますので、大いに取材をしていただく、メディアというものを大きく使うというようなことも含めて、世界の方たちに、観光ということを、日本のよさを訴えていくということにより一層努めていきたいと思っているところです。
○村岡分科員 ぜひ政治家が中心となって、国土交通省の人たちも各国の大使館に行っていると思いますけれども、観光に力を入れていただきたい、こういうふうに思っております。力強いお言葉を聞いたので、一層観光の部分で国土交通省も力を入れていくと思いますので、よろしくお願いします。
質問はかわりますけれども、先ほどの東京オリンピック、六年後ですけれども、先ほどの質問にもありましたけれども、東京オリンピックに向けて、成田、羽田というのが大切な海外のお客様を迎える拠点になる、こう思っております。
私も成田には思い入れがありまして、今から二十四年前、運輸大臣秘書官をやりまして、その当時は成田で反対闘争がありまして、その反対闘争の中でお亡くなりになった元京大生の東山さんという方が奈良に住んでおりまして、私が秘書官として、国として初めてお悔やみに行った。そこで、いろいろな人の努力があって成田の建設が進んだということもあり、成田というのは日本の国際的な玄関口であり、大切なものだと。
それから、今度は羽田が滑走路をつくり、羽田も国際化が進んでいるわけですけれども、成田、羽田と発着枠も大分ふえてきております。しかしながら、まだまだエアラインも、もっと離着陸したいという要望もたくさんあるように聞いております。そういう中で、先ほど横田や静岡という話もありました。
六年後を見据えて、外国人を飛行機で受け入れるときの滑走路の整備をどのようにしていくのか。それとも、静岡や横田の航空権の部分を米軍との話し合いの中でふやしていくのか。その辺はどう思っていらっしゃるのか。教えていただければと思います。
○田村政府参考人 お答え申し上げます。
今先生御質問ございましたように、国内だけではなくて、外国からもたくさんお客様が来るということで、そういう多様な航空サービスを受け入れるためには、まず首都圏空港の機能強化というものが重要であるということでございます。
羽田につきましては、今年度末に四十四・七万回化いたしますし、それから、成田につきましては、来年度中に三十万回化するということではございますけれども、さらなる機能強化につきまして、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック、さらには、その先を見据えまして技術的な検討を行っているところでございます。
具体的には、交通政策審議会航空分科会基本政策部会の下に学者や専門家で構成する小委員会を設置いたしまして、ここで検討を行っていただいているところでございますけれども、今年度中にも、羽田、成田、それから周辺の空港も含めまして、首都圏全体の空港機能の強化策の技術的な選択肢の洗い出しというものをやっていただく予定にしております。
その後、その検討結果をもとに、今度は自治体でございますとか航空会社でございますとか、そういう関係者も入って、実現可能性の精査というものをやっていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
○村岡分科員 おもてなしの一番最初は空港です。海外から来た人に、空港がきちんと整備されて、そして、日本にぜひ行ってみたいというときに、枠がなければ来られないという人がいますので、そこは重要な最初のおもてなしだということで、ぜひ頑張っていただきたいと思っています。
そして、プラスして、枠がふえたとしても、高ければなかなか来られないという方がたくさんおられると思います。そういう意味で、LCCというのが、今、羽田はなく、成田ということで進んでいるみたいですけれども、例えば羽田とか静岡だとか、六年後に向けて、LCCというのはどのようなことを考えていらっしゃるのか、教えていただければと思います。
○田村政府参考人 平成二十四年度に国内のLCCというものが相次いで参入をいたしまして、そのおかげで、非常に久しぶりに国内の航空需要というものも伸びております。やはり、サービスがふえるというだけではなくて、合理的なといいますか、リーズナブルな価格でそういうサービスを利用できるというのは非常に重要でございますので、LCCというものがもう少し大きな役割を果たすように、国としてもいろいろな支援をしていきたいと思っております。
羽田の場合には、都心から近いというアクセス性を生かしまして、高需要のビジネス客を相手とするような、どうしてもそういうサービスというものが割合中心になってまいります。
ただ、地上も混んでおりますし、それから枠も非常に限られておりますから、折り返し時間をなるべく短くして、高頻度で低価格を実現するというLCCのビジネスモデルを展開するにはなかなか難しい状況もございます。そういう意味で、LCCは、今のところ、成田空港が二十七万回化、それから三十万回化となっていく過程で、今度はLCCの専用ターミナルも整備しながら受け入れをして、そこの充実を図ってまいりますし、それから周辺空港も非常に可能性があるというふうに思っております。
いずれにしましても、国としても、いろいろと多様なサービスが展開できるように支援をしてまいりたいと思っております。
○村岡分科員 LCCは、そういう関東周辺だけじゃなくても、地方の部分に入ってきて、観光してからオリンピックを見るという形でも、何か検討していただければと。もちろん、中心は大人が来ると思いますけれども、オリンピックですから、世界の子供たちも受け入れるような形で、日本に来て、日本の観光地を見たり、日本の子供たちと交流するということになると、やはり航空券の高さが大変でありますし、また、東京周辺を見るだけじゃなくて、東京オリンピックというのを全国に広げるという意味であれば、地方空港も考えていただきながらということをぜひ検討していただければと思います。
質問はちょっとかわりますけれども、阪神・淡路以来、久しく、港湾のTEUというのがなかなか増加しない。日本の港湾は、今までの物流の大きな位置を占めていたのが低まっている。それに対して、対策はいろいろとられていると思いますけれども、日本の港湾の発展のために、港湾局としてはどのように考えているのか。お願いします。
○山縣政府参考人 お答えいたします。
我が国の港湾のコンテナですけれども、アジア主要港の港勢の拡大等を背景に、相対的な地位の低下が進行してございます。例えば、今例にございました神戸港でございますけれども、一九七三年では世界第一位の取扱量がございましたけれども、二〇一二年では五十二位というふうになってございます。
我が国の港湾は、船舶の大型化への対応あるいは港湾コストの面などにおきまして、釜山港あるいは上海港といったアジア主要港におくれをとってございます。我が国港湾のコンテナ取扱量というものは増加はしているんですけれども、我が国に寄港する欧州航路、これは現在週二便になってございまして、国際基幹航路の減少というものが非常に大きな問題だというふうに認識してございます。
このため、選択と集中という考え方で、京浜港あるいは阪神港を国際コンテナ戦略港湾ということで指定をいたしまして、大型船に対応した水深十六メーター以上の大水深の岸壁の整備、あるいは、民の視点によります効率的な港湾運営ということなど、ハード、ソフト一体となった施策に取り組んでいるところでございます。
さらに、このコンテナ戦略港湾政策につきましては、深化、加速を図るために、昨年七月に国際コンテナ戦略港湾政策推進委員会というものを立ち上げまして、本年一月に、集貨、創貨、競争力強化の三本柱から成ります最終取りまとめを公表してございます。
これらの実現に向けまして、国が前面に立って、全国からの集貨、そして海外の船会社へのセールス活動を行うとともに、大水深コンテナターミナル整備、あるいは液状化対策などの耐震機能の強化といったものの取り組みを進めてまいりたいと考えてございます。
○村岡分科員 港湾は流通の拠点だと思いますので、もちろん自動車産業も含めて、農業の分野でも、いろいろな輸出ということになりますと、また輸入ももちろんあると思いますけれども、そういう意味で、港湾の整備の方をぜひ推進していただければ、このように思っております。
時間がだんだんなくなってきたので、次に移ります。
先ほど大臣からも出していただきました日沿道ですけれども、着工の決定もなされ、着々と整備をしていただいておりますけれども、本当にそこは感謝いたします。やはりあの地域の、秋田県側から山形県側まで行く日沿道というのは、もちろん生活道路としても、また緊急の道路としても非常に大切なものですけれども、プラス、あの庄内、秋田の部分の由利本荘、象潟、それから酒田、遊佐とか含めたところは、庄内文化もあり、鳥海山という大きな観光の資源があります。
しかしながら、道路の不便さによって観光客がまだ来ていないということですから、ぜひ早期に完成させることによって、そして農産物もたくさんある地域でありまして、お米はもちろんですけれども、果樹もあります。また、水産業も盛んな地域でありますので、この日沿道の整備を進めていただいておりますけれども、今のところの工程といいますか、早目に完成していただきたいわけですけれども、どんな状況になっているか、お教え願えればと思います。
○徳山政府参考人 先生御指摘のとおり、日沿道は、平生の生活のためにも必須の道路でございますし、東日本大震災に際しましても、一般車両の通行が制限された東北自動車道の代替として大活躍をいたしました。
日本海側沿岸部の、現在のところでは、唯一全線がつながっている主要幹線道路は国道七号でございますけれども、津波の浸水が想定されるほか、冬期の交通障害あるいは越波というような問題もございまして、非常に脆弱でございまして、災害時に一つの道路が寸断された場合でも、もう一つ選択肢があるという、リダンダンシーの確保も非常に重要だと思っております。
こうした点も踏まえて、日本海沿岸東北自動車道の早期整備には、今最善の努力をいたしております。これまでに約七割、二百二十キロメートルが開通をしておりまして、残る八区間、延長百一キロで、同時に事業を推進中でございます。
特に、お尋ねの象潟仁賀保道路につきましては、今年度、地元の御理解のおかげで用地買収が完了をいたしました。現在、改良工事、橋梁工事を推進しております。
また、今年度、新たに新規事業化されました遊佐象潟道路につきましては、現在、測量及び地質調査を推進しております。
引き続き、地域の皆様の御協力を得ながら、一日も早い早期開通を目指して努力してまいります。
○村岡分科員 あの地域は、局長がお答えになったように、七号線しかないということと、また、鉄道の羽越線というのが非常に風に弱いということで、交通網としては、二つ目のしっかりとした高速道路ができるということが大切だと思いますので、ぜひともよろしくお願いします。
あと、時間がなくなってきたので、これはお答えにならなくてもいいんですけれども、東北自動車道の新庄―湯沢間も、山形との部分で、大変地域が期待を持っております。というのは、ミニ新幹線といいますか、東京から新庄までは新幹線がつながっているわけですけれども、それ以降はなかなか進むような状況じゃない。やはり道路は大切なものだと思っておりますので、ぜひこの東北中央道の部分をお願いしたい、こう思っております。お答えしていただけますか。
○徳山政府参考人 では、手短に申し上げます。
東北中央道の重要性はもう言うまでもございません。御指摘の秋田、山形県境付近の未事業化区間、三区間ございます。昭和から金山間、及位から上院内間、そして下院内から雄勝こまち間でございますけれども、本当に冬期の雪の厳しいところでございまして、地元からも早期整備の御要望をいただいていることから、昨年十一月に、おおむねのルートを決めるための計画段階評価に着手したところでございます。
今後、地元の意見を踏まえつつ、ルートの決定に向けて、必要な調査を引き続き進めてまいりたいと思っております。
○村岡分科員 両道路とも大切なので、ぜひともよろしくお願いいたします。
私は、実は国土審議会の豪雪の分科委員で、先日、新潟の長岡に視察に行ってまいりました。ことしの雪でも、秋田ではもう二十人お亡くなりになり、死傷者の方も、けがされた方も百人以上。また、全国でいくと、毎年のように百人ぐらい、屋根の雪おろしや除雪でお亡くなりになっている、こういう状況です。
よく、雪は何カ月も降るので災害じゃないような印象があるんですけれども、降り過ぎたときには、やはりこれは災害なので、いろいろな意味で、予算委員会でも御質問させていただきましたら、すぐさま視察も来られまして、そして特交のかさ上げとかいろいろなことを考えていただいているようで、これは本当にありがたいことだと思っております。
その予算づけはぜひともこれからもお願いしたいと思っていますが、やはり少し、屋根とか、そういう形状とか、いろいろな意味で危険じゃないことの研究を進めていかなきゃいけない。長岡で実験しているということで、五軒か六軒の方々が実験で今やっているということですけれども、毎年必ず百人ぐらい亡くなられているとすると、十年間で千人も亡くなられるという異常な事態ですので、その部分は、国交省として、ぜひ除雪に関して取り組んでいただきたい、こういうふうに思っております。
そして、国土審議会の豪雪分科会というのも、普通一年に一遍しかやらないということで、去年一回やりました。大体一年に一遍だったんですけれども、今回、豪雪で、私も要望いたしまして、行っていただきましたけれども、この委員は衆参で十人ぐらいなんでしょうか。そのぐらいの委員ですけれども、これも雪のあるときにきちんと行き、また年に三回、四回やって、しっかりとその審議会も動かさなければならない、こう思っております。
一年に一回、雪のない夏か秋にやって、現実感がないときに、こういう状況でしたと聞いても、これでは本当の意味での対策につながらないと思いますので、ぜひ大臣に、国土審議会の豪雪の部分も動かしていただくようにお願いしたい、こう思っております。
もう終わりなので、最後、大臣からお願いいたします。
○太田国務大臣 雨が集中的、そして局地的、激甚化しているように、雪も全く同じだというふうに思います。
今回、二月に入ってから、雪が通常降らないところに降ったということなんですが、秋田の南部を初めとして本当に大変な雪の量で、そこは、新しい気象状況になったという事実を踏まえて対策を講じるように、また検討を夏だけというのじゃなく、しっかり進められるようにしたいと思っております。
○村岡分科員 質問が終わりました。ありがとうございました。
○秋元主査代理 これにて村岡敏英君の質疑は終了いたしました。
次に、玉木雄一郎君。
○玉木分科員 民主党の玉木雄一郎です。
ことしも、本四の高速道路料金、そして坂出北インターチェンジの話をまた大臣にもお答えいただきたいと思っております。
四月から高速道路料金が見直されます。本四料金については、これはいろいろな経緯もあり、地方公共団体も出資をしていて、その出資をどうするのか、いろいろとこの間、議論がありました。ただ、昨年のこの分科会でも私、申し上げましたけれども、この本四の料金見直しに当たっては、できるだけ他の料金と余り差がないような料金にしてほしいということで、陸上部については通常の料金のキロ二十四・六円に、そして、海峡部については伊勢湾岸道路並みのキロ百八円ぐらいで何とかおさめてもらえないかなという話を申し上げておったわけでありますけれども、大体そういう形でおさめていただいたことについては、大変評価をいたしておりますし、感謝を申し上げたいと思います。
他方で、利便増進事業がなくなりますので、その分、一部そういった補助を入れて割引をしていたところがなくなってしまいますので、その意味では現行水準と余り変わらないというようなところも出ておりますけれども、ただ、根っこのところの料金を、陸上部、海峡部、少し分けましたけれども、他のNEXCOの料金に近づけていっていただいたということについては、大変私は評価をしたいというふうに思っております。
その上で、まず質問なんですけれども、去年も質問させていただきましたが、全体の橋の料金はそういった形で格差のないような方向に少し進んだというふうに思いますけれども、瀬戸大橋のかかっております、北から申し上げると櫃石島、岩黒島、与島という三つの島があるんですけれども、この三島の島民の皆さんに対する高速道路料金が一体幾らになるのかについては、全国の方針の中には必ずしも出てこないので、これが一体どのようになるのかということを聞きたいというふうに思います。
というのも、私、当選以来、もうことしで五回目になりますけれども、毎年同じ質問を五年連続やっています。というのは、瀬戸大橋ができたのが、開通したのが昭和六十三年の四月です。四半世紀を経るということになるんですけれども、最初、橋がかかる前は独立した島だったわけですね。そこに橋をかけたわけで、その意味では、いろいろな航路がなくなったり、この間、いろいろな経緯がありましたけれども、島の人にとってみれば、あの立派な立派な橋が生活道路なんです。例えば特別養護老人ホームに親御さんを見舞いに行くとか、病院に行くとか、あるいは毎日お仕事に、坂出やあるいはその周辺の市町に仕事に行くときも、毎日使うわけです。
ですからこそ、できれば、これは島民に関していえば無料にしてくれないかということが、実は架橋当時からの島民の皆さんの要望でありました。そして、そのことを検討するということが、当時、坂出市や、あるいは本四公団も入れた覚書といいますか、取り決めの中に書かれてございます。ですから、四半世紀たちましたけれども、やはり島民の皆さんにとっては無料化ということが大きな願いであります。
質問に戻りますが、今回の四月からの料金見直しの中で、この三島の島民の皆様への料金というものは現行と比べてどうなるのか、無料になるのかならないのか、教えていただければと思います。
○徳山政府参考人 お答え申し上げます。
本四高速の島民料金につきましては、さまざまな経緯もございまして、本四会社と地元地方自治体が八割を負担するということで大幅な割引を実施してまいりました。
四月以降の新たな高速道路料金案につきましては、二月十四日から二十七日までの間、高速道路会社及び高速道路機構が国民の皆様からの意見募集を行っているところでございます。
基本的な料金水準を引き下げ、さらに、今申し上げました、本四会社と地方自治体の八割の負担というものを継続するということになりますから、現在の料金よりもかなり、さらに値下げになるということでございまして、坂出北インターチェンジとの間の島民料金を申し上げますと、普通車の場合、櫃石島につきましては二百七十円、岩黒島については二百三十円、与島については百八十円ということで現在進めておるところでございます。
○玉木分科員 ありがとうございます。
現行水準に比べて、冒頭申し上げたように、他のNEXCOと比べて格差のないところまで下げていただいたので、ある種、反射的効果といいますか、その効果で、今答弁いただいたように、五百八十円は二百七十円に、四百九十円は二百三十円に、三百八十円は百八十円にと下がるということは高く評価をしたいと思いますし、この間御努力をいただいた政務、事務の皆さんに感謝を申し上げたいというふうに思っております。私も長年これを要望してきたので、一定の進歩があったということで、大変うれしく思います。
他方で、繰り返しになりますけれども、島民の皆さんは、やはりここは無料化にしてほしいなということが願いでありますから、これはここで終わることなく、引き続き、架橋時の、ある意味での約束といったようなことをできるだけ果たす意味で、これからも無料化に向けての検討、取り組みを続けていただきたいというふうに思います。
その意味で、少し関連して一つ質問を申し上げるんですが、島民の皆さんについては先ほど、料金が下がるという話がありましたけれども、実は、例えば岩黒島、この真ん中の島なんかは民宿があるんですね、ほかの島にもありますけれども。そうすると、観光客が、おいしい海産物を食べながら宿泊しようと来る。
ある種、離島振興の中で観光振興というのは極めて大きいと私は思うんです。そういう、島に来ようという人、結果としてそのことは島民の便益につながりますし、あるいは、島で小さな商店をされているところに物を持ってくる納入業者の方、こういう方々についても、今おっしゃったような、根っこを下げることによって料金が下がりますけれども、そういったものが適用されるという理解でよろしいんでしょうか。
その点についても、島民と密接に関係のある人について、あるいは車についての料金がどうなるのか、あわせてお答えください。
○徳山政府参考人 先生御指摘の、島民生活に密接に関連する利用につきましては、これまでは割引を適用せず、現金車料金としてまいりましたけれども、今回の料金水準の引き下げに伴う取り扱いにつきましては、現在、本四会社において検討を行っていると聞いております。
いずれにいたしましても、二十七日までの期間行われております国民の皆様からの意見募集の内容も勘案した上で、最終的に決断をしてまいることになろうと思っております。
○玉木分科員 ありがとうございます。
私の声もパブリックコメントの一つだと思ってぜひ聞いていただきたいなと思うんですが、これはいろいろな検討が必要だと思いますけれども、島民の皆さんに対してもETCの有無にかかわらず適用するということは、島民の生活あるいはお仕事に密接にかかわる人についても、同じような考えを適用して割引料金を適用することは可能だと思います。
かつ、そんなに数が多くないと思いますから、減収効果といいますか、そういったものも私は限定的なのかなと思いますので、島民と密接な関係のある人についても今回の割引が適用されるように、ぜひ前向きな検討を国交省としてもお願いしたいというふうに思います。これはぜひ強くお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、次に移りたいと思います。
もう一つ、これは去年もたしか質問の中で触れさせていただきましたけれども、料金を下げますと、どうしても他の公共交通機関、具体的に申し上げますと、JR四国であるとか、あるいはフェリーとか、こういったところにやはり影響が出る可能性があります。
今回、基本料金を下げていただく、片方で利便増進の割引はなくなるので、まあ現行水準ということなんですが、平日の昼間はやはり下がるわけですね、確実に。そこのところについては、一部、鉄道あるいはフェリーをされている方は心配されているという声も聞きます。こういった他の公共交通機関についての影響、あるいは、仮に影響があるとしたらその対策といったようなことをやはり常に考えていく必要があると思うんですけれども、この点について、四月からの影響についてどうお考えなのか、考えを聞かせていただければと思います。
○徳山政府参考人 料金の問題は、大変いろいろな関係の方に影響を及ぼすわけでございまして、この料金のあり方について審議をいただきました審議会の中でも、これは各方面の方から何度も何度もヒアリングをさせていただいたわけでございます。その中には、鉄道の事業者さん、フェリーの事業者さん、あるいは地方公共団体、いろいろな利害関係者の意見をかなり綿密にいただいて、そういう微妙なバランスの中で、安いほどいいと地元の方はお考えになる、しかし、その中で、フェリーなどの営業に差し支える部分、ぎりぎりの線はどこなのか、こういったことを、各方面の意見を踏まえて、提言を昨年の六月にいただき、その後も議論した上で、昨年末に政府としての基本的な料金の考え方を取りまとめたわけでございます。
そういうプロセスの中で、多方面の利害についてはかなりの部分を踏まえながら、適切な案になったのではないかと思いますけれども、なおパブリックコメントを今しておりまして、四月からの新料金に向けて、最後のいろいろな配慮をしてまいりたいと思っております。
○玉木分科員 私、大事なことは、四月以降、基本的にはこれでいくんだと思いますけれども、その影響調査ですね、社会実験とは言いませんけれども、予定していたことと違った効果が出るかもしれない、あるいは出ないかもしれない、そういうことがあるので、モニタリングをしっかりして、仮におかしな影響、あるいはバランスが崩れるようなことがあれば、それをしっかりと受けとめて、それを次の政策に生かしていくということが大切だと思いますので、モニタリングをまずやっていただきたいなということと、今回、交通政策基本法が通りました。これは、我々の政権のときにやろうとして、そしてまた、自民党政権になってから、しっかりとしたものを与野党一緒になってつくったというふうに私は理解しております。
地域の足を、あるいは地域の足の多様性をどうやって確保していくのかということは、総合的な交通体系を考えていく上で極めて大事だと思いますので、今回の料金体系の変更が、これは我々の、瀬戸内海とか瀬戸大橋に限りません、全国のそういった交通体系にどういう影響を与えるのかということについては、しっかりとモニタリングをして、また次のよりよい政策にぜひ生かしていっていただきたいというふうに、これはお願いをしたいというふうに思っております。
それでは次の、二つ目の大きなテーマであります坂出北インターチェンジの整備について質問をしたいと思います。
これは去年の分科会でも取り上げさせていただきまして、私の敬愛する太田大臣から前向きな答弁をいただいて、当時私は大変感動したことを覚えております。昨年お伺いしたのは、北インターチェンジは、いわゆる岡山方面との関係でいえば乗りおりができるんですけれども、例えば徳島の方向とか高松の方に行こうとすると、ここから乗っては行けないというふうになっています。ちょっと南の方に、離れたところにあるインターチェンジから乗っていくと行けるんですけれども、その意味では、フルインターチェンジになっていないのが坂出北インターチェンジです。
これも、つくった当時と比べて、若干、周りの経済状況は変わってきておりまして、工場立地がむしろ北インターの方に進んでいったり、あるいはこれからそういったものが坂出の番の州のあたりに新規立地が行われるんじゃないか、こういうことがあります。
また、防災の観点から、何かあったときには、例えば、そういった番の州の方から船で積んできたものを速やかに徳島、高知方面に運んでいくという意味では、坂出北インターから乗って徳島方面等々に行けることは、防災を考える上でも、特に我々は南海トラフを常に意識していますから、そういった意味でも極めて大事だと思っているんですね。
ただ、去年の答弁にもありましたけれども、距離が短いと、なかなかインターチェンジはルール上つくりにくいということでありました。ただ、あのとき、それを踏み越えて大臣に御答弁いただいたのは、地域の協議会をつくって、坂出市であるとか商工会議所でありますとか、関係のところが集まって協議会をつくれば、例えば整備局あるいは本四の皆さんとか、そういった関係の皆さんの、いろいろな意味での協議会を進めていく上での協力は惜しまないということを大臣におっしゃっていただいて、私はそこまで明確に答えていただけると思っていなかったので、あのときは大臣の明確な答弁に本当に感銘を受けたんですけれども、実は、この協議会が、何とか四月ぐらいから坂出市も入れて動き始めるかなというようなことに、ようやく地元の調整がついて、今なりつつあります。
その上で、改めての質問になって恐縮なのでございますが、来年度からでも、こういったスマートインターチェンジにあるような地域協議会ができた際には、整備局を初めとした国土交通省関係の皆さんの御協力をいただけるのか、ぜひいただきたいということを改めてお願いして、大臣の御答弁を求めたいと思います。
○太田国務大臣 この一年、玉木先生に会うたびに、坂出北インターチェンジはどうなったかな、協議会が立ち上がったかなと。商工会議所の方からは国交省に要望があったりしますが、市当局を初めとして全体にそうしたことになっているのかなということを、一年、実は気にしてきました。
今、私は初めて、四月からそういうふうになりそうだというお話を聞きました。距離が短いからといって拒否するということはいたしません。協議をして、まあ負担の問題もあっていろいろ市当局としても簡単ではないかと思いますが、国土交通省地方整備局として協力することは惜しまないということは変わりはございません。
○玉木分科員 太田大臣、ありがとうございます。
予算委員会の始まる前とか、大臣にいつも御配慮をいただき、温かい言葉をかけていただいて、私、本当に、感謝、感動しております。また、坂出市は公明党の市会議員の先生も非常に頑張っておられて、そういった意味でも、ぜひ、うまく成功につなげていきたいなというふうに思っております。
ただ、やはり財源がどうしてもネックになりますし、地元の坂出市もそうですけれども、県負担がありますし、国、そして高速道路会社といろいろな費用負担が出てきます。いずれにしても、それぞれの立場で、財政が厳しい中、最後お金の話になると、なかなかまとまってこないというところがやはり現実なのかなというふうに思っております。その意味では、坂出市だけではなくて、国、県、高速道路会社、それぞれに汗をかく必要があるのかなというふうに思っております。
この点に関して質問をしたいのは、二十五年度末まで、まさに利便増進事業の中に、たしか、三千億程度だったと思いますが、スマートインターチェンジの予算が入っていたと思いますが、これが今年度末で切れますね。
ただ、来年度の二十六年度予算を見ますと、このスマートインターチェンジの整備のお金がきちんと新しい形で計上されております。それがまさに今二十六年度予算案として審議をされておりますけれども。私は、これはフルインターチェンジ化ということなので、必ずしも直接スマートインターチェンジではないんですけれども、こういった二十六年度予算に計上されたスマートインターチェンジの予算の使途、何に使うのかというところを少し柔軟化させることによって、スマートインターチェンジ事業で目指した政策効果と同じような効果が出るのであれば、ある種、簡易なインターチェンジの整備という観点で、地域の活性化や利便を向上していくという意味では、同じような一つの方向性なのかなというふうに思っております。
予算の観点でいいますと、この二十六年度予算に計上されているようなスマートインターチェンジ予算の柔軟な活用も含めて、国としても最大限の財政的支援をしていただくということを、ぜひこれは前向きに検討をいただければなというふうに思っておりますので、この点について、改めて大臣にお願いします。
○太田国務大臣 フルインターということに実質的にはなるわけですが、片側があってということは、スマートインターとみなすというような弾力的運用というのは可能ではないかというふうに思います。したがって、スマートインターのこの制度の活用ということについては可能ではないかというふうに思っているんですが、その辺は、私はそう思っていますが、道路局長に再度、念を押して、道路局長からも答弁をしていただきます。
○玉木分科員 もうすばらしい答弁を今いただいて、私は感動しておるんですけれども、道路局長、大臣のお気持ちを曲げないような範囲で答弁を、ぜひいただきたいと思います。
○徳山政府参考人 少し制度のことは丁寧に申し上げておこうと思います。
追加のインターチェンジ、普通にやりますと全額地方の負担が出てまいるわけでございますけれども、スマートインターは、料金所のまず内側、高速道路側については、今まで利便増進事業で手当てをしておりましたので、地方の負担がないわけでございます。料金所の外側は、取りつけ道路側で負担をいたしますから、例えば県道であれば県道事業として行う者に、当然、我々、交付金などでおつけすることもできるが、一部地方負担が生ずる。しかしながら、内側が全部地方負担がありませんから、スマートインターチェンジは地方にとっては非常に喜ばれるものであるということでございまして、先生もおっしゃいましたとおり、今回提出した法案の中で、来年以降も、利便増進が終わっても、今までどおり地方負担なしに料金所の内側の応援ができるように今していこうということを考えておるわけでございます。
法律が通った上でのことになりますけれども、スマートインターチェンジとして応援をさせていただくということにつきまして大臣が可能ではないかと申し上げたことについて、私が否定することは全くございません。
○玉木分科員 ありがとうございます。
いや、政務と事務のバランスというかコンビネーションがすばらしく密接にとれていて、感動いたします。
本当に、このスマートインターチェンジ事業は、非常に効果があるし、人気が高いですね。やはりそれだけ地域の要望も強いと思いますし、たしか、スマートインターチェンジをつくることによって工場立地が三割ふえたとか、そういったような効果が出ているところも実際に出てきているやに聞いておりますので、これからの地域活性化の一つの核として、広い意味でのスマートインターチェンジ事業、つまり、フル化も含めた広義のスマートインター事業ということで、私は、ぜひ積極的に推進をしていっていただきたいなというふうに思っております。
時間が少し余っておりますけれども、もう余りにも明快で、非常に前向きな答弁を大臣にいただきましたので、本当に、常日ごろ、坂出市のことまた香川県のことを気にしていただいている、そのことに対して、改めて太田大臣に感謝を申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○秋元主査代理 これにて玉木雄一郎君の質疑は終了いたしました。
次に、鈴木望君。
○鈴木(望)分科員 それでは、私は、遠州灘の津波対策について質問をさせていただきたいと思います。
静岡県の遠州灘でございますけれども、もう大臣も十分御承知のことと思いますが、東海地震の震源域の真上にありまして、三・一一、東日本大震災を見るまでもなく、地震と津波の直撃を食らうことは避けられないところでございます。
今後三十年間に確率九〇%で起こる、これは政府の公式見解でありますけれども、そういった地域でありまして、津波につきましては、南海トラフの巨大地震が起こった場合の内閣府の津波の高さの推計では、最大で十六メートルから十二メートル。これは、同じ遠州灘の地域によりましても違いがあるということでありますけれども、十六から十二メートルの高さの津波が襲来するというふうに推定をされているわけであります。そういう意味では我々、我々といいますのは、地域に住む我々は、今後三十年間に九〇%の確率で生じるであろう地震と津波に、ある意味では着々と備えていかざるを得ない。
そのような中で、非常にありがたいことであるということで感謝しなきゃいけないんですけれども、一条工務店さんが三百億円の御寄附をされまして、天竜川の西側、浜松側に、右岸ですけれども、昨年の夏ごろから、レベル2、L2レベルに対応した防潮堤の工事が現在進捗をしております。一方で、天竜川を挟んだ東側の磐田市側では、計画レベルではL1レベルの対策しか講じられていない、そんな状況でございます。
土地カンのあります大臣でありますので御承知かと思いますけれども、天竜川の河口を挟んで両岸は、掛塚橋という橋を通じて人々の行き来が頻繁で、朝晩は通学通勤の車で渋滞をしておりまして、静岡県下でも掛塚橋は渋滞で有名なところでございます。それだけ日常生活における一体感の強い地域でありまして、日常生活圏の一体感が強いという一つの証明でもあろうかと思うんですけれども、平成の大合併のときに、現在は磐田市になっております竜洋町が、橋の西側の浜松市の方に合併をしたいと。それで、相当強い動きになったという事実もございます。現在は磐田市の一部になっているわけですけれども。
そんなことも含めまして、天竜川河口の掛塚橋の両岸の地域は日常生活圏も一体になっているということでありまして、そういう意味では、住民感情からいっても、一体となって両岸の津波対策を進めるべきであろうというふうに素朴に考えるわけでありますけれども、まず最初に、防潮堤の工事の進捗状況は現在どうなっているのか。天竜川を挟んで西岸、右岸の防潮堤の工事の進捗状況と、それに対比して、天竜川の東側、左岸のいわゆる災害防災対策は現在どういうふうな状況になっているのか、お答えをいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○森北政府参考人 お答えをいたします。
天竜川の河口東側、これは磐田市でございますけれども、そこの遠州灘におきましては、既に現況の堤防高が、L1、これは比較的発生頻度の高い数十年から百数十年に一度の程度の津波の高さということでございますが、そのL1より高く整備をされております。そういうことから、今後、防潮堤を津波が乗り越えた場合にも粘り強くその効果を発揮するような構造に改良する整備を進める予定であるというふうに、海岸管理者であります静岡県からは聞いております。
一方、天竜川河口の西側、これは浜松市でございますけれども、そこの遠州灘におきましては、L1の堤防の整備に加えまして、今先生からお話ございましたように、民間企業からの寄附金によりまして、海岸保全区域外の陸側でL1よりも高い堤防の整備を行うということで、昨年の七月から、基礎地盤の強度の確認、本体施工を行うに当たってのセメントの配合等の、そういったものを決めるための試験施工、これを二カ所、計八百メーターの区間で現在実施しておるところというふうに聞いております。
○鈴木(望)分科員 今の御説明を要約しますと、昨年の質問でも同旨のお答えがあったわけですけれども、要するに、天竜川の東側はL1レベルプラス多重防衛ということですね。それに対して、天竜川の右岸、西側は、今言葉を濁されていましたけれども、L2レベルということで住民の方に説明しているんですね。L2レベルの津波が来た場合でも、いわゆる災害を最小に抑える、津波の高さより一メートルぐらい低いぐらいのレベルでもって防潮堤を築いていきますよということを説明している。
要するに、それが悪いと言っているわけじゃないんです。要するに、西側はL2レベル、千年に一度とか、三・一一の東日本大震災レベルのものにも対応できるようなもの。それに対して、東側の磐田市側はL1レベルプラス多重防衛ということで、昨年の予算委員会の分科会、ここでも質問させていただきました。川を挟んで両岸に住んでいる人の命に差があるわけでは当然ございません、だけれども、防災対策に差が実際上あるというのはいかがなものなのかな、ぜひ同じ対応策をとってほしい、せめて、西側の防潮堤建設の影響がどのように及ぶのか、調査すべきではないかというふうに御質問をさせていただきました。
それに対して太田大臣がお答えになって、調査はしますよというお答えをしていただいたわけでございまして、ありがたいなと思っているんですが、どういうふうにお答えをしていただいたかというのを議事録に沿ってちょっと読ませていただきますと、「同時に、こちらに堤防が高いものができた、こちらには低いもの、その影響ということについては、これは本当に専門的に調査をする必要があると思います。 いずれにしましても、科学的知見というものを明確にした上で、」点々点々「必要な支援を行っていきたい」というふうに御答弁をいただいております。
