Petit Brabancon初スタンディングライブ完遂、激しく濃密なステージで観客を圧倒した豊洲公演

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京(Vo / DIR EN GREYsukekiyo)、yukihiro(Dr / L'Arc-en-CielACID ANDROID)、ミヤ(G / MUCC)、antz(G / Tokyo Shoegazer)、高松浩史(B / The Novembers)によるPetit Brabanconが、1月28日に東京・チームスマイル・豊洲PITにて単独公演「Petit Brabancon EXPLODE -01-」を開催した。

「Petit Brabancon EXPLODE -01-」の様子。

「Petit Brabancon EXPLODE -01-」の様子。

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京(Vo / DIR EN GREY、sukekiyo)

京(Vo / DIR EN GREY、sukekiyo)[拡大]

コロナ禍に始動したPetit Brabanconにとって初のオールスタンディングライブとなったこの日のライブ。Depeche Mode、Nine Inch Nails、Girls Against Boysといったメンバーのルーツとも言えるアーティストたちの楽曲が、フロアに足を踏み入れた観客の耳を刺激していく。またステージには剥き出しの鉄骨が交差する巨大なオブジェが設置され、そこはかとなく物々しい空気を醸し出していた。

yukihiro(Dr / L'Arc-en-Ciel、ACID ANDROID)

yukihiro(Dr / L'Arc-en-Ciel、ACID ANDROID)[拡大]

毒々しさをはらんだ赤紫の照明にステージが染め上げられ、天井からスモークが激しく噴射する中、yukihiroを筆頭にメンバーが観客の前に姿を見せる。1人また1人とスタンバイするにつれて拍手は大きくなっていき、Petit Brabanconの首謀者・京が登場すると割れんばかりの拍手がフロアにこだました。京が「かかってこい!」と咆哮としたのを合図に、天井の上下からスパークラーが火花を上げ、紫のレーザー光線が場内を飛び交う。さながらクライマックスを彷彿とさせるド派手な演出の中で、5人は「Isolated spiral」でライブの口火を切った。yukihiroと高松が奏でる鈍器のように重くタイトなビートと、ミヤとantzが織りなす激しく唸るノイズ混じりのギターを背に、京は艶やかで獰猛な声を絡ませる。するとたちまちフロアはPetit Brabanconのダークかつ血沸き肉躍る音の世界に染め上げられた。

ミヤ(G / MUCC)

ミヤ(G / MUCC)[拡大]

それぞれの所属バンドやソロプロジェクトにおいても、ストイックなステージングに定評のあるメンバーたちだが、Petit Brabanconにおいてもそのスタンスは変わらず。楽器隊は一分の隙もないような複雑なアンサンブルを轟かせ、京は彼らが放つ爆音を全身に浴びながら絶唱し、オーディエンスを圧倒していく。終始息が詰まるような緊迫感が漂っているのかと言えば、そうではないのがPetit Brabanconの魅力。yukihiroの軽快なリズムで幕を開ける「OBEY」では、オーディエンスの体をダンサブルなサウンドで揺らし、聴く者の心を躍らせるだけでなく、身体性にも訴えかける側面を持ち合わせていることを証明した。また、インダストリアルなアプローチが光るバラード「come to a screaming halt」では、穏やかな空気が会場を包み込む場面も。京が刹那的な感情をにじませた声でゆったりと歌い上げる中、ステージの背景には大きく目をクローズアップした禍々しいビジュアルと歌詞とシンクロした文字が重なり、フロアには雪のようにスモークバブルが舞う。混沌としながらも美しさを感じさせる演出と、5人のエモーショナルなプレイの妙に観客は嘆息した。

antz(G / Tokyo Shoegazer)

antz(G / Tokyo Shoegazer)[拡大]

antz作曲の「主張に手を伸ばす修羅」「無秩序は無口と謳う」「非人間、独白に在らず」を続けざまにプレイしたのち、Petit Brabanconは「surely」と名付けられた新曲を初披露した。この曲はyukihiroの刻むソリッドな四つ打ちのビートと、スペイシーなトラックが融合したナンバー。yukihiroの真骨頂とも言えるニューウェイブサウンドに京は伸びのある歌声を重ね、Petit Brabanconの新たな世界を提示してみせた。

高松浩史(B / The Novembers)

高松浩史(B / The Novembers)[拡大]

ライブの後半戦に突入してからも、微塵の弛緩もないパフォーマンスを繰り広げるメンバーたち。「I kill myself」を皮切りに彼らは新曲「Miserable」を挟みつつ、メタル、パンク、オルタナティブロック、グランジなど各メンバーのルーツをふんだんに盛り込んだナンバーを全力でフロアに叩き込む。彼らの渾身のプレイに呼応するように、観客も拳を突き上げたり、ヘッドバンギングをしたりしながら会場を激しく揺らした。ラストナンバーの「Don't forget」が始まる前、京は「いけるか?」と何度も観客に問いかけ、「お前ら1つになれるのか? もっと噛み付いてこい!」と焚き付ける。その言葉に応えるようにフロアからはすさまじい熱気が立ち上り、1曲目の「Isolated spiral」と同様にステージの上下から火花が吹き出し、レーザー光線が場内を行き交う。“演出全部盛り”とも言える混沌としたシチュエーションの中で、フロントの4人は縦横無尽にステージを躍動し、yukihiroは激しいドラミングでそのプレイを後押しした。

「Petit Brabancon EXPLODE -01-」の様子。

「Petit Brabancon EXPLODE -01-」の様子。[拡大]

MCなし、1時間15分で全16曲をノンストップで繰り出すという濃密すぎるステージを届けたPetit Brabancon。メンバーが観客の前から去ると、会場両脇のビジョンに新作EPのリリースと全国ツアー「INDENTED BITE MARK」の開催を知らせる告知が。次なる展開に会場が沸き立つ中で、Petit Brabanconの2023年初ライブは終わりを告げた。

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Petit Brabancon「Petit Brabancon EXPLODE -01-」2023年1月28日 チームスマイル・豊洲PIT セットリスト

01. Isolated spiral
02. Ruin of Existence
03. 渇き
04. OBEY
05. A Praying Man
06. come to a screaming halt
07. 刻
08. 主張に手を伸ばす修羅
09. 無秩序は無口と謳う
10. 非人間、独白に在らず
11. surely
12. I kill myself
13. Pull the trigger
14. Miserable
15. 疑音
16. Don't forget

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撮影:尾形隆夫(尾形隆夫写真事務所) / 鳥居洋介/ Taka "nekoze photo"

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Petit Brabancon @PetitBra_staff

#PetitBrabancon 1/28豊洲PIT公演
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