ディズニー&ピクサーが贈る「バズ・ライトイヤー」が、全国で上映されている。同作は「トイ・ストーリー」シリーズに登場する少年アンディが大好きなおもちゃ、バズ・ライトイヤーの原点が明かされるファンタジーアドベンチャー。アンディにとって、バズは人生が変わるほど大好きな映画の主人公だった。そしてこのたび封切られた「バズ・ライトイヤー」こそ、その“映画”を描いた物語だ。
ナタリーではジャンルを横断した特集を展開しており、音楽ナタリーの第1回ではTHE RAMPAGE from EXILE TRIBEのRIKU、そして第2回となる映画ナタリーの特集には、グローバルボーイズグループINIのメンバー・池﨑理人が登場。幼い頃からおもちゃをコレクションするほど「トイ・ストーリー」シリーズが大好きで、「映画が公開されたらメンバーを誘って観に行こう」と考えていたという池﨑は、シリーズへの愛や「バズ・ライトイヤー」の魅力をたっぷり語ってくれた。
取材・文 / 秋葉萌実撮影 / 梁瀬玉実
「トイ・ストーリー」の世界すべてが大好き
──INIのファンクラブ内の日記で「トイ・ストーリー」への愛をつづっていたのを拝見して、今回お声掛けしました。もともと、このシリーズのどんなところに魅力を感じたのでしょうか?
昔から「トイ・ストーリー」の世界すべてが大好きなんです。物語が面白いのはもちろんあのアメリカらしい世界観に憧れて、アンディの部屋にあるものをそろえようとしたくらいハマっていました。特に最初の「トイ・ストーリー」は何度も繰り返し観てセリフと音楽を口で再現したり、小学校の頃はお年玉をグッズにつぎ込んだりしていました。
──日記の中では、たくさんのおもちゃコレクションも紹介されていましたね。ご自身でカスタムしているものもあるとか。
アンディになりたくて、おもちゃをまったく同じ見た目にしたい気持ちがあったんです。コアなファンの中に市販のものをカスタムしてできるだけ忠実に再現される方がいらっしゃるので、その動画を観ながら自分もパーツを切ったり補修したりして、映画の中のキャラクターにより近付けるのが好きです。
──今日はご自宅からおもちゃを持ってきてくださったんですよね。
(おもちゃを取り出して)中学か高校の頃に買ったもので、今も家に飾っています。バズのフィギュアは何種類もありますが、これは「トイ・ストーリー コレクション」というシリーズで、映画のバズに一番近く作られた当時の人気モデルです。ジョン・ラセター監督の署名も入っていて。上京したときはアンディをまねてウッディだけ連れてきたのですが、それでは寂しいなと思い、親に福岡から送ってもらいました。東京に来てから新たにおもちゃを買ったりもしていますね。
──すごくきれいな状態で保管されていて、池﨑さんのトイ・ストーリー愛が伝わってきます。「バズ・ライトイヤー」が公開されたら関連グッズもいろいろ出て、また忙しくなりそうですね。
大変ですね! 映画を観てソックス(※編集部注:バズの相棒になる、猫型の友達ロボット)にメロメロになったので、そのおもちゃが出たらヤバいな……。
バズの成長具合が楽しい
──池﨑さんが「トイ・ストーリー」好きを公言されていることもあり、「バズ・ライトイヤー」の公開が発表されたときは、MINI(INIファンの呼称)の皆さんからも反響がありました。ご自身でもこの映画の情報は得ていましたか?
ありがたいです! 外国のトイ・ストーリーファンの方が「バズ・ライトイヤー」の情報をどんどん載せていたので、それを見て楽しみにしていました。これまでのバズとは少し違って1人の人間として描かれているのが魅力的で、公開されたらINIのメンバーを誘って観に行こうかなと考えていたんです。
──例えば、どんなポイントを楽しみにしていたのでしょうか。
やっぱり、おもちゃのバズとどう違うのかが気になりました。スーツのデザインが凝っているように見えたので。あと宿敵のザーグは「トイ・ストーリー2」にも少し出てきたのですが、「バズ・ライトイヤー」ではどんな関係性が描かれるんだろう?と期待していました。
──実際に映画をご覧になって、本作でのバズにどんな印象を抱きましたか?