そこで、質問をさせていただきますけれども、地震による津波が遠州灘に襲来した場合、一方でL2レベルの防潮堤があって津波を防いだ、そうすると、その影響はどこかに分散するわけですね。それがL1レベルでの対応策しかしていない東側にどのような影響が及ぶのかの調査、それは今、現在どうなっているでしょうか。
どのような内容の調査をいつから行っているのか、調査はいつ終了するのか、それについてお答えをいただきたいと思います。
○森北政府参考人 お答えをいたします。
静岡県からは、天竜川河口西側、浜松市側でございますけれども、そこにL1より高い防潮堤を建設することによります天竜川河口東側への影響につきまして、現況堤防と堤防整備後の浸水区域、浸水深を比較するシミュレーションを行っているということでございまして、現在、その内容について精査している状況というふうに聞いております。
県は、昨年六月からこのシミュレーションの調査を実施しておりまして、近いうちにその調査結果について関係機関に示していくという予定と聞いておるところでございます。
以上でございます。
○鈴木(望)分科員 ありがとうございます。
今のお答えを受けますと、県は昨年六月からシミュレーションを含めていろいろな調査をして、近いうちに結論が出るということで、ぜひ私ども、その結論を期待しているわけですけれども、これでもって東側に、本当に一条工務店さん、ありがたいんですけれども、L2レベルの立派な防潮堤ができたときの影響が東側に及んだ、及ぶというときには、質問通告はそこまで細かくしてありませんのでお答えは結構ですけれども、ぜひ対策はとってもらわないと困るわけですね、命に差があるわけではないので。そこはぜひよろしくお願いをしたいと思います。
大臣に、この項目について最後にお答えをいただきたいと思うわけですけれども、ごくごく素朴に考えまして、同じ生活圏の人々が、一方ではL2レベルの防潮堤、一方ではL1レベルの防潮堤。多重防御というのは、言葉はいいですけれども、避難タワーとかそういうのをつくって逃げるようにするとか、そういうもので被害を少しでも防ぐということでありまして、そこに厳然たる差があるわけであります。その差が日常生活圏を同じくしているところに結果としてできてしまったというのは、私もその地域に、海岸から七キロのところに住んでおりますけれども、正直言って皆さん納得はしていないですね。
ぜひ、そういった意味で、できれば両岸に同じ安全対策が実施をされるように、仮に実施をした場合には大変なお金がかかる、東側の方に西側と同じような防潮堤をつくったら倍の六百億円かかるというのは、昨年のこの分科会での質問に対しての御答弁でした。確かに大変なお金がかかってきますので、一地方自治体としては、なかなかこれは右から左に、すぐにつくりますというようなことも言えないんだろうと思います。
ぜひ、国としても御支援をよろしくお願いを申し上げるところでありまして、調査全般を含めまして、この件に関する太田大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○太田国務大臣 生活圏が一緒であるというようなことは、私も隣に生まれ育ったものですから、よく理解できます。
全国的にはL1対応という基準を国として示しまして、そして、それを超えるものについてはソフトで対応するということで、各地域ごとに戦略を立て、まちづくりの計画を立てて、今鋭意、津波防災地域づくり法というのに基づきましてやっているということでございます。
東日本大震災の後を受けまして、景観の問題とかいろいろなことの中で、また、防潮堤のあり方、高さだけではなくて、付加してやるというようなことがあったり、ある決断によっては、地域によっては、L1よりもっと低くするということをしたところもございます。国としてはL1ということの基準を示す、そして決めるのは、県が海岸管理者として住民とよく話し合って高さを決めるという構造になっております。
その上にプラスして、天竜川の西の方は高くなる、L2になるというふうに聞いておりますけれども、その影響がどれだけかということで、地震の、波高のレベルによっても相当違うので、この場合、この場合、この場合、この場合と。そのときに、何年に一回とかいうことについて、大体百年に一回ぐらいということが今までの東海、東南海、南海トラフの例であったというふうに思いますけれども、規模もいろいろ違いがございます。そこは、むしろ感情ではなくて科学的な知見のもとで、どのくらいの影響があるかということは、国の基準のL1ということにプラスして当然考える必要がある。そういうことを踏まえて、静岡県が住民と相談のもとで、どういうふうに高さを判断するかということだと思います。
いずれにしましても、県がよく住民と話し合って決めた高さということについては、国がそこを国民の安全と安心という角度で支援するということは当然のことで、やりたいというふうに思っているところです。
○鈴木(望)分科員 ありがとうございました。
この面についての、もう名実ともに専門家の大臣に御認識いただいたということで、ありがたいことだというふうに思っているわけですけれども、まずは調査をきちんと実施していただいて、その結果に基づいた万全の対策、私も住民の一人ですので、住民としては西側と東側と同じ対策をとってもらいたいという気持ちを持っているということをまず言わせていただきまして、この質問を終わりにしたいと思います。よろしくお願いいたします。
次に、リニア新幹線工事に係る大井川の水量減少の問題について質問をさせていただきたいと思います。
大井川の名前というのは、もう江戸時代から東海道五十三次等で、これはなかなか急流のところであるということで知れ渡っているわけですけれども、その水につきましては、発電や上水道、農工業用水など多面的に利用されておりまして、現在では一滴の無駄な水もないというような表現もされるくらい利用もされているということでございます。
昨年六月から九月の渇水では、最大で上水道一〇%、農業、工業用水二〇%の節水対策を講じました。その地域、東遠地域というふうに俗に地元では呼んでいるわけですけれども、遠州地域の中の西遠、中遠、東遠の東遠地域は、古来、水不足に悩んだところでございまして、掛川市とか菊川市は、上水道に限っても、大井川用水への依存度が九割近い状況でございます。深刻な水不足に襲われたというようなこともございまして、一九九四年とか九八年、また二〇〇五年にも、いろいろな水に関する、水不足の問題が生じたわけでございます。
そこで、今回のリニア新幹線の工事で毎秒二トンの流量が減少するというようなことが言われております。この毎秒二トンというのは、流域の七市の六十三万人に対して上水道を供給しております大井川広域水道企業団の水利権の量と実は同じでございます。そのぐらい、毎秒二トンの流量が減るということは、深刻な、大きな影響をこの地域に与えるということでございます。
一方で、私は、リニア新幹線、これは大いに推進をすべき事柄じゃないのかなというふうに思っているところでございます。新しい技術に挑戦して、日本が海外に向けても発展していく一つの重要な材料にもなりますし、もちろん交通の利便性という意味でもプラス。そういう可能性を持つリニア新幹線を推進していきたいなと私個人も思っております。
ただ、幾ら推進するということであっても、そこにはデメリットとかマイナスとかという、メリットとともに、必ず物事には二面性がありまして、同じ推進するものであっても、デメリットであるとかマイナス面を十分に考慮して総合的に推進をしていただきたいな、当然のことでありますが、そういうふうに思うわけであります。
本題に戻りますけれども、水量ですね。工事中の水量の確保については、代替水源の確保も含めて水量を確保する。これは、JR東海の環境影響評価準備書で、そういうふうに書かれているわけであります。それはそれで、ぜひそうした配慮をしてほしいというふうに願うわけであります。
一方で、工事が終わった後、流量が減少をするというのでは、これは困るわけでありまして、静岡県の一番北の部分でありますけれども、その部分をトンネルが貫通して、そこのところが大井川の水源になっているわけです。トンネルが貫通することで地下水脈等の変化ということも当然あるのじゃないのかなとも思うわけでありますが、それで水が、工事が行われているときには代替水源で確保するということでありますけれども、終わっちゃったらよくわからないでは困るわけでありまして、そこら辺についての答弁をよろしくお願いいたします。
○滝口政府参考人 JR東海が昨年の九月に公表いたしました環境影響評価準備書では、委員御指摘のように、毎秒約二トンの水が減るという予測がなされております。
これに対応するため、JR東海では、工事の着手の前、工事中、そしてまた工事完了後に、地下水の水位などの状況を定期的に監視し、把握することにより、地下水位の低下などの変化の兆候を早期に発見するということで、早期の対策が実施できるようにしたいというふうに言っております。
その早期の対策の一例といたしまして、工事中の対応でございますが、トンネル内への湧水を抑制するために、防水効果のあります薬液の注入工法、あるいはトンネルコンクリート内部への防水シートの設置など、こういった適切な対策を講じたいというふうにしております。
このような対応については、JR東海から既に県を初めとする関係者に説明申し上げているというふうに承知をしておりますが、引き続き、丁寧に御説明するようにというふうに指導してまいりたいと考えております。
○鈴木(望)分科員 終わった後はどうですか。終わった後の影響ということも。
○滝口政府参考人 JR東海は、工事完了後も監視をするというふうに言っております。まず、そのために、工事中にできるだけトンネルの中に漏れないように、湧水しないような、そういった対策を講じたいというふうにしております。
○鈴木(望)分科員 若干、私どもとしては、ちょっと言わせてもらいましたが、地下水脈等がトンネルのできることによって変わって、水量が実際に減ってしまうというようなことがあったら困るなというような気持ちもあって、結果として減っちゃったというのでは困るというのは、水の重要性についてるる述べたところでありまして、ぜひ、もうこれ以上そのことについてやり合ってもしようがありませんので、そういうことのないように、十分に調査をして進めていっていただきたいというふうに思います。
もう一点、今、薬液の注入等を行うなどして流量が減らないように努力をするというようなことも言われました。そんなことも含めて、掘削工事に伴って薬液等の有害物質が地下湧水にしみ込む危険性も当然あるわけですね。それとか、私は、工事をどんどん進めていく、リニア新幹線が完成したらいいなという立場に立つ者ですけれども、その工事をするときに、七百人程度の工事従事者が十数年にわたって工事現場で生活をするというようなことも言われております。そうすると、そういう人たちの生活雑排水であるとか、さまざまな影響がいろいろと出るんじゃないのかなと思うんですが、そういうものも含めまして、汚染水の影響等を最小限にする方策についてどういうふうに考えておられるのか、お答えをお願いいたします。
○滝口政府参考人 まず、薬液の注入関係でございます。
これは水ガラスと言われるようなものが使われるというふうに承知をしておりますが、これに関しましては、国交省は施工に関する指針を実は出しておりまして、この指針に従いまして、注入周辺の地下水あるいは公共用水域などにおける水質基準が定められております。これに適合しているか否か、工事中は毎日検査を行うということにされておりますので、これに従い、適切な対応がなされるというように承知をいたしております。
それからまた、工事従事者は約七百人程度ということで、生活排水という問題があるのではないかということでございますが、これにつきましても、所定の浄水装置等々を設けることより、問題のないように対応していくというふうに承知をいたしております。
いずれにいたしましても、工事関係の水質の問題ということにつきましては、しっかりした対応をするようにJR東海を指導してまいりたいというふうに考えております。
○鈴木(望)分科員 しっかりした対応をとられるということで、ぜひこれは、流域の人たちの水というのは非常に重要な問題ですので、よろしくお願いをしたいと思います。
それでは、最後に大臣にお伺いして、私の質問を終わりにしたいと思います。
リニア新幹線の整備工事は膨大な影響を及ぼす工事であります。ぜひ、自然生態系や水環境に与える影響を最小限にするという配慮をして進めていただきたいというふうに思うわけであります。静岡県は山の北の方を一部トンネルで通るだけでありますけれども、しかしながら、今言ったような、いろいろなもろもろのことを考えますと、地元と事前によくよく情報交換、説明等をしながら進めていただくことが肝要ではないのかなというふうに思うわけであります。
そんな観点から、リニア新幹線の工事と環境保全、特に流量の減少についての大臣の御所見をお伺いしまして、私の質問を終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。
○太田国務大臣 リニア新幹線につきましては、昨年九月にJR東海から環境影響評価準備書、アセス結果の案に対しまして、沿線都県において意見を取りまとめているところと聞いております。委員御指摘の、リニア新幹線工事に伴う水量それから水質の問題についてきょうは指摘をいただきましたが、関係自治体の意見が出されるものだというふうに思っています。
今後、JR東海から、これらを踏まえた環境影響評価書が国土交通大臣及び環境大臣に提出されるというふうに考えておりまして、科学的な、かなり綿密な調査ということも踏まえて、JR東海に対しましては適切に対応するよう指導してまいりたいと思っております。
○鈴木(望)分科員 ありがとうございました。
○秋元主査代理 これにて鈴木望君の質疑は終了いたしました。
次に、柿沢未途君。
○柿沢分科員 結いの党の柿沢未途でございます。
太田大臣初めとした関係者の皆さん、大変お疲れさまでございます。
きょうは長丁場でお疲れのところだと思いますけれども、幸いなことに、少し時間より早く進行しているようでございますので、五分ほど早く質問時間が回ってまいりました。
私の地元の江東区は、今委員長席にお座りの秋元先生もそうですけれども、オリンピックの競技施設が大変多く立地をする場所として、今注目をされております。
数えてみるとすごいんですよ。オリンピック競技施設のうち、全三十七競技場があるわけですけれども、資料の二枚目に地図をつけましたけれども、十七競技場が我が江東区に立地をするんですね。指折り数えると、水泳、体操、バスケットボール、バレーボール、フェンシング、バドミントン、テニス、レスリング、もう切りがないんです。これだけのオリンピック競技施設が、私の地元の江東区に立地をする。
招致の段階から、もちろんこれは招致ファイルに書いてあったわけですから、期待感、そして、オリンピックを招致するんだという機運が大変盛り上がってきて、ブエノスアイレスのIOC総会で東京と言われた瞬間に、恐らく、日本全国広しといえども、最も沸き上がったのがこの江東区という町だったのではないかと思います。
先日も、予算委員会で私が御質問させていただいた際に、この江東区の伝統文化、木場の木の文化を生かして、オリンピック競技施設、木造の施設をぜひつくるべきだというお話をさせていただきました。これは地元の山崎区長さんも精力的に働きかけをされておられて、結果として、安倍総理、そして下村オリンピック担当大臣から大変前向きな御答弁をいただいて、木造の施設を必ずつくる、こういうニュアンスをいただくことができました。これについても大変ありがたいことですし、また、木場の木材業の皆さんも、本当に、ビジネス上のことではなくて、自分たちが大切にしてきた文化がオリンピック・パラリンピックで生かされるということに大変うれしい思いを抱いているところであります。
話はかわるんですけれども、太田大臣、ちょっと御質問をさせていただきます。
太田大臣も東京の方でいらっしゃるからおわかりだと思いますけれども、この江東区というところになぜオリンピック施設が、三十七競技施設中十七集中することになったか、大臣の御見解があったら、ぜひ、まず最初にお伺いをしたいんですけれども、お答えいただけますでしょうか。
○太田国務大臣 すばらしい区であるということだと思いますが、何がすばらしいかといいますと、かなり空間、土地というものが有効利用できるという土地もあり、水回り、そして、今お話のありました木場という日本伝統のものもあり、まさに伝統と文化、また、下町のいなせなよさというようなものがあるということだと思います。
港区初めとして江東区、東京の新しい町という点も私は加味されているのではないかというふうに思いますし、交通もかなりよいということもあろうと思いますし、江東区は、いろいろなよさを持った、ポテンシャルの極めて大きい区であるという認識をしております。
○柿沢分科員 アドリブでお尋ねをさせていただきましたが、私にとっても秋元先生にとっても大変うれしい御答弁をいただくことができました。もちろん、北区もすばらしいと私は思っておりますが。
二枚目の地図を見ていただくと、オレンジ色のところ、八番、九番、十番、十一番とかついているものが江東区ということになるわけであります。
江東区にオリンピック競技施設が集中することになった一つの要因は、やはりコンパクト五輪というコンセプトがあると思います。
東京オリンピック・パラリンピック、これは八五%の競技施設が選手村から半径八キロ圏内に配置をされている。選手村から、競技関係者、大会役員、移動のロスが少なくて、その結果、選手に与える負担も少ない、こういうものである。大会運営の上でいえば、渋滞等に巻き込まれるリスクも少ない、そういうスムーズな大会運営ができる。こういうことで、半径八キロ圏内にあらゆる施設を集中するというコンパクト五輪のコンセプトが今回打ち出されたわけです。
もともとは前回の二〇一二年ロンドン・オリンピックで招致の際に打ち出されて、オリンピック招致に成功したキーコンセプトだというふうに言われているのが、このコンパクトオリンピックという考え方です。そうした点で、集中的に立地させることができる場所がこの場所だったというのが、一つ大きな要因だと思うんです。
それと関係しなくはないんですけれども、もう一つの要因がある。やはり資料を見ていただきますと、夢の島とか有明とか、江東区の会場、一枚目をめくっていただいて、それが一体誰の所有地であるかということを見ると、所有権者というところですけれども、一覧表になっていますけれども、ほとんど全て東京都の所有地になっているわけです。
このあたりの現況を見ると、ほとんど全て更地ですよ。つまりは、東京都からすれば、オリンピック招致に当たって、開催に当たって、用地買収のコストがかからない。そして、手つかずの更地から施設建設ができて、いわば最小限のコストで集中的に競技施設を立地させ、コンパクト五輪を実現することができる。これがまさに江東区だったから、江東区がすばらしい町だということも太田大臣がおっしゃっていただいたとおりあるかもしれませんけれども、こうした条件があったからこそ、我が町にオリンピック競技施設が集中的に立地することになったということなんだと思うんですね。
何でこんなことを私がるる申し上げているかというと、では、そこは何で更地のまま、手つかずのままで残っていたかという話なんですよ。結局これは、臨海副都心開発を初めとした東京の湾岸地域の埋め立てで、東京都の埋立事業ですから、埋め立てられた土地がそのまま都有地になった。その都有地になったのが、バブル崩壊などもあって、典型的なのは臨海副都心開発ですけれども、土地処分が進まないままで、いわば塩漬けの状態で放置をされてきた。だからこそ、こうした都有地が、更地の状態で江東区周辺の東京湾岸にたくさんあったということなわけです。
そういう意味では、東京都の東京テレポート構想とかかつてあったわけですけれども、残念ながら、バブル崩壊もあって、笛吹けど踊らずで、開発が進んでこなかった、土地利用が進んでこなかった。いわば、民間から見ると、開発のポテンシャルが低い、こういうふうに東京の中で見られていた土地。だからこそ、手つかずのままで残っていた、こういうことになるわけです。
そこがにわかにオリンピックの中心地になって、競技施設ができるわけです。開発ポテンシャルが低いと見られていたところにオリンピックがやってくる。これは、まちづくりの好機というふうに捉えることもできるでしょうし、逆に言うと、オリンピックが終わった後、場合によっては、面的なまちづくりは進まないままで、オリンピック競技施設がその更地の中にぽつんぽつんぽつんとあって、そのまま、こういうことになりかねないということなんだと思うんです。これまでいわば開発の収益性が低いと見られていた土地に競技施設を持ってきて、そしてオリンピック開催の中心地をそこに持ってくる、この視点をやはり持たなければならない、私は最近とみにそういうふうに思うようになっています。
そういう点でもロンドン・オリンピックには非常にヒントがありまして、ロンドン・オリンピックというのは、ロンドン・プランというロンドンのまちづくりの進行と相まって大会準備が進められたものであります。
中心地となったのはイーストロンドンという地域であって、このイーストロンドンというのは、ここ東京と同じように港湾地域なんですけれども、これは市の中心部の近くにありながら、移民やあるいは低所得層、こういう方々が住む、ロンドンの中では開発がおくれた場所だったわけですね。ロンドン・プランのコンセプトは、ソーシャルインクルージョン、つまり社会的包摂と言われて、低所得層や移民の皆さんを社会の中で包摂し、そして、開かれた、弱者にも優しい、こういう新しい都市モデルを提示しようというのがロンドン・プランのコンセプトです。
つまり、ロンドン・オリンピックをきっかけにしてイーストロンドンを再開発する、このことを通じて、貧困層の人たちやあるいは移民の方々、こういう方々にチャンスと活気を与える。これが、先進国の新しいオリンピックモデルとしてロンドン・オリンピックが招致をかち取った一つの要因ではなかったかと言われているわけです。
二〇〇五年にロンドン・オリンピック開催が決まって、イーストロンドン一帯の都市インフラの整備、あるいは新しいまちづくりが進められることになりました。先行開発で進められたドックランドでは二十五年かかったものが、ロンドン・オリンピックをきっかけに、このイーストロンドンの開発は七年間に短縮をされたと言われています。今やこのイーストロンドン地域というのは、地下鉄やLRTが走り、そして住宅の開発、商業施設の新設、大きな変貌を遂げて、ロンドンの中でも最も活気のある地域に生まれ変わり、注目を集めているわけです。
先ほどの東京の、なぜここだったのかというお話を踏まえて、イーストロンドンの開発、そしてロンドン・オリンピックということを、今のお話を聞くといろいろとお考えいただけるのではないかと思います。もともと開発のポテンシャルが低いところにオリンピックの中心地を持ってくる、つまり、これを東京の町の新しい変貌、発展に結びつけていくためには、この地域全体のまちづくりの構想というものをきちっと持たなければいけないということなのではないかと思います。
この点について、太田国土交通大臣、東京選出の国会議員でいらっしゃいますので、ぜひ御所見をお伺いしたいと思います。
○太田国務大臣 大変重要な御指摘をいただいたんだと思います。
私は、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックをゴールにしてはならないと。昭和三十九年、新幹線、そして高速道路を初めとして構造物を先進国並みに急いでつくるということでやってきたんですが、昭和四十年には不況が訪れたというようなこともございますが、成熟国家、成熟都市における何をプレゼンテーションするオリンピックであるのかということについては、私は極めて重要なことだと思っております。
二〇二〇年をゴールにしないで、二〇五〇年の日本ということからいくと、外国人が恐らく相当日本にいる、滞在したりするという日本の先駆けとして二〇二〇年のまちづくりを捉えていかなくてはならない。あるいは高齢社会がやってくるが、バリアフリーという、パラリンピックがあるということをよく踏まえて先行的にやっていかなくちゃいけないということを考えておりました。
きょうは、ゾーン、地域として非常に大事な視点をいただいたと思います。東京都とよく連携をとって、それらの観点というものを、まちづくりと、そしてその後の展開ということを視野に置ける取り組みということを考えなくてはいけないなと思ったところです。
○柿沢分科員 大変すばらしい御答弁をいただけたのではないかと思います。二〇二〇年をゴールにしてはならない、つまり、オリンピックは一過性のスポーツイベントの側面を持っていますけれども、しかし、そのオリンピック・パラリンピックを迎えるということを一つの契機として、面的なまちづくりを進め、東京の新しい魅力と活力をつくり出していく、こういう視点を持たなければいけないということなのではないか。また、ロンドンの成功がそれを教えてくれているのではないかと思います。
これは大臣に向かってお話を申し上げていると同時に、今ここで聞いてくださっている国土交通省の関係の皆さんにもこの視点を持っていただいて、それは東京都が考えることだみたいな、そうしたスタンスをとらないでいただきたいと思うんです。やはり、日本の頭脳であり心臓である東京のポテンシャルを高めるという極めて国家的な事業につながってくるわけでありますので、ぜひお願いをしたいところだと思っています。
そういう意味でいうと、東京都の招致のファイル、あるいは開催の計画、あるいは都知事を初めとする方々のこれまでの発言を聞いていると、ちょっと私は心配になるところがあるんです。つまりは、東京というのは都市インフラが整っている、都市インフラが整っている場所だから、特段何か特別なまちづくりをやらなくても、オリンピックをあしたにも開催できるのが東京のいいところだということを強調してきたわけです。
現実に、猪瀬前知事は、オリンピックだからといって何でもかんでもやっていいわけではない、これは一面真理なんですけれども、そういうことをおっしゃって、ある意味では、オリンピックを契機にしてこれをやる、あれをやるということを、財政支出の膨張という側面から戒めてきた面がある。東京都の都庁の方々に聞いていても、そういう側面がどうもあるような気がするんですね。
しかし、現実に私がこの地域の住民として暮らしていて思うのは、例えば選手村ができるのは、最寄りの駅は大江戸線の勝どきという駅ですけれども、勝どきという駅は、大江戸線の環状線の駅の中で最も今乗降客が多くて、トリトンスクエアという再開発されたところがあって、そこに何万人もの通勤客が朝押し寄せる。その時間帯に通っていただければわかりますけれども、既にさばき切れないぐらいの人の波がわんさと押し寄せるような場所なんです。
この勝どき駅が選手村の一番近い駅で、それ以外、バスのBRTとかの計画はありますけれども、今、明確な形で、選手村に直結するような大量輸送機関、公共交通網の整備の計画というのは具体的にはないんですね。こういうことで本当に大丈夫か、東京は都市インフラが整っている、だから何もしなくていいんだ、迎えてみたら大混雑、大渋滞、そしてIOCからこんなはずじゃなかったじゃないかと言われる、こんなことが起きてしまったら大変だ、こういうふうに思っているんです。
東京が今持っているアセットは大変豊富なものがあると思いますけれども、そこに対する過信を持たない方がいい。むしろ、この地域全体をどうするかという、五十年、百年の視点を持ちながら、きちんとこの機会を捉えて整備を行っていくべきだと思います。
その意味で、地下鉄八号線の話を少し申し上げたいと思うんです。
その前に、まず、メトロと都営の経営一元化のお話を伺います。この問題は、私が都議会議員をやっていたころから、二〇〇五年から取り上げている話で、その後、猪瀬副知事が取り上げて、九段下のホームの壁を撤去したり、いろいろやってきた。猪瀬副知事は都知事になられて、あっという間に消えてしまわれましたけれども、猪瀬さんは猪瀬さん、政策は政策、これは別問題であると思います。
そもそも、メトロというのは国と都が出資した特殊会社でありますけれども、平成二十四年度の決算数字を見ると、経常利益七百三十四億円、当期純利益四百五十二億円。コンスタントにこの水準の利益をたたき出していて、しかも平成二十四年度は近年最高の利益。こういう形でため込んだ利益剰余金が今や三千億円になっています。いわば、東京メトロ、東京地下鉄というのは超優良会社と言って過言じゃないと思うんですね。
こういう利益剰余金というのはどうやって形成されたかといえば、国と都が補助金を出して路線建設を行ってきた、しかも、営団がやってきたところというのは山手線の内側ですから、ほっておいても人が乗るようなところで、そういうところをある種独占的に走っているのが東京メトロの地下鉄路線なわけですね。今やほとんどの路線の償却が終わって、走れば走るほど利益が上がる、こういう会社になっていると思うんです。
それで何をやっているかといえば、メトロの子会社を十二社もつくって、駅ビル、マンション、ゴルフ練習場、いろいろなサイドビジネスに手を広げて、しかもそこにメトロのOBを天下りさせているわけです。
一方で、猪瀬さんが当時執拗に指摘をしたとおり、メトロはほかの私鉄に比べてバリアフリー率が低い。また、私の地元を走っている地下鉄東西線、混雑率二〇〇%というぎゅうぎゅう詰めを私が子供のころから今もずっと続けているわけです。利用者への利便性向上もそこそこにサイドビジネスにいそしんできた、こう言われてもやむを得ない、こういう印象なんですね。
そもそも利用者の利便性を阻害して無駄なコストを強いる最大の要因が、メトロと都営の二重体制ではないかと思うんです。同じ駅に駅長が二人いる、保線の係員を二重に抱えている、九段下の駅のホームの壁どころではない、乗っている人からすれば、何でメトロと都営と二つあるんだ、毎日毎日、乗るたびに疑問に感じておられるのではないかと思うんです。
これは、知事は知事、猪瀬さんは猪瀬さん、そして政策は政策です。これまで東京都が提唱してきたメトロと都営の地下鉄経営一元化、これについて、国土交通省の御所見をお伺いしたいと思います。
○太田国務大臣 東京メトロと都営地下鉄の経営一元化につきましては、完全民営化することが閣議決定をされ、この旨を法律にも明記されているところでございます。また、株式会社である東京メトロと公営企業である都営地下鉄の一元化には、都営地下鉄の株式会社化が必要であることなど、検討すべき課題はございます。
東京の地下鉄のために、まず利用者の利便性の向上を図るべきだという観点から、サービスの改善、一体化を進めていくということで、東京都とも合意して進めてきております。
昨年七月から東京の地下鉄の運営改革会議を開きまして、終電延長などさまざまな施策を、中間的な成果として本年一月にまとめたところでありますけれども、今後ともさらに、サービスの一元化からスタートをし、具体的に論議をしっかりして進めていきたいというふうに思っています。知事もかわりましたものですから、また仕切り直し的なところがありますが、早急にこれについては協議をしていかなくてはいけないのではないかというふうに思っているところです。
○柿沢分科員 早急に協議をという最後の御答弁をいただきました。
ここで、メトロの経営の状況をもう少し詳しく精査するために、メトロの広告宣伝費の話をお伺いする予定だったんですけれども、ちょっと時間が押してきましたので、済みません、この質問は割愛させていただきます。
太田国交大臣は、先日の予算委員会で、民主党の岡田克也議員の御質問に対して、メトロ株の売却ということは大変重要な課題だという御認識を答弁されておられます。これまでの中で、東京都は、東京地下鉄ホールディングスという持ち株会社を要はつくって、東京メトロの株式を国から譲渡を受けて、少なくとも例えば三分の二株主になって、ホールディング会社のもとで都営との経営一元化を進める、こういう構想をかねてから提案をしています。
これは、ある種、経営一元化に向けたステップとして、東京都がまず持ち株会社の傘の下に両社をぶら下げる、こういう構想で、三枚目の資料に、この東京地下鉄ホールディングスという東京都がつくった資料をつけておきました。
岡田克也議員に対する太田大臣の御答弁で、メトロ株の売却を重要な課題で進めていかなければいけない、こういうお話を聞いて、完全民営化という前提で民間に売却をするという選択をとってしまうと、この形をとることは、場合によっては永久に困難になってしまう可能性がある。
そういう意味では、先ほどおっしゃられたように、都と国の協議が行われている状況がある、その状況に鑑みて、国保有株式の売却に当たっては、やはりまず都に優先交渉権といいますか、そうした協議を行う権限というか、そういう立場にいるんだと思います。
そういう意味で、そこの点も含めた、株式売却に関する国土交通省の見解をお伺いしたいと思います。
○滝口政府参考人 国が出資をいたします鉄道事業につきましては、完全民営化し、効率的な運営を実現するというのが鉄道行政の基本的な方向でございます。
先ほど大臣がお話をされたように、メトロにつきましては完全民営化することが閣議決定されております。また、この旨を法律にも明記されておりまして、メトロの株式につきましては、その保有者である国と都の双方ができるだけ速やかに売却をするということになっているところでございます。
したがいまして、東京都に国の保有する株式を売却することは、法の趣旨に反するということで、適切ではないと考えております。
なお、本日、資料を配られておりますが、東京都の方で、このホールディングスの構想についてはいま一つはっきりしないところがございますが、この持ち株会社構想というものを実現するためには、東京都が都営地下鉄を株式会社化する必要があるんじゃないかというふうにも思っております。
このため、まず、私どもといたしましては、大臣がお話を申し上げたとおり、サービスの一体化を進めるということに力を注いでまいりたいというふうに思っております。
○柿沢分科員 公式見解をいただくことになってしまいましたけれども、先ほど申し上げたように、私の地元を走る地下鉄東西線は混雑率二〇〇%、これは首都圏ワーストクラスの状態です。
一方で、先ほど質問しますと言った、豊洲、東陽町、住吉を走る地下鉄八号線、これは別紙のこの江東区の資料をもう一回見ていただくと、豊洲というのはこの場所で、東陽町というのはこの江東区役所という場所ですから、オリンピックの会場に対するアクセス路線みたいな、そういう役割も帯びることのできる路線だと私は思います。
これに関しては、運政審答申十八号で、二〇一五年度までに整備着手が適当、こういう位置づけを得ているものであります。江東区もオリンピックの開催決定に絡めてこうした整備着手を切望しているところでありますけれども、今後の整備に関する考え方をお伺いいたしたいと思います。
○太田国務大臣 地下鉄八号線豊洲―住吉間の整備は極めて重要だというふうに認識をしておりまして、先般も秋元先生からも、オリンピックもある、新しい市場もできる、いろいろな観点から大事だということの指摘も受けました。
今後、その事業化に向けまして、江東区を中心に採算性の確保が可能となる事業計画案の作成などを進めていただくことが必要だというふうに思っています。
また、東京都がその重要性を認識した上で進めていくということも極めて重要であり、地元の皆様から東京都にも重要性を発信していただければというふうに思っています。
国としては、沿線の関係者の取り組みを踏まえ、東京都ともよく相談してまいりたいと思っています。
○柿沢分科員 先ほど申し上げたように、メトロは、利用客の利便性の向上という点で、もっともっとできることがあるのではないかと思うんです。利益剰余金三千億円、そしてこの地下鉄八号線の総事業費が千二百六十億円。全部メトロが負担しろなんて言っているわけじゃないんですから、これは十分できる話なのではないかと思うんですね。しかも、今整備着手をしないと六年後のオリンピックに間に合わなくなる、こういうものでもあると思うんです。
江東区は、事業化検討委員会というのをつくって、七十円の運賃を加算設定すれば、開業十年で単黒になって、二十九年で累積資金収支を黒字化できる、こういう試算をしています。ただ、七十円という加算運賃はなかなか高いものがあって、利用客数の増減にも影響が出かねないと思います。
地下鉄八号線の整備を都市鉄道利便増進法に基づく事業として行うことを想定すると、例えば受益活用型上下分離、こういう方式でやろうとすると、借入金の償還は三十年で行うということになっているわけですが、例えば三十年償還というルールを四十年ということにできれば、加算運賃の水準も再検討できるし、整備主体となる事業者にとって着手のハードルも下げることができる。ここについての可能性について、御答弁をいただきたいと思います。
○滝口政府参考人 八号線の事業スキームでございますが、まず江東区の方で御検討いただくことが必要だろうと思っております。
現在の利便増進法を適用するということも一つのアイデアではございます。この場合、安定的な経営ということを考えますと、基本といたしましては、三十年以内の累積資金の収支の黒字転換というのが判断基準となっております。ただし、地方公共団体が主体となりまして経営に責任を持つ場合には、状況に応じ四十年以内ということで、この期間が長くできるというのが現在のスキームでございます。現在のところ、このスキームを変更することは考えておりません。
また、こういったことを念頭に置いて、江東区が中心となりながら御検討いただければというふうに思っております。
○柿沢分科員 極めて重要という太田大臣の御答弁をいただきましたので、それをもって、一つの期待を込めたいというふうに思います。
時間も参りましたので、残余の質問を残して、残念ながら終わらせていただきます。ありがとうございました。
○秋元主査代理 これにて柿沢未途君の質疑は終了いたしました。
次に、小宮山泰子君。
○小宮山分科員 連日、また本日は、ふだんであれば、予算委員会の分科会というのは一日半なりかけてやるところを、見事な、一日でおさめるためにハードワークな状態での、大臣また関係の皆様方にはお気の毒だなと思わざるを得ないところではございますが、予算分科会でございますので、しっかりと質疑をさせていただきまして、お答えいただければと思っております。
さて、まず最初に、観光政策をずっとさせていただいておりますけれども、前々から本当に、日本に来ていただいて、多くの方に日本を御理解いただく、そして魅了されていただきたいなという思いをしておりましたところ、昨年末に飛び込んできたニュース、来日観光客数が一千万人を超えたということで、太田大臣におきましてのコメントも拝見させていただきました。大変うれしいことでありますが、まだまだ観光客数の伸びというのは望めるところだと思っております。
その点に関しまして、昨年はまた、富士山のユネスコ世界遺産登録、和食、日本人の伝統的な食文化のユネスコ無形文化遺産登録が実現したところでもございます。これまで指定されてきた世界遺産、文化遺産などとともに、また自然遺産などもございますけれども、観光立国推進に向けて、これらの資産というものをどのように生かしていかれるのか、現状と今後の取り組みについて、また、それに対する決意について、ぜひお聞かせいただければと思います。
