崇仁親王妃百合子殿下には、令和6年11月15日午前6時32分、聖路加国際病院において、薨去されました。
崇仁親王殿下は、平成28年10月27日、聖路加国際病院において、御年100歳をもって薨去されました。
戦後、東京大学文学部研究生として「古代オリエント史」を専攻された殿下は、昭和29年に創設された(社)日本オリエント学会に参加され、また、昭和50年には三鷹市に設立された(財)中近東文化センターの総裁となられ、平成17年7月から名誉総裁に就任されていました。
殿下は、昭和30年以降、東京女子大学や青山学院大学などの講師として「古代オリエント史」を講義され、また、昭和60年度から平成14年度まで、東京芸術大学美術学部の客員教授として特別講義をされました。
その間、公式訪問、学術的国際会議への参加および史跡調査のため約30回外国に旅行されています。平成3年11月には、フランスの「碑文・文芸アカデミー」の外国人会員に、平成6年6月には、ロンドン大学の「東洋・アフリカ研究学院」の名誉会員に就任されていました。
また殿下は、戦後の混乱を収拾し、平和な文化国家を育成するためには、レクリエーションやスポーツが大切であることを痛感され、全国各地を廻られてその発展に大いに寄与されました。
妃殿下は、殿下の海外ご旅行には常に同行されて諸外国との友好親善に努められ、史跡調査に当たっては、映画やスライド撮影により殿下のご講義の資料収集に内助の功を発揮されました。
昭和23年に、恩賜財団母子愛育会の総裁に就任され、東京や地方における各種行事にご出席になり、母子保健に従事する人たちからのお話をお聞きになり、関係者を励まされていましたが、平成22年9月総裁を辞任されました。
令和5年6月4日に、100歳をお迎えになりました。
現在は、人々の幸せを祈念しつつ、また、孫や曾孫の成長を楽しまれながら、お健やかにお過ごしになっています。
寬仁親王殿下は、平成24年6月6日、公益財団法人佐々木研究所附属杏雲堂病院において、御年66歳をもって薨去されました。
殿下は、障害者福祉・スポーツ振興・青少年育成・国際親善を軸に幅広い活動を続けておられました。
特に、心身に障害を持つ者がスキー・ボウリング・ダンス・マラソン等のスポーツを通じて自立し、社会参加の出来るように自ら指導に当たられたほか、筋ジストロフィー等の難病者や重度障害者の自立のための施設の建設・運営管理にも積極的に取り組まれ、障害を持つ者も持たない者も、「共に生きる」社会基盤づくりのため、啓発・実践両面の活動を続けておられ、7冊の著作を始め全国各地での講演や新聞・雑誌等への著述もなさっていました。
妃殿下は、昭和30年(1955年)4月9日、故麻生太賀吉(あそうたかきち)氏の第三女子としてご誕生になられました。聖心女学院を経て、英国ロスリンハウス・コレッジをご卒業後、昭和55年11月7日、故寬仁親王殿下とご結婚、お子様は彬子女王殿下と瑶子女王殿下のお二人がいらっしゃいます。
妃殿下は、日本赤十字社名誉副総裁として、日本赤十字の活動に尽力されているほか、公益社団法人東京慈恵会総裁、公益財団法人日本ばら会名誉総裁、一般社団法人日本童謡学会名誉総裁、公益社団法人全国ビルメンテナンス協会名誉総裁、公益社団法人女性の健康とメノポーズ協会名誉総裁、国際柔道連盟アンバサダーとして、各分野の普及・発展に尽力されています。
また、「特定非営利活動法人NSCAジャパン(NSCA:National Strength and Conditioning Association)」においてはスポーツ振興に寄与されています。さらには、「一般社団法人プリンセスNプロジェクト」や「AJU自立の家後援会(AJU:「愛の実行運動」の頭文字を略称としたもの)」等の団体を通じ復興支援、障害者福祉、食育の普及や青少年育成など幅広い分野でご活動されています。「公益社団法人女性の健康とメノポーズ協会」においては、同協会認定「女性の健康相談対話士」の有資格者として、更年期の様々な症状に悩む全国の女性から寄せられる電話相談をお受けになっておられます。
妃殿下は、現在の天皇陛下が皇太子殿下であられた際の行啓の一つである担い手サミットをお受け継ぎになりました。農業経営の発展と地域農業の振興を目的に、全国の農業の担い手が集まり交流や意見交換を行う場として、一般社団法人全国農業会議所が主催している「全国農業担い手サミット」へのご臨席を通じて、我が国の農業の発展に貢献されています。
妃殿下は料理にも強いご関心をお持ちで、『四季の家庭料理』(光文社)、『思い出の先にはいつも家庭料理』(マガジンハウス)、の2冊のレシピブックを出版されています。これらのご著書においては、被災地である福島県等の生産者の方々への思いやりのお気持ちを綴られています。
平成4年12月、両殿下は、ニューヨーク・メディカル・コレッジに新設される癌病棟の支援のため訪米され、慈善舞踏会で基調講演をされました。また、平成6年5月、ハワイ州においてクアキニ病院改築の際にも慈善晩餐会で同様の協力をされました。
平成6年2月、両殿下は第17回冬季オリンピック競技会・リレハンメル大会閉会式及び各種競技をご覧のためノルウェー国を公式訪問されました。
