【新華社北京6月16日】中国国家国防科技工業局と中国国家航天局は、黒竜江省ハルビン市のハルビン工業大学が自主開発した、月の軌道を回り超長波天文観測を行う小型衛星「竜江2号」が、すでに月周回軌道に入ったことを明らかにした。サウジアラビアが製造した月探査用小型光学カメラなど、衛星に搭載されたすべての機材は正常に作動しており、鮮明な月の表面の可視光画像の撮影に成功した。
国家航天局とサウジのキングアブドゥルアジズ科学技術都市(KACST)は14日午後、北京市でサウジが製造した小型光学カメラが「竜江2号」から撮影した画像の合同発表会を行い、国家航天局の張克倹局長とKACST総裁のトルキー王子が3枚の月の画像を公開した。中国とサウジ両国が、月探査計画「嫦娥4号」での中継衛星の共同国際協力プロジェクトで達成した重要な成果といえる。
国家航天局によると、中国とサウジは、両国が2017年3月16日に締結した「中華人民共和国国家航天局とサウジアラビアKACSTの中国嫦娥四号任務協力に関する覚書」と実施協定関連規定に基づき、取得したデータを共有し、成果発表を共同で行う。中国と「一帯一路」(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)沿線諸国が宇宙分野での協力で達成した新たな成果となった。
「竜江2号」は今年5月21日に月探査機「嫦娥4号」計画の中継通信衛星「鵲橋(じゃっきょう)」や「竜江1号」とともに西昌衛星発射センターから打ち上げられた。同25日午後10時に軌道捕捉の制御に成功し、軌道近点350キロ、軌道遠点1万3700キロの月周回軌道に入った。これにより単独で地球を周回し月遷移軌道を経て軌道変更し月周回軌道に乗った世界初の小型衛星となった。
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