○太田国務大臣 昨年十二月二十日に、念願でありました来日外国人の一千万人を達成しまして、いろいろ御努力をいただきましてありがとうございました。多くの方の協力のおかげであるというふうに思っております。
しかし、御指摘のように、まだまだ日本の観光ポテンシャルは大きいというふうに思っているところです。
経済的に元気になったということが一つ、多くの方が来てくれた。元気なところには人が集まるという要素があり、そして、東南アジア諸国を初めとして、ビザの緩和ということもかなり大きな要素であり、その上に、富士山の文化遺産登録、東京オリンピック・パラリンピックの招致、今お話のありました食文化につきましてのユネスコ無形文化遺産登録と三つが重なりまして、一千万人達成になだれ込んだというふうに思っています。
外国の方に聞きますと、一カ所だけどこに行くというよりも、点ではなくて線、そして面という展開が大事であると。私は、北海道にも行って、そういうことをお話しして、函館はとか帯広はとか言っていないで、面として観光ルートというものをしなくてはいけない、点から線へ、線から面へという展開ということを言ってまいりました。
同時に、外国の方に聞きますと、食べ物と買い物があるところに行くんだと。富士山は見るものということになるでしょうが、食べ物と買い物のできるところがそのルートの中にきちっとないといけないというような話も聞きます。
日本というイメージが、まだまだ外国には今の日本がどういう国であるかということが十分伝わっていないこともありますから、メディアやいろいろなことを含めて、日本の文化を発信する、ブランドを発信する。テレビ等、いろいろなメディアを使う。出張所も、JNTOを初めとして、この間インドネシアでつくってまいりましたが、そういう拠点をつくる。そして、日本のおもてなしというものをもっと磨いていく。
外国の方からいくと、我々の気がつかないところに魅力を感じたりしているというようなこともありますし、空港におりたらWiFiがちゃんと使えないと困るというようなこともあります。やらなくてはならないことはいっぱいあると思いますが、ことしから、二千万の高みを目指して、さまざま、やれることは全てやるということで頑張っていきたいと決意をしておるところでございます。
○小宮山分科員 食べ物と買い物ができるところ、私も大変納得するところでもございます。
これは、やはりその土地の味であったり、また風土、文化というものを味わうため、恐らく、各国から来る方々は、自分の日常と違う日本の日常というものを大変楽しみにされ、その土地の方々と交わる、交流することによってリフレッシュをされて、旅の出会いの楽しさというもの、それは恐らく金銭になるものではございませんけれども、そういったすばらしさというものをお持ち帰りになられ、そして、日本にリピートであったりいろいろな形で今入られているんだと思っております。この部分をさらに伸ばしていただきたいと思います。
また、これからは地域です。私の地元で、夏になると、夏祭り、盆踊りの大会がたくさんございます。将来、こういったところにも外国の方が来られ、そして、私たちの先祖代々の思いというものを一緒に共有してくれるようになる、そんな話をさせていただくことがございます。
そういう意味では、日本人が今観光資源と思っていない、日本人が日ごろ日常生活している中での風習、文化というものが、海外の方から見ると、場合によっては、非常にエキゾチックであり、大変すばらしいものだと感じられるんだと思います。ぜひ、そういう面も含めまして伸ばしていただき、多くの方に日本にさらに来ていただけるように、私も努力したいと思いますが、大臣の御活躍を願っているところでございます。
さて、そうなりますと、情報発信というものが大変重要なことになってくるかと思います。
観光情報のページということで、日本の観光情報、伝統文化に関した情報など、観光庁のホームページからは、アクセスが必ずしもよくないように感じられてなりません。
ほかの省庁と同じ、官庁の説明や所管事項の説明が中心であって、ある意味、内向き、国内向きの内容なのかなというふうに感じずにはいられません。唯一違うと思うところは、他省庁のページが日本語版と英語版で選択、外務省はアザーランゲージズというところを選んでいただければ在外公館の情報は得られますが、しかし、その点以外に関しましては、外国語表示が何言語かになっていること以外に大きな違いはないのかなということが感じられてなりません。せっかくほかの言語でも表示可能であるならば、さらに、観光情報や伝統文化の情報について提供する、そういった工夫をされるべきではないか。
日本政府観光局のページを見ましても、ほかのところから見たバナーもちょっと地味で、実は観光情報が入っているようには見えづらい。グローバルホームというような形になっているので、これで観光情報が得られるという感じでもないんですが、行ってみると、十四カ国語で対応されている。観光庁関係のところでのページのつくり方としては、やはりこうやって言語がたくさんあるということは大変頼もしいですし、これをうまく活用することが重要なのではないかなというふうに感じたところでございます。
来日観光客一千万人を超え、次なる大きな目標達成に向けて、今まで、どの地域からどれだけふやすかといった目標設定の実績を積んでいらっしゃるかと思います。日本の魅力をどんどん発信していくためにも、このページの活用、そういったものを今後どうされていくのか。内容の充実とともに、今後の対応についてお聞かせいただければと思います。
○久保政府参考人 お答えをいたします。
先生御指摘のとおり、海外への情報発信というのは極めて大事であります。
私ども、海外への情報発信は、今御指摘いただきましたように、第一義的には、日本政府観光局と通称しておりますけれども、JNTOがホームページにおいて、十三言語、台湾、香港を分けると十四の言葉で日本各地の魅力を情報発信しています。
それで、今御指摘をいただいた私ども観光庁のホームページでございますけれども、言語としては、英語、中国語も簡体字と繁体字、そして韓国語と、四言語で情報発信をしております。後でちょっと説明させていただきますけれども、ここからさっきのJNTOへのリンクバナーを張って、そこからリンクができるようにはなっています。
私ども自身の観光庁のホームページでも、十七言語で訪日プロモーション映像という特設サイトも設置して、いろいろな情報発信、魅力発信には努めております。
しかしながら、御指摘をいただきましたJNTOへのリンク、今わかりにくいというお話をいただきました。そういった点については、私どもとしても、これは速やかに改善して、リンクがわかりやすい形にしたいと思いますし、観光庁のホームページ自身の内容の充実についても、これから中身を改善していって、外国の方に対する情報発信を一層積極的に行ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○小宮山分科員 ぜひ、バナーなりわかりやすい形、デザインも含めまして改良して、活用していただければなというふうに思います。
ただ、正直、中身を見まして、日本語もあってもいいのかという気もいたしました。また、各地にリンクを張られている中において、なかなか情報が薄いなという感じもいたしますが、全てを観光局の方でつくるというのは難しいのかとも思いますので、その点もしていただきたいと思います。
というのは、私自身、自分の町は、小江戸川越といって、観光地でございます。では、そこを見ようかなと思って、英語はそこそこわかるのでたどっていきまして、神社仏閣とかあるというところでたどりますと、残念ながら、神奈川と東京と千葉は関東に入っているんですが、埼玉、茨城、栃木は、日光も入ってこないということになってきます。多分そうだと思うんですが、全部のページを見たわけではないので。やはり、そういった意味で、もっと選択のしやすさであったり、まだまだ工夫の点はあると思います。
また、日本の各自治体等にリンクで飛ぶということを考えますと、そういったところの充実した先というのもありますので、そういった方々がきちんと提言ができる、また、自分がどういう情報を出すかがわかるというような、お互いに補完をするような形がとれるように、ぜひ工夫をしていただければというふうに思っております。
それで、うちの地元は観光地ということで、鏡山酒造の跡地に蔵里という商業施設が今できております。大変多くの方が来ていらっしゃって、先日、たまたま前を通ったとき、外国人の方が地図を広げて場所を探しているようでしたので、お声をかけさせていただきましたら、その蔵里というところにちょうど来ようとしていた。さらには、日本の地酒がここで飲めると聞いたからということで、カウンターだけの簡単なきき酒コーナーがあるんですが、それを見て来られたということでありました。
ただ、私もお酒の説明まではできなかったので、店員の方に事情を話して、あとをお願いして、その場は後にしたんですけれども、恐らくは、店員の方も大変困っただろうな、英語しか彼女はしゃべれなかったので、説明に困ったのではないかなという思いをして、その後どうなったかが非常に気がかりでならないんです。
観光地の中で、さまざまな国の方が来ていただいております。全員が英語を話せたとしたら、中国、韓国語が通じない。または、中東からも来られる。今さまざまな、インドネシアからも恐らく大分来られているという感覚はございます。
そういった中では、やはり最近、タブレット端末やスマートフォンなど、クラウド処理された音声認識ソフトの認識率の向上も著しいということで、こういったものの活用というのは大変重要なのではないかと思っております。この点に関しまして、どのような施策、また、今後こういったものの活用というものも含めて施策があるのか、このあたりについてお聞かせいただければと思います。
○久保政府参考人 確かに、先生御指摘のとおり、日本に来られた外国人の旅行者の方が円滑に、また快適に移動をしたり、目的地にたどり着いたり、滞在していただくためには、言葉というものについての改善が必要だろうと思います。
さまざまな試みを行っていますけれども、今先生から御指摘をいただいた多言語音声翻訳システム、こういったような最新のIT技術を活用して、できる限り言葉の壁を感じずにコミュニケーションを図っていただく、こういう環境を整えていることも、御指摘のとおり、極めて重要な課題であると思っています。
例えば、携帯電話事業者さんや、空港でいえば成田空港会社などの事業者さんにおいて、いろいろな通訳アプリだとか翻訳アプリが今開発され、利用され始めています。研究機関でも、多言語音声翻訳システムの精度の一層の向上等の研究開発もやっておられるところであります。
私どもとすれば、こういったいろいろな先進的な取り組みについて、いろいろな形で情報発信を行っています。そうすると、今言われたような日本の中のお店の方も、それをダウンロード等すれば、一定のやりとりはできるようになる。また、日本に来られた外国人旅行者の方にも一層利用してもらうように、今度は、アプリをちゃんとダウンロードできるために、大臣からもお話がありましたが、WiFi環境をきちんとつくっておいて、そういうものを入手しやすくするという形で、一層積極的な情報発信にこれからもさらに努めてまいりたいと思います。
よろしくお願いします。
○小宮山分科員 情報を入手する環境を整えるということ、これから観光政策の中では重要だと思いますし、それが、さらなる日本の魅力を発信する、そういう助けになるんだと思っておりますので、長官におかれましても頑張っていただければというふうに思っております。
さて、もう間もなく三・一一から三年たつところでもあります。昨年は、首都直下やまた南海トラフなどの法律、議員立法ではございますけれども、こういったものが国会では進んだことでもありますし、また、年末には、首都直下の災害被害の試算が発表されたところでもございます。また、私どもも同じように、自民、公明さんと生活の党で、国土強靱化の法律も提出をさせていただきました。本当に、日本がしっかりと強靱化をする、強くなる、しなやかになるということは重要かと思っております。
その中で、いろいろなことを思いますが、やはり交通網というものは大変重要なものではないかというふうに考えております。
まず、私の地元、二〇二〇年のオリンピックのゴルフの試合というのが来ることになっております。災害ではございませんけれども、先ほど柿沢委員からの質問の中にも東京のオリンピックの件がありましたし、太田大臣も東京ということもありまして、大変東京に関しては関心が高まるんでしょうけれども、そのほかのエリアというんでしょうか、埼玉におきましても何カ所かでオリンピックの競技が開催されることになっております。
アクセス道路というのは、そのときだけ急激に集中をする。そうでなくても、日ごろから大変混雑をするところで、さらにオリンピック道路など、そんなようなものをすると、どうなってしまうのかなというのが地方自治体の心配でもある。また、先日の大雪の際においても道路の封鎖というもの、前回のときは、雪による封鎖によって、非常に物流が滞ったりさまざまなことがございました。こういったことを考えますと、インフラ整備というのは、進めたくてもなかなか進みづらい。人々がそこに住んでおりますので、また、日常が行われているという中での計画になってくるかと思います。
二〇二〇年の東京オリンピックまたパラリンピックに対し、先ほどからもあります、東京に来たならば、関東近県、埼玉もそうですし日光もそうです、横浜もそうでしょう、さまざまなところに皆さんにも行っていただきたいし、見てもいただきたい、そういった思いはどこも一緒だと思っておりますので、オリンピック・パラリンピック関係の、地域におきましての円滑な輸送確保に向けてどのような対策をとられるのか、どのような計画になっていくのか、この点に関して御説明いただければと思います。
○西脇政府参考人 お答えいたします。
先生御指摘のとおり、東京オリンピック・パラリンピック大会、まず、この大会がスムーズに運営されるように、関係者とか観客の円滑な輸送を確保する。一方で、御指摘がございましたように、大会関係の輸送と地域住民の日常生活とか経済活動に伴います一般の輸送、これを調和していくことが非常に重要だというふうに考えております。
このために、まずは、既に事業に着手しております三環状道路でございますとか国道三五七、環状二号線のような必要なインフラの整備を着実にやって、交通の容量を確保する。
その上で、例えば、大会関係者とか観客の円滑な輸送のためには、オリンピックレーンといって、大会車両が専用で利用できるとか、あと、シャトルバスの運行がございます。
それから、一般の輸送との調和という点では、パーク・アンド・ライドでございますとか、あと、これは一時的なものでございますから、通過交通車両の迂回措置に取り組んでいく必要があると考えております。
いずれにしても、今後、大会組織委員会が具体的な輸送計画をつくることになっておりまして、私どもとしては、その委員会と東京都、埼玉県等の関係自治体、それから、これは交通事業者もございます、そういうところと連携して、基本的には、一般の輸送ときちっと調和できた、円滑な大会関係の輸送確保に万全を期すということで、当然、埼玉県に競技場もございますので、埼玉県も含めた形で総合的な対策を練っていくということになると思います。
○小宮山分科員 この点に関しましては、場合によってはスマートインターなどをつくらなければ、相当な渋滞もあるのではないか。オリンピックの専用レーンということになりますと、どうも、計画を見たところでありますと、日常のレーンを活用する。今ですら相当な混雑でありますので、この点はぜひ配慮をよくしていただきたいと思います。関係の自治体とは、きちんとその要望に対しましてもお応えいただければというふうに思っております。それは要望とさせていただきます。
さて、大雪のときには、本当にこんなに物流がとまるのかということを痛感いたしました。そのときに思い浮かんだのが、やはり昨年末の首都直下の報告書であります。あれによりますと、三十日間電車がとまるなんというような想定もあったかと思っております。数日間だけでも大変なところだったわけですが、今後、あの結果を踏まえて、首都直下地震に備えた国交省の事前防災への取り組みというのはどのような形になっていくのか、お聞かせいただければと思います。
○森北政府参考人 お答えさせていただきます。
今お話がございました首都直下地震でございますが、東京、神奈川、千葉、埼玉など、我が国の政治、行政、経済の中枢機能、そして多くの人口等が集積する首都圏で発生する地震でございます。
中央防災会議が昨年十二月に公表いたしました被害想定では、マグニチュード七クラスの地震が首都直下で発生した場合、全壊、焼失棟数は最大で約六十一万棟、建物倒壊や火災等による死者数は最大で約二万三千人等、甚大な被害が発生すると想定をされております。
こうした被害をできるだけ軽減し、拡大させないためには、先生御指摘のとおり、事前防災の取り組みが極めて重要かと考えております。
そこで、国土交通省では、地震時の緊急輸送道路となる幹線道路の耐震補強、代替ネットワークの強化、首都圏の主要鉄道駅、主要路線におきます耐震対策、さらには、火災延焼に備えるために、木造住宅密集市街地等の改善に向け、延焼遮断効果のある道路や公園等の整備、建築物の不燃化等の推進、こういった取り組みを進めているところでございます。
また、事前対策だけではなく、地震発生後の応急活動につきましても、大臣の御指導のもと、副大臣、政務官、皆様方の御指導を賜りながら、どこで、どのような事態が発生し、それにどう対応するのか、こういった視点を踏まえて検討を進めているところでございます。
国土交通省では、首都直下地震の発生に備えまして、今後とも総力を挙げて対策を進めていくこととしております。
○小宮山分科員 ありがとうございます。
実は、大臣、おとといの予算委員会でも質問させていただきました公共工事設計労務単価改定について、時間の都合で少し飛ばしたところがございましたので、本日また聞かせていただきたいと思います。
確認をさせていただきたいことは、やはり改定の効果というところであります。
なぜまた引き上げをしたのか、その背景につきましては答弁をいただいております。被災地での事業、また入札不成立が改善されるというふうにお考えになっているのか。また、公共工事以外の民間の建設、建築工事における技能者の賃金についても上昇する、そういった思いであるのか。その点の見解について、見通しについてお聞かせいただければと思います。
○太田国務大臣 現在の入札不調は、人が不足している、資材が高騰しているということをよく言われがちなんですが、現実に一番入札が不調になっているのは、全国的でありますけれども、埼玉もあるんじゃないかと思いますが、地方公共団体発注の大型建築工事の方で、土木よりも建築が多く、国よりも県、県よりもそのもとでの市町村レベルの、大きいものというよりは、小さくて手間のかかるものが入札不調になっています。原因は、人の不足、資材の不足、高騰という以上に、予定価格が市場価格と合っていない、落差があるということです。
そうした点でいきますと、労務単価を上げると、積算が適正になっていくということになります。ですから、労務単価を去年の四月に一五%上げ、ことしの二月に七%、被災地はもう少し多いんですけれども、上げさせていただいたというのは、間違いなく入札不調を脱却することになろうというふうに思います。
それから、この間もそういうニュアンス、きょうもそれがあると思いますけれども、現実に、上げたものが働いている人にしっかり行くのかどうか、そして民間工事の労働者の賃金にも行くかどうかということが極めて重要であります。
私は、民間工事の労働者の賃金は、会社からいきますと、民間をやったり公共事業をやったりということで、同じ面も多いものですから、必ず連動していくというふうに思います。
そういう意味では、さらに下請の、一番最前線のところの技能労働者に行かないんだという話が現実にあります。非常に私は心配をしています。そこのところは、くどいように、そういうことに行くようにということを言ったり、一緒に集めてやったりということで、賃金が上がるようにという措置をとらせていただいているところでございます。
○小宮山分科員 大臣の狙いどおりになることを願ってやまないものでございますが、この問題に関しましては、これからもしっかりと注視させていただければと思っております。
最後になって、時間が大分ないのですが、建設の現場で、技能者というのは少なくなっている、また大変難しい工事等もふえております。その中で、足場設置工事におきましての事故という報告が数日前にもございました。こういったことで命をなくさないということが重要かと思っております。
この点に関しまして、事故の事例をなくす、そういった策をどのようにされるのか、まずお聞かせください。
○半田政府参考人 足場のことについてお答え申し上げます。
先生御指摘もございましたように、建設業におきます足場からの墜落事故というのは非常に大きな問題でございまして、死亡災害が全体の中で四割を占めております中で、さらに、そのうち一五%が足場からの墜落事故ということでございます。
私どもといたしましては、足場からの墜落、転落防止対策を重点の一つとして取り組んでおるところでございます。
具体的には、平成二十一年六月に施行しております改正労働安全衛生規則によりまして、手すりと中桟の設置などの墜落防止措置を周知徹底しているところでございまして、さらに、法令を上回る、より安全な措置についても、現場に対する個別の指導などを行っているところでございます。
厚生労働省では、足場からの墜落災害のうちの九割が、法令で義務づけられた墜落防止措置に何らかの不備があったということで起こっている、こういう状況を踏まえまして、法令を遵守させるための方策などについて検討をしているところでございまして、今後とも、一人でも多くの足場設置工事従事者の災害を減らせるように努力してまいりたいと考えておるところでございます。
よろしくお願いいたします。
○小宮山分科員 国交省から伺いますと、公共事業の方においての工事には、そういった転落事故は、全くないとは言わないですけれども、本当に少ないそうです。やはりきちんとした対応をしていれば、事故というものは防げるんだ。
中には、若い方も被害に遭っていらっしゃいます。場合によっては、足場が崩れることによって園児が被害を受ける、そんな事例も伺っております。こういった事故をなくすために、ぜひ、先ほど、労務単価引き上げは民間に波及することを願ってということでございました。足場の設置という、ある意味、専門性を持った、またそういったことに従事されている方々の安全を守るということも大変重要な観点かと思っております。
その点に関しまして、大臣の御決意を聞かせてください。
○秋元主査代理 質疑時間が経過しておりますので、御協力願います。
○太田国務大臣 私は、幅木をしっかり設置するとかさまざまなことを、実は、十年ぐらいこのことに取り組んできた一人でございます。
こうした事故でけがをしたり人命を落とさないように、さらに厚生労働省とも連携をとって頑張っていきたいと思っております。
○小宮山分科員 ありがとうございます。
水循環基本法をことしこそ成立を目指させていただきたいということをお伝えさせていただきまして、質問を終わらせていただきます。
○秋元主査代理 これにて小宮山泰子君の質疑は終了いたしました。
次に、高橋千鶴子君。
○高橋(千)分科員 日本共産党の高橋千鶴子です。
太田大臣、きょうは一日、御苦労さまでございます。
きょうは、首都圏新都市鉄道、つくばエクスプレスについて質問をさせていただきます。
同鉄道は、一都三県などを株主として、平成十七年、二〇〇五年に開業し、秋葉原―つくば間五十八・三キロを最速四十五分で結び、今、一日平均乗車人員は三十二万人を超えていると言われています。この建設においては、大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法を制定して、沿線の宅地開発と一体で進めてきた、いわば国のかかわりが極めて強い鉄道だと言えると思います。
国の運輸政策審議会において、新東京駅まで延伸を検討すべき路線として位置づけられたということで、昨年九月三十日に、つくば市議会が東京延伸を求める意見書を上げております。その中では、成田、羽田空港間を結ぶ国際都市東京に向けたプロジェクト、都心直結線計画とも結ぶという意義づけがされています。
これは二つ、別の事業で、大規模なプロジェクトだと思いますけれども、どのような意義を持っているのか。大臣に、まず伺います。
○太田国務大臣 都心直結線は、東京都心と羽田、成田の両首都圏空港間のアクセスを大きく改善することで、東京の立地競争力の強化を図る意義を有するものです。
また、つくばエクスプレスの東京延伸は、東京駅へのアクセスを向上させることで、つくばエクスプレス沿線地域の利便性向上を図る意義を有しています。
この二つとも、東京・丸の内側へ乗り入れ、新駅を設置する構想であるため、二つの事業で時期をあわせて新駅の整備を行う場合には、事業費が節減される効果が期待されるところではあります。
いずれにしましても、現時点においては、都心直結線及びつくばエクスプレスの東京延伸の両計画ともにまだ構想段階でございまして、実現に向けては、今後、それぞれの計画の検討、また、両計画の関係についての検討が行われることになると考えております。
○高橋(千)分科員 つくば市議会の意見書の中では、「東京でオリンピックが開催されることが決定したため、国際都市東京の構築に向けた動きが活発化し、都心直結線も東京オリンピックの開催に合わせて整備されることも想定されます。」このように書いているんですね。しかし、これは少し勇み足ではないのか。
事実関係を伺いたいんですけれども、つくばエクスプレスの東京延伸と都心直結線は全く別の事業であります。しかし、今大臣もおっしゃったように、新東京駅、同じところに乗り入れるという点では同じです、アクセスが広がりますという意味で、羽田―成田アクセス鉄道とTXの相互乗り入れをやることによって、コストも縮減できるんじゃないかということになっているわけですよね。
ただ、それによって、どのような工程でするかとか、いろいろな計画がありますから、新東京駅の工事は千八百億円から二千七百億円という幅があるということ、それから、最も安く早い計画でも、工期は約十年、こういうふうな計画だという説明を受けておりますけれども、確認をしたいと思います。
○滝口政府参考人 まず、都心直結線でございますが、現在、ボーリングによる地質調査などを行っているところでございます。さらに、事業化に向けましては、建設計画の具体化や事業採算性などの検討を進めることが必要だ、こういうことになっております。
また、事業化に当たりましては、当然のことながら、事業主体が環境アセスメントを実施した後に、押上駅から泉岳寺駅間十一キロにわたるトンネル工事、あるいは、新東京駅も地下五十メートル程度に新駅を設置するという大工事になりますので、完成までに十数年を要する見込みということでございますので、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックには間に合わない、このように考えております。
一方、つくばエクスプレスの東京駅への延伸でございますが、これについては、財源の確保であるとか、あるいは輸送需要や収支採算性の問題であるとか、いろいろな、技術的な問題あるいは財源的な問題などを検討しなきゃなりません。
この事業化に向けては、これらの課題を解決し、沿線自治体や鉄道事業者を初めとした関係者間で合意形成を調えていただく必要がありますが、そのスケジュールの詳細につきましては、私ども、現時点においては把握をしていないところでございます。
○高橋(千)分科員 そこを確認するだけで、この場はよろしかったんです。
つくばから羽田あるいは成田までということで、東京オリンピックに大変効果的だということが言われているんですけれども、現実には、そこのアクセスのところは十数年かかるであろう、さまざまな調査も必要だということを言っていたわけですから。もちろん、TX自体をどうするかという議論はまた別ですけれども、そういうことなんだということをまず認識する必要があるのではないかなと思っています。
そもそも、バブルの時代に描いた夢と現実はしっかり見据えなければならない、このことを指摘しておきたいなと思っております。
首都圏新都市鉄道つくばエクスプレスは、昨年十月二十九日、関東運輸局長から、八年間連続四期にわたって重大な運転事故が皆無であり、運転業務に優秀な成績であったとして、無事故表彰状をもらっております。ですから、鉄道事故等報告規則にのっとった報告事故はないわけです。
ただ、この間、新聞報道を見るだけでも、オーバーラン、架線トラブルなどが相次いできました。
昨年の三月には、出発前点検の作業ミスで車両の安全装置を破損させたことに気づかないまま運行して、二万ボルトの高電圧区間で正常に走行できなくなるトラブルがありました。車体上部から火花が出るのを乗客が見ていたんですね。これが、国に公表せずということで、大きく報道もされました。
また、八月には、新御徒町駅に停車した際、ホームのドアが開かずに、乗客およそ四十人がおりられない、取り残される、こういうトラブルがあって、これもNHKのニュースでも報道されました。
こうしたことは当然、報道などで承知していると思いますけれども、報告事故に該当しなければ問題ない、こういう立場なんでしょうか。
○滝口政府参考人 国土交通省といたしましては、委員御指摘の鉄道事故等報告規則というものがございまして、これに基づきまして、鉄道事業者から、トラブルなどがございましたときに報告を求めております。
この報告の内容でございますが、いわゆる衝突や脱線といったような事故のみならず、走行中にドアが開いたとか、あるいは列車の運転の安全に支障を及ぼすような故障があったというような場合には、インシデントということで、これについても報告を実は求めているということでございます。
委員御指摘の事案につきましては、発生したことは事実でございますが、いずれも報告規則に基づく報告対象ではございませんでした。
しかしながら、例えば、昨年三月、委員御指摘の火花が出たという事象でございますが、これは報告対象に該当するかもしれないということでございましたので、私どもは情報を得た段階で、この内容の詳細を把握しております。どのような安全上の問題があったのか、なかったのかということで、結果的には、これは報告対象ではなかったという整理でございますが、そういったようなこと、この報告規則にとどまらず、いろいろな情報を集めるということをしているところでございます。
また一方で、鉄道事業者におきましては、いわゆるヒヤリ・ハットと言われるものがございます。こういったヒヤリ・ハットの事象を含めて、いろいろな安全にかかわる情報を収集いたしまして、その上で所要の対策を検討していくということが求められております。安全管理体制というものでございますが、こういったことが求められているところでございます。
御指摘のつくばエクスプレスにおきましても、社長を委員長とする鉄道安全委員会というものが設置されておりまして、このような安全関係の情報を集め、必要な対策を検討するということが行われているというふうに認識をいたしております。
ということで、国土交通省といたしましては、事故のみならず、安全を脅かす事象につきましては、鉄道事業者で検討し、対策を講じさせるとともに、行政も適切に関与することにより、安全が確保されるように取り組んでいるといったのが実態でございます。
○高橋(千)分科員 大臣に伺いたいと思います。
今の報告の中にあった鉄道安全委員会のことは承知をしています。
同時に、保安監査という形で運輸局がやる指導もあるわけですけれども、関東運輸局の保安監査で指摘された事案が、昨年七月十一日、柏の葉キャンパス駅、二十二時三十分、ホーム柵に寄りかかっていた乗客が、発車した車両に指が触れて第一関節を二センチ破損しちゃった、さわったまま発車しちゃった、こういうことがあったわけですね。ですから、本当に、一歩間違えば大惨事。今、ヒヤリ・ハットとおっしゃいましたけれども、そういうことが結構起こっている。まず、こういう認識を持っていただきたい。
それで、二十一日の国土交通委員会でも、東急電鉄の追突事故やJR北海道問題などが取り上げられました。こうした一つ一つの事故というのは、例えば指さし確認をやっていないじゃないかとか、警笛を鳴らすとか、運転士が確認しないのが悪い、それだけで済ませられない問題なんだ。全体で共有していかなきゃいけない。
なので、安全確保については、報告義務にかかわらず、トラブルが多発しているんじゃないか。こういうことに国としてもアンテナを張る、そういうことが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○太田国務大臣 全くそのとおりだと思います。
規則として報告すべき事項、あるいは重大インシデント、これは普通のインシデント、報告は要らない、いろいろなことは決まりとしてはあります。
しかし、私は、JR北海道の諸問題というもので、安全が大事だということで、朝、毎日、きょうも安全で出発をしますという報告をいただいています。そのときには、内容は細かくは報告すべきことじゃないですから申し上げませんが、朝五時過ぎに車が線路の上にとまってしまって動かなくて、急ブレーキをかけたことがあるとか、信号がどうだとか、車両がちょっと閉まらなくて減便をしたんだとか、いろいろなことが、毎日毎日小さなトラブルといいますか、トラブルにも至らないかもしれませんが、通常運行をそのままという状況ではなくて、やめるというようなこともあったりいたします。
聞きますと、全国の鉄道というのは、そういうふうに、毎日毎日、一〇〇%、全ての車両もあれも全部大丈夫でというような状況ではなくて、常に点検をしたり保線をしないとだめだということも聞いております。
今回の、雪が降って、ブレーキをかけてもきいたとかきかないとかいうようなことも含めて、私は、とにかく、全国の全ての鉄道業者が安全ということに責任を持って、安全な乗り物ですからということを言えるような体制を念を入れてやるということが今やらなくてはいけないことであるというふうに思っています。
そういう意味からいきまして、トラブル多発などにアンテナを張るといった構えが必要であると御指摘をいただきましたが、全くそのとおりであると私は申し上げたいと思います。
○高橋(千)分科員 大変力強い御答弁だったと思います。
それで、つくばエクスプレスは、実はあの大雪の中でも、最高速度百三十キロで走っておりました。オーバーラン百メートルという報告がありますけれども、車体を全部合わせると百二十メートル、その分を数えると、実際は三倍くらいのオーバーランだったのではないかということなども言われています。
ATO、これは我が国初の自動運転装置なんですね。だから、安全なのか。逆に、私は、人による配慮が必要なのではないか、このことを考えていきたいと思うんです。
平成二十五年十月二十九日、つくばエクスプレスの総務部長が各所属長に宛てた文書、第四期無事故表彰について、これもひとえに職場が一丸となって、安全の確保は全てに優先するとの基本姿勢を忠実に実行し、あわせて、自己の職責を十分に発揮していただいたたまもの、こう言っているんですね。これが言葉どおりだったら文句は言いません。実際はどうなんだ。安全確保のための労働条件はどのようになっているか。
現場からの告発があります。毎月のように退職者が出ています。それも二十代が多いです。労基法は、一週間四十時間、一日八時間の上限を決めていますが、変形労働制、鉄道の運転業務に関しては、長距離にわたり継続して乗務するものについては、第四十条に基づき、休憩時間を与えないことができるとしています。与えなくてもいいけれども、では、そのかわりにどうやって労働者を保護するのでしょうか。お願いします。
○大西政府参考人 労働基準法について御質問がございました。
先生御指摘のとおり、労働基準法の休憩時間の規定でございますけれども、業種、業態を問わず、全ての事業に使用される労働者に適用される、そういう原則でございますが、電車の運転手や車掌であって長距離にわたり継続して乗務をするものなどにつきましては、労働基準法四十条におきまして、休憩時間を与えないことができる、こういう規定がございます。
これにつきましては、電車に乗務する運転手の方などにつきまして、特殊な必要がある場合に、休憩時間を一律に与えることによって公衆に不便をもたらす、そういった不便が生じないように、その調整を図るために設けられた規定であるということでございます。
ただ、同じ法律の中で、必要避くべからざる限度、そういう制限がございますので、よりよい労働条件を確保するという観点からは、適切な休憩時間をとっていただくということが望ましいと考えております。
○高橋(千)分科員 適切な休憩時間はもっと具体的に検討するべきだと思うんですね。与えないことができる、それは仕方がない特性ですよ。だけれども、そのかわりに、どうやって労働者が元気に安全にやれるのかということをちゃんと考えなくてはいけないと思うんですね。
ILO百五十三号の条約、路面運送における労働時間及び休息時間に関する条約などでは、最大総運転時間は、一日について九時間、一週間について四十八時間を超えてはならない、二十四時間の中で少なくとも継続する十時間を休憩にするとか、そういう国際的な原則があるわけですね。定期的には休めない。だったら、そのかわりにちゃんと、例えば夜勤明けは公休じゃなくて、ちゃんと休まなくちゃいけないわけですね。公休はまた別にやらなきゃいけないんですね。そういうことを徹底されなきゃいけない、そうですね。
○大西政府参考人 先生御指摘のとおり、現在の労働基準法におきましても、先ほど申し上げましたように、必要避くべからざる限度というような厳格な制限、そういったもとにこの休憩を与えないことができるというような規定ぶりになっておりますので、そういった、労働者によりよい労働条件で働いていただくという観点からは、適切に労働時間をとっていただく、そういうのはまことに望まれることだと考えております。
○高橋(千)分科員 時間がないのに同じ答弁しないでくださいよ。聞いたことにちゃんと答えてください。
それで、適切な休憩ということがとれていなきゃいけない。だけれども、それも労基法の中ではちゃんと三六協定とかいろいろあるわけですよね。
この中では、ここの会社の三六協定を見ましたけれども、労使協議を経て、六回を限度として一カ月七十時間、一年四百五十時間というものがあります。これ自体かなりハードですよね。だけれども、現場は三六すれすれ、そういう事態なんです。しかも、協定書は、二十駅あるうち四駅しか提出されていません。協定書にある人数、私が持っているのは五十二人と書いてある。正しくありません。三年以上休んでいる人の数が頭数に入っていたりしています。
そもそも、労働組合がない中での協定です。こんな協定が有効ですか。
