ハロウィンの夜を血みどろにした殺人ピエロが聖夜を祝うクリスマスに帰ってきた! 前作「テリファー 終わらない惨劇」はアート・ザ・クラウンの過激な殺しっぷりと、どこかキュートな佇まいが話題となってスマッシュヒット。2年ぶりとなる待望のシリーズ第3弾「テリファー 聖夜の悪夢」が、11月29日(=いい肉の日)に東京・TOHOシネマズ 新宿ほか全国で公開される。
映画ナタリーではホラーは大好きだけど、残酷描写は苦手という“マダムタレント”のアレン様にインタビュー。目をそらしながら、なんとか最後まで完走してくれたアレン様だが、その感想は「怖すぎて、嫌すぎて。もうピエロ、大っ嫌い!」。スケールアップしたアート・ザ・クラウンの無双ぶりと、その怖すぎる魅力を語ってもらった。シリーズに初めて触れる人に知ってほしい10カ条と、アレン様お薦めのホラー映画3選もお見逃しなく。
取材・文 / 奥富敏晴撮影 / 梁瀬玉実
人を躊躇なく殺してしまうアート・ザ・クラウンと初めて出会うのが怖い方へ。彼の習性や危険性をわかりやすく説明した10カ条です。これまでのシリーズで明らかになっていることばかりなので、映画を観る前にご覧いただいても問題ありません。前情報を入れたくない方は、読み飛ばしてください。
- 1生息地はアメリカのどこかにあるマイルズ郡なので安心です
- 2神出鬼没ですが、ハロウィンやクリスマスの時期によく姿を現します
- 3正体は不明です。おそらく人間ではありません
- 4人を殺める動機や目的もわかりません
- 5凶器はいろいろ使います。いつも持ち歩く大きな黒い袋に入っています
- 6凶器がなくても腕力がけっこうあるので危険です。人の顔も素手で剥がせます
- 7一撃で人を仕留めることもありますが、じわじわいたぶるのも好きです
- 8今回は憧れのサンタクロースに変装し、ショッピングモールに出かけます
- 9イタズラが好きでよく笑います。ちょっぴりキュートに思えるかもしれません
- 10殺したと思っても死んでいません(頭部がなくてもよみがえります)
注意事項:R18+指定作品のため、18歳未満の方は鑑賞できません。18歳以上の方の鑑賞は自己責任となります。10月にイギリスで行われた「テリファー 聖夜の悪夢」のプレミアでは、11人が途中退場しています。うち9名は映画の冒頭で限界を迎え、1名の嘔吐者も出たそうです。
アレン様が映画に求めるものは🌹
──映画に関するインタビューは初めてと伺ってます。
感想を書くことはあったんですけど、こういうのは初めて。でも、すっごくうれしいの! 映画大好きだから。わたし、すごい観るのよ。今はアマプラとネトフリに入ってて。観始めたら止まらなくて、気付いたら4日も経ってるとか。それぐらい大好きなの。
──ホラーがお好きなんですよね。
観るのはホラーかミステリーが多いですね。怖いのか、後味悪いの。ちょっと不完全燃焼で終わるのが好き。今日も来てる現場のマネージャーと2人で部屋を真っ暗にして観るの。ひゃー! 怖い! 耳塞ぐッ!みたいに。映画館も行ったりします。地元に帰ると、映画を観るかパチンコしかやることがなくて(笑)。親とも行きますね。
──映画にはどんなことを求めていますか?
わたし、決め手があって。ほんわかストーリー、ハッピーエンドとかは一切求めてないんです。わたしが求めてるのは、日常からかけ離れたもの。すごく没頭できる非日常みたいな。自分で経験は絶対にできないけど、ちょっと日常とリンクするような、リアルな怖さ。だから完全な作り物感は求めてないんですよ。ちょっとだけ日常が絡むと怖い。
──確かにホラーがちょうどいいですね。
そう、ホラーが手っ取り早いのよ。怖さがわたしの現実とリンクするから。どこにでもあるような人形のホラーとか大好きなんです。昔から人形には恐怖を掻き立てられるのよね。
──何か人形にトラウマでも?
身内に田舎の山奥に住んでたおばさんがいて。その人の家の2階にね、リアルな人形があったの。それが怖くて、苦手になりました。日常の部屋に溶け込んで置かれてる人形が嫌。ぬいぐるみはかわいいんだけど。夜とか、その部屋に行くのが怖かった。その怖さが小さい頃に焼き付いちゃってるのかな。人形ホラーは怖いけど、観たいんです。
グロさレベル、MAXヤバい🩸
──「テリファー 聖夜の悪夢」はR18+指定で残酷描写オンパレードの映画です。観るのも躊躇する人が多い中、どうして引き受けていただけたんですか?
