櫻井よしこさんが『週刊新潮』(11月7日号)の名物コラム「日本ルネッサンス」で石破茂首相を完膚なきまでに批判。
今週の週刊誌では、これ一本読めば十分だ。
まず10月28日、大敗北後の会見。
<石破氏は大敗北のおよそ全ての原因を「政治とカネ」問題に帰した。必要以上に丁寧な言葉遣いで氏は語る。それをよく聞くと、石破氏が本質的に「巧言令色鮮(すくな)し仁」の人だと思えてくる>
「国民の皆様方から極めて厳しいご審判をいただいた」「国民の皆様方からご叱責をたまわった」
ぼく自身、見ていてテレビのスイッチを切りたくなった。
ある記者が惨敗した石破氏に来年夏の参院選の顔になる資格があるのかと、問うた。
<回答がふるっていた。「真摯に誠実に」「謙虚に誠実に」「国民の皆様方がどのように受け止められているのか」「国民の皆様のお気持ちに沿って」(以下略)>
<石破氏は会見で、賃上げなどこれから実現する政策について延々と語り続けた。続投の意思表示だ。来年の参院選挙も自分の手で行うつもりなのだ。これを厚顔無恥という>
で櫻井さんの結論。
<氏のだらしない佇(たたず)まい。総裁選の時はもとより、首相になってからも聞く者をウンザリさせるその時々で変わる発言。批判されるや即反応して世論に従う信念のなさ。こんなことでトランプ、プーチン、習近平各氏らと渡り合えるとは到底、思えない。リーダーが最も忌避しなければならない資質ばかりが目立つのが石破氏だ>
一読、胸のつかえが下りた。
これまでさんざん石破氏を持ち上げてきた『サンデー毎日』(11月10・17日号)、この事態をどう扱うのか。
石破氏のヨイショ本を出した倉重篤郎元毎日新聞論説委員長が山崎拓元自民党副総裁にインタビュー。
首相としての必要条件は優れた頭脳、胆力、相手を圧倒するオーラで、<石破氏は少なくとも頭脳と胆力を備え、首相になれば外国首脳を圧倒するオーラが出てくると思った>。
まだヨイショかい。
(月刊『Hanada』編集長)