○大西政府参考人 先生御指摘の個別の企業の事案について直接お答えすることはちょっと差し控えさせていただきますけれども、三六協定について御指摘がございました。
これにつきましては、先生おっしゃるとおり、三六協定に記載する労働者の数については、当然私どもといたしましては、届け出時において正確に記載していただきたい、そういう必要があるというぐあいに考えております。
また、労働組合がない場合のお話がございましたが、これにつきましては、法令上、過半数で組織する労働組合がない場合においては、三六協定は、使用者と労働者の過半数を代表する者との間で締結していただく必要がある、このようになっておるところでございます。
○高橋(千)分科員 不十分ですけれども、人員の問題ですとか、お認めになった問題、そうした実態と実際の届け出がどうなっているのか、これは具体的な調査をお願いしたいと思います。資料は、既に厚労省に出しております。
そうした中で、安全にかかわる問題も多数生まれています。居眠り運転が報道されたこともありました。先ほど来お話しになっているヒヤリ・ハット、鉄道安全委員会があります。
こうした中で、社員自身が告発をする事故の芽という取り組みがございます。とても大事なことだと思います。
その中に、例えば、強い眠気を感じた、乗務管理所では毎年のように居眠りに対しては対策を練っているけれども、ダイヤ改正で、一番眠気を感じるとされる秋葉原からつくば間を普通列車交代なしで乗務する行路が増加した、正直言って意見が出尽くした、仕業面で対策を考えなければならないと投書した。それに対して会社の答えは、居眠りの問題は仕業だけでなく、そのときの体調などにも左右されるものであり、乗務員の永遠のテーマである、こんな答えをしているんですね。乗務員の資質は長時間単独で乗務できる体力と精神力が必要である、資質を満たしていないと答えるだけであります。だから、もう長時間労働だということはわかっていて、そういう居眠りをするのは資質だと。そんな問題なんでしょうか。
一昨年の台風十七号の際に、駅が漏水あるいは水没するおそれがあるとして、居残りをして非常体制を組むべきじゃないかということを社員から言ったんですね。これは大事なことだと思う。だけれども、必要ないよと言われて帰された。それに対して本人が事故の芽に投書をした。それに対しての答えは、九月三十日の台風警戒における人員手配については、人員不足等による弊害はなかったと思われます、これから先、いろいろな自然災害に関する事象が発生したときには、なるべく多くの人員手配をしたいと思いますと。
これはたまたまでしょうね。たまたまこうなったかもしれないけれども、せっかく社員がそうやって言っているのに、よそでは当たり前のように居残り体制をとっているのに、それをできないで、弊害はなかったと言っている。それだけ人手が足りないという実態でもあるわけなんですよね。本当に軽視していいんでしょうか。
無事故表彰した関東運輸局長も、もとはつくばエクスプレスの出身であります。現社長もそうです、経営企画部長など、重要ポストを国土交通省出身者が占めている。つまり、元運輸省だった人がつくばに行って、また戻ってきて運輸局長をやっている、こんな実態なんですね。このような体質で本当の安全が確保されるでしょうか。大臣、お願いします。
○滝口政府参考人 まず、委員御指摘の事故の芽情報ということでございます。
先ほどお話し申し上げましたヒヤリ・ハットということで、こういった現場の生の情報を得て必要な安全対策を講じていくということは非常に重要なことだろうと思います。
先ほど、委員は一部分だけお読みになられたと思いますが、この居眠り運転の問題につきましては、本社の方は、睡魔は体調と時間の融合で突然襲ってくるものではないでしょうか、体調が悪い場合にはお申し出くださいというようなことも実際言っておるということでございますので、いろいろな取り組みが行われているという面も一部あるんだろうと思います。
それからもう一点、台風の問題については、委員御指摘のとおり、こういった前向きな現場の取り組みというのは、そういったものを踏まえながら会社は安全対策を講じていくことが必要だろうと思っております。
そこで、委員御指摘の国土交通省の出身者が占めているという問題でございますが、冒頭委員が御指摘になりましたように、つくばエクスプレスを運行いたします首都圏新都市鉄道株式会社は、一都三県を初めとする地方公共団体が出資する会社でございます。経営陣については、基本的には、こういった地方公共団体の株主を含め、鉄道事業者側が判断すべき問題だろうというふうに考えております。
このうち、経営企画部長につきましては、会社の事業計画などを取りまとめるなどの業務を実施しておりまして、これらの知見やノウハウを有している者が求められておりますので、国土交通省の職員を派遣しているということでございます。
特に問題となります鉄道輸送の安全確保に関する業務、これを統括する安全統括管理者というものが必要でございます。現在、つくばエクスプレスの会社におきまして安全統括管理者についておりますのは、国土交通省の出身者ではなく、鉄道事業に精通した経歴を有する同社の社員が選任をされておるということでございます。
このような、鉄道事業者が選任した体制のもとで、安全輸送の確保にしっかり取り組んでいく必要があるだろうというふうに考えております。
○高橋(千)分科員 安全統括管理者が国交省じゃないから、そういう答弁は全然話にならないと思うんですね。
だから、ノウハウが必要なんだ。逆に言うと、そこの中で国交省が直接指導できるんじゃないんですか。それで、そういう問題が起こらないのであれば私はいいと思いますよ。そうじゃないから指摘をしているんじゃないですか。大臣、これは通告しているんですけれども、後でもう一回答弁を求めます。
もう一つだけ質問したいことがあるんです。
私が、なぜこのつくばの問題を取り上げようと思ったか。これは、もちろん告発があったからであります。さっき言ったように、資料も全部届けてあります。この方は、たまたま駅頭で私たち共産党が配布していたブラック企業規制法案についてのチラシを見たから連絡を下さったわけなんです。休みがない。手当がない。次々と若い人がやめていく。しかも、副主任に二十五歳、若い経験のない労働者を平気で配置して、いわゆる名ばかり管理職ですよね、残業代をもらわなくていいから。こういう働き方はブラックそのものではないかと感じたからなんです。
厚労省が昨年集中的に行った、若者の使い捨てが疑われる企業五千百十一社中、八割を超えて何らかの違法状態が指摘されました。そのときに出された事例、厚労省が摘発した事例とそっくりなんですよ。だから、放置できないと思うんです。どうですか、もう一回厚労省に。
○大西政府参考人 お答えいたします。
個別の企業につきまして答弁するのは差し控えさせていただきますけれども、先生御指摘のとおり、労働基準法というのは、もちろん労働条件の最低基準を設けているものでございますので、それは遵守していただく必要がございます。
労働基準法の違反が疑われる企業につきましては、労働基準監督官が赴きまして、監督指導を行って適切に対処するということをいたしておるところでございます。
○高橋(千)分科員 せっかく、我々から言わせるとブラック調査、これをしっかり厚労省がやってくれたんですから、まさにそれに該当するような事態なんだということに対しては受けとめて、今、個別にどうのとは言えないでしょうから、期待をしたい、このように思います。
最後に、大臣に伺いますけれども、TXは今三十億円の黒字で、乗客も超過達成というふうに言われています。しかし、それは、安全のための経費を削減していることであってはならないと思うんですね。先ほど大臣が力強くおっしゃっていただきました。また、八千億円、当初一兆円を超したと言われた建設費、その償還との関係では、まだ途方もない年数がかかります。
二〇〇〇年十一月二十二日の朝日新聞、「三セク新線火の車」こういう記事がありました。臨海副都心線とか多摩モノレールなどと並んで、常磐新線首都圏新都市鉄道について書いているんですけれども、出資金はどぶに捨てたようなものだ、知事に頼み込まれて根負けしただけなんだという大手の都銀の幹部の声を挙げたりして、やはりこれはバブルの時代でしたので、もしものときは自治体負担で補填するということで、かなり自治体がしょい込んだ。当時は、運輸省は実はJRに期待していたけれども、断られた。こういう経過を書いているんです。
この最後に、運輸省都市鉄道課は、経営難はバブル崩壊など予想を超えた情勢変化のためで、見込みが甘いというのは結果論だ、地道に客をふやすしか対策はないとコメントをしているそうです。
今、これと同じことを繰り返してはならないと思うんですね。一千億円以上の債務を沿線自治体がしょい込んで、何かあっても、結果論だと言って逃げてはならない。こういう中で、東京延伸をすることが本当にいいのかということも検討しなければならないし、人件費のさらなる抑制や安全対策の抑制に拍車がかかっては困ります。
大臣の決意を伺いたいと思います。
○太田国務大臣 質疑を聞いておりまして、現場の保線とかそういうのは物すごく大変なんですね。JR北海道でも、真冬の零下二十度ぐらいのところで、若い人たちがどんな思いで働いているか。そこで悲鳴のように上がって、これをやってくれと。安全ということについては、全ての鉄道会社が、このときに、現場の声を聞いて応える。安全ということについては全力を挙げるという姿勢が私は大事だというふうに思います。
その上で、つくばエクスプレスでは、特に安全ということが大事で、債務の返済や投資を行うという、あわせていろいろ考えているようでありますが、現実にはつくばエクスプレスを経営する首都圏新都市鉄道株式会社は、線路等の整備を行った鉄道建設・運輸施設整備支援機構に、平成二十四年度時点で六千七百六十九億円の債務を負っている。
平成二十一年度まで元本償還が据え置かれておりましたが、二十二年度から元本の返済を開始しているという経営状況にございます。
こういった中で、具体的な対応については、第一義的には、経営者が適切に判断すべき問題だというふうに思いますが、安全を確保しながらということがまず第一にあって、その上に健全な経営を確保するというのが、順番というのはそういうものだということを心得なくてはいけないというふうに思います。
○高橋(千)分科員 終わります。ありがとうございました。
○秋元主査代理 これにて高橋千鶴子君の質疑は終了いたしました。
次に、大島敦君。
○大島(敦)分科員 これから三十分か三十分弱ぐらい、質問をさせていただきます。お疲れと思いますが、よろしくお願いいたします。
東日本大震災が起きて間もなく、国土交通省の本省の防災ルームですか、大きなスクリーンがあって、各地方支分部局とテレビ会議ができる部屋で、大臣と地方支分部局の局長と、多分、東北整備局長だと思うんですけれども、その会議の様子を見たときに、危機管理について、私の経験したものと同じだなと思いました。
私は、十四年間、鉄鋼会社に勤めていて、鉄鋼会社の人事ローテーションというのは、私は事務系なんですけれども、事務系も、特に技術系は、最初は製鉄所に配置をするんです。製鉄所で三年から五年間ぐらい、本社に戻して、本社の営業管理部門、そしてまた違う製鉄所に送って、また本社に戻してということで、本社と各製鉄所の間を常に人事ローテーションをして、要は、同じレベルというのかな、同じ現場のレベルを保とうとするというのが製鉄所なんです。
危機管理も、地震が起きた、あるいは台風が来るときには、私もそうですけれども、製鉄所の中で夜通し危機管理をしています。要は、台風が来れば、原料ヤードがあって、そして出荷ヤードがあって、高炉、製鋼工場、各圧延の工場、一回高炉に火を入れると、これは三百六十五日、二十四時間、十年以上消せないものですから、その管理をずっとやっていくわけです。ですから、何か起きたときにも、本社サイドと製鉄所の間は、恐らく電話レベルでもあるいはテレビ会議をしても成り立つ環境なんです。
この点がやはり、国交省の危機管理、防災に当たられている国土交通省としては極めて重要なところだということを直観いたしました。
ですから、国土交通省の道路あるいは河川の皆さんは、本省採用の皆さんは、各地方支分部局の間をローテーションで異動していくわけですよ。そして、整備局採用の皆さんは整備局管内で異動して、大体、全てのことは、本省と整備局が同じレベルで会話できるようになっているわけです。同じ大変だとか同じ危険だとか、このワードでもそれぞれ受けとめ方によって違うわけですよ。テレビ会議をしていて、これは大変だといったときの大変さを、リアルに本省と地方支分部局で共有することというのが、私は、国土交通省にとっては本当の肝というような、本当に重要なところだということをそのときに感じた次第なんです。
ですから、これからいろいろな地方支分部局についての改革が提案をされ、行われていくかと思いますけれども、これから、東海、東南海、南海あるいは首都直下型も含めて、危機管理とか防災管理の観点から、一気通貫した流れというのは確保する必要があると思っていまして、その点について、きょうは道路局長の徳山さんに来ていただいているものですから、お顔を見たらそういうことを思い浮かべて、冒頭発言をさせていただきました。
経験している人はわかる領域なんです、この領域は。でも、経験していない人はわからないんです。
河川についてもそうです。
河川は、最終的な判断は、右岸か左岸、どっちを切るかなんです。私のところにも荒川という川が、これは埼玉県から東京です、幾つかの県をまたいでいて、それを、要は流量を調整しながら、堤防、土手のぎりぎりのところで抑えながら管理するというのが河川で、これも結構ノウハウが必要です。最終的には一番嫌な判断をやるわけです。これは知事がなかなかできない判断かもしれない、自分のところで右岸を切るか左岸を切るかなんという判断をしたときには、切られた方からは孫子の代まで、あの知事の時代にと言われるわけですから。やはり、嫌な仕事というのは国がやらざるを得ないと思っています。
ですから、国土交通省、国の仕事というのは、大臣も御理解していただいているかとは思うんですけれども、そういう観点も必要なのかなということを冒頭述べさせていただいて、地元の問題に移っていきたいと思います。
特に、毎回圏央道とか上尾道路は質問することを決めておりまして、やはり熱意をこの場で伝えることで、工事の進捗が進むことになります。
圏央道についてのBバイCも極めて高くて、上尾道路二期工事を、平成二十三年かな、事業化していただいたときにも、BバイCが五・七ですから、これはどんどんつくってほしいと言える道路だと思っていまして、特に、国土交通省ですと観光を第一に所管しておりまして、去年は一千万人。二千万人というのは、私は到達可能だと思っています。
この間も予算委員会で質問させていただきましたけれども、アジアの賃金の上昇を調べると、中国でも、一般工の賃金は年間で九十万ぐらいなわけですよ。課長クラスの営業担当になると、二百七十万とか二百五十万もらっているわけですよ。タイでも、課長クラスの営業担当だと二百七十万ぐらいかな。この豊かになりたいという意識は、なかなかとめられない意識だと思うんです。
私が、今から二十五年前、三十二歳ぐらいのときに、ベトナムのハノイとホーチミンに鉄鋼会社のマーケティングで行ったことがあります。昔のサイゴンがホーチミンシティー。
当時のハノイは、ガソリンスタンドがないんです。ガソリンはどこで売っているかというと、道端にテーブルがあって、ビール瓶の中にガソリンを入れて売っているような状況が、二十五年前のハノイです。サイゴン、今のホーチミンシティーは、豊かなところですから、それなりにバイクがたくさん走っている。
そのときに思ったのは、経済成長率が一〇%を超える経済というのは、何をやっても成功します。金融でも、物づくりでも、あるいはサービスでも、律儀にやれば何でも成功する社会です。
豊かになりたいという衝動は、私たちのように豊かになった国はなかなかこの衝動が湧いてこないんですけれども、豊かになりたいというこの衝動は、何にも増して、どんなに経済が落ち込もうが、必ずリカバーしてきます。
ですから、中国についても東南アジアについても、これから日本との賃金差が五倍から三倍になってくるとすれば、成田の飛行場から、プラス一千万人の外国からの観光客が現実的にふえてくると私は思っています。ですから、圏央道を今国として整備を促進しているのは、その点もあるのかなと理解しております。
まず、地元の問題で、徳山局長に質問させていただきたいんです。
これはいいことです。私の地元で二カ所、圏央道のインターがありまして、一カ所が桶川北本インター、桶川市と北本市の名前がついているインター、もう一つが、どういう名前にするのかなと思っておりましたら、桶川加納インターという名前にしていただきました。
桶川北本インターで、もう一個のインターを桶川インターにすると、わからなくなってしまうんです。桶川北本インター、もう一個が桶川インター、これだと、どっちがどのインターかわからなくなりますから、その下にもう一つ、地域の名前で、加納という地域ですから、名前をつけてくださいと皆さんとお願いをさせていただいて、桶川加納インターになりました。
そうすると区別がつくものですから、その点について、局長から、一般的なのかどうかというところだけ聞かせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
〔秋元主査代理退席、主査着席〕
○徳山政府参考人 お答えを申し上げます。
インターチェンジの名称につきましては、利用者にその所在地が簡潔でわかりやすいということが一番大事なことでございまして、一般的には、インターチェンジの所在する市町村名を使用することを基本に、地元自治体などとも十分協議を行い、御意見を踏まえた上で決めております。
同一市町村に複数のインターがある場合などは、今度は区別のために、これも一般的には、市町村名に東西南北の方位をつけるというのが多うございまして、今回のように字名をつけることは非常に少ないと認識はしておりますが、これも地元の総意ということで、今回決めさせていただいたということでございます。
○大島(敦)分科員 ありがとうございました。
地元の皆さんは、いろいろな思いがありまして、もともと土地を手放した方も多いものですから、地元の名前がそこに残るということは、やはり地元の皆さんにとっても、よかったなという気持ちになるものですから、そうしていただいたことに対して感謝申し上げます。
太田国土交通大臣にお伺いしたいのは、今、八王子から桶川北本インターまでずっとつながっておりまして、ことしの六月ぐらいには東名の厚木までつながりまして、桶川北本インターチェンジから東北道、白岡菖蒲インターチェンジまでできるだけ早くつくってほしいと思っております。その点についての見通しを伺わせていただければ助かります。
○太田国務大臣 ここはできるだけ早くというふうに、ここが通りますと、東北道とか関越とか、かなり違います。去年からもお話をいただいておりましたが、何分、二十六年度としておりますが、用地難航箇所がございまして、この方の事情も聞くと、私などは情にもろい方なので、大変だなという感じはするんですが。
しかし、昨年四月に予算委員会でも御指摘をいただきまして以降、この用地取得に関する状況を申し上げますと、昨年九月に、二十六年五月を明け渡し期限とする裁決が出されたところでありまして、その点が一定の進捗を見せているという状況である。
引き続き、関係自治体の協力をいただきながら着実に工事を進めて、早期整備に向けて全力で取り組んでまいりたいと思いますが、そういう事情がありますものですから、進んではいますけれども、いつということが申し上げられる状況にはないことを申しわけないと思っております。
○大島(敦)分科員 大臣御指摘のとおり、東北道まで開通すると大分利便性がこの区間で高まることも確かなものですから、その点についても、国交省としての取り組みをよろしくお願いいたします。
次に、道路局長に伺いたいと思います。
今、桶川北本インターからずっと八王子のインターまでつながっていて、ことしの六月には東名の海老名までつながるという話を伺っていまして、その先の茅ケ崎まではいつぐらいまでに開通見通しなのか、その点についての御答弁をお願いいたします。
○徳山政府参考人 先生御指摘の区間、桶川北本インターチェンジから茅ケ崎までで、もうあと残すところ二区間のみとなりました。
一つは、先ほど先生からもお話のありました高尾山インターのところ。二十六年六月開通に向けて、橋梁工事やトンネル工事を全面的に展開しております。
もう一つの、寒川北インターチェンジから海老名ジャンクション間につきましては、現在、橋梁工事等を推進しております。用地も一〇〇%済んでおりますので、工程が見えるところまで来ておりまして、平成二十六年度内の開通を目標としております。
○大島(敦)分科員 前回御指摘させていただいたとおり、ビジネスにとっても、圏央道のこの沿線には、多くのビジネス拠点、研究所の拠点があります。
大臣にも、これから国土交通省としても頑張っていただいて、まずは東北道まで開通すること。その先に、成田の飛行場と、プラス、筑波の研究学園都市がありまして、国交省からいただいた資料ですと、大体二十七年度末、ですから二十八年の三月までには、あと二年間ちょっとでここまで開通することになります。そうすると、成田の飛行場におりてから、湘南、これは神奈川県の藤沢までが、あと二年とちょっとで一気通貫でつながることになります。
この効果というのは物すごく大きい効果があると思っていまして、外国から来る多くの観光客の皆さんが、これで富士山にも行けますし、あるいはこちらの鎌倉にも行けますし、さまざまな、八王子から長野に行くことも可能ですし、東北道を通って東北各県に行くことも可能なものですから、道路全体が、外国から来る観光客の利便性も非常にアップすることになるかと思いますので、ぜひ、その点も踏まえて早期の開通を、目指していらっしゃるとは思いますけれども、よろしくお願いいたします。
もう一つ。これがちょうど関東を囲む道路でして、きょうは質問通告はしておりませんので、私の方から意見だけ述べさせていただくと、これは農水省さんにもお願いしなければいけないんですけれども、産業立地のための用地がないんですよ。産業立地するためには農地を転用しなければいけないんです。農地を転用しなければ、本社機能、あるいは工場の機能、研究所の機能を持ってこられません。沿線を見ても、多くの土地が余っているわけではないんです。
私の地元でも、例えばUDトラックス、昔の日産ディーゼルというトラックメーカーがあって、そこの本社と工場が上尾という町にあります。この間伺ったところ、今度新しい社屋をつくって、今、一〇〇%、ボルボの会社だそうです。全世界をボルボは三つに分けているそうです。そのうちのアジアの拠点を、この内陸部の上尾に置くそうなんですよ。それは、圏央道があって、すぐに成田の飛行場から外、外国に出られますから、アクセスが、非常に利便性がいいということで本社機能を、アジアの拠点をここに置くのかなとも思っているわけなんです。
ですから、そうすると、今後、これから私としては、国交省さんにも農水省さんにもお願いしながら、この沿線の農地を、できるだけ柔軟に対応していただいて、各研究所とか本社とかあるいは工場の誘致というのができるように、特区でもいいのですけれども、使うということが必要だなと思っていますが、その点についての御理解をしていただければなと思います。
続きまして、これが、丸い、囲む道路でして、今度は、私の地元の真ん中を南北につなぐ道路でして、おかげさまで、上尾道路の一期区間というところは、大宮から始まってこの圏央道にぶつかるまでの区間についてはもう事業化をして、予算もつけていただいて、着々と今進んでいるところでございます。そこの整備状況と今後の見通しにつきまして、大臣からの御答弁をいただければと思います。
○太田国務大臣 上尾道路は、圏央道と交差する形で整備を進めている国道十七号のバイパスです。
これまでに、圏央道より南側において六・三キロが開通しており、残る区間においても着実に整備を進めて、圏央道の桶川北本インターチェンジから白岡菖蒲インターチェンジ区間の開通とあわせて完成できるよう、引き続き整備を推進してまいります。
一方、圏央道より北側の九・一キロにつきましては、測量や地質調査を完了したところでありまして、引き続き早期整備に努めてまいりたいと思います。
○大島(敦)分科員 太田国交大臣は、多分、全国の議員から、あるいは地元の要請もあるかと思うんです。やはり、二〇二〇年のオリンピックまでの完成というのは、全国では多分そういう声が上がっていると思いまして、ここの北半分の九・一キロも、二〇二〇年、あと六年間ぐらいですから、急げば間に合う区間ですので、よろしくお願いいたします。
そこの、特に自然保護との関係で、上尾道路の南半分に江川という川があって、そこの地区での環境保全対策について、国交省としてどのように考えていらっしゃるのかの御答弁をいただければ幸いと存じます。
○太田国務大臣 この上尾道路の江川地区の湿地エリアにつきまして、希少な動植物をどのように保護するかという課題がありまして、平成二十一年二月に、専門家、そして環境保護団体、地元代表者から成る上尾道路(江川地区)環境保全対策検討会議を設置して、意見、助言をいただきながら、環境保全対策について検討を進めてきたところでございます。
一昨年五月の会議におきまして、審議の結果、盛り土から高架への構造変更やビオトープを復元的に保全するなど、良好な湿地環境を保全するための方策を取りまとめ、一昨年六月に公表させていただいたところです。
この取りまとめを踏まえ、圏央道との同時開通に向けて、早期整備に努めてまいりたいと思います。
○大島(敦)分科員 国交省の皆さんには、自然の保全対策については丁寧に進めていただいているのかなと思っています。
この自然保護の観点と、地元の要請としては、できるだけ早く道路を整備してほしいという要望があるものですから。ぜひ、今の御答弁をしていただいて、地元の要望、道路をできるだけ早くつくって、特に私どもの地元というのは、多分太田大臣の地元もそうだと思うんですけれども、物すごく高齢化が進んでいるんです。きょうも駅でレポートを配ってきたんですけれども、ここ五年、着実に減っていて、ここ一年間、駅を利用する方はがくっと減っています。三年ぐらい前から、七分間隔の高崎線で、それまでは絶え間なく人が来ていたのが、途切れるようになって、今、八時ぐらいになると閑散としてしまうんです。
団塊の世代が六十五を超えて、みんな地元に帰ってきていますから、産業あるいは地元振興を早急に進めていかないと、圏央道沿いのところの神奈川県も埼玉県も、恐らく千葉県そして茨城県も、多くの影響を受けると思うんです。これは時間との勝負だと思っています。
ですから、できるだけ早く上尾道路を開通してほしいというのは、地元の高齢化にできるだけ早く対応をしたいという意向もあるものですから、南半分そして北半分についても、一つの開通目標としては二〇二〇年ということを考えているんですけれども、ぜひその取り組みをお願いいたします。
前回も御答弁をいただきました、桶川市内の道の駅、前回、太田大臣も道の駅については十分に承知をされていて、積極的な御答弁をいただいたんですけれども、その後の進捗状況についての御見解をいただければ幸いと存じます。
○太田国務大臣 桶川市では、地域の魅力や活性化をアピールする場、交流、防災の拠点として、上尾道路周辺に道の駅を整備する構想を持っていると承知しています。
桶川市では、二十四年八月に道の駅の基本構想を策定し、平成二十五年八月には検討委員会を設けたところであり、国土交通省としても、この委員会に参画して、具体化に向けた検討に協力を行っているところです。
国交省もこの検討委員会に入ってやっておりますし、道の駅の意味というのを私は極めて高く評価しているところでありまして、この委員会の中で積極的に発言をしていきたいというふうに思っています。
○大島(敦)分科員 ありがとうございました。
地元の国道工事事務所の皆さんも大分頑張っていただいておりますので、大臣の御答弁を受けてさらに頑張っていただけるかと思っております。
今度は、河川行政についての御質問をさせてください。
荒川流域では、コウノトリの放鳥に関する強い地元要望がありまして、例えばNPO法人で、こうのとりを育む会などの取り組みも熱心に行われております。
国土交通省においてコウノトリに関してどのように取り組みを行っているか、その点についての御所見を伺わせてください。
○森北政府参考人 お答えをさせていただきます。
コウノトリにつきましては、例えば、兵庫県豊岡市を流れる円山川におきまして、国、県、市、農業関係団体等から成る協議会を兵庫県が設置いたしまして、多様な主体による取り組みが進められております。
その中で、国土交通省として、河川における湿地再生、支川との連続性確保のための樋門等の段差を解消する、そういった取り組みを実施しているところでございます。
これらによりまして、兵庫県におきましてはコウノトリの放鳥が行われ、野生復帰実現がされております。
関東地方におきましては、関東地方整備局が事務局となりまして、四県六市の関係自治体、さらには学識経験者等から構成される、関東エコロジカル・ネットワーク推進協議会を設置いたしまして、コウノトリの野生復帰を目指して、河川等の水辺環境の保全、再生、地域振興を図るための方策の検討を行っております。
荒川流域では、荒川上流河川事務所、鴻巣市、北本市が事務局となりまして、荒川流域コウノトリ地域づくり連絡会を設置いたしまして、他地域のコウノトリに関する取り組み事例について調査研究等を行うとともに、荒川上流河川事務所におきましては、荒川中流部の太郎右衛門地区等におきまして、湿地再生、河畔林の保全、再生などの自然再生の取り組みを推進しているところでございます。
○大島(敦)分科員 局長、ありがとうございます。
コウノトリの放鳥というのは、要は水田も含めて広域に、例えば水田の中にドジョウがすめるようにしないとコウノトリが餌をとれないものですから、結構、河川流域ではなくて広範な面積での環境整備が必要でして、ですから、地味な作業をずっと続けていかないと、ケージでは飼えても放鳥するということがなかなか時間がかかるのがこのコウノトリの事業です。ですから、地元としては、今言われた鴻巣市、北本市、鴻巣市の鴻巣というのは、コウノトリの巣と書いてある町なものですから、意外と皆さん熱心に取り組まれております。
それで大臣に、今後の地域の発展を考えれば、また、地元の強い要望もございますので、荒川流域でコウノトリに関する事業などの自然再生を強化することも必要だと思っていまして、先ほど局長が答弁したとおり、地域自然再生事業も荒川上流河川事務所の中では行われております。私も何回か視察をさせていただいております。ですから、その点についての大臣としての御見解を最後に伺わせていただいて、質問を終わりたいと思います。
○太田国務大臣 私は荒川下流事務所のところが選挙区でございまして、荒川流域にコウノトリがすんでいるということになればすばらしいことだというふうに思います。
自然の再生、あるいはまた、もっと心が自然と一緒にということ、自然と切れているのが現代文明だというふうに思っておりまして、これは非常に大事な事業で、実現をするために、私も参加者の一人として、参画をさせていただければという思いでございます。
○大島(敦)分科員 大臣が、荒川下流の河川事務所のところに選挙区があるということ、私は上流ですから、私の選挙区には、全国で一番川幅が長い河川がありまして、ここで東京に来る水を全部とめているんです。ふだんはちょろちょろっとしか流れていないんですけれども、一回台風が来ると全域がびっちりと水で埋まって、それで東京の被害がないようにしておりますので、ぜひその点についてもよろしくお願いいたします。
以上、終わります。ありがとうございました。
○石田主査 これにて大島敦君の質疑は終了いたしました。
次に、上田勇君。
○上田分科員 公明党の上田勇でございます。
きょうは分科会で、太田大臣、そして石田委員長も、長丁場でございますけれども、大変お疲れさまでございます。
質問に入る前に、先ほどお隣の第六分科会で、農林水産省なんですけれども、都市農業の振興、都市農地の保全ということで質問をさせていただきました。農林水産省としても非常に力を入れてこれから取り組んでいくということでありますけれども、土地利用になりますと、これは都市計画との関係も出てまいりますので、国土交通省ともよく協力をしながら取り組んでいきたいということでございましたので、その点、ひとつよろしくお願いをしたいというふうに思います。
それで、質問で、最初に、都市再生機構、URの分譲住宅について質問させていただきます。
URがかつて分譲した大規模な団地は、一九六〇年代に非常に多く建設をされまして、かなり老朽化が進んでおります。私の地元でも、例えば左近山団地というのがあるんですけれども、これは一九六八年から入居が始まっておりますので、既に五十年近くが経過をしました。当時は非常に近代的な住宅であったわけでありますけれども、五十年もたてばかなりがたがくる、老朽化が進んできております。
ただ、では建てかえを行おうかということになっても、マンモス団地で規模が大きいので、住民だけで計画を立てて合意をつくって、建てかえをする、再開発をするというのは本当に難しいんですね。さらに、最近は特に住民も高齢化をしておりますので、さらに困難になってきております。
ただ、当時の団地というのは、非常に空き地も広く、広々とつくられております。土地のスペースもある。だから、例えば高層化をするとか、そういういい計画を立てれば、もう一度良好な住宅地としてリフレッシュできる、そうした可能性は非常に高い地域であります。
しかし、そういう計画を立てて実施をするというには、何せ規模が大きいわけでありますので、技術力も必要、資金の手当ても必要、そうした大規模なプロジェクトの計画を立てて実施をしていく専門的な能力が必要であります。これは、民間の開発事業者だけでは、対応するというのが非常に困難なのが現実であります。
そういう意味では、やはり最初に開発して分譲したUR、そういう意味での責任もあるというふうに思いますので、ぜひURの持っている専門的な能力、それを生かしていただいて、こういう老朽化をしている団地、それをもう一度活性化をしていく、再開発をしていく、そうしたことに、より積極的に取り組んでいただきたいし、そのための制度もぜひ整備をしていただきたいというふうに思います。大臣の御見解を伺いたいと思います。
○太田国務大臣 首都直下を初めとするそうしたことに対応するために、老朽化マンション、これを建てかえたりするときの住民合意を得るということについての法律を出させていただいているところであります。
分譲のマンション、URの団地、この老朽化が深刻になっているというのは、多いものですから、私もよくわかります。賃貸の方は建てかえをかなり進めてきている状況にありますが、確かに、分譲の老朽化マンションの建てかえということで、URは、これまで蓄積した賃貸住宅建てかえや再開発などのノウハウを生かして、相談窓口を設置して、コーディネート業務等を行ってきたところであります。
今回の行革の議論の中でも、公的機関としての立場を生かした老朽化マンションの建てかえ等に取り組むことの重要性があるということが指摘されているところで、宿題になっているところです。
分譲マンションにつきましては、所有者が一度取得されたものでありますから、所有者で構成される管理組合等からの御要望があれば、分譲マンションの建てかえ等が円滑に進むよう、しっかりコーディネート業務を行うなど、一層の体制強化を図っていきたいと思っておりますが、これについては、もう少し幅広く、どういう方法ができるのかということを、さらに検討させていただきたいというふうに思っているところです。
○上田分科員 ありがとうございます。
非常にマンモス団地になりますと、規模が大きいので技術も必要であります。そして、資金の手当てということになると、なかなか、管理組合でそこまで全部考える能力というのがないのが現実であります。
そういう意味では、URにはせっかく技術力、経験があるわけでありますので、要請があればということもそうなんですけれども、地域の活性化をしていく上でも不可欠の課題でありますので、ぜひもっと積極的に取り組んでいただきたいということをお願いしたいというふうに思います。
大臣、御退席をいただいて結構でございます。大変にありがとうございます。
次に、鉄道に関して若干お伺いしたいというふうに思います。
まず最初に、都市鉄道利便増進事業というのがございます。私の地元では、現在、相模鉄道、相鉄線とJRの直通線、それから相鉄線と東急線の直通線、この事業が実施をされております。用地の取得や地元交渉などのために、事業の進捗が若干おくれてきてはおりますけれども、今、工事もかなり進んできているというのを実感しております。
相鉄線西谷駅、西谷という駅の付近からJR貨物線の羽沢駅というところまで、約二・七キロなんですけれども、ここをトンネルでつなぎます。そしてさらに、その羽沢駅の付近から東急東横線の日吉駅まで、ここは約十キロでありますけれども、これをつなぐ。
そういう事業が完成すれば、相鉄線から、今は横浜駅で乗りかえが必要なんですけれども、乗りかえなしで新横浜や新宿方面へ行けるようになります。所要時間も相当短縮できるという意味で、相鉄線の沿線、横浜のみならず、そのさらに先の大和の方面からも非常に期待が高まっているわけであります。また、羽沢駅を旅客が利用できるようになれば、ちょうどその地域というのは鉄道アクセスの悪い地域でもありますので、利便性がかなり改善をされることになります。
今既にある既存の鉄道施設を有効に利用すると、わずか数キロをつなぐだけで非常に利便性が向上するという意味では、非常に効果的な事業であるというふうに考えております。そういう意味で、ぜひこれはさらに積極的に進めていただきたいというふうにお願いを申し上げますが、現在の事業の進捗状況、そして平成二十六年度における工事の実施計画について、御説明をいただきたいというふうに思います。
○滝口政府参考人 現在、都市鉄道利便増進事業として実施をいたしております相鉄・JR直通線、そしてまた相鉄・東急直通線は、委員御指摘のように、乗りかえ回数の減少あるいは時間短縮効果が非常に大きいということで、期待される事業でございます。また、首都圏の広域鉄道ネットワークの充実ということにも資するだろうというふうに考えているところでございます。
この事業は、平成十七年度及び平成十九年度の事業認定以降、整備主体でございます鉄道建設・運輸施設整備支援機構により鋭意工事が進められているという状況でございます。
そこで、委員お尋ねの、現在の進捗状況でございますが、現在、相鉄・JR直通線につきましては、西谷駅付近の相鉄本線との分岐部の工事、あるいは西谷地区と羽沢地区を結ぶトンネル工事などを進めているところでございます。平成二十六年度には、トンネル工事のうち、シールド区間の掘削を完了するという予定でございます。また、羽沢地区の新駅の駅部構築工事も、ほぼ完了するというように聞いております。
さらに、相鉄・東急直通線でございますが、西谷駅引き込み線工事や新横浜駅工事などを進めておりまして、平成二十六年度においては新綱島駅工事に着手する見通しというふうに聞いております。
