ヘヴィ・メタルといえば、一般ピーポーから「怖い!」「うるさい!」「厳つい!」……なんて言われがちな音楽ジャンル。しかし、中にはキャッチーでメロディアスなメタルもあれば、壮大かつ劇的なメタルもあって、実はなかなか幅広かったりする。
また、意外に思う人もいるかもしれないが、アニメやマンガ、ゲームなんかとの親和性が高いことも、一部ではよく知られているだろう。それに、メタル・ミュージシャンの多くが、見かけによらず(?)日本のアニメやマンガ、ゲームの大ファンで、少なからず影響を受けたりもしているのだ。
そこで、日本のヲタ・カルチャーにハマりにハマっているミュージシャンにインタビューしちゃう新コーナーがここに始動! 深い偏愛とコダワリに満ち溢れた思いの丈をガッツリ語ってもらうことにしよう…!!
記念すべき第1回は、フィンランドのバンド、BEAST IN BLACKを率いるアントン・カバネン(元BATTLE BEAST)が語る『ベルセルク』! BATTLE BEAST時代にも、『ベルセルク』をモチーフにした楽曲を多数発表してきたアントンに、その魅力について、熱く熱~く激白してもらった!!
──そもそも、『ベルセルク』のことはどのようにして知りましたか?
アントン・カバネン:’06年の夏だった。幼馴染みの親友がアニメ(『剣風伝奇ベルセルク』)を薦めてくれたんだ。それで観てみたら、最初の回からすぐに惹き込まれてしまってね。すぐに「全話、観なきゃ!」と思い、結局、2日間で全て観終えてしまったよ。そして、続きが気になった。観たのはシーズン1(『剣風伝奇ベルセルク』)だったから。シーズン1の最後のエピソードに、“蝕(Eclipse)”があるだろ? それで「登場人物達はこの後どうなってしまうんだろう?」という好奇心に駆られて、マンガを読むことにした。そこからが始まりだったんだ。
──アニメ版の続編もご覧になりましたか?
アントン:うん。でも、’90年代(の『剣風伝奇~』)と同じスタイルにならなかったのは残念だった。(第2作は)’16年と’17年に放送されたけど、俺は好きになれなくてさ。’97年のスタイルでやってくれれば完璧だったんだけど…。あのオールドスクールな雰囲気が良かったのに、すっかり変えられてしまったよね。(『剣風伝奇~』は)音楽も美しかった。すべてが好きだったんだ。だから、どうして同じ形で続けられなかったのか、全く理解出来なくて。『ベルセルク』のファンなら、誰だってオリジナルの方が好きなんじゃないかな? あのシリーズに、モダンさの追求なんて必要ないのに……。ファン・ベースが確立されたのは’90年代だったんだから、古風なままで充分だった。なのに……理解に苦しむよ。
──最初に観たアニメは、フィンランド語の吹き替え版だったのでしょうか?
アントン:いや、音声は英語で、字幕はなかったよ。そのあとでDVDのボックスセットを買ったんだけど、こっちは日本語だった。だから、英語版と日本語版、双方のヴァージョンを観たということになる。
──マンガの方は?
アントン:英語だったよ。マンガはどれも英語で読んだ。