廃線となったJR三江線の旧口羽駅(島根県邑南町下口羽)と旧宇都井駅(同町宇都井)を鉄道資産として活用した「三江線鉄道公園」が1日、開園した。町関係者が、列車往来の跡を残す駅舎や線路を観光資源として生かし、沿線地域の活性化に取り組むことを誓った。
JR西日本から資産の無償譲渡を受けた町が、地上20メートルにホームがある旧宇都井駅などの安全対策を実施。地元のNPO法人・江の川鉄道(日高弘之理事長)が、口羽駅周辺の約1・2キロ、宇都井駅周辺の約1・3キロを公園として維持保存しながら運営する。
開放した駅舎や線路を歩いて景色を楽しんでもらうほか、休日にはトロッコ型車両の乗車イベントも企画するという。
1日は現地で記念式典があり、関係者70人が出席し開園を祝った。石橋良治町長は「廃線から3年たったが、このような日が来るとは想像していなかった。地域の皆さんが頑張ってきたおかげで今日を迎えられた」とあいさつ。
日高理事長(80)は「一歩ずつ前進しながら、充実した鉄道公園にしていきたい」と決意を述べた。
(糸賀淳也)