いずれにいたしましても、引き続きこれらの工事を精力的に進めることによりまして、相鉄・JR線については平成三十年度、また相鉄・東急直通線につきましては平成三十一年度の開業に向け、国土交通省といたしましても、必要な予算確保等を着実に推進するよう努めてまいりたいというふうに考えております。
○上田分科員 御説明ありがとうございます。
非常に地元の期待も高い事業でございます。協力体制も随分充実をしてきておりますので、ぜひ整備の促進に、さらに力を入れて取り組んでいただきたいということをお願い申し上げます。
もう一点、鉄道についてです。
国土交通省では、駅のホームからの転落事故を防止しそれを減らしていく、それに有効なホームドアの整備を推進しております。残念ながら、転落事故というのが後を絶たないのが現状でありまして、利用者の多い駅への設置というのは非常に強く望まれているところであります。
今、計画的に進められているんだというふうに思いますが、設置推進についてのこれからの計画、また現在の進捗状況、そして今後の方針を伺うとともに、平成二十六年度の事業計画についても御説明をいただければというふうに思います。
○滝口政府参考人 鉄道駅のホームにおける視覚障害者等の接触、転落などの事故を防止するための設備といたしまして、ホームドアは非常に効果が高く、整備を推進することが重要であるというふうに認識をいたしております。
ホームドアにつきましては、省内に設置をいたしましたホームドアの整備促進等に関する検討会の中間取りまとめ、これは平成二十三年の八月に取りまとめられたものでございますが、この中間取りまとめを踏まえまして、一日当たりの平均利用者数が十万人以上の駅について、優先的に整備を促進するということにいたしております。
現在までの整備状況でございますが、平成二十五年九月末現在で、全国で五百七十四駅に設置をいたしております。そのうち、利用者数が十万人以上の駅、これは優先的にということでございますが、現時点では四十四駅というふうになっております。
また、今後の計画でございますが、鉄道事業者などにおいて今後ホームドアの整備を計画しておりますのは、私どもが現時点でヒアリングなどを通じて把握しておりますところでは、およそ百八十駅ということになっております。
ホームドア等の整備などを含む鉄道駅のバリアフリー化につきましては、平成二十六年度の予算案におきましても、地域公共交通確保維持改善事業費補助金、そしてまた、地下鉄などにつきましては地下高速鉄道整備事業費補助金の、それぞれの一部として助成措置を講じるということにしているところでございます。こういったような助成措置を活用しながら、具体的な計画のある鉄道事業者のホームドアの整備を進めてまいりたいというふうに考えております。
一方で、ホームドアの整備に当たって技術上の課題がございます。一つは、車両によって車両扉の位置がばらばらであるといったこと、あるいは、できるだけ低廉なコストで整備を行うための新たなタイプのホームドア、これはワイヤであるとかバーであるとか、こういった形のホームドアでございますが、こういった技術開発にも取り組んでいるところでございます。今年度から、こういった新しいタイプのホームドアの実証実験というものをやらせていただいているところでございます。
以上、助成措置、そしてまた技術開発を通じまして、今後ともホームドアの整備の促進に努めてまいりたいというふうに考えております。
○上田分科員 ありがとうございます。
ホームドアの設置については、我が党でも再三御要請もさせていただき、推進に取り組んできたところでございます。とはいっても、なかなか目に見えて進んでこないなというのが実感でありまして、今、計画的に進めていただいているということでございましたので、これはもう本当に強い要望もございますので、ぜひよろしくお願いをしたいというふうに思います。
また、今御答弁もあったんですけれども、確かに、ホームの幅が狭過ぎるとか、かえって混雑してしまうというような技術的な問題もあるんですね。今いろいろと、もうちょっと、より簡単な形でのものというようなことの技術開発にも取り組んでいただいているということでございました。実証実験ということでございますから、実用化も間近なんだろうというふうに思っておりますので、ぜひそういった面でも、さらに力を入れていただきたいというふうに考えております。どうかよろしくお願いをいたします。
次に、自動車整備の問題についてお伺いをしたいというふうに思います。
自動車の点検整備については、道路運送車両法に定められております。自動車の事故、故障を防止することによって、安全の確保、それから交通の円滑化に役立つことはもちろんでありますけれども、環境の保全を目的としたものと理解をいたしております。
現状では、国土交通省からお示しをいただいた資料では、乗用車では、中間点検、これは車検と車検との間の一年点検でありますけれども、いわゆる一年点検、これは乗用車だと実施率が四割程度なんじゃないか。そしてまた、車検についても、ユーザー車検とか、車検代行業者が行う前車検というんですか、検査を先に受けて、その後で点検整備を行うというケースもあって、全体の一割程度だというふうには聞いておりますけれども、それもある。そういった場合には、点検や整備が不十分であったり、全く実施をされていないケースもあるというふうに聞いております。これはやはり、ユーザーが点検整備の重要性について余り認識していないというところに大きな問題があるんだというふうに思います。
確かに、今は自動車の性能が随分よくなりましたので、なかなか、故障するということもなくなりました。我々も、普通に車を使うときに点検をしたりというようなことは、もうほとんどしないというのが現状でありますけれども、ただ、やはり、どうしても経年劣化をするわけでありますから、一定期間ごとには点検をし、整備することというのは不可欠なんだろうというふうに思います。
そこで、ちょっとお伺いをしたいんですけれども、こうした点検整備、少なくともこういう制度で定められている点検整備を怠ると、どういう問題が生じるのか。改めて、点検整備の意義、それから、今の実施状況についてどういうふうに評価をされているのか、御見解を伺いたいというふうに思います。
○田端政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、点検整備というものは非常に重要なものでありまして、自動車は時間の経過や走行により劣化するものでございますので、自動車の安全あるいは環境性能の維持確保を図る上で、点検整備の実施というものがユーザーにとって最も重要で、かつ基本的なものであると認識をいたしております。
現在、この点検整備の実施状況でございますけれども、車検と車検の間に実施します中間点検整備の実施率、御指摘のとおり、乗用車の場合、四割程度となっております。また、車検時においては、約九%の車両が、いわゆる整備工場を通さないユーザー車検の形態で検査を受検しております。
このユーザー車検におきましては、先に検査を受け、その後に点検整備を実施する、いわゆる前検査が可能となってございます。この前検査をしているユーザーに対しまして、車検後の点検整備を確実に実施していただくということのために、約三十四万枚の啓発のはがきを送付いたしておりますが、そのうち、点検整備を実施したと回答を我が方にお寄せいただいていますのは七・六%にとどまっている、このような現状でございます。
○上田分科員 こうした状態が放置をされるということは、安全の確保からはやはり大きな課題なんだろうというふうに受けとめております。国土交通省でも、今御答弁にあったように、同じ認識を持っていただいているというふうに理解をしています。
その上で、先日、二月の七日に、自動車の点検整備の推進に係る新たな取り組みについてという文書を発表いたしました。そこでは、まず第一に、車検時の点検整備実施状況等の自動車検査証への記載、やっているかやっていないかということを車検証に記載する。それから、点検等の勧告の発動要件の見直し、これは厳格化をするということでございます。そうした措置を開始したところだというふうに承知をしております。
これらの具体的な内容というのはどういうことなのか。また、こうした措置を講ずることによってどういう効果を期待されているのか。そうした点を御説明いただきたい。そしてまた、平成二十六年度予算において、こうした点検整備を促進するために講じようとしている施策についても、あわせて御説明をいただきたいというふうに思います。
○田端政府参考人 お答え申し上げます。
自動車ユーザーに点検整備を確実に実施していただくということのためには、ユーザーに対しまして点検整備を促す、まずこういう環境を整備することが重要だと考えております。
このため、ただいま御指摘いただきました車検時の点検整備を確実に実施していただけるように、自動車の車検証の備考欄に点検整備の実施状況というものを記載することにいたしました。これによりまして、ユーザーが御自身の車両の保守管理の状況ということを正しく把握することができ、点検整備の推進につながるということを期待しておりますし、ユーザー自身がその点を確認していただくということが重要な点になってまいります。
また、国が実施いたします街頭検査などにおきましても、この点検整備の実施状況の情報を活用して指導を行うことといたしております。この指導がより効果的に実施できますよう、劣化、摩耗により基準不適合の状態となった自動車に対します道路運送車両法に基づきます点検等の勧告、この発動要件というものを見直しいたしまして、今まででございますと、やはり複数箇所、こういうふぐあい箇所がある場合に勧告ということにいたしておりましたが、今後は一カ所でもありますとこの勧告をできるということで、実効性を高めていきたい、このように考えております。
この施策は二月十七日より実施をしておりまして、点検整備実施状況の改善につながるということを私どもとしては期待をしております。関係の予算も整備をして、この対策を進めていきたいと考えております。
○上田分科員 ありがとうございます。
例えばユーザー車検を使った場合には、てっきりユーザーの人は点検整備が行われているんじゃないかと思っている、また、そういうふうに言っている代行業者もあるのかもしれません。その上で、行われていないということがユーザーがわかっていないケースもあるんだというふうに思いますので、そういったことを防止する意味で、この対策、非常に有効なんじゃないかというふうに思っております。
あと、ぜひそういう意味で、さらに点検整備の果たす役割、その意義、また、業務用の車両については九割以上が実際に点検整備が行われているということでありますけれども、それでも、まだ一部、行われていないのがあります。大型の車両も多いので、そういった危険性も高いわけでありますので、そういった事業者に対する啓蒙等にもまた御努力をいただきますようにお願いをいたしまして、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○石田主査 これにて上田勇君の質疑は終了いたしました。
次に、中野洋昌君。
○中野分科員 公明党の中野洋昌でございます。
私、もともと国土交通省で十年間勤務をしておりまして、今回、予算委員会の第八分科会、国土交通の担当というところで質問をさせていただく機会を与えていただきまして、大変に感謝をしております。ありがとうございます。
野上副大臣、また土井政務官、何とぞよろしくお願い申し上げます。
二月十四日からの大雪というのは大変に大きな被害の爪跡を残していきました。二十五名ものとうとい命が奪われまして、改めて、この冒頭に、哀悼の意を心から表させていただく次第でございます。また、被害に遭われた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
いまだに孤立している集落もある状況だと伺っておりますし、農産物など大変な被害も出ておるという形でございますので、復旧に全力を尽くしていただきたい、このように、まず冒頭、要望を申し上げます。
今回の大雪に関しましては、私は、いろいろ検討していかないといけない課題というものが数多くあるんじゃないか、このように考えております。例えば、気象庁の方の警報の出し方、情報提供の仕方が本当に適切だったのか、いろいろな論点がある、このように思いますけれども、私は今回は、除雪を実際に行っていく担い手の確保、こういう観点でまず質問をいたしたいというふうに思います。
今回の豪雪、高速道路あるいは幹線の国道、こういう道路というのは通常かなりすぐ復旧が進むものではありますけれども、こうした道路ですら大変に長い間通行どめになっておったというふうに記憶をしております。物流関係の事業者の方からも、大変に物流が混乱をしている、こういうお話も伺いましたし、いろいろな各地域でこうした混乱の影響があった、このように思います。
もともと豪雪の対策というのは、日本は大変な豪雪地帯を有する国でございますので、豪雪地域の対策の基本計画、いろいろなものをつくって今までもやってきたわけではありますけれども、今回は関東周辺ということで、こうした地域ではない場所で未曽有の豪雪が降った、こういうことも一つの大きな要因にはなっているのかなというふうに思います。
私が国交省にいたときにこうした除雪の関連の仕事もしておりまして、なぜかと申しますと、皆様御承知のとおり、具体的に除雪をやる人たちというのは、地域の地場の建設業者の皆様が除雪を実際やる、こういうケースがほとんどであるというふうに思います。地域の建設産業が疲弊して、いざ大雪が降った、こういうときに、では除雪をお願いしようと思っても業者の方がいらっしゃらない、あるいはもう機材を売ってしまって機材がない、こういう形で、地方によっては除雪に支障が出ている、こういう事態があったというふうに思います。
現在は、復興ですとかアベノミクスの景気の回復、あるいは東京オリンピック・パラリンピック、いろいろな建設の需要がこれから出てくるということで、逆に、人が足りない、技術者が足りない、これをどうしていこうか、こういう議論もしている、そういう場面ではございますけれども、他方で、地方に行けば、そうした除雪の担い手、こういう人たちというのはやはり減っている、こういう現状は変わらないのではないか、私はこのように思います。
改めて質問をいたしますけれども、こうした除雪を行う地域の担い手である建設業を各地域でどのように維持していくか、あるいはどのように確保していくか、国としてどういう方針で取り組まれるのかをお伺いしたいというふうに思います。
○土井大臣政務官 先生から貴重な御意見をいただきました。もう先生、専門家でいらっしゃいますので、私の方からお答えをするというのも大変恐縮をいたしますが、御指摘いただきましたとおり、建設産業は災害対応や除雪等を担う地域の守り手でもあります。そのためにも、経営の安定化を図っていくことが大変重要だというふうに思っております。
このため、地方公共団体を含め、入札時の適切な地域要件の設定などにより地元建設企業の受注の機会を確保いたしますとともに、複数年契約の導入などを通じて、地域のインフラの維持管理等の計画的、安定的な確保を図ってまいりたい、そう思っております。
さらには、地域の建設産業の施工力や技術力の維持向上を図るため、公共工事の入札参加に当たっては、必要な経営事項審査や総合評価などにおいて、災害協定の締結状況や建設機械の保有状況等を適切に評価いたしてまいりたいと思っております。
加えて、建設機械の購入に対する金融支援の実施や、ダンピング防止等を内容とする法律の今国会への提出などの取り組みを行い、先生御指摘のような地域における建設産業の担い手の確保、育成を強力に進めてまいります。
何よりもやはり地元建設業が活力を取り戻していただくことが、地域のいろいろな災害のときに活躍をしていただく前提となると思いますので、ぜひしっかり取り組んでまいります。
○中野分科員 ありがとうございます。非常に網羅的に御説明をしていただきました。
今国会で建設業法、あるいは入札契約適正化法、あるいは品確法、議員立法でございますけれども、こうしたものも含めて法律改正も検討されておりますので、私、議員の立場としても、しっかりとこれを応援してまいりたいという決意でございます。
少し違った話題でございますけれども、最近、木材の利用というのが大変に見直されておりまして、公共建築物についてももっともっと木材を使おう、こういう話題にもなっております。
私、きょうの昼、与党の皆さんと、ちょっとオリンピック・パラリンピックの関係でいろいろな打ち合わせをしておりまして、やはり日本のエコな文化、環境に優しいものをどんどん世界に発信しよう、こういう議論になりました。木造でつくるものをどんどんやっていこう、こういう活発な意見も出ておりましたけれども、私、世界に発信すべき日本の文化、これは木造住宅ももちろんあるんですけれども、忘れてはいけない、木造の住宅のときに使われる畳でございますね、ぜひ畳もあわせて振興していきたい、このように実は考えているんです。
御承知の方もいらっしゃると思いますけれども、日本のいろいろな技術、中国や韓国から古来渡ってきた技術もいっぱいございますけれども、実は畳というのはまさに日本発祥のものでございます。オリジナルなものでございまして、古くは実は古事記などにも記述があり、そして平安時代に今の形がある程度できてきた、こんな歴史もございます。
しかし、洋間の普及もありまして、畳の生産、イグサの生産、大変に落ち込んできている現状でございますので、今回、エコ、あるいは木材、こういうものが注目をされつつあるのであれば、やはり畳の振興というのもしっかり考えていかないといけないのではないか、私はこのように考えておりますけれども、現在、国の対策としてどういうものを考えておられるのか、ぜひお伺いをしたいというふうに思います。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
畳は日本の気候風土にも調和しております古来のものでございまして、和の住まいというと、まずは木と畳、こういうようなことじゃないかと思います。
また、イグサの生産もそうでございますけれども、町の畳屋さん、畳屋さんがなければスーパーで買ってくるというわけになかなかいきません。そういう意味では、供給のインフラでございますので、これをしっかり維持するということも非常に大事だというふうに思っております。
一方で、では、畳の部屋をつくった方がいいとは思いますけれども、強要できるかということになると、これはやはり個人の選択の問題だというような側面もありまして、住宅政策として、例えば補助とか政策融資でここまで踏み込むというのはなかなか難しいところだと思います。
そういう中で、とにかく、畳が大事だという思いは私どもも共有させていただいておりますので、国交省でやっております取り組みを幾つか御紹介させていただきたいと思います。
まず、畳には一定の断熱性能がございます。住宅の省エネルギーの基準がございますけれども、この計算の中で断熱性能をしっかり評価できるように、このほど新しい基準の中で徹底をしたいと思っていまして、周知も図ってまいりたいというふうに思っております。
それから、公営住宅、これは公共団体が発注しますけれども、畳については分離発注ということをやっていただいて結構だということで、そういう情報提供もしていまして、大体、都道府県、政令市の半分強においては、畳については分離発注をされているというような状況でございます。
それから、畳を使うためには、一番親和性の高い木造住宅を振興するということも間接的には振興策になるのではないかと思っていまして、地域の木材供給者や工務店が連携して長期優良住宅をつくっていただく場合に、地域型住宅ブランド化事業という名前でございますけれども、一戸百万の補助をしているところでございます。畳だけにということではございませんが、間接的には振興につながるのかなというふうに思っております。
また、発信という意味では、昨年、文化庁、農水省、林野庁、経済産業省、国交省、観光庁で、和の住まい推進関係省庁連絡会議というのを、小ぢんまりでございますけれどもやらせていただきまして、「和の住まいのすすめ」のパンフレットをつくりまして、シンポジウム等で啓発に努めているところでございます。
これらの取り組みで、先生御指摘のような畳の振興ということを一層進めてまいるように努力してまいりたいと思います。
○中野分科員 局長、ありがとうございます。
畳が大事だという思いは共有をする、こういう力強いお言葉もいただきましたので、私もいろいろな知恵を出して、しっかりと取り組んでまいりたい、このように思います。
少し話題がまた飛んでしまって恐縮ですけれども、私の地元の尼崎市の道路整備の関係で、一つお伺いをしたいというふうに思います。
昨年も実は取り上げさせていただいたんですけれども、山手幹線という道路がございまして、これが神戸から尼崎までは通っている。大阪側の延伸がとまっている、こういう状況でございます。
前回も私は、地域の防災ネットワークとして山手幹線は非常に重要な道路であって、早期の整備を行っていくべきだ、このようにお訴えをさせていただきましたけれども、私、やはり、日に日にこの思いを強くしておりまして、なぜかと申しますと、次の質問で触れるんですけれども、兵庫県が南海トラフ巨大地震の被害想定を発表いたしまして、尼崎を東西に横切る道路のうち、一番南の国道四十三号線、そして国道二号線、ここまで浸水をする想定区域の中に入っております。ですので、この山手幹線が最後までつながっているかどうかというのが非常に大事だ、このように思います。
そこで、確認をさせていただくんですけれども、昨年からこの山手幹線の事業の進捗、どのように進んでいるか、確認をさせていただきたいと思います。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。
山手幹線の大阪側への延伸部、これは都市計画道路三国塚口線でございます。大阪府と兵庫県との府県境から国道百七十六号までの延長が約一・五キロの都市計画道路でございます。
これまで二百二十メートルが完成して、平成二十五年七月一日に供用開始をし、現在、大阪府道大阪池田線より東側の三百五十メートルについて、平成二十五年の五月七日に事業認可をされ、現在、平成三十一年度の完成を目指し、大阪府が事業を進めているところでございます。
大阪池田線より西側、府県境まで、まさにここが山手幹線の延伸で、池田線の高速道路につながっていくというところでございますが、この五百メートルの部分について、国土交通省も入りまして、大阪府、兵庫県、豊中市及び尼崎市をメンバーとする連絡調整会議で、課題解決に向け勉強を進めているところでございますが、先生御承知のとおり、ここの一番の課題というのは、阪急神戸線とクロスをするという点でございます。エレベーションの問題もありますし、事業費の問題もございます。
そこで、昨年の九月の連絡調整会議で、やっと、阪急神戸線との交差形式、どう交差をしていくかということにつきまして、大阪府と阪急電鉄とで協議を行って、これを調えていくということについて確認をしたところで、一歩前進というところでございます。
○中野分科員 ありがとうございました。
一歩前進との御報告をいただきまして、私も引き続き、いろいろな地元の調整も含めて、しっかりと頑張ってまいりますので、また国におかれましても、力強い後押しをお願いできれば、このように要請をさせていただきます。
続きまして、先ほど少し話もしました南海トラフ巨大地震の被害想定の関係でございます。
実は、国がもともと浸水想定を発表しておったんですけれども、昨年の十二月二十四日に兵庫県の方で新しい県の浸水想定を発表いたしまして、これが国の浸水想定を大きく上回っている、こういう内容でございます。もちろん、各県それぞれいろいろな試算をしているわけでございますけれども。
具体的に言うと、厳しいケースでは国の想定の四・七倍の面積、そうでないケースでも国想定の二・六倍の面積が浸水をする、こういう大変に厳しい結果でございまして、どのように避難計画を考えていくのか、もう一度一から考え直していかないといけない、こういう思いを持っております。
質問させていただきたいのは、県の発表した浸水想定が、余りにも、国の発表のものと非常に面積が異なっている、この主な要因は何なのか。特に尼崎市、私の地元の部分についてだけでも結構なんですけれども、ぜひ内閣府の方に見解を伺いたいというふうに思います。
○佐々木政府参考人 想定が異なる、浸水域が異なる主な要因といたしましては、まず水門の開閉の設定でございますが、兵庫県の場合は、全ての堤防が閉まらないということで設定をしているということでございます。それから、液状化による堤防の沈下の取り扱いにつきましても、土でできている堤防が四分の一の高さになるというようなこと等を条件として、国より厳しい条件を置いて算定をされているというふうに承知いたしております。
○中野分科員 そこで、引き続きの質問なんですけれども、これは恐らく自治体によっていろいろな想定をされているところがあるというふうに思いますけれども、今回、いろいろな考え方、例えば液状化があるかどうかなども含めて違う考え方でやっているわけですけれども、国の想定と大きく結果が異なることになりました。こういった結果が大きく異なるというのは、全国的にほかの都道府県でもそういう状況なのか。
国としては、国が被害想定を出した、都道府県がそれぞれの試算でいろいろな細かい数値を当てはめて今出している、これについて仮に大きく異なるようなことがあるのであれば、この違いをどのように捉えるか、あるいはどのように対応を変えていくつもりなのか、これをお伺いしたいというふうに思います。
○佐々木政府参考人 国の方の想定につきましては、広域的な防災対策の検討という観点から、全国一律の前提を設定して行わせていただきました。
被害想定は、防災対策としてどのような対策をすべきかということを検討することを目的とするものでございますので、揺れによって堤防が壊れることによる浸水を対象にしている府県もございますし、地域ごとに独自に防災対策を検討するということはあってしかるべきかなというふうに考えております。
○中野分科員 わかりました。各地域それぞれでつくった想定でそれぞれ対策をするというのは当然あり得る話だ、こういうお話でございました。
御承知の方も多いと思うんですけれども、尼崎市というのはかつて阪神工業地帯の非常に中心的なところでもありまして、埋め立ても多くて、海抜ゼロメートル地帯が非常に多い、こういう地域でございます。市の面積の約三割は海抜ゼロメートルでございまして、南部については大変低い建物が中心の地域でございますので、やはり少しの被害想定の違いで、浸水面積というものについてはかなり大きくやることが異なってくる。こういう対策でさまざま苦慮している部分もございますので、ぜひ国としてもいろいろなお知恵あるいはお力をいただければというふうに思うんです。
一つ、この南部地域、地元から少し声として上がってまいりますのは、高速道路が当然通っておりますけれども、近くに避難のできるような、それなりの高さ、それなりの面積のところが非常に少ない、こういうことをお伺いしております。
一般論として、高速道路というものがそういった津波の対策のときの緊急避難先に指定できるのかどうか、まだ具体的な話は出ておりませんので一般的にということで結構なんですけれども、国交省の今の考えをお伺いしたいというふうに思います。
○徳山政府参考人 先生御指摘の、高速道路を津波のときの避難先に使うということは、まさに東日本大震災の仙台東部道路で実際に起こりました。海岸から四キロぐらいのところにあります、盛り土の七メートルから十メートルぐらいの高速道路の上に何百人もの方が駆け上がられて、命が助かったという事例がございました。
国交省といたしましては、これを踏まえて、今後の災害に強い地域づくりということを考える中で、高速道路と避難場所等を一体的に整備するなどの連携が必要だという考え方になっております。
今後、避難場所として活用の要望がある場合には、関係する地方公共団体と高速道路会社が協議することになります。構造等の問題で、できるところ、できないところがあると思いますけれども、国土交通省としても、地域の実情に応じて適切に対応するよう会社を指導してまいりたいと考えております。
○中野分科員 ありがとうございます。
確かに、高速道路の形によって、恐らく、できること、できないことというのはさまざまあるかなというふうに私自身も思うわけでございます。
ただ、他方で、先ほど申し上げたような、浸水面積が極めて広い、高架のものが非常に少ない、そういった地域でもございますので、何ができるのかというのをしっかりと地元の方でも考えさせていただきますので、また何か御要望がある際にはぜひ積極的に御検討いただければな、このように考えておりますので、どうかよろしくお願いを申し上げます。
続きまして、私、建設業関係の現在のデフレの脱却、これについて質問をしたいというふうに思います。
ただいま到着をされました太田大臣の大変な強いイニシアチブで、昨年、建設業関係、労務単価を約一五%近くも引き上げていただきました。また、ことしも七%程度ということで引き上げていただきました。
地元の建設業関係者も含めて、今まで需要がどんどん落ち込んできて、しかし建設業の方の数というのはそこまで減っていなかったわけでございまして、非常に労務単価が下がっている、大変な御苦労をされていた。そんな中で、この太田大臣の取り組みに、建設業の関係者も大変に心強く、また、感謝をしている、こんなお声をよくいただくところでございます。
他方、労務単価以外の課題として私がよく話を聞きますのが、国の直轄の、例えば土木工事のような直轄のものであれば、いろいろな、こういう労務単価の問題も含めて、割としっかりと積算をしていただける。しかし、より小さな工事、例えば市町村発注の工事、特に、土木ではなくて建築関係の工事、これが実際に出てきた予定価格を見ると、余りにも、現実的に施工すると大変に厳しい、そうした積算をしているんじゃないか、こういう御指摘をよくいただくところであります。
実際に受注をしたケースも、例えば下請に入っている方に聞くと、この工事はもともとの受注の額が余りにも低いので、下請に入ったけれども、これは本当に厳しいかもしれない、大変な赤字になるかもしれない、こういうようなお話を聞いたこともございました。
特に、地方自治体の発注する建築関係の工事、予定価が余りにも実勢より低いのではないか、こういう指摘に対して、ちゃんとした積算をしっかりしていかないといけない、こういった取り組みを国として何かしていけないか、このように思うわけでございますけれども、国交省の御意見を伺いたいと思います。
○毛利政府参考人 御指摘いただきましたように、建築工事というのは市況の影響を受けやすい工事でございまして、特に、公共団体、市町村の発注する建築工事におきまして、私どもが把握しております例で申しますと、各市の発注した庁舎の建築工事などにおきまして、最終的に落札した価格と当初の予定価格、公表されたものだけで見ましても、一割から二割、多いところは三割以上の乖離がございました。まさに建築工事において予定価格が市場価格に合っていないということが、この不調、不落を招いている大きな原因だと考えております。
このため、国土交通省といたしましては、公共団体とも意見交換をしながら、先ほど御指摘のありました労務単価引き上げ等を踏まえました最新単価の適用をすること、さらには、業者や資材メーカーから見積もりを徴集する方法の活用といった、市場実態を的確に反映しました予定価格の設定等、そして積算がなされるように、総合的な対策を先月取りまとめまして、市町村などへの周知徹底を繰り返し図っております。
その中では、契約後に人件費、資材が高騰した場合にも追加コストを円滑に支払うスライド条項の活用もあわせて要請をいたしております。
また、整備局に設けました公共建築相談窓口におきまして、随時公共団体からの相談に応じることといたしておりまして、対策が浸透いたしまして、その効果が早く発現するように、きめ細かく対応いたしております。
加えまして、先ほど土井政務官からもございましたように、公共工事におきまして、適正な金額での契約締結等を市町村を含む発注者に求める、こういう法案の提出を今国会中に予定いたしております。
委員の御指摘も踏まえまして、今後とも、市町村発注を含む建築工事におきましても円滑な施工が確保されるように、最大限の努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○中野分科員 ありがとうございます。
各市町村、予算の関係で、大変に予算がない、こういう市町村が多いわけでございますので、なるべく安く済むものなら安く済ませたい、そういう心理が働く部分というのは私は否めないのではないか、このように思うわけではございますけれども、国としてしっかり適切な価格設定をするんだ、こういうメッセージ、こういう理念をしっかりと打ち出すことが大事だと思いますので、引き続きお取り組みをよろしくお願いいたします。
最後に、太田大臣にお伺いをしたいんですけれども、労務単価の引き上げのさまざまな取り組み、心より感謝を申し上げます。そして、私が地元のいろいろな、さまざまな業者の方にお伺いをして、公共工事に従事をする例えば交通整理をする方とかいわゆる警備業の方にもお話を伺いまして、公共工事は確かに、労務単価を上げる、社会保険の加入率を上げよう、こういう取り組みをしているが、警備業についてなかなか単価が上がらない、仕事はふえているんだけれども単価は上がらない、なかなか社会保険の加入率も低いという話も聞く、こういう指摘を受けるわけでございます。
確かに、直接の所管は警察であるというふうに思いますので、業の全体の話であれば警察として何かということも私は必要かとは思いますけれども、一応、公共工事においては建設業の下請にもなっているわけでございます。
直轄工事において、例えば発注者側の工夫として、私は積算単価が低いのではないかというような考えもありまして、こういった関連する業種の労務単価あるいは社会保険の加入率が低い現状を改善する何らかの取り組みができないものか、このように考えておりますけれども、ぜひ大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
○太田国務大臣 公共工事に従事する交通誘導警備員の労務単価、これは積算の労務単価の中にいろいろな業種がありまして、その中の一つとして、警察とか警備業法ではなくてこちら側で労務単価の中に入っているわけです。
ここがなかなか実勢を反映しない、また、仕事がないからたたかれるというようなこともありましたが、昨年四月に、必要な法定福利費相当額も含めまして、全国平均で一四・六%、十六年ぶりになりますが引き上げさせていただきまして、そして、ことしの二月からは、全国平均で八・二%、全国で労務単価平均で七なんですけれども、これはちょっとそれより多く上げさせていただいたところです。これが速やかに交通誘導警備員の実際の賃金に適切に反映されて、処遇の改善につながるかどうかということが大事で、ここは相当ウオッチしたりしていかなくてはならないというふうに思っています。
私は、建設業団体等に対しまして、適切な賃金の支払い、それから、社会保険加入の徹底を繰り返して調査も何回もやるようにしておりまして、省を挙げて、毎月そういうことについては執行状況も含めてよく見ていくようにということで、会議も行うということをさせていただいているところです。
引き続き、下請や現場の労働者に労務単価の引き上げの効果が着実に行き届くよう、適正な賃金水準の確保に向けた取り組みを推進していきたいというふうに思っています。しっかり見ていきます。よろしくお願いします。
○中野分科員 ありがとうございます。
大臣の、下請、現場も含めてしっかり見ていくという非常に力強いお言葉をいただきまして、私も現場をしっかり回らせていただいて、こういう状況にあると、また大臣にしっかり御報告をさせていただきたいと思いますけれども、国としても後押しをしていただけますように心よりお願い申し上げまして、私の質問とさせていただきます。
本日は本当にありがとうございました。
○石田主査 これにて中野洋昌君の質疑は終了いたしました。
次に、百瀬智之君。
○百瀬分科員 長野県を選挙区としております百瀬智之です。本日もよろしくお願いいたします。
私からは、通告に従いまして、長野県内を題材に、国交のあり方についてお尋ねしていきたいと思っておりますけれども、まずは、長野県内、特に北アルプスの麓、大臣は来られたことはありますでしょうか。
○太田国務大臣 安曇野にも行きましたし、あるいは蒲原沢の崩壊等があった現場視察もいたしましたし、大町にも行かせていただいたり、長野は、北信、南信、東信、そして松本等の中信、全て私は行かせていただいております。
○百瀬分科員 ありがとうございます。
大変心強いお言葉を頂戴いたしました。これで、本日の質問も大分やりやすくなったわけであります。
まずは、私から、地方空港の利用促進策についてお尋ね申し上げたいと思っております。
まず、地元のことで恐縮でございますけれども、先ほど、松本に来ていただいたというお話がございました。この前、民放で特集も組まれておりましたけれども、松本城というのは、五重六階の天守としては日本最古、そして現存十二天守の中では唯一の平城で、また漆黒の、カラス城とも呼ばれておりまして、今外国から大変な人気でございます。
また、安曇野を経て、白馬というところもあります。白馬は、御存じのとおり、オリンピックでは大変有名になりました。オリンピック施設もあって、スキー場も豊富にありまして、旅館業の方、大震災のときに観光客の落ち込みは一時ありましたけれども、頑張って、これまで大分持ち直してきた、こういう状況であります。外国人の宿泊者の割合ですけれども、長野県内で外国人の宿泊者だけ調べてみると、その割合としては、長野市でも松本市でも軽井沢でもなくて、この白馬村が一番宿泊してもらっている割合が多いわけでございます。
そういったことで、県内各地、北アルプスの麓、特に観光産業は豊富なわけであります。私は、昨年、党の関係もありまして、台湾に二度ほど行ってまいりました。さまざまな方とお話しさせていただいたわけでありますけれども、今、台湾の方は非常に観光ブームといいますか、旅行に火がついてきて、温泉が好きだとか、お城も好きだということを言っていただきまして、これは大変心強いなと私は思ったわけであります。
私の地元でも、これからまだ可能性がたくさん開けているなと思ったわけでありますけれども、しかし、残念なことに、地方空港ということで本日テーマを設定させていただいておりますけれども、私の地元の松本空港、それほどフル活用しているとは言いがたい状況が続いております。
御存じのとおり、二〇一三年までに千五百万人、二〇一六年までに二千万人ですか、そして二〇一九年までに二千五百万人という訪日外国人三千万人へのロードマップ、こういったものを観光庁の方から見せていただきましたけれども、具体的にどのような施策を打ってこのような道筋をとっていくのか。順調に右肩上がりでいくとはなかなか思いづらい状況もあるわけでございますけれども、まずはその点、観光庁の方にお伺いできますでしょうか。
