市営住宅は明け渡せ、でも…… 転居絡めた生活保護指導は「違法」

有料記事

大滝哲彰
[PR]

 東日本大震災で避難して大阪市営住宅に住む50代女性に対し、市が立ち退きを求めた訴訟の判決が22日、大阪地裁(山本拓裁判長)であった。地裁は立ち退きを命じた一方で、ステージ4のがんで身動きがとれなくなった女性に対し、転居の問題を絡めて生活保護の指導をしたのは「違法」だったと認定。市に5万5千円の賠償も命じた。

 女性は2011年3月、東京電力福島第一原発の事故を受けて関東から大阪に避難し、市営住宅に入居した。12月に生活保護を受け始め、16年にがんが発覚。17年3月末で使用期限が切れた後も転居を拒んだため、市が提訴した。

 判決は、一定の支援が必要な容体でも「転居ができない」と思わせるような医師の診断はなく、市はゴミの処分を申し出るなど「相応の配慮」をしてきたと指摘。立ち退かせても権利の乱用にはならず、女性は応じた上で期限が切れて以降の賃料を払うべきだとした。

 一方で、生活保護の継続に絡…

この記事は有料記事です。残り322文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません