名古屋刀剣ワールド/名古屋刀剣博物館(名博メーハク)は、約500振の刀剣を所蔵する刀剣博物館です。設立母体の東建コーポレーション株式会社がCSR(企業の社会的責任)活動の一環として、名古屋市中区栄に開館中。運営は、一般財団法人「刀剣ワールド財団」です。
当館は、日本刀、甲冑、浮世絵を中心としたコレクションの展示を通して、日本の伝統工芸・伝統美術の保存・普及・発展、及び名古屋市の観光活性化に貢献します。また、名古屋市の「芸術と科学の杜 連携推進会議」に加入し、名古屋市美術館、名古屋市科学館など近隣施設との連携を強化すると共に、白川公園一帯の活性化にも参画して参ります。
名古屋刀剣ワールド/名古屋刀剣博物館(名博メーハク)が所蔵する刀剣は、作刀の地域や年代も様々。日本刀作刀の「五箇伝」と呼ばれる「大和伝」(奈良県)、「山城伝」(京都府)、「備前伝」(岡山県)、「相州伝」(神奈川県)、「美濃伝」(岐阜県)を網羅し、平安時代末期の古刀から新刀、新々刀、そして現代刀まで幅広く揃えております。コレクションの中には、国宝や重要文化財・重要美術品に指定された美術品も数多く展示されています。国宝である「短刀 有楽来国光」は、山城伝の刀工「来国光」による作刀。織田信長の末弟で、茶人としても知られる「織田有楽斎/織田長益」が所用していたとされる名刀です。
この有楽来国光をはじめ、価値の高い美術品の収集・展示を通して、日本の文化遺産を散逸させずに後世へ伝えていくことを当館の使命としています。
当館の主な収蔵品目
構造 | |
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建築面積 | |
延床面積 | |
設計 | |
施工 | |
北館 | 本館 |
鉄骨造7階建て | RC造28階建てのうち1~3階部分 |
314.76m2 (95.38坪) | 1679.75m2 (509.02坪) |
1974.26m2 (597.21坪) | 3074.86m2 (930.14坪) |
計5049.12m2 (1527.35坪) | |
左右田鑑穂建築デザイン研究室 | 株式会社日本設計 |
東建コーポレーション株式会社/清水建設株式会社 |
名古屋刀剣ワールドの空調について
当館の空調設備は、全熱交換機を導入し、換気量、熱交換率ともに国が推奨する「高機能換気設備」の基準をすべて満たしております。この高機能換気設備を当館では全フロアに配置、24時間稼働を行なうことで、新型コロナウィルスの感染予防・拡散防止、及び感染リスクの低減を図っております。
北館のデザインは、伝統的な日本家屋に用いられる木戸門をイメージしました。本館とも共通する特徴的な円窓は、ホテル型高級賃貸マンションとしてだけではなく、博物館としても目を引き、ランドマークにふさわしい斬新なデザインです。
東建コーポレーション株式会社の建築技術顧問を務められた黒川紀章氏がデザインを構想した栄タワーヒルズ本館との統一感を生み出すために、北館の屋上には本館と同じくファーリング(冠状の装飾)を設けています。
内装には、甲冑や拵にみられる勝ち色(青)、赤、金をカラーコンセプトに用いて高級感を演出。随所に使用している金属系カラーは日本刀をイメージしたもの。アクセントには日本の伝統色を採用しています。
また、格子天井、欄間彫刻など各所に職人の技を盛り込みました。展示室に入ると目に入る格子天井は、花柄をメインに天女や鳳凰をあしらい、厳かで華やかな雰囲気。格子天井はフロアごとに趣を変えており、階を進むごとに豪華になります。
展示だけでなく内装にも工夫を凝らすことで、館内余すところなく楽しめる空間づくりを目指しました。
2016年11月 | 栄タワーヒルズ(名古屋刀剣ワールド/名古屋刀剣博物館(名博メーハク)別館) 着工 |
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2019年4月 | 栄タワーヒルズ 完工 |
2019年12月 | 名古屋刀剣ワールド/名古屋刀剣博物館(名博メーハク)本館 着工 |
2020年4月 | 名古屋刀剣ワールド/名古屋刀剣博物館(名博メーハク)本館 完工 |
2024年5月 | 名古屋刀剣ワールド/名古屋刀剣博物館(名博メーハク) 開館 |
名古屋刀剣ワールド/名古屋刀剣博物館(名博メーハク)は、国宝や重要文化財・重要美術品をはじめ、約500振の刀剣を所蔵する日本刀博物館です。
名刀の条件として「折れず・曲がらず・よく切れる」という3つの要素がよく挙げられますが、その一方で日本刀は「鉄のダイヤモンド」とも評されており、古来より美術品として大切に保存されてきました。神社では御神体として祀られることも多く、日本刀は単なる武器ではなく、日本の貴重な文化遺産そのものであると言えます。
こうした美術品としての日本刀を、収集・保存・展示し、後世に伝えていくことを目的として、名古屋刀剣ワールド/名古屋刀剣博物館(名博メーハク)、及び一般財団法人「刀剣ワールド財団」を設立いたしました。
尾張三英傑の「織田信長」、「豊臣秀吉」、「徳川家康」が愛刀家であったように、刀剣は数多くの武将や大名に所持され、愛されてきました。
当館では名家・著名人が所持してきた日本刀を多数所蔵しておりますので、刀を鑑賞する際には、日本刀の美とともに、古来先人から受け継がれてきた日本刀の歴史も学んでいただきたいと思います。
また、日本刀だけでなく、甲冑・火縄銃・弓矢・陣笠・陣羽織など、日本の武家社会で使用されてきた数々の武具も揃えております。合戦や武将が描かれた浮世絵(武者絵)も多数展示しておりますので、武具がどのように使われたのかを見て知ることもできます。
そして、当館はマルチメディアを活用した「バーチャル刀剣博物館」として美術品の情報をネット配信(刀剣ワールド/刀剣ワールド名古屋・丸の内/刀剣・甲冑博物館(東建本社)/刀剣ワールド桑名・多度/刀剣ワールド城)すると共に、デジタル機器によるアトラクションや、インタラクティブ映像を導入しており、目や耳で楽しめる体験型の展示もございます。
大人から子どもまで、誰もが気軽に刀剣に触れ合える場所づくりを目指すと共に、地元名古屋の観光振興と刀剣業界の発展に寄与すべく努力して参りますので、末永くご支援・ご指導を賜りますようお願い申し上げます。