○久保政府参考人 訪日される外国人の旅行者の方は、昨年、二〇一三年に、史上初めてでありますけれども、一千万人に達しました。
それを受けて、関係閣僚会議が開かれて、総理の方から、二〇二〇年、東京オリンピック・パラリンピックが開かれる年でありますけれども、二千万人の高みを目指すということで、昨年六月に定められておりました観光立国推進のためのアクションプログラムを改定するようにという指示がございました。外国人旅行者をふやしていくために、いろいろな規制を見直したり、そのアクションプログラム改定の指示を受けたところでありまして、今鋭意検討を政府部内でしているところであります。
二千万人の高みというのはなかなか、文字どおり高さがあるものでありますけれども、政府一丸、あるいは民間の方のお知恵もかりて、官民一体となって目指していきたいというふうに考えております。
○百瀬分科員 この第一期の目標の千五百万人というものには五百万人ほど届かなかったという感じがするんですが、この原因というのは、やはり災害とかいろいろあったと思うんですが、どのように把握されていますか。
○久保政府参考人 十年前に、当時、小泉総理のもとでビジット・ジャパン事業、要するに訪日外国人客をお招きしようという政府全体の試みを始めました。そのときには、二〇一〇年に一千万人を目指そうということでありましたけれども、おっしゃるとおり、災害等いろいろあって、その一千万人という目標は昨年達することができたということであります。
繰り返しになって恐縮でございますけれども、次は二千万人の高みを目指して、ことしはそのスタートの年だというふうに理解しております。
○百瀬分科員 少なくとも、二〇一六年には二千万人目標になっておるわけでございまして、二〇一六年というと、あと二年しかございません。やはり私は、地方空港を最大限利用していく、これも大変重要な視点ではないかと思っておりますけれども、いかがですか。
○久保政府参考人 閣僚会議が開かれまして、総理からは、二〇二〇年に二千万人の高みを目指すということが我々が受けている直近の指示であります。
官民一体となって二〇二〇年に二千万人の高みを目指すということで、いろいろな作業を始め、先ほど申し上げましたけれども、アクションプログラムという中にはいろいろなメニューが書いてありますけれども、それが昨年六月に定められたわけでありますけれども、その後のオリンピック・パラリンピックの決定等を受けて、見直していくということであります。
また、日本は島国でございますから、航空路を利用して多くの方が来られるわけでありますので、空港という形を大いに利用していくということは当然のことだと思います。
○百瀬分科員 ありがとうございます。
地方空港の中には、もちろん松本空港も含まれていると期待したいところであります。
県内でも旅行会社さんはたくさんありますけれども、海外へのツアー等を組むと、やはり羽田、成田、中部国際、こういったところを使わざるを得ません。県内の方が外国に行くという視点からでも、空港に着くまででへとへと、こういう状態もございます。やはり日本の方もどんどんと世界に行っていただきたい、こういう視点からしますと、地元の空港を大いに使っていただきたい、国際化も大いに進めていただきたい、このようにお願いしたいと思ってございます。
そしてもう一点、滑走路と空港のビル、これは今民間による一体運営が進んでいるというお話を頂戴いたしました。
今、地方空港は閑散としている状況がございます。羽田なんて行くと、人がたくさんあふれ返って、ここは本当に都市部だなというのをつくづく感じるわけでございますけれども、一方で、地方空港というと、便の発着の時間ぐらいしか人がいないんじゃないかと思われる状況でございます。
しかし、空港のビルもさまざまな可能性があると思っております。例えばショッピングセンターとか商業施設と複合施設のような形で利用することもできるでしょうし、まだいろいろな使い道があるんだと思っております。
この空港ビル及び滑走路、どういった地域づくり、地域活性化につながるか、この点のお考えを一言いただけますでしょうか。
○田村政府参考人 お答え申し上げます。
御質問のように、現在は、空港というのは、国管理空港であれば国、あるいは地方管理空港であれば地方が滑走路というものを管理運営している。他方で、ターミナルビルというのは第三セクターとか民間が運営をしているということでございますけれども、国際的な空港の運営のあり方からいたしますと、それは比較的異例といいますか、世界的には、どちらかというと滑走路とターミナルビルは一体的に運営するというのが普通である。それをすることによりまして、例えば、今先生がおっしゃったような非航空系の収入というものをふやすことで、滑走路の着陸料を下げ、そして新しい路線を誘致する、そういう努力もする余地が出てくるというようなことでございます。
そういう意味で、一体的な運営ができるような仕組みとしまして、昨年、民活空港運営法というものを通常国会で通していただいたということであります。そういう意味で、この枠組み、いわゆるPFI法に基づきます公共施設等の運営権制度の活用でございますけれども、これによりまして、国管理空港あるいは地方管理空港を少しでも多く一体運営によって活性化していくために国として支援をしてまいりたい、こういうことでございます。
○百瀬分科員 まだまだ空港のあり方についてはさまざまな可能性があると思っておりますので、ぜひ、特に地方空港を活用していただきますよう、重ねてお願い申し上げます。
それでは、次の質問に移ってまいります。
通告に従いまして、次に、安曇野市三川合流地帯における河川事業についてお尋ね申し上げます。
質問の前に、簡単に状況の説明をさせていただきたいと思ってございます。
安曇野市は、御存じのとおり、犀川という割と大きな河川が流れてございます。この犀川は、途中で穂高川と高瀬川と合流する地点があります。この合流する地点のところに犀川橋という橋がかかっておりまして、この下側が若干公園のような形になっております。
それで、その公園を整備するときに、犀川から土砂を掘り上げて、そして整備をした。そうすると、犀川の公園付近の河床が若干下がるわけであります。そうすると、その五百メートルほど上流に行ったところに、先ほど大臣からも安曇野に行ったというお話をいただきましたけれども、大王わさび農場というワサビ田があります。この辺はワサビ田があるわけなんですけれども、犀川の五百メートルぐらい上流のところの河床がまた下がってきてしまう。
すなわち、こちらで河床が下がったものだから、これを埋めようとして今度はこちらの河床が下がってくる、こういう状況があるわけでございます。そうすると、今度はこちらの河川の水位が下がってまいります。それで、何が起こるかというと、この辺のワサビ田の水位が下がってきてしまうという現象があるわけでございます。
この辺の対応について、お考えをお聞きしたいわけであります。こういった事態が起きた場合に、やはり農水省でもなくて国交省の方に対応していただきたいなと思っているわけでありますけれども、どのようにお考えいただいているでしょうか。
○森北政府参考人 お答えをいたします。
ただいまお話ございましたように、安曇野市を流れる犀川、穂高川、高瀬川の合流点付近は、安曇野わさび田湧水群ということで名水百選にも選定されている、非常に湧水に恵まれた地域でございます。
この湧水環境を保全することは、観光資源としての価値、また環境保全等の観点からも、極めて重要というふうに私どもは認識をいたしております。
この三川合流付近で河川の工事を行う場合には、地下水位の観測といったものを行うなど、湧水環境にも配慮しながらこれまでも工事を行っているところでございますけれども、今先生からお話ございましたように、河川工事によりまして河床が低下するとか、また洪水でも河床が低下するというふうなこともございます。
そういったものを十分モニタリングいたしながら、今後とも、河川工事等を行う場合には、このすばらしい湧水環境に十分配慮して、例えば、掘れたところを埋め戻しして湧水環境を保全していくというふうなことも検討していきたいと思っておるところでございます。
○百瀬分科員 地元の方々とお話しさせていただいて、埋め戻しもやったというお話は聞いたんですけれども、どうしてもまたもとに戻ってしまうんですね。これは、何回やっても同じです。
でも、河川の水位が下がっているというのは明らかですから、これは帯工を設置するとか、そういった施策をお願いしたいんですけれども、いかがですか。
○森北政府参考人 お答えをさせていただきます。
河床が低下した対策等はこれまで講じてきておるところでございますけれども、地元のいろいろなお考え、そういったものもお聞かせ願いながら、必要な対策を検討し、対応していきたいというふうに考えておるところでございます。
○百瀬分科員 地元の声を聞いて、今言っているんですよ。帯工にしてくれという声を聞いて、今質問させていただいているわけです。ぜひ前向きなお答えをいただきたいわけですけれども、もう一度お願いいたします。
○森北政府参考人 原因も含めましていろいろ検討して、その上で必要な対策を講じてまいりたいというふうに考えております。
○百瀬分科員 ここで何回もやりとりをしていてもらちが明きませんので、また後日、いろいろと御相談させていただきながら進めさせていただきたいと思いますけれども、帯工というのは、道を通すとかそういうのに比べてそれほど建設費がかかるわけでもないと思いますので、ぜひともここは、安曇野の環境を守る、そして農業者たちの暮らしを守る、そういった意味からも対策を打っていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
安曇野の話題を続けさせていただきます。
今、安曇野でどういったことが一つ話題になっているかと申し上げますと、ワサビ田もそうなんですが、地下水位が下がっている、もしくは地下水の量がなくなってきている、こういうことが問題になってございます。
松本平、松本から安曇野、そして大町に至るまで、一つの盆地になっておりまして、こういうふうに高い山があるわけです。雨が降って、斜面を流れる水と、地下をくぐってきたものがまた涌き上がってくるところがワサビ田とかになっているわけですね。
この山沿いに、今、業者が割と進出してまいりまして、水をどんどんくみ上げて、都会の方に送ってしまう。こういったことから、地元の水がなくなってしまうのではないか、こういう意識がございます。そして、条例も定めて、全国に先駆けて対策を打っていこうではないか、こういう取り組みが進んでいるわけであります。
そこで、お尋ねしたいわけでありますけれども、今、地下水を公水に位置づけようと。今、民法上は、自分の土地だから水を幾らくんでもいいだろうということになっていると思いますけれども、やはりこれからは、みんなの水だろう、こういう意識が大切だと思っております。
今、議連の方でも、水循環基本法でしょうか、いろいろと進んでおると思いますけれども、こういった取り組みを国交省の方でもぜひ主導してやっていただきたいと思うわけです。いかがでしょうか。
○森北政府参考人 お答えをいたします。
地下水は、土地を構成する要素の一つでございまして、従来から、土地所有者が井戸等を設置して利用してまいったということでございます。
地下水には、地域ごとに、それが存在する地下の構造でありますとか利用形態、それが異なってくるというふうな特徴がございます。
そういうことから、地下水の保全につきましては、地方公共団体が条例等により取り組んでいるところでございます。昨年五月現在でございますけれども、三十四の都道府県、四百二十一の市区町村におきまして条例が制定されているという状況でございます。
国土交通省といたしましても、地域の実態といったものに応じた適正な地下水の管理は重要であるというふうに認識をいたしておりまして、地下水の保全等の取り組みの一層の推進に向けて、保全条例を制定している地方公共団体や地下水に関係する府省との情報共有を図ってまいりたいというふうに思っておるところでございます。
○百瀬分科員 地下水を保全するために、今御説明いただきましたけれども、地元でもさまざまな取り組みをやっております。
例えば、冬の間、田んぼは使われないわけでございますけれども、表面に水を張って、そして地下に浸透させることによって地下水の保全にひとつ役立てようじゃないか、こういう取り組みがあるわけでございます。
こういったことをやるにしても、いろいろとお金もかかるし、いろいろな財政支援の仕組みを創設していただきたいなということもございまして、その点もお願いしたいと思っております。また、そういったことをするときに、そういうのは冬水田んぼというわけでございますけれども、農閑期の冬は、通常、田んぼに水を流さない前提でおるものですから、新たに水利権、水を流すためには国交省の許可を得なければいけない。その辺の許可も柔軟にとっていただきたいと思うわけでございます。
そういった取り組みもございますので、柔軟な対応をぜひともお願いしたいと思っております。
それでは、次の質問に移らせていただきます。
最後に、道路事業のあり方について御質問をさせていただきたいと思っております。
今、国土強靱化計画等々いろいろと、防災・減災の観点からも、道路を拡張して、人々の命を守るためにやっていこうじゃないかということを進めていると思いますけれども、一つ、松本には国道十九号というものがございます。この拡幅工事をやっているわけでありますけれども、手元の資料によりますと、この拡幅工事の事業化が決定したのは平成十年度なんですね。平成十年度といいますと、今から十五、六年ほど前でございまして、私も高校生ぐらいで、まだ完成していないという状況でございます。
田舎の渋滞じゃないかと思われる方がいらっしゃるかもわかりませんけれども、道のりはどれくらい渋滞するかというと、村井交差点から新橋の交差点、この間が渋滞するということで、認定もいただいているわけなんですが、この間は九キロなんですね。九キロではぴんとこないなと思って、はかったら、西側は池袋のサンシャインから、東側は東京のスカイツリー、この間がずっと朝晩渋滞していると考えると、これは地方経済にとってもやはりよろしくない状況なのではないかなと思っております。
今いろいろなところでまた公共事業が復活しておりまして、私も、ここはぜひともやっていただきたいと思っているわけでございます。いろいろな取捨選択はあると思いますけれども、必要なところは集中的にやっていただきたいわけであります。
この十九号の松本拡幅について、一言いただけますでしょうか。
○徳山政府参考人 先生御指摘のとおり、国道十九号の松本市内は大変な交通混雑がございます。また、混雑をすれば、必ず追突などの交通事故も発生するわけでございます。交通安全上の確保も目的でございまして、松本拡幅という名前で、一・六キロメートルの四車線への拡幅事業を行っております。
ここ十年ほどの間は、公共事業は悪玉というような風潮の中で、なかなか思うように予算が確保できませんで、地元の御期待に応えられずにおりますのは大変恐縮でございますけれども、現在、一番急ぐ渚一丁目交差点の区間では、平成二十七年度の開通を目途に改良工事を推進しておりますし、残る白板交差点の区間でも用地買収を推進しております。
一日でも早く御期待に応えられるように、努力をしてまいります。
○百瀬分科員 御指摘のとおり、渚の交差点から白板の交差点まで、私も地元に帰っておりますと、ああ、これは着々と工事を進められているなということを感じる次第であります。
一方、第三工区、第四工区等、いろいろあると思いますけれども、その状況もひとつ御説明いただけますか。進捗状況がたしか芳しくないところもございますので、その状況もお願いいたします。
○徳山政府参考人 全体の中で、これは職員が地元に用地買収のお願いに伺うわけでございます。
例えば、第一工区は今七四%の用地を買わせていただいておりますし、第二工区は二八%ということでございまして、この区間に集中的に用地交渉をさせていただいている現状でございます。
第三、第四工区は、やや延長は短目で、四百メートルほどと三百メートルほどでございまして、現在、測量などの調査をしております。順次用地買収にも取りかからせていただこうと思っておりまして、地元の御協力を切にお願いする次第でございます。
○百瀬分科員 なかなか難しいのかもわかりませんけれども、第一工区等、ある程度見通しもついてきたと思うんですね。これは、実際いつをめどに完成を予定しているか、今この場でお答えいただくことはできますか。
○徳山政府参考人 私ども、工事の段階になりますと、開通の時期をかなり明確に申し上げることができるわけでございます。用地が残っておりますと、最後に難航するケースもあるわけでございますけれども、渚一丁目交差点を含む第一工区については、先ほども申し上げましたように、用地を七四%買わせていただいておりますので、この区間につきましては、平成二十七年度開通を目途に工事を進めておるところでございます。
○百瀬分科員 ぜひともその他の工区についても速やかにやっていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
そういったことで、選択と集中ということで、中部縦貫道路等も重要かもわかりませんけれども、昔からやってきたところ、これは、早くやってくれという地元の意見が大変強いところでございます。ぜひともお願いいたします。
また、国道ということでいいますと、北の方に参りまして、百四十八号線というものもございます。ここは、はらはら箇所ということで、ちょっと危ないところではないかなということも指摘されているところであります。
こういった国道百四十八号線、また四百三号線といったあたりは、村の方の生活道路にもなってございます。道路が一本潰れてしまえば、本当にどうなるかわからない、生活もままならないというような状況もあるわけでございまして、この点についても、迅速な生活道路の確保といいますか、安全面も確保しながらの取り組みをお願いしたいわけでありますけれども、一言いただけますでしょうか。
○徳山政府参考人 先生御指摘の、まずは一般国道百四十八号でございます。
これは、長野県が管理する道路として、松本から糸魚川へ抜ける旧街道としても有名な道路でございます。線形不良、幅員狭小で、小谷村の工区、ちょうど新潟県との県境のところが技術的にも非常に難しいということがございまして、県管理の道路でありますけれども、国土交通省が直轄代行ということで、小谷道路という事業を実施しております。
延長四・六キロのうち、平成二十四年度までに四・一キロまで開通してまいりました。昨年十一月にさらに約三百メートルが開通いたしまして、いよいよ残る二百メートルの区間について、二十六年度の開通を目指して橋梁工事等を推進しておるところでございます。
それから、四百三号、これも長野県が管理される道路でございますけれども、やはり安全という面で、安曇野市内の矢越防災という事業を県において進めております。筑北村から安曇野市間の一・八キロでございます。ここも、トンネル、橋梁工事に着手をしたところということでございまして、これから地元の方にもどんどん姿が見えてくると思います。
国土交通省といたしましても、長野県の要望を踏まえて、防災・安全交付金等により支援をさせていただきたいと思っております。
○百瀬分科員 本日、何点かお尋ね申し上げてまいりましたけれども、真摯に対応していただくことを御期待申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○石田主査 これにて百瀬智之君の質疑は終了いたしました。
次に、中川俊直君。
○中川(俊)分科員 自由民主党の中川俊直です。
きょうは、太田大臣を初め国交省の関係者の皆様、早朝から本当にお疲れさまでございます。
私も、一昨年の十二月に国会へ送っていただいて以来、一年余りがたつんですけれども、何かこういった分科会等々を見せていただいても、大臣御自身が常に答弁マンになっていらっしゃって、もっと大局的な見地から若手で国会改革もしていかなくちゃいけないなということを、この一年二カ月余り、いつも思っております。
そういった中で、今回は質問の機会をお与えいただきましたので、もっとこれからの日本というものを考えた大局的な見地から、きょうは、一つ目は、国土の安全保障の観点、そして二つ目は、これからの安全保障の観点からの地元のインフラ整備、さらに三つ目は、水循環基本法、この三点に絞って質問をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
ところで、昨年は、私はすばらしい一年だったというふうに思っています。世界が日本のすばらしさを教えてくれたような一年だったというふうに思っています。二〇二〇年に東京オリンピックが決定をいたしました。さらには、和食とか富士山というのが世界の文化遺産になりまして、世界じゅうに日本のすばらしさを教えられた一年だったと思っています。
こういった中で、私はいつも思うんですけれども、二〇二〇年の東京オリパラまでは、アベノミクスで経済は必ず右肩上がりでいけるんだろうというふうに思っています。問題は、東京オリンピック後の日本がどうだということだというふうに思っているんです。
東京オリパラの後というのは、日本は間違いなく、最大の問題点として、人口減少の方向に向かっていくというふうになっていきます。国土の縮退というものが始まってくるのではないかということを私も懸念していまして、そういった観点の中から、私は二つのポイントがあると考えています。
一つは、土地資産の規模を大規模化していくことで資産価値を上げていくということを考えていかなくてはならない。もう一つは、国防の観点から、国境線や重要インフラ周辺の人口を維持していくべきだというふうに考えているんです。
特に、国防の観点は非常に重要だというふうに思っています。日本には、屯田兵という伝統があります。平時には経済活動をやりながら、国土の安全保障に貢献するような人々が重要になる民間安全保障、さらには国土安全保障というものを考えていくべきときが来ている。そういう時代の国土政策は、高度成長期のように、産業政策と一体で考えるのではなくて、むしろ安全保障政策と一体でなければならないというふうに私は考えているんです。
その上で、ちょっとお伺いをさせていただきたいと思います。
東京オリパラのテロ対策につきましても、道路とかダムとか鉄道を含めた重要インフラを、平時の経済活動やボランティア活動をやりながら、結果としてそれがテロを抑止していくような体制が必要であって、それをオリンピック後の屯田兵制度ともいうべき民間安全保障ですとか国土安全保障の始まりにしていくべきだと私は考えています。
国土交通省は、災害発生時に地元建設業の皆さんと道路を復旧させるノウハウを持っておられます。これは、民間安全保障、さらには国土安全保障の観点からも、とても重要な経験だと思います。
以上のような観点から、東京オリンピックにおける道路とかダム、鉄道の安全保障とテロ防止への太田大臣の決意などについて、お伺いをさせていただければと思います。
○太田国務大臣 おっしゃるとおり、二〇二〇年、日本は目標ができると走るんですが、それを達成した後というのはどうしていいかわからない。追いつき追い越せというような、経済もそうでありました。達成した後に、その後どうするか。
したがって、私は、二〇二〇年をゴールにするなと、まちづくり、都市づくり、そして国土づくりでもそういうふうに考えておりまして、全く中川先生おっしゃるとおり。二〇五〇年という国を目指して、そこには当然、極端な人口減少という、全国で実に六六%が人口半分以下になる。存続が危ぶまれるというようなところもある。離島ということでいうならば、全てがそういうような人口半分以下になるというところに当たると思います。
その人口減少、もう一つ、また別で、高齢社会になる。そしてまた、外国人との共生という社会になってくる。一千万人の観光客という以上に、もう三千万人ぐらい。外国の方と結婚する、そうした人たちも出るし、国際会議も多く行われる。そして、駐在する外国の方がいらっしゃるということは、病院とか子弟の教育ということも含めて、そうしたこともよく考えなくてはならない。そうした二〇五〇年のグランドデザインをつくって、二〇二〇年を途中経過として、そして、一つのモデルをつくる機会としてやっていこう。
その中の一つに、先生おっしゃるように、安全保障ということが物すごくあると思います。国際情勢が二〇五〇年にどのようになるかということについては展望は十分できませんけれども、しかし、四百四十七万平方キロ、国土面積の十四倍、こうした海洋を持っているということからいきますと、離島や、そしてまたテロということからいきますと、東京オリンピック、これはソチでもそうでした、ロンドン・オリンピックもそうでした、ますますのテロ対策、東京駅を初め、また空港、そしてダム、原発、さまざまなところの、そうしたことについてのテロ対策というものは十分やっていかなくてはいけないというふうに思っています。
安全、安心ということについては、国土交通省は責任を持っていかなくてはならないんですが、気象状況の大きな変化というものにどう対応するのか、そしてテロという人為的なそうした行為に対してどのように対応するかということを、政府を挙げて、これは非常に大事な問題だと心得て、体制を組んでいかなくてはならないというふうに思っているところです。
これでやるというところまではまだいっておりませんが、間違いなく安倍政権は、そうした問題意識の中で、これからの日本の国づくりを考え、そして二〇二〇年を考えて対応に踏み出しているというのも、世には余り見られませんけれども、また安倍政権の大きな特徴であろうというふうに思っているところでございます。
○中川(俊)分科員 太田大臣、ありがとうございます。
私は、今の太田大臣の御所見に非常に感銘を受けました。国土交通省がこれからそういった国土安全保障という観点の中心になって担ってもらいたい、そういった思いで、私はこの質問をさせていただきました。
ロンドン・オリンピックの際にも、これはインフラばかりではなくて、テロというのはサイバー攻撃等々もありました。ロンドン・オリンピックのときは二億二千万回あったということで、まさに国家、政府を挙げて、こういったものの観点、目線というのが非常に大事になってくるというふうに私は思っております。
その上で、アメリカの方には国土安全保障省というものが存在をしているということは御案内のとおりであろうと思っています。昨今、新聞等々の報道を見ていますと、UAE、アラブ首長国連邦ですら、十年間で百億ドルの投資をして、国土安全保障省という観点からしっかりと守っていくということで、私はこれを国交省の皆さんに担っていただきたいという思いを持っております。
縮退していく国土と交通の危機管理、テロ防止のための省庁、まさに国土安全保障省たる気概を持っていただきたいと国交省に期待を寄せていますが、大臣、その上でもう一言いかがでしょうか。よろしくお願いいたします。
○太田国務大臣 二〇二〇年の東京オリンピックを目指しまして、昨年十二月に閣議決定をしたのですけれども、「世界一安全な日本」創造戦略、政府を挙げて、アメリカの国土安全保障省とは違いますけれども、そうした観点で体制を組む。全体的な、政府を挙げて関係省庁と連携をとるわけですが、国土ということについては国交省が責任を持ってやっていくという気構えは、間違いなく私は持っております。
○中川(俊)分科員 ありがとうございます。
ぜひ、きょうは国交省の幹部の皆さんもお越しでいらっしゃいますので、国交省が中心になってそういった方向性を目指していただきたいということを切に希望させていただきます。
それでは、次の質問に移らせていただきます。
今、国土安全の観点からも質問をさせていただきましたが、まず、これは地元の話でもあるのですけれども、昨今、踏切事故というものが、全国的にも数多く発生をいたしています。再発の防止策等々も考えていかなくてはなりません。
本日は、資料の一枚目、二枚目の方に、新聞コピー等々で、私どもの地元の東部連続立体交差事業の件について記事を載せさせていただいております。
実は、広島の方というのは、安芸区や南区などを中心に、また、府中町、海田町というところで、山陽本線、呉線で、合計で二十カ所の踏切があります。過去二十年間で十七件の死亡事故が発生をしているというような現状であります。また、山陽本線に至りましては、一日のうち、大体二百三十本で、延べの時間でいうと、九時間ほど全ての踏切の箇所で遮断をしているというような状況で、まちづくりに非常に支障を来しているような現状があります。
そこで、東部連続立体交差事業についてお尋ねをいたします。
慢性的な交通渋滞と、効率的な基盤整備が阻害をされております。国としても、平成十四年に事業が許可をされたということですが、事業許可をしているのであれば、県が二〇一二年十二月、平成二十四年十二月、見直しを発表していますが、国に対しての相談というのはあったのでしょうか。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。
先生御指摘の連続立体交差、二十カ所の踏切を一挙に除却する、分断された市街地の一体化を図るという事業で、平成十三年度に事業認可をしております。
当事業について、広島県及び広島市が平成二十四年二月に見直し検討に着手する旨を公表され、県と市が連携をして、関係機関と調整しながら見直しの検討を進めるものと承知しております。
国土交通省では、県見直し案につきまして、平成二十五年八月の公表に当たり、事前に資料送付を受けております。また、ことし二月にも、見直し案公表以降の県と市の取り組み状況について県から説明を受けたところでございます。
○中川(俊)分科員 ありがとうございます。
そういった上で、平成十三年に事業が許可をされたということで、今日までの間にもう十一年余りがたってきております。海田町周辺の東部連続立体交差事業は、地権者たちが九十数%土地を譲った上で、突然広島県が事業見直しをすると。先祖代々からの持ち家というのを皆さん譲ってきた上で、突然事業をやらないということで、今、広島県、とりわけ私の選挙区内の海田町は大混乱を来しています。
とにかく当初計画どおりの事業を実行してほしいという四万二千の署名が集まってきているという状況なんですが、それについて国交省はどのように受けとめておられますか。
○石井政府参考人 本事業でございますが、県の方からは、地方自治体の財政状況を踏まえ、海田町、府中町及び鉄道事業者と調整し、事業内容の見直しを現在行っているというふうに聞いております。
国土交通省としては、先ほど申し上げましたが、ことし二月に、事業見直しにおける県、市の取り組み状況について説明を受けております。その直前に、海田町長様が役所の方にもお見えになって、今先生が御指摘になりました、九〇%以上の用地取得を終わっているんだ、あるいは大変たくさんの方の署名が集まっているといったことも説明を受けております。
もし、事業の見直しということになりますれば、コスト縮減や代替案の検討を十分に行うとともに、海田町、府中町等の関係機関に対し誠実に説明をし、調整を図るようにという依頼をしておるところでございます。
○中川(俊)分科員 私は、これは、恐らく事業主体が県や市であるということで、県や市が言ったら、国は、そういうふうに説得をして、見直しをしなさいということなんだというふうな解釈をしてしまうんです、今おっしゃったことは。
私は、違うと思うんですよ。平成十三年にいわゆる事業許可を国がした以上は、国にも大きな責任が来ているんです。事業計画を突然見直すということによって町が混乱をしている。これは県が勝手に事業を見直したから県が悪いというようなレベルの問題ではもはやありません。国としても一旦は認めたわけで、その上で地権者たちが土地を譲って、九十数%の土地が出てきているわけなんです。その上で、突然県が事業を見直すから、国も、ああそうですかというふうに言ってはならないものだというふうに思っています。
国として、県、市を説得していくお考えはないのか、お聞かせをいただければと思います。
○石井政府参考人 法律的には、事業認可権者たる国土交通省は、事業主体から財政状況を含む総合的な判断に基づいて事業変更の申請があった場合、事業の内容が都市計画に適合し、かつ事業施行期間が適切である場合には認可を行うものでございます。
しかしながら、本事業については、まだ都市計画の変更そのものがなされておりません。当事業は、都市計画を変更する場合、地域に与える影響が大きく、県、市が提示した見直し案については、先生御指摘のとおり高架区間が大幅に短縮が想定されております。
国土交通省の立場としては、事業変更の前、都市計画の見直しの段階で、まず、事業主体である県、市から、海田町、府中町等の関係機関に対し、誠実に説明をし、調整を図っていただきたい。また、コスト縮減等を通じて、十分な代替措置も検討していただきたいという旨を指導しております。
国土交通省としては、事業主体と関係機関との調整が円滑に進むように、引き続き、技術的助言等、適切な支援をしてまいりたいと考えております。
○中川(俊)分科員 コスト縮減をしていくということは、国の意思でもあるということなんでしょうか。
その上で、さらに伺いたいのは、県と市が当初計画どおり事業を実施するというのであれば、もう一度戻る必要はあるということでよろしいのでしょうか。国交省として、もう一回当初計画どおりの実行を指示するということでもよろしいのでしょうか。
さらに言うならば、東部連続立体交差事業の計画見直しについては、財政難を理由に県も市も言ってきております。これについて、国として、いわゆる直轄部分の、別のところの直轄を利用して、そういった当初計画どおり進めていくという意思がおありなのか。
この三点、ちょっとお伺いをさせていただければと思います。
○石井政府参考人 本連続立体交差事業は、広島県の事業でございます。都市計画も広島県の方でお立ていただく事業になります。
まず、広島県の方で当該地域の事情を十分に確認していただいて、従前の計画どおりお進めになるか、あるいはこれを変更していくかということについて、関係機関と十分に調整をしていただきたい。
先生が御指摘のとおり、長スパンにわたる連続立体を計画しておったものが、解消踏切の数も少なくなる、当然期待をされていた方のところが少なくなるということがありますから、もしそうなる場合には、代替措置等が必要になるものと考えております。
これらの点を十分に勘案した上で、十分に調整をしていただきたい、かように指導をしてまいる所存でございます。
○中川(俊)分科員 一点目でお伺いをさせていただきました、国がもう少し縮減をしなさいといった事実はないということでよろしいですね。
○石井政府参考人 私の発言に若干誤解があったようで、コスト縮減、事業費を小さくしろということを私ども指摘をしている事実はございません。
私どもは、見直しの案については、書面の送付を受け、それから、調整状況について県の方からお話を伺ったということでありまして、私どもの方から事業費の縮減を指示したという事実はございません。
さらに説明をさせていただきますと、コスト縮減というのは、連続立体というのは大変工事費のウエートが大きい事業でございます。特に、地方では土地費に対して工事費等のウエートが大きゅうございますので、これらの工事費等について、もう少し桁の設計その他含めて削減するようなことによって、いろいろな代替措置等も考える余裕も出てまいります。
さまざまなそういうことを検討してほしいということであって、事業費の縮減という意味で先生におとりいただいたとすれば、私の説明不足でございました。
○中川(俊)分科員 ありがとうございます。
今御指摘いただきましたとおり、地方というのはまだまだ財政的に厳しい部分というのもあることも私は承知をしております。
全国的に見ると、この踏切の事業、私どもの地元の広島、さらには岡山の倉敷の方、また熊本の方というのも、結局のところ、自治体が、財源がないからこそこういった見直しの議論をしていかなくちゃいけないんだというふうになってきておるんです。
ですから、やはり、こういった踏切の事故というのは、JRが走っている踏切であって、私は、ぜひ国の事業負担割合を、自治体の方の負担割合を少し下げて、国として負担割合を増していくという方向も大事だというふうに思っているんですが、その辺について、いかがお考えでしょうか。
○石井政府参考人 この痛ましい踏切事故というのは一刻も早くなくしたい。連続立体交差事業、私も岐阜県の都市計画課長でその用地取得等の任に当たったことがございますが、ぜひとも進めていきたい。
一方で、この事業というのは大変お金がかかる事業でございます。時間もかかる事業でございます。厳しい財政事情の中で、今後、公共事業の予算の確保という中で、これらの点について、引き続き、先生方の御支援を賜ってまいりたいというふうに考えております。
○中川(俊)分科員 ありがとうございます。
太田大臣を初め私たちも、こういった地方の安全、安心の観点というのは非常に大事だと思っております。これは答弁は結構なんですが、踏切等々の事故というのも多発をしてきております。全国的に、これは広島に限った話ではなくて、大きな自治体が、財政がないというところで、そういった事業自体を縮減されてきているという状況でありますので、ぜひ、国としても、もう少し国が事業全体の負担割合をアップしていくような形で検討賜れればということをあわせてお願い申し上げます。
その上で、きょうは、時間も限られてきておりますが、最後に、東広島呉道路のことについてお伺いをさせていただければと思っています。
道路の整備等々につきましては、東広島呉道路が来年の春に全線が開通して、次に東広島バイパス、安芸バイパスの整備というのが進んできておりますが、これの現状と、今、コンクリートから人へという、コンクリート悪玉論みたいなものがこのところばっこをしている中で、随分地方の中にも財政出動政策で変わってきた展開を、私も非常に安心をいたしておりますが、この東広島バイパス、安芸バイパスは、大体いつごろの完成を目指しておられるのか、お伺いをさせていただければと思います。
○徳山政府参考人 御指摘の東広島バイパス及び安芸バイパスでございますけれども、全延長十七・三キロのうち、一般部を含めまして全体の三割、延長の四・四キロが開通をしております。
残る未開通区間の十二・九キロでございますけれども、そのうちの瀬野西インターチェンジから中野インターチェンジ間の四・四キロ、これにつきましては、いよいよ来月、三月二十九日の開通を予定しております。これにより、上瀬野町から海田町間の渋滞緩和が期待されます。
残る八本松インターチェンジから瀬野西インターチェンジでございます。こちらも用地の買収が既に約七割まで進んできております。ただ、一部用地の取得が難航している部分がございまして、残念ながら、現時点で具体的な開通時期を明示することができませんけれども、引き続き、用地買収及び工事を推進してまいります。
また、本線の高架部が未整備であります海田地区の延長一・八キロメートルにつきましては、平成二十六年度から、高架橋の設計及び街路部の切り回し工事という本体の部分に着手をしてまいることになります。
