スマートホーム製品はだいぶ普及してきたが、すると今度は日常のタスクを自動化したくなってくる。「時間になったら照明を点ける」「外出したらロボット掃除機を動かす」など、実現すれば便利な場面は多いだろう。
そんな自動化を手軽に行える方法の1つとして人感センサーがある。玄関やトイレなどで人感センサー付きのLED電球を使っている人もいるだろう。高度なスマートホームと言わないまでも、生活が便利になるのは確かだ。
ただ、人感センサーの多くは赤外線を使っており、センサーの範囲に人がいる、いないということしか検知できないものがほとんどだ。夜間照明として足元に設置した場合、ペットやロボット掃除機に反応してしまうということもある。
こうした問題を解決した「スマート人感センサーFP2」を、スマートホーム向けのIoT機器を手掛ける中国Aqaraが国内で発売した。価格は1万2980円(税込み)だ。今回はメーカーから借用した製品を使って、実際に何ができるのか紹介しよう。
Aqaraというメーカーは国内ではあまりなじみがない。しかし、グローバルではそれなりに名の知れたメーカーとなっている。IoT関連のニュースに注目しているなら、2024年のCESで発表された「Aqara Hub M3」(Matter対応)の話題を目にした人もいるはずだ。
同社は30以上のカテゴリーで1100以上のスマートデバイスを販売しており、日本では2024年2月からAmazon.co.jpを通じて一部製品の公式直販を開始している。
いずれもHomeKit対応のデバイスを数多く手掛けており、英国やオーストラリアなど16カ国ではApple Storeでも購入可能となっているという。
スマート人感センサーFP2(以下、FP2)は、名前の通り、人を検知するセンサーだ。似たような製品は山のようにあるのだが、FP2は日本市場では初めてミリ波レーダーを使用しているのが特徴になっている。
これにより、1台だけで最大40m2の部屋を監視し、最大5人を同時に検知できるとしている(ただし、最大3人までが最良の結果が得られるという)。単に人を検知するだけでなく、転倒の検出や、(テスト版として)睡眠モニタリングも行える。
本体サイズは約64(幅)×64(奥行き)×29.5(高さ)mmとコンパクトだ。底面がマグネットになっており、磁石が付く壁面であればそのまま取り付けられる。両面テープの付いた金属プレートが付属する他、そのまま壁にねじ止めも可能だ。石こうボード用にアンカーも付属している。
2軸のヒンジにより若干の角度調整が可能となっている。基本的には壁面に垂直に取り付けるのが推奨されているが、高い位置にしか取り付けられない場合には若干下を向けるなどの微調整が可能だ。
なお、ヒンジ部分にはAppleのHomeKit向けのQRコードが記載されている。QRコードを読み取れば簡単にセットアップが終了する。
FP2は専用アプリの他、Google HomeやApple HomeKit、Amazon Alexaからも利用できる。Google Homeで利用する場合は手動登録が必要だ。この手の製品はネットワークや他社システムに接続するために専用のハブが必要なものも多いが、FP2はハブが不要で単独でも利用できる。
なお、残念ながらFP2はMatterに対応はしてない。これはMatterが人感センサーを規格化していないためだ。今後、Matterに人感センサーのサポートが追加された際には、FP2もMatter対応をするという。
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