五輪談合事件、電通など6社と7人を起訴 公取委の告発受け

A security member looks on before the opening ceremony of the Tokyo 2020 Olympic Games on July 23, 2021.

画像提供, Getty Images

東京2020オリンピック・パラリンピックの運営業務をめぐる入札談合事件で、日本の公正取引委員会は28日、広告最大手の電通など6社と関係者7人を、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで刑事告発した。これを受けて東京地検特捜部は同日、同法違反の罪で6社と7人を同罪で起訴した。

関係当局は数カ月にわたり、オリンピックとパラリンピックのイベント企画やスポンサー選定に絡み、汚職があった疑いについて調べを進めていた。

公取委の告発を受けて特捜部が起訴したのは、電通、博報堂DYホールディングス、東急エージェンシー、フジクリエイティブコーポレーション、セレスポ、セイムトゥーの6社。

NHKなど日本のメディアによると、大会組織委員会の元次長と6社の幹部ら計7人も起訴した。

公取委の奥村豪・第二特別審査長は「国民生活に広範な影響を及ぼす悪質かつ重大な事案に該当すると判断した」と述べた。

各社はBBCのコメント取材に、すぐには応じなかった。

電通、セレスポ、フジクリエイティブはすでに、経済産業省、外務省、文部科学省の発注事業の入札資格を9カ月間停止されている。

すでに大会組織委の元理事を起訴

一連の汚職事件では昨年、大会組織委員会の元理事で電通の幹部だった高橋治之被告が、東京オリンピック・パラリンピックの公式パートナーだったAOKIホールディングスから計5100万円の賄賂を受け取ったなどとして、受託収賄罪で起訴されている。高橋被告は起訴内容を否定している。

AOKIホールディングス側は前会長ら3人が贈賄罪で起訴されている。

東京は2013年、マドリード(スペイン)とイスタンブール(トルコ)を抑え、オリンピック・パラリンピックの開催地に選ばれた。