引き続き、早期開通に向けて努力をしてまいります。
○中川(俊)分科員 ありがとうございます。
本当に地方に必要な道路というのは確実につくっていかなくてはいけないというふうに思っていますので、これからも御指導、御鞭撻を、東部連続立体交差事業とあわせて、よろしくお願いを申し上げます。
最後の三つ目の質問に移らせていただきます。
水循環基本法についてということで、御案内のように水循環基本法、昨年の通常国会、残念ながら、最終日に参議院で成立するはずが、雨水利用促進法、これは公明党の加藤先生が懸命にやられた法律とともに、成立をいたしませんでした。
そういった中で、水循環基本法につきましては、数多くの新聞で、早期成立を願う投書であったりとか、また、本年の一月二十五日には、ある省の事務次官も成立に向けた期待を寄せているような状況があります。
そこで、大臣、そういった水循環基本法成立に向けたさまざまな意見とかがございますけれども、そういったことを踏まえて、水行政も国交省が担っていらっしゃいます、今どのように思われているか、御意見をお聞かせいただければと思います。
○太田国務大臣 世界で、水というのは、実は油以上に一番大事なもので、日本は、それが天与のものということで、この重要性というものについてはちょっと鈍感であったということがあったと思います。
命の源であるだけでなくて、人々は、その営みの基礎として、田畑を潤し、そして社会、文化の繁栄を支え、国民に大きな恵みを与えてきたのが水であるというふうに思いますし、また近年は、豪雨というのもあれば、一方では渇水ということが、常に、毎年のように話題になっておりまして、生活ということに直接反映するものだというふうに思っています。
水資源の確保や環境保全の観点から、水の適正な利用を通じた健全な水循環を確保することが重要というふうに考えているところです。
去年、この法案につきまして、超党派の国会議員の方々によって議論が重ねられて、そして、成立寸前でこれが廃案になったということを承知しているところでありますが、引き続き、水循環基本法についての議論を関心を持って見守ってまいりたいというふうに思っているところでございます。
○中川(俊)分科員 ありがとうございます。
今、大臣からもこのようなすばらしい御発言を頂戴したんですけれども、昨今、外国資本が森林を購入して、いつの間にか外資に水資源が奪われているというような現状もあります。
こういった中で、各自治体というのは、地下水は住民の共有財産であるということを条例で規定してきて、条例対応をせざるを得なくて、国に水は国民共有の財産であるというような基本法ができれば、そういったものの上に立てるということで、私も非常に大事なことだというふうに考えております。
また他方で、河川上流域の水源林の公有化というのも近年進んできているような状況でもあります。
そういった中で、例えば一昨年の五月には、利根川水系の方で大きな基準超過の事件というのも起こってきているような現状の中で、私も、そういったものの法律というものがしっかりと制度化をされていて、この水循環基本法が通れば、八月一日を水の日と定めて、政府が水を守る政府声明を発表していただいたり、七つ八つの省庁にまたがっています水行政を内閣総理大臣直轄の水循環政策本部に一元化をして、守り育んでいくという施策に向けて歩み出すというような方向であろうというふうに思っておるんです。
また他方で、上水、下水のインフラが本当に老朽化をしてきていまして、総額で百三十兆円規模のインフラにこれから日本は取り組んでいかなくてはいけない。これも民間資本をどんどん受け入れてやっていかなくてはならないという中では、この水循環基本法を入り口として、私は、ぜひ下水中心に、水というのは国交省が担っていらっしゃるので、国交省にぜひリーダーシップをとっていただきたいという期待を寄せております。
そういった中で、最後になりますけれども、東京オリンピックもいよいよ始まる中で、実は、一九六四年の東京オリンピックの際というのは、東京は大渇水に覆われていました。さらには、隅田川の尿のにおいとかがひどい中で、国交省は下水の整備を含めて、まさに日本は一回目の東京オリンピックを大成功に導きました。
私は、二〇二〇年のこれからの時代、日本のすばらしい資源というのは水だというふうに考えておりますが、東京オリンピック開催に当たって、ぜひこのすばらしい水というものも、存分に、世界に冠たるものであるということで改革をしていっていただきたいし、大いに生かしていきたいというふうに思っています。
最後になりますけれども、そういった決意について、太田大臣の御所見をお伺いさせていただければと思います。
○太田国務大臣 水については、中川秀直先生、そしてまた同じく、亡くなられたんですけれども、中川昭一さん、私は十年来一緒にやってきた一人でありまして、いよいよこの豊かな水というものが、二〇二〇年、世界に向けて発信できるように頑張っていきたいと思っております。
どうか、事務局長を務められる先生にはぜひとも御尽力をいただきたいというふうに思います。
○中川(俊)分科員 これからも御指導、御鞭撻を賜りますように心よりお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○石田主査 これにて中川俊直君の質疑は終了いたしました。
次に、藤丸敏君。
○藤丸分科員 お疲れさまでございます。自由民主党の藤丸でございます。
本日は、五問質問させていただきます。
一に災害対策、二に公共事業、三に河川管理、四に道路整備、五に港湾整備について、日ごろ思っているところを少し質問させていただきます。
まず初めに、災害対策であります。
さきの二月十四、十五日の大雪で苦しんでおられる方々には、心よりお見舞いを申し上げます。
ここ数年、百年に一度という異常気象による災害が多く発生しております。私のところ、古賀誠先生の地元でございますが、一昨年の九州北部豪雨の復旧が、今、道半ばでございます。復旧に携わっていられる国、県、市、そして事業を行っている方々には大変感謝しているところでございます。
そこで、災害復旧の基本的な考え方でありますが、原状回復といいますか、原形復旧が基本と考えられております。再度災害防止のための災害復旧になっているのか。
また、改良復旧といいますか、補助の話なんですが、原形までは三分の二、改良が二分の一という補助率でございます。
例えば、河川の堤防がうちの方は切れたのでございますが、一級河川の矢部川がよくテレビで流れていました。そのときに、一メーター越水をしてきた。
実際は、一メーターなんて越水しません。崩れるから、びゅんと来ます。流量的に一メーターを越えたであろうというふうに仮に考えたとすれば、もし県だとすれば、矢部川は一級なので関係ありませんが、うちの場合は沖端川というのがなりましたので、県の管理が壊れたとしますね、そうした場合には、土手が原形まで来るのは補助率が三分の二で、その上の一メーターが二分の一ということになりますので、私はそれがおかしいといつも考えているんです。
本来は、補助も含めて、再度災害防止が基本でありますので、全て三分の二でいくべきじゃないか、原形復旧じゃなくて、改良復旧も含めて三分の二でないとおかしいのではないかというふうに常々思っておりました。
また、もう一つ、ちょっと一遍に質問させていただきますが、災害のときの繰り越しについて、事故繰り越しの基準がもっと明確にならなければならないというふうに考えております。
事故繰り越しは、一般的に、二回繰り越しの話ですから、厳しいと言われております。
私どもの八女市の場合は、二十四年の七月に集中豪雨が起こったんですが、市の査定が終わったのは二十五年の一月なんですよ。そうすると、二十四年の補正に手を挙げると、あっという間に明許繰り越しになってしまいますので、あっという間に事故繰り越しが目の前になってきます。ですから、八女市は、市の災害復旧工事は二十四年度補正では手を挙げなかったんです。二回繰り越しも頭に置いて、基本的に一回でいいように、明許繰り越しだけということで、二十五年度から手を挙げました。
そういうことで、もうちょっと事故繰り越しが明確に、こういうときはオーケーとわかっていれば、二十四年度から手を挙げたに違いないのです。ですから、事故繰り越しがもう少し明確に、こういうときはいいんだというふうなことになっていれば、これくらいの災害はオーケーだな、例えば激甚に来ればなるとかということになれば、そういうことにならなかったと思います。
質問が二問含まれていますが、改良復旧も補助率三分の二でいいのではないかという点と、事故繰り越しの基準をもっと明確にしたらどうでしょうかという質問をさせていただきます。これが、まず一問目です。
○森北政府参考人 お答えを申し上げます。
先生から二つ御質問がございました。
まず、公共土木施設の災害復旧事業の地方負担についてでございます。
公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法がございまして、先生お話しのように、国が三分の二以上の補助をするということになっております。そこで、標準税収入を勘案いたしまして、一定の事業費を超えた場合には、地方の負担はそれ以上ふえないというふうにされております。
また、改良復旧事業につきましては、先生お話しのとおり、復旧部分は三分の二、改良部分については二分の一の補助率となっております。地方の負担につきましては、それぞれ一般の補助事業よりも高率な交付税措置がなされるということになっておりまして、これも地方の負担を極力抑える仕組みとなっております。
今後とも、国土交通省といたしましては、被災された地方公共団体と相談しながら、改良復旧を含めた災害復旧事業を適切に活用いたしまして、迅速な復旧を支援してまいりたいというふうに考えております。
事故繰り越しについての御質問がございました。
事故繰り越しは、異常な天然現象など避けがたい事故が起こった場合、一定の要件のもと、繰り越しが認められるものでございまして、その避けがたい事故とは、社会通念上避けがたい事故と判断されるものとして、具体的には、異常な天然現象のほか、工事中の事故などによる中断、また、真にやむを得ず年度内の支出が終わらない、そういった場合に該当するとされております。
個々の繰り越しの事由等につきましては、事故繰り越しの承認は各地域の状況や個々の事情により判断されるものでございまして、各地方財務局等と個別に相談する必要があるものと考えております。
○藤丸分科員 大体わかりました。よろしくお願いいたします。交付税で見られるということであります。
それから、二問目の質問に入らせていただきます。
次は、公共事業の経済効果について、常々思っているところがあります。アベノミクスの金融政策は成功しておりまして、日銀もマネタリーベースを来年の三月までふやしていきますので、それ以降もマネーサプライがふえていく可能性があります。日銀から銀行に、当座預金が逆におりてくる。ですから、円安は、僕は数年続くと考えています。三年ぐらい続くと考えています。来年の三月まで必ず行きますから、マネタリーベースがふえると。それから、当座預金が少しおりてくるから、あと二年ぐらい続くんじゃないかと考えております。
そこで、財政政策として、公共事業の乗数効果といいますか、どれだけこの効果が続いていくのか。二十四年度補正、二十五年度補正と来ていますので、量的には結構多く来ています。ですから、その乗数効果についてどう考えられているのか。数字と、もう一つは、どれだけ続くかというのが本当は一番の問題なんですね。
昔、野村総研出身のリチャード・クーさんが、十年ぐらい前ですか、出てきて、経済指標を持ってきて、大体二年半から三年はこうやって続きます、公共事業を打ったら経済はこうやって伸びますという実証的な表で説明していたことがあります。それから、筑波大の宍戸先生なんかも、生産性の乗数効果の計算もされております。
そこで、今、国交省としてはどういう考えを持たれているのかということをお聞きいたします。
○西脇政府参考人 お答えいたします。
先生、今御指摘がございました乗数効果、フローの効果としては、公共投資の支出以上にGDPを押し上げる効果がある、これがいわゆる乗数効果と言われております。
政府全体としては、内閣府の短期日本経済マクロ計量モデルというものを持っておりますけれども、それによれば、実質GDPの一%相当分の公共投資を追加的に三年間毎年継続した場合には、一年目では実質GDPを一・〇七%、二年目では一・一四%、三年目では〇・九五%、それぞれ押し上げるという乗数効果がございます。これは一般論でございます。今回のアベノミクスによって追加されました公共投資につきましても、基本的にはこういう乗数効果があるというふうに認識しております。
ちなみに、一方、同じモデルで減税の乗数効果を見ておりますけれども、それは、一年目〇・二二%、二年目〇・六四%、三年目〇・六五%ということで、財政政策としては公共投資の方が大きい乗数効果があるというふうに言われております。
また、これは、乗数効果とは別に、フローの効果といたしまして、さまざまな産業に対して、生産や就業を誘発する効果もございます。
それから、我々がもう一つ非常に重要だと思っておりますのはストック効果でございまして、例えば、高速道路などの交通インフラを整備いたしますと、当然、時間短縮の物流効率化でございますとか、インターチェンジ周辺に工場や流通施設が立地するということで、それで経済を活性化するということがございます。
先ほど御紹介ございましたけれども、そうしたさまざまな経済効果が含まれるということで、効果としては将来にわたって続いていくと思っておりますし、そうした効果をきちっと上げるためにも、公共投資の執行には万全を期してまいりたいというふうに考えております。
○藤丸分科員 金融政策と財政政策がミックスされていますので、その効果がどういうふうになって、どう続くのかというのが、今までに余りないケースであります。この二十年間、政府は財政投資、金融は大胆な金融緩和をしてこなかったものですから、どこまで続くのかというのが未体験だと思うんですね。そういうのもきちっとウオッチしていただきまして、財政投資の効果というのを考えていただきたいと思います。財務省といいますか、内閣府が出すのはちょっと抑えぎみ、民間の数字から比べると、大分低いんですね。もうちょっとあるんじゃないかと実は考えております。
それから、三問目に入らせていただきます。河川管理についてでございます。
一昨年の地元の方の九州北部集中豪雨で、一級河川の矢部川が破れたんですが、その支流の沖端川が、堤防が切れたり越水をいたしました。また、この矢部川の上流の方では冠水して、二階までつかったというのが二十軒以上ありました、山下地区というところなんですが。ここをすぐ何とかしなきゃと筑後川事務所にお願いしたところ、矢部川は一級河川であっても、そこは国じゃなくて県管理ですと。えっということになりまして、一級河川だから、みんな国だと思っておりました。
そうすると、やはり、災害復旧ということになると、国だと、すぱっとある意味いくんですよ、自分のところで判断していけるわけですから。県だと、県から国に上がっていきますので、ちょっとやはり対応が遅いんですね。それで、費用の面も負担も大きいということで、あと数キロ下流に行くと国なんですよ、だから、何とかこっちに引き戻せないかと考えたところでございます。
そういっても、現状は仕方がありませんので、国と県のメルクマールといいますか判別基準といいますか、そういうのをまず教えていただきまして、希望とすれば、災害のことを考えれば、一級河川は上流まで国で見ていただきたいな、そういうふうに願っておりますが、今のところは、この質問は、国と県のメルクマールを教えていただければと思います。
○森北政府参考人 お答えをいたします。
一級河川の国と県の区別についてということかと思います。
一級河川の管理につきましては、河川法第九条第一項によりまして、国土交通大臣が行うということとされております。同法第九条第二項に基づいて、国土交通大臣が指定する区間につきましては、これは都道府県知事が管理することができるとされておるところでございます。
一級河川の管理におけます国と県の区別の基準につきましては、河川法施行規則第二条の二に定められておりまして、そこでは、河川の氾濫により当該河川の流域における市街地等に甚大な被害が発生するおそれのある区間等、河川の形状や流水の状況、流域の地形や土地利用の状況等から国が一体的に管理すべき区間につきましては、国が管理するとされておるところでございます。
以上でございます。
○藤丸分科員 市街地で甚大な被害があるところということですね。
もう一つ、済みません、実は、うちのその矢部川というのが上流から下流まで六百キロぐらいあったと思うんですが、ここには、江戸時代に、治水対策として、ちょうど真ん中ぐらいに船小屋というところがあるんですけれども、そこには、流量がふえて、がっと来たときに、真ん中に中ノ島というのをつくって、クスノキの群林をがあっと植えているんです。それは、多分流水をとめるためにだと思うんですね。それと、普通はこっちを流れているんですが、まず中間の流量のときに、向こうに放水路をつくっているという工夫が結構されているところでございます。
それと、筑後川なんかもそういう工夫がいろいろされています。そこにはいろいろな建物があって、河川の情報をいろいろ子供たちに教えたり、そこで流量をはかったり、いろいろ工夫する建物が、何というかはちょっと忘れましたが、河川情報センターみたいな、情報館みたいなものが筑後川には二つか三つあったと思うんです。
矢部川は少し小ぶりではありますが、そういう安全、安心のための河川情報教育センターみたいな、そういうものは検討できないものかどうか。筑後川はありますので、矢部川はそういうものができないかどうかというのも、もう一点、ちょっとお聞きしたいんですが、お願いいたします。
○森北政府参考人 お答えをいたします。
先生御指摘のとおり、矢部川は、非常に古来から治水、利水、歴史的な取り組み、工夫等が行われているところでございます。
そんな中で、御質問にございましたように、矢部川沿いに、現在、福岡県が筑後広域公園の整備を進めておられるところでございます。
私どもといたしましては、例えば、その公園内に県が建物を整備される場合に、その一部を活用いたしまして、矢部川に関する情報、治水の重要性、そういったものを地域の皆様方に知っていただくような取り組みは可能であるというふうに考えております。
引き続きまして、矢部川に関する情報発信のあり方等につきましては、福岡県、地元のみやま市、十分連携を図りつつ検討してまいりたいというふうに考えております。
○藤丸分科員 ありがとうございます。御検討のほど、よろしくお願いします。
次に、第四問目に入らせていただきます。
道路整備のことについてなんですが、道路整備の歴史と現状の考え方、道路番号も含めて御説明いただきたいんです。
余りにも抽象的といえば抽象的なんですけれども、なぜそんなことを思ったかというと、多分、道路は、律令の時代からいろいろ、人がいれば道路はあるに決まっております。
滋賀に先週行ったときに、田中吉政という人がおりまして、これは滋賀出身なんですが、黒田官兵衛とかと同じ関ケ原で功績を上げて、その功績で、うちの地元の三十二万石の柳河城の藩主、最初に柳河城をつくった人なんです。この人は、秀吉とかに仕えていまして、家康にも仕えて、岡崎城の掘り割りとか、いろいろ道路とかをつくった人でありまして、この間見たら、年貢の取り立ての仕方とかも発信しています。その人が柳河藩で最初の城主なんですが、道路が結構できているんです。その道路が今の国道になっていたりするわけでございます。
そういうことで、道路というのは一体どんなふうにできてきたのであろうかというのが疑問でありましたので、ちょっと曖昧な質問でございますが、よろしくお願いいたします。
○徳山政府参考人 日本の近代的な道路整備は本当に戦後から始まったとよく言われておりますけれども、道の歴史は日本も長うございます。
先生、今おっしゃいましたとおり、大化の改新の時点で、七道駅路という中央集権国家を治めるための高規格のネットワーク、これは偶然かどうかわかりませんが、ちょうど一万四千キロ程度、今の高速道路の延長と同じぐらいの考え方でございますけれども、こういったものの構想、建設ということもなされた時代がございます。また、徳川時代には、五街道を中心とする道路ネットワークをつくってまいりました。いずれにしても、やはり国を治めていく中で、基幹のネットワークとしての道路の存在感があったんだろうと思います。
ただ、明治以降、近代化をしようという中で、やはり一気に外国に追いつく中で、集中的な投資をどこにするかということで当時の方は悩まれたんだろうと思います。
明治時代におきましては、鉄道優先ということが言われております。実に、昭和の時代までに約二万八千キロぐらいの鉄道ネットワークをおつくりになっておられます。二万八千キロありますと、先生の御地元の九州でも、西側の筋、それから東九州側にもでき、横断するネットワークもありということで、本当に地域の格差を埋めるような十分なネットワークであったと思います。
残念ながら、同じように振り返ってみますと、高速道路のネットワーク、現在でやっと一万キロを少々超えたところでございまして、先生の御地元でいいますと、九州全体でいいましても、東九州の方面の方は、格差がある、早くこれを埋めたいという御希望があるわけでございます。
いずれの歴史を振り返っても、鉄道も含めまして、交通のネットワークは国を治める基幹のネットワークであろうと思います。
地域との関係でいつも藤丸先生から御指摘いただいておりますけれども、地方の格差を是正して、防災機能や国際競争力の強化を図っていく上で、全国の道路ネットワーク、これは非常に大切なものだと思いますので、そういう格差を是正できるように、ネットワークの強化にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
○太田国務大臣 新幹線が走ると、沿線は活性化する。明らかに駅周辺が発展する。駅ができるかどうかというのは生命線にもなる。また、北陸新幹線が走ろう、今こういう段階になりましたけれども、大変地域が活性化する。それは、先ほど言った乗数効果とかあるいはBバイCというものを超えて、大変大きな役割を果たしていると思います。
加えて、この三年ぐらい、リダンダンシー、道路は、これが遮断されたらこちら側が行けるという選択の幅が広がる、何重にも、いろいろな形で行くところがあるということがいかに防災上でも大事かということがございます。財政制約は、当然、我が国の場合、今はあるわけでありますけれども、財政制約の中でも、特にそうしたことをしっかりと、優先順位も考えて、道路はつなげていくということがいろいろな意味で重要であるという意識を持って、行政を行っていきたいと思っております。
○藤丸分科員 ありがとうございます。
それでは、最後の質問に入らせていただきます。
港のことでございますが、港の経済的な役割といいますか、国においても地方においても、港をもう少し見直した方がいいんじゃないかと考えております。
前回、港湾局にもお願いして、三池港、うちの三池港はそんなに大きくないんですけれども、大牟田というのは石炭があって、なくなったものですから、次に何をやるか。団琢磨が、石炭がなくなっても三池港が残る、三池港でやるんだと。アジアの玄関にしようと今考えているところなんです。
そうすると、大牟田市のGDPが四千億なのに、三池港から揚がってくる直のものが一千億あるんです。ということは、いかに大きいか。産業連関表でいくと、千七百億まで上がるというふうになっていますので、日本の港が、港の力が国力と言ってもいいと思います。それをもう少し認識しなきゃならないと思いますので、港の経済的な役割というものを説明願いたいと思います。
○山縣政府参考人 お答えいたします。
四方を海に囲まれました我が国におきましては、海外との貿易のうち、海上輸送が占める割合でございますけれども、二〇一一年のデータによりますと、金額ベースで七六・一%、重量ベースで九九・七%となってございまして、その拠点となる港湾は、国の経済活動を支える重要なインフラであるというふうに考えてございます。
各港湾の経済波及効果あるいは雇用創出効果につきましては、港湾所在の自治体等の調査によりますと、その自治体の市内総所得あるいは雇用者数の二割から四割に及ぶとの試算がなされてございます。
例えば、大都市を背後圏といたします神戸港あるいは横浜港の経済波及効果は、市内総所得のおおむね三割程度というふうなデータもございます。また、九州の流通拠点でございます博多港におきましては約四割、それから、工業港でございます北九州港、あるいは先生の御地元の三池港、これにつきましては四割を超える経済波及効果があるとの試算もなされてございます。
このように、港湾は、国や地域の経済活動にとって極めて重要な役割を果たしておりまして、その機能強化については、必要な取り組みを着実に進めてまいりたいと思ってございます。
以上です。
○太田国務大臣 港についても、ありがとうございます。
私は、神戸とか横浜とか東京とか博多とかが、いつの間にか釜山、上海、香港、シンガポールに負けてきて、おくれをとっているということが本当に残念で、角度をつけて港湾というのを充実させていかなくちゃならない。
物流ということもありますし、そのためには、世界の流れが、来年はパナマ運河が拡張されるということで、相当流れが違い、また、地球温暖化なんでしょうか、北極海航路というものが具体的に動き出す。物流は、相当流れが世界的に変わる中で、日本は、それぞれ、バルク港湾であるとか戦略的コンテナ港湾であるとか、角度をつけて、この港湾は一体何が特徴なのかということを、個性豊かな港湾ということについて充実させていかなくてはならない。
九州の港湾は、これから、対アジアにおいて物すごく大事なものだというふうに認識をしております。
○藤丸分科員 ありがとうございました。
大臣、古賀先生の地元でございますので、三池港をぜひよろしくお願い申し上げます。本当にありがとうございました。
これで質問を終わらせていただきます。感謝申し上げます。ありがとうございました。
○石田主査 これにて藤丸敏君の質疑は終了いたしました。
次に、秋本真利君。
○秋本分科員 自由民主党の秋本真利でございます。
まず初めに、自動車専用道路への立ち入りについて質問をさせていただきます。
私は千葉県選出の代議士でございますけれども、東京に来る折に、車で来ることも多うございます。そのときに高速道路を通ってくるわけですけれども、大臣以下政務の方々は、高速道路を走っているときに、走行中に、本来あってはならないものを目にしたことというのはあるでしょうか。
というのは、人が高速道路の中に立ち入っていたり、あるいは、本来、高速道路の中に立ち入ってはいけない原付であるとか、あるいは自転車が、高速道路を、我々が車道を走っている脇を、あたかもそこを通過するのが当たり前のような形で、すうっと通っていることを見たことがあるのかどうかわかりませんけれども、私は何度も目にしております。
というのは、きょう、お手元にも資料を配らせていただきましたけれども、不名誉なことなんですけれども、残念ながら、この自動車道への立ち入り件数は千葉県が全国一位でございまして、それも飛び抜けた形で一位ということになってしまっております。
お手元に配りましたこちらの紙ですけれども、見ていただければわかるとおり、NEXCO東日本が管理する高速自動車道での立ち入りナンバーワンは、我が千葉県を横断しております京葉道路でございまして、二百六十八件ということになっております。
そして、京葉道路というのはどのくらい多いのかということを見てみますと、千葉県の中の道路の中でも、お配りしたこの資料でございますけれども、百六十一件のうち百九件が京葉道路、約七〇%を京葉道路が占めているということになっております。
そうした中で、警察の方がもしそこを通ったとしたら、その本来通行してはならない方々を何かしらの形で、場合によっては法律に基づいて検挙をされているのかなというふうに私はずっと思っていたわけでありますけれども、どうも調べてみると、そういうことではないようでございます。
高速自動車国道法第十八条によりますと、この立ち入りしている者に対して、国土交通大臣は、前条の第一項の規定に違反している者に対し、これは立ち入っている者に対してということでございますけれども、その行為の中止その他交通の危険防止のために必要な措置を命ずることができるということになっておりまして、ここは、実は警察の方々に直接的な権限がないので、その場でキャッチするということができないような規定になっているわけであります。
そういった中で、警察の方がきょう来てくださっていると思いますけれども、現状どのような形になっているのかということをお話しいただければというふうに思います。
○濱政府参考人 お答え申し上げます。
まず、自動車専用道路への立ち入り事案の防止でございますけれども、これは道路管理者の皆さんと連携をいたしまして、注意喚起の看板の設置、それからチラシの配布等、広報啓発に努めているところでございます。
それから、議員御指摘の、通報があった場合など、現実に発生した立ち入り事案について警察が把握した場合でございますけれども、当然、現場にまず急行いたします。それで、自動車専用道路等に対する立ち入りへの対処でございますけれども、道路法上、先生御指摘のとおり、まず道路管理者が違反者に措置命令を発する、それに違反した場合に罰則を適用する、こういう枠組みになっておりますので、通常、私どもの対処としては、指導、警告等により対処するということになってございます。
○秋本分科員 今、警察の方がおっしゃってくれたとおり、現実的には、その場で警察が直接的に即時強制的にキャッチするということができない形になっておりまして、NEXCOがそれを見つけた場合は、指導をして、所定の場所まで連れていって警察の方に引き渡したりとか、あるいは、警察の方が見つけても、とりあえずここから立ち退いていただけますかというような形でないと法令が適用できないようになっております。
さらに、聞いたところによりますと、そこに立ち入ったことではなくて、これを命じた者に対して、従わなかった者に対して、それを捕まえることはできる。つまり、入った者に対して、いや、では僕はすぐ出ていきますからということになれば、これは法律の適用外ということだそうでございまして、この辺を少し精査していただいた方がいいのではないかなというふうに思っているわけであります。
そして、我が千葉県の地方紙であります千葉日報の方にも、このように大きく記事として取り上げられまして、これは立ち入った方々にインタビューをしたのかどうかわかりませんけれども、立ち入った方が、近道だったので通ったと話す歩行者もいたというふうに書いてございます。
京葉道路は、私も地元なのでわかりますけれども、入り口も出口も料金所がないというところも、フリーライドで乗れるところすらあるぐらい、入り口に監視員がいないというか、係員がいないというような入り口が結構あります。出口もいないというところもあって、ただで乗れる区間もあるようなところなんですけれども、ですから、この記事にもあるとおり、料金ブースがなく、歩行者を制止する職員がいないことがこの遠因ではないかというようなことも記事で触れられております。
どちらにいたしましても、高速自動車道にそういった方々が立ち入るということは非常に危険なことでございますので、大きな事故が起きる前に、予防措置としてしっかりとこの辺も大臣以下政務の方々に御認識いただいて、こういった問題点についても早急に何かしらの検討をしていただきたいというふうに思うんですけれども、政務の方々、いかがでしょうか。
○太田国務大臣 認識をしておりませんでしたので、研究させていただきます。
○秋本分科員 どうもありがとうございます。
大臣から心強い答弁をいただきました。その検討の結果を私も見守りたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
次に、千葉市上空の騒音問題について質問をいたします。
羽田に進入する飛行機が千葉県の上空を通過することによって、我々千葉県、特に私の選挙区もですけれども、騒音の問題というものが、地元を歩くと必ず、何とかしてほしいというような声を常々聞いているわけであります。
昨年の分科会でも質問させていただきました。そのときは、南側の引き上げについて一日も早く本格運用していただきたいという質問をしたわけでございますけれども、南側については、大臣のお力添えもあって、引き上げが実現しました。
今度は北側であります。北側についても三月から試行的に少し引き上げていただけるということになっておりますが、これについては、少しでも高く、もう少し高度を高くしていただきたいということをお願いするのが一点であります。
そしてもう一つは、そもそも論なんですけれども、飛行機は進入経路がありまして、私の選挙区の北の端の佐倉市、人口密集地なんですけれども、この上にDATUMというポイントがございます。そのDATUMというポイントから東側に今回は機首を少し振っていただけるということになって、飛行ルートも少し変えていただいて、人口密集地の上は少し避けていただいているような形になってはおります。
これは地元でも本当によく話すんですが、もう少しDATUMを北側に移していただければ、千葉県には印旛沼という大きな沼がございまして、その沼のあたりから、人口が余り集中していない地域の上を飛行ルートとして飛ぶことも可能だというふうに私は思っています。
その手前のDENNYだとか、あるいは、少し早目に振ることによって成田の空域と干渉が起きることがあるということもわかってはいますが、DATUMをもう少し北側に引き上げるということも高度の引き上げと同時に検討していただきたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○田村政府参考人 お答え申し上げます。
今、南風の好天時における北側進入ルートの高度引き上げの御質問がございました。
かねてから先生に御指摘もいただいておりましたし、それから、千葉県の協議会からの御要望もあるということでございまして、作業の前倒しに努めた結果として、本来ならば、この三月末の夏ダイヤに合わせて実施をするというところでございましたけれども、それを待たずに、三月六日から試行運用を開始することとしたところでございます。
その上で、今御質問のあったDATUMというものを移設できないかというところは、まさに先生御自身でおっしゃっていただきましたように、いろいろと技術的課題もあって難しいところもございます。可能な限り早期に北側ルートの高度引き上げをまず試行運用するんだというところもありますので、現行のDATUMからの進入開始とせざるを得ないという状況でもございます。
ただ、北側ルートの高度引き上げの試行運用を行った上で、地域への騒音影響の軽減のためにさらに何かできないか、こういう改善策については引き続き検討してまいりたいというふうに思っております。
○秋本分科員 検討していただけるということですので、ぜひDATUMの北側への移行というものについても鋭意検討していただきたいというふうに思うわけであります。
今回の北側ルートの引き上げというのは、引き上げたといっても本当に数百メーターなんですよね。これは、正直言いますけれども、地元の期待を裏切っております。地元は、もう少し引き上げていただけるというふうに思っていたわけでございますし、私は、本当の飛んでいる下の、地元の自治体の首長さんからストレートに言われましたけれども、たった数百メートル引き上げたといっても、ルートが変わったことによって、もともと飛んでいなかった地域の上を飛ぶわけだから、この飛ばなくなった地域の住民には説明ができるけれども、移った先に行って新たに説明できないというふうに言われております。
本当に百数十メーター引き上げただけでございますから、これは、ぜひもうちょっと引き上げを考えていただくのと同時に、飛行ルートについても、やはりもうちょっと人口が余りいらっしゃらない地域の上を飛ぶような飛行ルートをとれるように、私は、このためにはやはりDATUMの北側への移設というものしかなかなか方法がないのではないかなというふうに思うわけでございますし、それがもし可能であれば最善の方法だろうというふうに思っているわけでございますので、ぜひ、そういったことも踏まえて検討を続けていただければというふうに思いますので、要望をしておきます。
そして、次に移りますけれども、これも昨年質問をさせていただきまして、ありがたいことに、副大臣を成田空港まで派遣していただきまして、副大臣にも経験していただいて、当時の副大臣からもいろいろとお話をお聞きしたところでございますけれども、成田空港の鉄道駅は二重改札になっております。
前回、一年前のこの分科会で質問したときの田村局長の答弁は、今後の状況を見定めた上で必要に応じ対応を検討する、あるいは、利用者の利便の向上を図ることは非常に重要な課題であるということは私どもも認識をしています、そして、外国人のお客様が多いですから、外国人のお客様を含めて、利用者にわかりやすい案内表示等を含めた検討を重ねていく、鉄道事業者あるいは成田空港に対して働きかけてまいりたいということを答弁してくださっております。
この一年間で大きく状況が変わったことの一つに、オリンピックが決まったということがございます。ですから、ただでさえ外国人のお客様が多い成田空港に、さらに多くのお客様がオリンピックの前、直前と言わず、かなり前からいろいろな形で日本国に出入りすることが多くなってくるんだろうというふうに思いますし、大変喜ばしいことだと思いますが、その外国人の方々を戸惑わせるようなこの二重改札というものは早急に改善するべきだというふうに私自身は思っております。
新幹線も二重改札じゃないかと言う方が、国土交通省の方を呼ぶとそういう話をする方もいますが、新幹線の二重改札というのは、一度くぐってから次の改札まで、かなり距離があることがほとんどであります。一度改札をくぐったことを忘れるぐらい距離が離れてから、もう一度改札をくぐるということがほとんどでございまして、成田空港のように、一度くぐったすぐ五メートル先にまた改札があるというようなことは目にしたことがありません。そういう駅も世の中にはほかにもあるのかもしれませんけれども、そういった駅と成田空港というところの駅の位置づけというのは、少し違うんじゃないかというふうに私は思っております。
オリンピックも決まったわけですし、ぜひここは昨年以上に強く踏み出した答弁をいただければ、私としてはうれしく思うんですけれども、いかがでしょうか。
○滝口政府参考人 昨年は航空局長の方からお答え申し上げましたが、問題は、JR東日本の出る改札口が、いわゆるセキュリティーエリアとの関係で二重改札になっている、こういう問題でございます。
委員の方から昨年の分科会において御指摘をいただきました。この御指摘をいただきまして、今お話がございましたけれども、成田空港高速鉄道、それからJR東日本、京成電鉄、そして成田国際空港株式会社で構成をいたします検討委員会で対応を検討してまいりました。