平成6年7月、妃殿下は、桂宮殿下が実行委員長を務められたシドニー市の王立視聴覚障害児研究所支援のためオーストラリアを訪問され、寬仁親王殿下が4年越しで計画された在留邦人のボランティア精神に基づいた手づくりの慈善舞踏会に臨まれました。
平成10年5月、両殿下はトルコ政府からのご招待によりトルコ・日本基金文化センター開所式典(オープニングセレモニー、レセプション)及び政府主催の歓迎式典、大統領主催夕食会にご臨席のため同国を公式訪問されました。
平成15年7月、妃殿下は日本ばら会名誉総裁のお立場で、英国グラスゴー市において開催された「世界バラ会議」及び関係行事にご出席されました。
平成15年4月、殿下と彬子女王殿下は、視覚障害者のためのクロスカントリースキー世界選手権「リッデレンネ40周年大会」のためにノルウェーを訪問され、国王妃ソニア陛下とともに大会に出席されました。
平成13年1月、殿下は、(財)中近東文化センターアナトリア考古学研究所建設募金委員会を設立され、国内での募金活動のかたわら、平成14年10月、15年6月、同年10月には、200名を超える協賛者を3回に分けて、「トルコ共和国遺跡巡りの旅」を計画され、自ら総指揮を執り、同国を訪問されました。このうち、平成15年6月の回には、彬子女王殿下もご一緒になりました。
平成29年11月、妃殿下は、オランダ国アムステルダム市において開催された国際青年会議所世界会議アムステルダム大会にご出席になりました。
平成30年9月、妃殿下は、イタリア国ミラノ市において開催された「伊日研究学会2018年年次総会」開会式にご臨席になりました。
令和2年2月、妃殿下は、国際柔道連盟からの招待により、国際柔道連盟アンバサダーのお立場で、グランドスラム・パリ柔道大会をご視察のためフランス国をご訪問になりました。
令和5年8月、妃殿下は、国際柔道連盟からの招待により、国際柔道連盟アンバサダーのお立場で、ワールドマスターズ・ハンガリー大会をご視察のため、ハンガリー国をご訪問になりました。
彬子女王殿下は、平成10年7月、三笠宮殿下が名誉発掘隊長を務められていた(財)中近東文化センターのカマン・カレホユックの遺跡ご視察のため初めてトルコを訪問され、トルコ国内の数々の重要な遺跡を視察されました。
平成16年10月、英国オックスフォード大学マートン・コレッジにご留学、日本美術史を専攻され、平成22年1月、哲学博士の学位取得が決定し帰国されました。
平成22年7月、寬仁親王殿下が、(財)中近東文化センターアナトリア考古学研究所建設募金の成果としてトルコでカマン・カレホユック考古学博物館が落成するのに合わせ計画された「アナトリア考古学研究所カマン・カレホユック考古学博物館落成式の旅」にご一緒になりました。
平成25年9月、チリ政府からの招待により、同国を公式にご訪問になりました。また、お立ち寄りになったアルゼンチンでは、東日本大震災復興支援の感謝行事にご臨席になったほか、IOC委員とのご懇談の場において、IOCによるスポーツを通じた震災復興への感謝を表明され、友好親善を深められました。
平成30年9月、三笠宮記念財団総裁推戴式典へご臨席になるとともに、エルドアン大統領閣下主催の午餐会へご臨席になり、カマン・カレホユックの発掘現場をご視察のため、トルコをご旅行になりました。
令和5年9月、日本ラグビーフットボール協会名誉総裁として「ラグビーワールドカップ2023フランス大会」をご視察のため、また、チューリッヒ大学における日本美術に関する基調講演のため、フランス及びスイスをご訪問になりました。
平成21年から平成24年3月まで、立命館大学衣笠総合研究機構にポストドクトラルフェロー、同年4月から平成26年3月まで特別招聘准教授としてご勤務になり、平成27年4月より京都産業大学日本文化研究所に研究員・平成30年4月から特別教授としてご勤務になっています。
瑶子女王殿下は、平成18年12月から平成24年11月まで、日本赤十字社にご勤務になりました。
寬仁親王殿下が活動された、障害者福祉・スポーツ振興・青少年育成のご意志を引き継がれ、ご活動を続けておられます。
社会福祉法人友愛十字会の総裁として、関連行事にご臨席になるとともに、寬仁親王殿下のご提案により始められた、身体に障害を持つ人や高齢者も参加する「合同運動会」においては、大会実行委員長をお務めになり、大会の準備から当日の運営までご尽力になっています。
また、寬仁親王殿下が総裁をお務めになった社会福祉法人ありのまま舎が、障害を持つ人々が社会の中で自ら切り開いて自立生活を営み、さらにより高い理想を掲げて生きようとする活動を支援するために行う「ありのまま自立大賞」の顕彰に当たっては、選考委員長をお務めになり、各候補者の元まで出向かれて直接お話をお聞きになるなど、多くの福祉の現場においてご活動になっています。
令和元年12月、ミャンマー国最高顧問からのお招きにより、外国事情をご視察のため同国をご旅行になりました。
彬子女王殿下、瑶子女王殿下はそれぞれ平成13年12月、平成15年10月ご成年をお迎えになり、宮中の行事にご参列になっています。
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