これまでのバズらしさもありつつ、勇敢さ、人間らしさを兼ね備えたキャラクターでした。「トイ・ストーリー」シリーズの中ではとても仲間思いなキャラクターですが、そこに至るまでのストーリーや彼の不完全さ、自己中心的なところもしっかり描かれていたのがよかった。最後には僕が知っているバズにどんどん近付いていって、その成長具合も楽しかったです。
──確かに、この映画を観るとバズというキャラクターの解像度が上がります。
そうですね。あとは、シンプルに見た目の違いも好きです。頭部の紫のところは髪の毛かと思っていたんですが、ちゃんと髪は別で存在しているんだ!という発見も。スーツの造形も、おもちゃのファンとしては注目しながら観ちゃいましたね。
──観るたびに新たな発見があって楽しめそうですね。本作の“アンディが子供の頃に夢中になった映画”という設定については、どう思われましたか。
アンディがこの作品を観てバズを好きになったという点で観ると、新鮮に映りました。「トイ・ストーリー」の中では、みんなが憧れるおもちゃとして描かれていましたが、おもちゃとして人気が出る前に、この映画があの世界の中にも存在していたと思うと面白いです。
──ストーリーに意外性はありましたか?
めちゃくちゃありました! SF要素も強い内容だったし、光の速さと時間経過の関係みたいな要素も盛り込まれていて本格的でした。宇宙の無重力表現にも惹かれて、アンディくらいの年代でこの映画に触れたらハマって何度も観ていただろうなと思います。
──ちなみに今回は字幕版をご覧いただきましたが、これまでのシリーズは吹替派でしたか?
吹替版の唐沢寿明さんと所ジョージさんの声には親しみがあるし、字幕版のトム・ハンクスさんとティム・アレンさんの声も好きでした。今日持ってきたフィギュアは英語版なので、ボタンを押すと「To infinity…and beyond!(無限の彼方へ、さあ行くぞ!)」というセリフが再生されますが、「バズ・ライトイヤー」の中でもそのフレーズが印象的に使われていました。
──今回バズ役はティム・アレンに代わって、「アベンジャーズ」シリーズのキャプテン・アメリカ役でも知られるクリス・エヴァンスが担当しています。マーベル好きの池﨑さんにとってはうれしいポイントなのでは。
その組み合わせはすごくうれしかったですね。それに、すごく自然でクリス・エヴァンスさんだとはあまり考えずに聞いていました。「そういえばクリス・エヴァンスだったな」と今思い出したくらい。おもちゃのバズとは少し違って、若くてヒーローらしさや勇敢さのある声でした。
──ちょっと話がそれますが、池﨑さんご自身もすごく素敵な声ですよね。吹替に挑戦してみたい気持ちはありますか。
ぜひやりたいです! 僕は声が低くて主人公っぽくはないので、ザーグみたいな悪い役を演じてみたいです。
──かっこいいヴィラン、ぴったりですね。主人公の声ではないと謙遜されましたが、INIメンバーの中に池﨑さんが思う“主人公ボイス”の持ち主はいますか?
西(洸人)くんは僕と一緒のヴィランボイス。主人公ボイスは(木村)柾哉くんかな? 柾哉くん自身が主人公みたいな存在なので。京ちゃん(藤牧京介)もさわやかな声をしているからハマリそう。
観た人はアンディになれます!
──壮大な世界観と映像クオリティの高さから、アトラクションのような迫力もあったかと思います。監督たちはアンディと同じ体験を劇場でしてほしいと劇場公開にこだわっているようです。
これは映画全般に言えますが、やっぱり劇場の大きなスクリーンで体験してほしいですね。宇宙に放り出された瞬間の臨場感を味わえるし、爆発音やロケットの発射音をいい音響で楽しめる。実写だと言われたらそう思えるくらいリアルで、迫力がありました。観た人は“アンディ”になれます!(笑) 4D上映もあるらしいので、メンバーを誘って観に行きたいです。
──シリーズのファンから見て過去作とリンクする点は見出せましたか?
たくさんありました。まず、バズは「トイ・ストーリー」ではおもちゃとしてアンディの部屋に連れて来られましたが、本人は墜落したと思って、地盤や酸素濃度を確かめていた。今回の作品でも、舞台が宇宙だからナチュラルにそのしぐさをしたり、航星日誌を付けていたのは胸アツでした。それとスーツの翼がバサッと開いたときはうれしかったです。今回のスーツは、細部の機能がどうなっているのか気になる点が多くて。
──ちょうど「バズ・ライトイヤー」版のバズのフィギュア、ソックスのぬいぐるみが届きました。
すごい、バズだ! ソックスもかわいい! 今回のバズはスタイルがよくてシュッとしていますね。鈴木亮平さんの声もヒーロー感が素敵だなあ。持ってきたフィギュアも並べていいですか? (丁寧に箱から出して、細部を見比べ)けっこう違いますね! すごい、いろんな部分が動く!
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バズは最初から最後まで本当にかっこいい