この基本的な構造を変えられるかという問題でございますが、セキュリティーエリアの位置を変えるとか、あるいは新たな専用の出口改札口を設けるといったようなことにつきましては、費用対効果の問題や、利用者利便が阻害されるのではないかといったような問題があるということ、そして、成田空港の警備の機械化を進める、いわゆるノンストップゲート化というようなことが検討されておりますが、こういったようなことから、現時点で直ちに結論を得るということにはなっておりませんで、今後の状況を見定めつつ、必要に応じ検討するということにさせていただいております。
一方で、今委員お話しのように、成田空港、お客様が非常に多うございます。外国のお客様も多うございます。こういったようなことでございますので、当面の方策として、JR東日本のホームページ等におきまして、成田空港駅の構内案内情報を英文、和文ともに充実させるということ、それからもう一点、成田空港駅の改札口付近、これは特に利用者の方が戸惑いやすいところでございますが、こういった付近の柱や床面に英文、和文を併記した案内表示を新設する、こういったようなことを対応していこうという結論が得られたというふうに承知をいたしております。
このうち、駅構内の案内情報の充実につきましては、既にことしの一月から実施済みでございます。また、改札口付近の柱や床面の案内表示の新設につきましても、できる限り早いタイミングで実施をするということで聞いております。
国土交通省といたしましても、利用者利便の向上を図るということは極めて重要でございます。今後とも、案内表記の新設の効果を見ながら、適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
○秋本分科員 成田空港を開かれた空港にしようという話がございます。セキュリティーについても、航空局長はおわかりのとおり、ノンストップゲート化というようなことも見通しが立ってきましたし、そして、オリンピックが開催されるということもあるわけですから、ぜひこういう障壁は取り除く方向で検討を続けていただきたいというふうに思うわけでありますので、これは強く要望して、先に進みたいというふうに思うわけであります。
そして、次は地元の道路なんですけれども、国道五十一号線の北千葉拡幅についてでございますが、これは、自民党政権が野党に転落した折に、もともと麻生政権時代に三億円以上あった予算が、これが後の民主党政権で突然二千万円まで減額をされて、この国道五十一号線の北千葉拡幅というところは一向に工事の進捗が図れないという状況になってしまいました。
そして、我が党が政権に戻った後に、諸先輩方のお力もかり、そして太田交通大臣のお力添えも賜りながら、予算を、補正予算等も含めて五億円以上今までに頂戴をして、目に見える形でここの工事が進み始めました。本当にこれは御礼申し上げたいというふうに思うわけでございます。
地元のラジオの、必ず定番で、そこの交差点が渋滞していますと出るぐらいの有名な交差点でございまして、本当に地元では誰も知らない人間がいないというぐらいの有名な交差点でございます。ここは、まだまだこれからも予算をつけて、しっかりとこの交差点の改良というものを続けなければ、この交差点の改良そのものもまだ終わっていませんから、目に見える形で見えてきたといっても、交差点改良そのものは手がついておりません。来年度の予算あるいは再来年度の予算においてでも、この道路への目配りというものをぜひ強く要望したいというふうに思うのが一点であります。
それと、もう一つは、もしお力添えをいただいたとして、その吉岡の交差点を通過した後の話なんですけれども、通過した後は、その先、まだ半分ぐらい北千葉拡幅の計画区間が残っております。その区間の中で、イオンショッピングセンターが、大型店舗がそこに進出してくる予定がございます。ですから、それは吉岡の交差点からすぐの地点ではなくて、少し離れた地点でございますので、この吉岡の交差点がまず一義的には手をつけなければならないんですけれども、ここが見通しがついた段階では、その先の工事の手をつけるポイントとしては、ぜひ柔軟な対応をしていただきたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○徳山政府参考人 先生御指摘の、国道五十一号の北千葉拡幅でございますけれども、全延長七・六キロのうち、既に千葉市側三・八キロは四車線の整備が完了しておりまして、残る四街道市側の三・八キロについて四車線整備を進めているところでございます。
御指摘のとおり、なかなか地元の御期待に沿えるような予算配分ができておりませんで、御迷惑をかけておりますけれども、限られた予算でなるべく早期に事業効果を発現しようということで、残りの三・八キロの中の、特に渋滞の著しい吉岡十字路交差点の前後六百メートル区間を先行的に、重点的に四車線化をするというやり方に切りかえまして、現在、用地買収及び改良工事を実施しております。
この一月末現在で、地元から大変御協力をいただきまして、用地買収も約六割を超えるところまで参りました。引き続き、関係機関と連携しながら、早期完成を目指してまいります。
また、その先に、今度はどの箇所を重点的に取り組んでいくかということにつきましては、先生おっしゃるようなショッピングセンターなり地元の御意見も伺いながら、柔軟に優先区間を決めながら効率的に進めてまいりたいと考えております。
○秋本分科員 ぜひよろしくお願いいたします。地元の首長さん初め、行政関係者あるいは地元の住民の方々からも、強い要望を私自身も頂戴しているところでございますし、柔軟な対応というものを期待しておりますので、よろしくお願い申し上げて、先に進みたいというふうに思います。
次も地元の道路なんですけれども、国道百二十六号線の宮田交差点についてお伺いをしたいというふうに思います。
これも実は昨年質問をさせていただきましたが、これは地元だからするというのもあるんですが、確かに地元の中でも特にひどいなと思う交差点形状でございまして、これは御認識いただいておるんだというふうに思います。
そして、前回の答弁では、近くに学校があるにもかかわらず毎年数件の事故が発生してしまう、そして、抜本的な対策としてはさらなる検討が必要だということを我々も認識しているという答弁を昨年頂戴いたしました。そして、今後は警察あるいは千葉県、千葉市など関係機関と調整をして、歩道の設置でありますとか、交差点の形状の改良でありますとか、必要な対策について検討をしてまいりたいという答弁を頂戴しております。
そして、前回こういう答弁を頂戴しましたので、私、地元に行ってこれを説明させていただきました。地元も大変熱い期待を抱いて、この交差点の改良というものを待っております。私も、一年たったので、一年たってどうなったんだということを聞かれるわけでございまして、改めて、この交差点の改良について、一年たったわけですから、どのような検討が進んで、今後どのような展開が予見できるのかということについてお答えいただければというふうに思います。
○徳山政府参考人 お答えを申し上げます。
先生御指摘の国道百二十六号宮田交差点につきましては、右折レーンが短く、慢性的な渋滞が発生しているほか、交通事故も毎年のように発生をしております。
また、この対策を難しくしておりますのは、先生十分御存じのことと思いますけれども、すぐこの交差点に近接して、主要地方道の浜野四街道長沼線という県道が交差しております。通称、中田町交差点と申しておりますけれども、この道路が非常に鋭角で合流をしておりまして、処理が非常に難しいということでございました。
昨年、先生から御指摘をいただきました後、現在、警察や千葉市などの関係機関と対策の会議を持ちまして、追突事故防止のための交差点のコンパクト化や追突注意の路面標示など、具体的な対策メニューを現在調整中でございます。調整が整い次第、対策を講じるように対応してまいりたいと考えております。
○秋本分科員 調整が整い次第ということでございますので、一年たって、少し昨年よりは前に進んだ答弁だということでうれしく思うのと同時に、ぜひその調整を早くしていただいて、実質的な事業が開始されることを本当に心からお願い申し上げますとともに期待しておりますので、楽しみにしております。
そして、最後の質問に移りますけれども、これは同じ道路の質問ですけれども、地元ではございません。地元ではないんですけれども、質問をさせていただきます。
お手元に資料を配付させていただきましたが、我が党の幹事長であります石破衆議院議員が地元に行ったときにどのような発言をしたかという記事でございます。
国道百十三号をもっとよくしなければならないと語り、国道百十三号新潟山形南部連絡道路の早期整備に前向きな姿勢を見せたと。石破氏は、日本海側の道路や鉄道整備が太平洋側と比べておくれていることを踏まえ、国道百十三号はもっとよくしなければならない、雪が降ったり災害が発生した場合は大変だ、早く全線を開通させなくてはならないと語ったという記事が出ておりまして、これは選挙前でございますので、選挙後に自民党は何かしてくれるんじゃないかということで大きく期待しているのが、地元の実際の心情だというふうに私自身も思っているところであります。
私は、昨年の四月に、この国道百十三号を実際に通って、道路そのものを見に行ったのもあるんですけれども、地元の沿線を視察してまいりました。それで思ったのは、やはりこの道路しかないんだな、本当に命をつなぐ道なんだなということを、私自身、実感したわけであります。これは書面で質問を出したわけではなくて、私、実際この百十三号に行ってきましたので、この地域の皆様方にとってはここは命を結ぶ道路なんだということを、本当に身にしみてよくわかったわけであります。
しかし、計画からかなり年数がたっているにもかかわらず、事業着手されていない箇所もあります。特に、新潟県の関川村から小国町を通過し、山形県の飯豊町までの間は、全国屈指の豪雪地帯で、急カーブ等も連続して、迂回路もない現状であるにもかかわらず、先ほど述べたとおり、計画決定後、数十年間にわたって事業が着手されないという状態が続いているわけでございます。
冒頭で述べました石破幹事長の発言もありますけれども、これはぜひ事業に一刻も早く着手していただきたいというふうに思うわけであります。幹事長が行って約束しているわけですから、友党の公明党の大臣にも、我が党の幹事長がこういうふうに地元にて発言をしたんだということをぜひ御理解いただいて、そして副大臣、政務官には、我が党の幹事長がこれだけの発言を地元に行ってしているんだということを踏まえて、この国道百十三号の今後の進捗をぜひ図っていただきたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○徳山政府参考人 この国道百十三号でございますけれども、新潟と山形県を結んでおります。実は、東日本大震災の際に、東北自動車道が一般車が走れなくなりました。結果的に、例えば新潟の港に揚げた物資を、この百十三号を通って、雪の中でございましたけれども、山形から仙台へと運ぶ貴重なルートになったわけでございます。震災の直前と直後で、この百十三号の交通量は一気に二・三倍になったというデータもございます。
そういうことを見てもわかるように、地域の数少ない幹線道路でございまして、国道百十三号の一般部だけではなくて、もう少し規格の高い新潟山形南部連絡道路という道路としてつないでいってほしいという期待があるわけでございます。
現在、新潟側で鷹ノ巣道路という一区間、それから、山形県側で梨郷道路と呼ばれる一区間を事業中でございまして、それぞれ用地買収と、そして既に工事の段階まで入ってきております。残る調査中区間のうち、新潟県の関川村金丸から山形県の小国町の間につきまして、現在、ルートの検討と環境基礎調査を実施しているところでございます。
二区間の事業中区間につきまして、早期開通に向けて全力で取り組みますとともに、調査中区間についても必要な調査を進めてまいります。
○秋本分科員 進めてまいるということですけれども、数十年間そのままでございますから、地元としては一刻も早い事業化というのを望んでおりますので、進めるということは本当に強くお願いを申し上げます。強靱化ということもありますし、防災・減災ニューディールということもございますので、ぜひ鋭意進めていただきますことをお願いしまして、質問を終わります。
ありがとうございました。
○石田主査 これにて秋本真利君の質疑は終了いたしました。
次に、今枝宗一郎君。
○今枝分科員 自民党の今枝宗一郎でございます。
質問の機会をいただき、また、夜遅くに御対応いただいておる皆様に心から感謝を申し上げたいと思います。
特に、大臣におかれましては、一日のお疲れのところ、大臣のふるさとでございます東三河に関連する質問ということでこの場にいていただきまして、心から感謝申し上げます。本当にありがとうございます。
さて、まず、先般の豪雪で亡くなられた皆様にお悔やみを、また被害に遭われた方にお見舞いを申し上げたいと思います。
私の地元の愛知県の豊根村、また東栄町でも被害が発生をいたしました。五日間にも及ぶ停電、道路の通行どめ、孤立集落も発生いたしました。今は復旧は進んでおりますけれども、今後はより早急な対応をしていただきたいというふうにお願いを申し上げます。
また、住宅にも大きな被害がありますし、農林業についても同様でございます。予期しないほどの除雪の費用、倒木による被害の復旧も、自治体にとって大きな負担でありますので、これまでの制度にとらわれることなく、枠を広げて、どうか格別の御配慮をいただきたいと思います。
さて、災害といえば、もう一つ、東日本大震災でございます。間もなく発災から三年となります。哀悼の誠とお見舞いを申し上げたいと思います。
私は、発災の数日後に、福島第一原発から約三十キロ、避難区域まさにぎりぎりのところにあります福島県のいわき市で、医者として診療のボランティアをさせていただいておりました。その際は、津波の被害も一番激しい、ひどい状況を直視いたしましたし、また、輸送路ができず支援物資が入ってこない、こういうまさに兵糧攻めとも言えるような状況も私自身経験をいたしました。
そういった思いの中で、防災・減災、中でもインフラ整備にやはり私はライフワークとして努力をしていきたい、こういう思いが強くなったところであります。
そういった中で、今後を考えますと、南海トラフ巨大地震のリスクにどう対応していくのか、こういった課題がございます。先ほど申し上げました輸送路の確保、これは命の道でありますし、特に、一本ではなく複数の輸送路の確保が非常に重要であります。
国道二十三号線につきまして、蒲郡バイパス東部区間は三月二十三日に開通をいたしますが、西部区間、残り約九キロが開通すれば全線開通となり、経済効果はもちろんでありますけれども、広域防災の観点から、やはり東海地方において非常に大きなプラスとなるはずであります。
全国でも最重要の道路として一日も早く全線開通が必要だと考えておりますが、この国道二十三号線全線開通についてどのようなお考えか、まず御認識をお聞かせいただきたいと思います。
○野上副大臣 御指摘の国道二十三号名豊道路でありますが、延長約七十三キロであります。これは、自動車産業の集積地であります三河地域と三河港等へアクセスをする大変重要な道路だというふうに認識をしております。
これまでに全体の約八割、約五十八キロですが、これが開通しておりまして、現在、未開通区間の豊川為当インターチェンジから幸田芦谷インターチェンジ間では、用地買収及び工事を推進しております。
今お話ありましたとおり、未開通区間のうち、蒲郡インターチェンジから幸田芦谷インターチェンジ間は、いよいよ平成二十六年の三月二十三日に開通を予定しておりまして、これによりまして、蒲郡市内の渋滞緩和に寄与することが期待されております。
また、残る豊川為当インターチェンジ―蒲郡インターチェンジ間、これは延長約九・一キロということでありますが、これにつきましては、平成二十五年の十月より本線工事に着手をしておりまして、引き続き、名豊道路全線の早期開通に向けて最大限努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○今枝分科員 重要性の御認識を大変強くお持ちいただいて、ありがとうございます。地元として、一日も早く、とにかく一日でも早く、この全線開通は心待ちとなっておりますし、私も、何としてでもなし遂げたい、こういった思いでございますので、特に大臣のお地元の近くでございますので、どうかよろしくお願いをしたいと思います。
さて、命の道という観点から、救急搬送用道路、これも重要であります。私は医師として救急医療にも携わっておりましたが、搬送時間、これはもちろんでありますけれども、整備された道とそうでない道、これは患者さんの予後に大きく影響すると感じております。それはすなわち、死亡率だけではなく、助かった後のADL、こういったものも考慮すると、今まで考えられていたよりも大きな影響を受けると感じております。
さらに、冒頭の豊根村また東栄町での豪雪とも関係いたしますが、災害時であればなおさらであります。三遠南信道を現在進めていただいておりますけれども、道は一つにつながって力を発揮するものであります。鳳来峡と東栄町の間の区間でありますけれども、ぜひとも、東栄―佐久間間との同時開通を目指して、一日も早く開通をお願いしたいというふうに思っております。
また、道路整備は、県事業も数多くございます。私の地元でも、国道百五十一号線や二百四十七号線、四百七十三号線、東三河環状線、清岳新城線、また大塚金野線、国府赤根線、北設井桁道路、こうやって挙げていけば切りがないわけでございますけれども、いずれも、命の道、防災という意味でも、安倍総理が今回所信表明演説でおっしゃられた、ことしの安倍内閣は地方の活性化が最重要である、このような観点からも重要であるというふうに思います。
自治体との連携の中で、県事業の必要なこういった道路をどのような決意で進めていかれますでしょうか。また、三遠南信道の整備とあわせてお答えをいただければと思います。お願いします。
○野上副大臣 東三河地域は、沿岸部は南海トラフ巨大地震による甚大な津波被害が予想されますし、山間部の方は非常に狭隘になっておりますので、災害時の輸送ですとか、あるいは先生御指摘のありました救急搬送において極めて脆弱な地域であるというふうに思っております。
このような状況において、今お話のありました三遠南信自動車道、それから国道百五十一号、二百四十七号の整備というのは、災害時の緊急輸送路もそうですし、高次医療施設への速達性ということを確保する上でも大きな役割を果たすものというふうに考えております。
具体的には、三遠南信自動車道、これは約百キロでありますが、全体の約三割が開通をしておりまして、現在、飯喬道路、青崩峠道路、佐久間道路・三遠道路の三区間で事業を推進しております。
事業中区間では、現在、調査設計、用地買収及び工事を推進しておりまして、このうち、飯喬道路の龍江インターチェンジ―飯田東インターチェンジ、延長三・四キロでありますが、これは平成二十九年度に、それから佐久間道路・三遠道路の佐久間インターチェンジ―東栄インターチェンジ間は平成三十年度の開通を予定いたしております。
それから、国道百五十一号と二百四十七号ですが、現在、愛知県におきまして事業中でありまして、国道百五十一号については太和金トンネル、一宮バイパス、新城バイパスの三区間、それから国道二百四十七号については中央バイパスで、社会資本整備総合交付金を活用して事業を推進しているところと聞いております。
いずれの路線におきましても、防災もそうですし、今先生からあった医療の観点からも重要な道路だというふうに認識をしておりまして、引き続き、早期開通に向けまして最大限努力してまいりたいというふうに思っております。
○今枝分科員 ありがとうございます。全力で推進していただけるということで、強くお願いを申し上げます。
特に、三遠南信道、これにおきましては、鳳来峡から東栄の間でありますけれども、池場坂という非常に難所がありまして、交通事故多発地帯であります。このような、雪の話もございますし、数字にはあらわれてこないような重要性があるところでありますので、同時開通について、どうか思いを受けとめていただきたいと思いますが、よろしくお願いを申し上げます。
そして、これは三遠南信全体としては、例えば豊橋浜松三ケ日道路というものもございますし、三遠南信地域全体として、道路整備を強くお願いしたいというふうに思います。
さて、先ほど少しお話ししましたが、南海トラフ巨大地震への対策ということでいえば、津波対策、これも最重要課題であります。津波の被害が想定をされる海岸線の総距離というのが約千九百五十キロと膨大な長さでありますが、海岸堤防も老朽化しているものも多く、老朽化対策、また、かさ上げ、耐震化、数多く課題がございます。
現在、海岸法の改正も検討されておりまして、一歩前進という意味では大変結構なことであるというふうに思っておるわけでございますけれども、やはり千九百五十キロという非常に長い海岸線を現実的にどのように守っていくのか、ぜひ解決策をお示しいただければというふうに思っております。
また、水門につきましても対応が必要だと思います。東日本大震災のときでは、閉めに行った消防団の方が五十九名も亡くなってしまう、こういう事態も発生をいたしました。彼らの思い、勇気、こういったものを無駄にするわけにはまいりません。
その中で、水門を閉めるガイドラインというものを策定していく、また現場に導入を進めていく、こういった流れはございまして、非常にすばらしいことであるというふうに感じておりますが、水門の自動化が進めば、より一層リスクが減っていくわけであります。
我が地元の蒲郡市でも、最新式の自動水門を導入したり、動きというのが着実に少しずつ進んでいるわけでございますけれども、こういった水門の自動化に対する支援、これは今後どのようにお考えになっておられますでしょうか。二問続けて御答弁いただければと思います。
○山縣政府参考人 お答えいたします。
平成二十四年八月の内閣府の公表では、南海トラフ地震によりまして、愛知県蒲郡市でも震度七、六メーターの津波が発生すると予想されてございます。被害額につきましては、全国で約二百二十兆円に及ぶということも公表されてございます。
このため、各自治体は、海岸堤防の耐震、老朽化対策や津波、防災・減災対策等につきまして、ハザードマップの作成などとあわせまして、ハード、ソフトを総合した取り組みをなされてございます。
国土交通省におきましては、平成二十六年度政府予算案におきまして、防災・安全交付金の対象事業として、新たに海岸保全施設の耐震調査、点検、それから維持管理計画の作成を追加しているところでございます。
次に、水門、陸閘についての御質問がございました。
管理運用に当たっては、ガイドラインに基づく安全かつ適切な操作を行うことに加えまして、ゲートの統廃合、常時閉鎖、さらには自動化、遠隔操作化を進めることが重要でございます。
御指摘のとおり、この自動化、遠隔操作化を推進していく上では、新技術の導入というのは、整備費用や維持管理費の削減という観点、あるいは停電時でも確実に操作を行うという観点からも重要でございます。
既に、蒲郡市の倉舞港では、窒素ガスを用いた新しい自動化システムを導入されてございますし、また、四国地方整備局におきまして、これは徳島県の撫養港でございますが、水位の上昇に合わせて自動的に起立をするフラップゲート式の陸閘の導入も検討を行っているところでございます。
今後も、新技術の導入を進めるために、海岸管理者による取り組みを支援してまいりたいと思ってございます。
以上です。
○今枝分科員 ありがとうございます。
ぜひ先々を見据えて対応を進めていただければというふうに考えております。
続きまして、港湾について質問をさせていただきます。
港湾についても、岸壁の整備、耐震化、液状化対策、こういった防災はもちろんでありますけれども、同時に、やはり地域の経済の中心という面からも総合的な整備が必要であります。
近年、国は、コンテナを中心とした国際戦略港湾への集中投資という部分がやはり見えてくる、流れがあるというふうに感じておりますけれども、地域にも、規模はそこまでではないかもしれませんけれども、非常にきらりと光る重要港湾がたくさんあります。
安倍総理の所信表明演説でも、地方が持つ大いなる可能性を開花させる、地方の活性化がことしの安倍内閣の最重要テーマであるというふうな発言もございますし、港湾整備を一層推進する必要があるかと考えております。
特に私の地元の蒲郡港におきましては、港湾計画でも三バースのマイナス十一メートル岸壁の整備を行うこととされております。来年供用開始となる一バースはもちろん全力でお取り組みをいただきたいというふうに思っておりますけれども、その先を見据えた、やはり三バースまできちんとやっていく、こういった整備が必要不可欠であると感じております。
こういった重要港湾の整備につきましては、いかがお考えでしょうか。
○太田国務大臣 地元ですから、ちょっとお話をさせていただきます。
先ほど三遠南信、名豊、そうした道路、新城のバイパスとかありましたが、愛知県全体においてはどうしても、東三河の道路というのが十分じゃありませんで、それがおくれていた状況だと思いますが、産業全体から見ますと、浜松とも結んで、豊橋、東三河、浜松と連携をとって、また、海というものに出るという戦略的な地域の開発が大事だというふうに思っています。
特に三河、蒲郡港におきましては、非常に特徴があって、外国の車が一番陸揚げをされて、ちょうど日本の真ん中に位置しますから、東へ西へ一番走れる、そうした状況にもございます。
コンテナの戦略港湾ということはもちろん強くしなくてはいけない。国が前面に出てということをやっておりますし、また、戦略的にバルク港湾という形で今取り組んでいるところでありますが、別の意味で、この蒲郡港、三河港におきましては、津波というものを避け得るだけの、伊良湖岬等がありますから、そういう意味では、貴重な地域であるというふうに思っておりまして、私が言うのもなんですが、ここは力を入れるべきところである。ふるさとというところとは違って、国全体のバランスの上からも大事であるというふうに私は思いますが、港湾局長も恐らくそういう気持ちだというふうに私は思っております。
○今枝分科員 大臣、ありがとうございます。期せずして、本当に大臣から温かいお言葉、力強いお言葉をいただきました。心から感謝を申し上げます。
こういった東三河全体、また三遠南信地域全体を考えたときにも、今お答えいただいたような、港の部分でもそうでありますし、幹線道路は本当に重要であります。特に二十三号線は、一番初めにも申し上げましたけれども、それがやはりつながらないことにはその力を十分発揮できませんので、今の力強いお言葉を胸に、私も地元の方から全力で努力をしていきたい、頑張ってまいりたいというふうに思っております。ありがとうございます。
さて、続きまして、先ほど少し、安倍総理の所信表明演説で、地方が持つ大いなる可能性というところをお話しさせていただきました。この観点でいいますと、スマートインターというのが非常に大きな力を発揮するというふうに感じております。
私の地元では、東名のパーキングエリアで、新城パーキングエリア、また赤塚パーキングエリアがございます。スマートインターは、既存のパーキングエリアにETCを取りつけて、これまでの地域経済を大きく変えていく可能性に満ちあふれております。例えば工業団地ができたり、人の流れ、物流が大きく変わる中で、まさにビジネスチャンスが大きく生まれてくる、このような状況だと思います。
そこで、このスマートインターについては、単純な、今までのようなBバイCの数字上の計算だけではわからない効果が多く出てくると思いますので、やはり総合的に検討していく、こういった必要があるというふうに考えますが、このスマートインターの整備についていかがお考えか、御答弁を求めます。
○徳山政府参考人 先生御指摘のスマートインターチェンジでございますけれども、ETC専用とすることで、建設費も人件費も非常に安価にできるというアイデアから、十年前にスタートを切りまして、この十年間、今年度末見込みでいいますと七十カ所を開通させまして、なお五十九カ所で事業中でございます。地域からは非常に大きな期待をいただいております。
そして、この開通した七十カ所を見てみますと、周辺の交通渋滞の緩和あるいは高次医療機関までのアクセス時間の短縮、そして、周辺の工場や商業施設の誘致がかないまして雇用も創出しているというような、当初想定したものを超える副次的な、あるいは総合的な効果が出ているというふうに認識をしております。
二月十二日に、実は道路法の改正案を今国会に出させていただきましたけれども、この中で、スマートインターチェンジの高速道路側部分の補助制度も新設をして、さらにスマートインターチェンジを応援できるようなことを考えておりますけれども、これからの適地を選んでいく中におきましては、こうした今までに発現した大きな効果を念頭に、先生御指摘のとおり、地域の実情に合わせて、その整備を柔軟に進めてまいるようにいたしたいと思っております。
○今枝分科員 ありがとうございます。ぜひ、机上の数字ということだけではなくて、まさに総合的な判断のもとに進めていただいて、拡充をしていただく、このようなお願いであります。
続きまして、観光について質問をさせていただきたいと思います。
地域の経済成長、経済発展に、観光はとりわけ重要であると私は認識をしております。経済は人口に大きく依存するわけでありますけれども、日本全体が人口減少社会になり、また、地域、地方では、それが一層顕著であります。そこで、やはり定住人口だけに注目をするわけではなく、交流人口をふやすことがまさに一つの大きな活路である、このように感じております。
そういった流れの中で、国交省におかれましては、ようこそジャパンプロジェクトで、昨年は訪日外国人が一千万人を突破する。さらに、二〇二〇年には二千万人を目指してふやしていく、こういったこともされております。
しかし、訪日外国人も含めて、やはり観光資源、どのようなところで楽しんでいただくのか、このような観光資源をしっかりと育てて、どの地域に行くのかも含めて地域の観光資源を伸ばしていく、これが非常に重要ではないかと感じております。中でも、やはり着地型観光は、地域の観光資源を生み、育み、そして実際に活用できるものにしていく、こういった観光政策こそ求められていると感じております。
例えば、地元の食文化と地元の農作物、海産物をうまく組み合わせていく。B級グルメなども今は注目をされておりますし、史跡や文化財、こういったものを活用していくことも重要であります。
こういった事業は農水省、文化庁さんも努力をいただいておるわけでありますけれども、最近は観光庁さんとの連携、こういった文観連携であるとか農観連携も進めていただいております。これは大きな一歩であるというふうに感じております。
しかし、やはり観光のプロとして観光庁さんに、商品化、パッケージ化、PRも含めて、この事業を一層強化していくといった必要があると考えますが、いかがでございましょうか。御答弁をよろしくお願いいたします。
○久保政府参考人 訪日外国人の方のみならず、国内の観光も含めまして、観光立国の取り組みを進めていくに当たりましては、地域の観光地としての魅力を向上させることが不可欠です。
その場合、先生御指摘のように、既存のいろいろな施設も含めて、地域の食、自然、歴史、文化というような幅広い資源を生かして旅行商品をつくっていくということが地域の魅力向上につながります。
私ども観光庁におきましても、専門家の派遣だとか地域の勉強会の開催ということで、地域と一体となって旅行商品の造成、旅行商品をつくっていくということを促進してまいりました。
さらには、その旅行商品化の取り組みを続けないといけませんので、自立的、継続的なものとするよう、ビジネスモデルの構築の支援にも取り組んでいます。
今後とも、そういった地域の魅力を生かした観光資源の取り組みを、農水省さんあるいは文化庁さんとの連携も強化した上で取り組んでいきたいというふうに思っております。
以上です。
○太田国務大臣 私が子供のころから、あの地域は、どちらかといいますと商業都市というふうに豊橋なんかは言われて、どうしても名古屋とか、いわゆる尾張地方からは、我々の地域の方が、東三河の方がおくれがちになっていたというふうに思います。
私が今思いますのは、全国を回ってみても、農業が非常に盛んで、果樹、ミカンとか柿、メロンももちろんあります。農業も盛んであり、商業も昔ながら盛んであり、そして、自動車産業を初めとして工業というものもあるという、非常にバランスのとれた地域に今なっているというふうに思います。もっともっとそこを活性化させるという大変なポテンシャルを持った地域だというふうに私は思っております。
伊勢の方から愛知県を通って、そして、昇龍道ということで、最後は頭が能登半島というようなルートで海外の人の観光の誘客ということをやっているんですが、そこで見るものがあるのか、そして食べ物というのがあるか、買い物ができるか。買い物と見るものと食べ物、この三つのものがそろっていて初めて観光誘客ということができるんだというふうに思います。
ちょっとまだパワー不足というふうに思います。文化とかお祭りという話がありましたが、鬼祭りとか手筒とか、山本寛斎さんが手筒を使って、北海道で行われたサミットでやったというふうなこともあったりいたしますけれども、さらにブラッシュアップして、地域の観光ということについて、ブランドの発信力、ブランド自体を磨く、パワーのあるものにするということが私は大事なことだと思いますので、地域の人にさらに一層御努力をいただければ、バックアップできるものは相当バックアップできるのではないかというふうに思っているところです。
○今枝分科員 大臣、ありがとうございます。本当に温かいお言葉であります。
実は、今まさに食と観光というところで東三河は非常に頑張っておりまして、例えば豊川におきましては、昨年、B―1グランプリの全国大会を開かせていただきました。また、蒲郡においては、ことし、うどんサミットの全国大会というのをやりまして、新しい名物が今どんどんできてきております。
こういったやはり食べるもの、こういったものに非常に今強みを持っております。もともと農業も強い地域でございますので、ぜひともそういった観点からも努力をしていきたいというふうに思うわけでございますが、ぜひ、ことしのうどんサミット全国大会にお越しいただければ、帰郷もかねてお願いしたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。ぜひ御検討いただきたいと思います。
さて、こういった観光をやっていく上で、やはり地域の観光資源、また大型のリゾート施設というものもその一つであるというふうに思います。我が地元でもラグーナがございます。しかし一方で、このリゾート施設、非常に苦境に立たされております。しかし、これをやはり生かさない手はないというふうに思いますので、これからの再生の動きに関しては、ぜひとも特段の配慮や御支援をお願いしたいというふうに思います。
また、旅館やホテルといった宿泊施設という意味でも、非常に重要な観光基盤とも言えるものであるというふうに思います。
昨年、通常国会で、耐震化改修促進法が成立をし、大規模建築物の耐震診断の義務づけと結果の公表が決まったわけでございます。耐震化の促進ももちろん重要でありますけれども、観光基盤の支援という観点からもぜひ丁寧な対応をお願いしたいというふうに思っております。
最後になりますけれども、地域の公共交通につきまして質問をいたします。
人口減少で地域の公共交通の需要は変化をし、鉄道路線、またバス路線は苦境に立たされているところも数多くございます。一方で、高齢化によりまして、公共交通の重要性はやはり一層高まっております。
そのような中で、昨年、交通基本法が成立をし、地域の公共交通を再構築していこう、こういった流れができました。まずは、この公共交通のネットワークを再構築する計画の策定支援をしていくというところが流れかというふうに思っておりますけれども、将来的には、この計画に基づく取り組み、これ自体についてもぜひとも支援をしていく必要があるのではないかというふうに感じております。
中でも、鉄道については、コストの観点から、大量輸送のみというような発想があるかというふうに思いますけれども、鉄道がなくなると、沿線の高齢者の方は、バスの代替があったとしても、やはりなかなか外出をしない、こういった方も、あるデータによれば二割もふえてしまうというようなデータもございますし、こういったことが、ある意味、引きこもり、要介護度の悪化、医療費、介護費の上昇となってしまって、これは鉄道のコストよりもより一層大きくなってしまうようなリスクもあるというふうに思っております。
これまで鉄道支援というと、上下分離、また車両への支援という部分であったというふうに考えておりますけれども、鉄道もバスなどを組み合わせて地域の交通計画全体としてやはり支援をしていくべきだというふうに感じておりますが、いかがでしょうか。御答弁をお願いします。
○西脇政府参考人 お答えいたします。
今御指摘のとおり、地域の公共交通は利用者の減少が進んで、交通事業者は非常に厳しい経営となっております。そうした中で、地域の公共交通の確保が非常に重要な課題だということは、認識は全く同じでございます。
今御指摘ありました交通政策基本法が成立いたしました。その理念の具体化を図る第一歩として、今通常国会に地域公共交通活性化再生法の一部改正法案を提出いたしまして、地域公共交通ネットワークの再構築に向けた取り組みが本当に実効性のあるものになるような制度の構築を図ることとしております。
あわせて、財政面からの支援ということで、二十六年度政府予算案に、同法案に基づく計画の策定経費に対する支援制度を盛り込んでおりますが、当然でございますが、計画は、策定するだけではなくて、それに基づく取り組みを支援していくということが重要だと思っております。
これは法案が成立した暁ということになるわけでございますけれども、二十七年度の予算要求に向けましては、地域の意見もよく聞かなきゃいけないと思っておりますけれども、ふさわしい支援のあり方につきまして検討を進めたいと考えております。その際には、委員御指摘の鉄道の維持、活性化という視点も含めて検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○今枝分科員 ありがとうございました。
最後の最後にもう一問と思ったんですが、もう時間でありますので、実は、設楽ダムについて、昨年、豊川流域は水不足で非常に大変でありました。ぎりぎりの状況でありました。再検証もゴーサインが出て、さらに知事もお認めいただきましたので、どうかそれを全力で推進していただくことを最後にお願いといたしまして、質問を終わらせていただきます。本当にありがとうございました。
○石田主査 これにて今枝宗一郎君の質疑は終了いたしました。
以上をもちまして本分科会の審査は全て終了いたしました。
この際、一言御挨拶を申し上げます。
分科員各位の御協力によりまして、本分科会の議事を滞りなく終了することができました。ここに厚く御礼を申し上げます。
これにて散会いたします。
午後八時五十五分散会