2023年の群馬県内の山岳遭難について、県警は24日、前年比17件増の147件発生し、遭難者は23人増の159人に上り、共に統計を取り始めた1986年以降で最多だったと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大中に「3密」を避けたレジャーとして人気が高まり、「5類移行」で人の流れが再び活発化したことで、首都圏など県外の登山客が増えたようだ。死者は1人減の12人、負傷者は21人増の91人だった。

 地域課によると、直近ではこれまでに最多だった18年に132件153人となったが、19年に81件90人に減少。コロナ禍が始まった20年以降は4年連続で増えた。23年の遭難者のうち県外在住者の割合は82.4%(131人)で、前年より8.1ポイント上昇した。

 遭難者159人の山岳別は、谷川連峰が最多の35人。尾瀬24人、妙義山21人、武尊山11人、至仏山10人と続いた。年齢別は60~70代が74人で全体の46.5%を占め、最高齢は87歳だった。原因別では転倒が47人で最も多かった。滑落38人、道迷い27人、病気17人、疲労10人などの順。目的別は登山100人、ハイキング28人など。