藤沼 悟
漫画家という夢を追うも連載も持てず、持ち込みを続けるなどもがきながら日々を過ごす青年。
『Oasi Pizza』というピザ屋で配達のアルバイトをし、生計を立てている。
どこにでもいそうな平凡な青年…だが、彼には彼にだけ起こる特別な現象【再上映(リバイバル)】というものがある。
ある日起きた【再上映】によって、青年の日常は突如、非凡なものへと変わってゆく…!!
雛月加代
小学校時代、悟のクラスメイトだった謎多き少女。1988年に起った連続誘拐殺人事件の被害者。
事件の被害者であることもそうだが、色々な面で悟のトラウマを呼び起こす存在。
藤沼佐知子
悟の母親。元テレビ局のアナウンサー。52歳という年齢に反して、若々しい見た目を保っている。
また職業柄か、鋭い観察眼の持ち主。息子・悟との仲は、あまり上手くいってないよう。
18年前の連続誘拐殺人事件について何か知っているようだが…?
片桐愛梨
悟と同じピザ屋で働く、好奇心旺盛な女子高生。ある事件をきっかけに悟と距離を縮め、悟の母・佐知子とも親交がある。
大学に進学しない代わりに叶えたい夢を持っているようだが…。
僕だけがいない街(1)
上手くいかない現実を抱えた青年は、日々もがき続ける。自らの身にのみ起きる【時が巻き戻る】という不可思議な現象も、青年の不満を加速させていた。…だが、それはある日を境に変わった。大きな事件が、青年の周囲を否応なく変化させていく。
「同級生の死」「連続誘拐殺人事件」「救えなかった友人」「犯人の正体…。」
“過去”に起きた出来事に向き合う時、青年の“今”が動き始める…!!
僕だけがいない街(2)
母の死をきっかけに起きた【再上映(リバイバル)】により、戻された先は18年前の過去!?少年時代に戻された悟がそこで見たもの…それは、元気に生きている母の笑顔とつるんでいた仲間、そして連続誘拐殺人事件で殺されるはずの少女・雛月加代だった。
現代に戻る為、母親の死を覆す為に悟は、雛月加代の運命を変えるべく、アプローチを開始する。しかし、彼女が発した言葉に悟は声を失った…。
「あたしの為に人を殺せる?」
僕だけがいない街(3)
誕生日の翌日、雛月は消えてしまった…。雛月を救う事に、悟は失敗したのだ。事件を解決できなかった悟は、失意のまま雛月の家に向かう。しかしそこで目にしたのは、雛月の荷物を母親が捨てている光景。そして、ゴミ袋の中には編みかけの手袋が入っていた。それは…渡されなかった悟へのプレゼント。
果たされなかった雛月との約束。
得たいのしれない恐怖と絶望を感じた悟が走りだした瞬間、世界が突如暗転する。目覚めた先は…2006年の現代。
不本意な状況で現代に戻ってきた悟を待っていたのは、母親殺しの容疑者という現実だった。
僕だけがいない街(4)
「三度目」の1988年へ。前回の過ちを正し、雛月救出は成功するのか!?
逮捕された瞬間、悟に【再上映】が起きる!その結果、再度1988年へと舞い戻ることに。今度こそ失敗しない、雛月を救う!強く誓う悟であったが、戻った先で見たもの…それは同級生・ケンヤの冷たい眼差しで!?
三部けい プロフィール
北海道出身、千葉県在住。
第40回「手塚賞」佳作。
第41回「手塚賞」準入選。
1995年「アフタヌーン四季賞 春のコンテスト」準入選。
現在『僕だけがいない街』の他に、「月刊ビッグガンガン」(スクエア・エニックス刊)にて『STEAL AND DEAD』連載中。また「瓦敬助」名義でケータイ配信サイト「モバMAN」(小学館刊)にて『菜々子さん的な日常DASH!!』も連載中。代表作は『カミヤドリ』(角川書店刊)、『鬼燈の島』、『魍魎のゆりかご』(スクエア・エニックス刊)など。
好きな映画は『薔薇の名前』、『麻雀放浪記』。