兵庫県加古川市で2007年、小学2年の女児=当時(7)=が刺殺された事件で、神戸地検は11日、殺人容疑で逮捕された勝田州彦容疑者(45)の刑事責任能力を調べるため、鑑定留置を始めたと明らかにした。期間は来年3月14日まで。同容疑者は、同県たつの市で06年にあった女児刺傷事件にも関与した疑いが持たれており、専門医が両事件の当時の精神状態などを詳しく調べる。
勝田容疑者は、06年9月にたつの市の路上で小学4年の女児=当時(9)=を刃物で刺したとして、先月7日に殺人未遂容疑で逮捕された。勾留期限の同27日にいったん釈放され、加古川市の事件で、女児を複数回刃物で刺して殺害した疑いで改めて逮捕された。
兵庫県警などによると、たつの市の事件について勝田容疑者は、刺した行為を認めつつ「殺すつもりはなかった」と話すなど一定の説明をしたとされる。一方で加古川市の事件は、逮捕前の任意の聴取で関与を認めていたが、逮捕後は「黙秘します」と話しているという。
地検は、事件に至る経緯なども踏まえ、鑑定留置の必要があると判断。この結果を基に、両事件について刑事責任能力の有無を見極め、起訴するかどうかを決める。