昨年長崎県にオープンした「変なホテル」など最近は一風変わった斬新なホテルが次々誕生して話題を呼んでいるが、オランダ・アムステルダムでは世界初の“ゲーマーズホテル”がオープンして注目を浴びている。
■友だちの部屋に遊びにきた気分になれる“オタク専用ホテル”
部屋やプールサイドでゆっくり過ごすリゾートホテルや慰労目的の温泉宿ならいざ知らず、観光やビジネスで滞在する都市型のホテルはたいていの人にとっては“寝るだけの場所”だろう。しかし先ごろ開業したホテルはゲーム好きの人々に施設内で充実した時間を過ごしてもらうように設計された、世界初の“ゲーマーズホテル”なのだ。
オランダ・アムステルダムのデ・ペイプ地域にあるこのホテル「The Arcade Hotel」は、もとは普通のビジネスホテルだったのだが、オーナーのダニエル・サルマノヴィッチ氏が、ゲーマーのための“オタク専用ホテル”にしようと企て施設を改装したのである。各種のゲーム機とゲームソフトを豊富に取りそろえ、部屋で“遊び放題”のサービスを提供している。もちろんこれらのレンタル料は宿泊費に含まれる。
ホテルのロビーやバーでは、携帯端末の貸し出しも行なっており、他の宿泊客とマルチプレイオンラインゲームなどを楽しむこともできる。さらに自由に読みふけることができるマンガの書庫が7つ用意されているということだ。宿泊すればいかにも“オタク仲間”が増えそうなホテルではないか。アムステルダムの街にちょっと出かけたい場合はホテル備え付けの自転車も利用できる。
「ゲームを愛する人々の特別な場所になるようにホテルを作り変えました。“友だちの部屋”に来た感じがする場所になることを望んでいます」とオーナーのサルマノヴィッチ氏はゲーム情報サイト「VG 24/7」の取材に応えている。
現在は全36室で運営されているが、数年の間に最新ゲームを提供できる“スペシャルルーム”を作り、全45室まで部屋を増やす計画も進行中であるという。アムステルダムはバックパッカーなどの若者が世界中から集まる拠点であることでも知られているが、ゲーム好きにとってもまたいろんな出会いが生まれる場所になりそうだ。
■意外や人気の民宿&カプセルホテル
最近の日本、特に東京では増え続ける訪日外国人のニーズを満たすために宿泊施設の開業ラッシュが続いている。一方で日本ならではのユニークな滞在体験を楽しみたいと考える外国人も多いようで、民宿やカプセルホテル、簡易宿泊所なども多くの外国人観光客が利用している実態があるという。
例えば、世界最大級の旅行情報サイト「トリップアドバイザー(tripadvisor)」が2013年に発表した「訪日外国人に人気の宿泊施設ランキング」では、パークハイアット東京などの高級施設に混ざって、東京・豊島区長崎にある小さな旅館「ファミリーイン西向(さいこう)」が4位に入っていたことで、意外なニーズが浮き彫りになったのだ(現在は18位)。
日本では終電を逃していやいやながら泊まるイメージが強いカプセルホテルもまた、一部の訪日外国人には人気である。横浜市中区福富町のカプセルホテル「ビジネスイン ニューシティー」では昨年12月から12カ所の就寝スペースを“和風デザイン”に改装していることで話題だ。「和カプ」と名付けらたこのカプセルルームの外装には戦国武将の家紋や城などのデザインが施され、室内を畳敷きにして簾も備えているという。またロッカーや壁にも戦国武将の甲冑や城、浮世絵などが描かれている。
同ホテルではまた、日本のアニメをテーマにした“コンセプトカプセル”である「痛カプ」も昨年4月から運用している。室内にはアニメキャラクターが描かれたシーツや抱き枕が備えられており、アニメファンの若者やジャパニメーションに興味を持つ外国人らの人気を集めているようだ。ちなみに同施設は男性専用なのでご留意を。
特にリピーターにとって、バリエーションに富んだ宿泊施設はその土地の大きな魅力になるだろう。たまに終電を逃してみれば、いろんな発見があるかもしれない!?
(文/仲田しんじ)
【参考】
・VG 24/7
http://www.vg247.com/2016/01/22/europes-first-dedicated-hotel-for-gamers-opens-in-amsterdam/
・「The Arcade Hotel」公式サイト
http://www.arcadehotel.nl/#
・「ビジネスイン ニューシティー」公式サイト
http://www.city-s.co.jp/newcity/index.html
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