JR東海は20日、リニア営業車両の仕様策定に向け、L0系をさらにブラッシュアップさせた改良型の試験車を製作すると発表した。先頭車・中間車を1両ずつ製作し、2020年春に完成予定。走行試験の際、既存のL0系先頭車・中間車と組み合わせて走行予定だという。

  • JR東海が超伝導リニアの改良型試験車を製作すると発表

同社は2027年に中央新幹線品川～名古屋間の開業を予定し、山梨リニア実験線では2013年からL0系による走行試験が行われている。改良型試験車は日立製作所が先頭車1両、日本車輌製造(日本車両)が中間車1両を製作する。

改良点のひとつに先頭形状の最適化が挙げられ、凹凸を際立たせた先頭部、丸みを帯びた先端部が外観における特徴となる。ガスタービン発電装置(灯油を使用し、照明・空調など車内用の電気を発電する装置)を搭載せず、営業車両の仕様である誘導集電方式(電磁誘導の作用を利用し、車内用の電気を非接触で供給する方式)の全面的な採用を前提としており、これまでの走行試験で得られた結果をもとに先頭形状を最適化。L0系と比べて先頭部の空気抵抗を約13%下げ、消費電力や車外騒音を低減する。

  • 改良型試験車は丸みを帯びた先端部、凹凸を際立たせた先頭部が特徴的な形状に。L0系と比べて前照灯・カメラ位置も変更されている

L0系では前照灯および前方視認用カメラを先端部に設置していたが、改良型試験車では前照灯・カメラ位置を上部に変更することで前方の視認性向上を図る。車体のカラーリングを青の流線デザインとしており、「進化し続ける躍動感と新しい先頭形状での滑らかな空気の流れ」をイメージしたとのこと。