【8月22日 AFP】ドーピング違反による出場停止により、東京五輪出場を逃した陸上女子短距離のシャカリ・リチャードソン(Sha'Carri Richardson、米国)が21日、米オレゴン州で行われた大会で復帰したものの、五輪で2大会連続となる100メートルと200メートルの2冠を達成したジャマイカのエレーン・トンプソンヘラ(Elaine Thompson-Herah)に完敗する結果となった。

 21日に行われたダイヤモンドリーグ(Diamond League 2021)今季第9戦のユージーン(Eugene)大会で、トンプソンヘラが歴代2位となる10秒54をマークして優勝したのに対し、リチャードソンは11秒14で大差の最下位に終わった。

 6月の米国選考会後の検査で大麻の陽性反応が出たため、東京五輪に出場できなかったリチャードソンにとって、今大会は五輪に出ていればどこまで行けたかを示すチャンスだったが、序盤から加速するトンプソンヘラに何メートルも離され、優勝争いに絡めないままフィニッシュした。その後の200メートルは棄権した。

 それでもリチャードソンは、大きな期待の集まった復帰戦で完敗した中でも強気な姿勢を崩さず、「復帰できて最高だった」と話し、「ここへ来て走るのが目的だった。1か月離れていて、いろいろなことに対応しなければならない状況だったから、自分に対する怒りはない」と続けた。

「これは一つのレースでしかなく、私が選手として終わったわけじゃない。自分の力はみんなが分かっている。私を有力選手から外したいなら好きにすればいいし、言いたいことを言えばいい。自分はまだまだこれからだ」

 ジャマイカのシェリー・アン・フレイザー・プライス(Shelly-Ann Fraser-Pryce)が10秒73で2位、シェリカ・ジャクソン(Shericka Jackson)が10秒76で3位と、100メートルの表彰台は東京五輪とまったく同じ順位と顔ぶれになった。200メートルはスイスのムジンガ・カンブンジ(Mujinga Kambundji)が優勝した。(c)AFP