満州での過酷な体験を語る山下幸雄さん(右)と長男の文生さん=尼崎市東難波町2

 集団自決で両親ときょうだいを亡くした。当時12歳だったが、その場面は脳裏に焼きついている。「満蒙開拓団」として高橋村(現豊岡市但東町)から入植した山下幸雄さん(91)は、旧満州(中国東北部)で終戦を迎えた。直後に「地獄絵図」としか言いようのない経験をした。来年で終戦から80年。体調を崩しても、「体験を伝えるのが私の使命」と語り続けている。(池田大介)