わたし、残酷な描写は避けてきたんですよ。好きなんだけど、怖いから。だから、自分を試す意味合いもあって。でも試した結果、ほぼ目をそらす(笑)。
──なかなか直視できないほど過激です。
「テリファー」のグロさレベルってMAXヤバいかも。見れないわよ、あんなの。(残酷シーンが)来るッ!て思ったらこうするの(顔を横に向ける)。
──アート・ザ・クラウンの攻撃がしつこいですよね。
そうなの! また来る、また来る、ああ殺した……みたいな(笑)。海外と比べると、わたしたちの日常に、そんなにピエロいないでしょ。だからすごい怖いし、嫌い。何が“アート”・ザ・クラウンよ。
──殺害現場に「ART」と書き残すのが定番です。
あんなのアートじゃない! 生々しくて目をそらしたくなるんだけど、そのへんに転がってる肉片とかも全然嘘っぽくないのよね。腸とかの部位も本当っぽくて、嫌だ(笑)。そういうのが頭に焼き付いてます。
──印象に残っているシーンはありますか?
グロすぎて、文字にできないところが多すぎるけど……「額から頭皮を割って、頭を裂いて脳みそを取る」。こんなの誰が得するの!?って感じ。もう殺し方が全部、嫌!
アレン様流アート・ザ・クラウンの退治方法👠
──アレン様がアート・ザ・クラウンと出会ってしまったら、どう退治しますか?
これ、わたしっぽくていい?
──もちろんです。
ピンヒールで急所を蹴り上げて逃げる。それが一番効く。
──殺すまではいかないんですね。
だって、殺せないもん! 向こうが殺す技術を持ちすぎてるから。
──実は今日、サプライズでゲストをお呼びしてます。
え、いやだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛、もぅ゛! 怖いって!
──特別にアートくんに来ていただきました。
実際に近付いて来られると、本当に怖いね。生はヤバい。こんなビジュアルで人殺しするの無理い゛い゛! 手の振り方も嫌。でも(脱いだピンヒールを手にして)わたしはこれでいくから、間違いなく勝てる。
──残念ながら、アート・ザ・クラウンは死なないんです。理由は不明ですが、死んでもよみがえる。
そうなんだよねえ。だからやっぱり逃げるしかない。再現度すごいね。マジでリアル(とアート・ザ・クラウンの歯茎に触る)。ちょっと後ろから髪の毛が見えちゃってるけど(笑)。完全にボーイズだね。
──アートくんが横に座ったままインタビューを続けさせてください。一切しゃべらないんですけど。
あ、確かに。そうだよね。しゃべらない。全部、画で訴えかけてきますよね。わたし、サンタのお面を被ったアート・ザ・クラウンが、血だらけの手を振りながら、ゆっくりこっちを見るところ、すっごく怖かった。しゃべらないのが怖いのよね。
──衣装でアレン様的に気になるポイントはありますか?
かわいさはゼロ。ノックされて玄関にこれがいたらと考えると……この服は怖さの象徴でしかない。
──実はその佇まいが「お茶目でかわいい」という声もあるんですが……。
まったくないです! ただただ怖い。
魅力たっぷりなホラーアイコン🤡
──アレン様が考えるホラーアイコンとしての魅力ってどんなところだと思いますか?
アート・ザ・クラウンって「いつ、どこで、何をしでかすか」がわからない。ホラーを観てると、そろそろ怖いシーンが来るなってだいたいわかるじゃないですか。でも、アートはそれを裏切ってくれる感じ。
──確かに、どこで誰を襲うか読めないですね。
サンタクロースとふざけて遊んでたと思ったら、急におしっこかけたり。「もう殺しそう」と思って見ててもなかなか殺さなくて、と思ったらいきなり銃でパーンッ!と撃ったり。それは魅力……でもあるのかな? さんざんもてあそんだあと、そんな殺し方するんだ、みたいな。
──「あ、拳銃も使うのか」と思いますよね。定番の凶器があるホラーアイコンも多いですが、アート・ザ・クラウンはいろいろ使うのも特徴です。
残酷シーンごとに変わるよね。液体窒素でサンタを凍らせて……とかもびっくり。しかも、ネズミで試してたもんね。やっぱりホラーってシリーズが続くと殺し方も似てくる部分があるじゃない。それも裏切ってくれる。作り手がおかしくないと作れない。殺し方なんて、知らないでしょ。
──飽きられないように作り手が一番考えているところかもしれません。
人を殺すときのサウンドもリアル。冒頭のシーンから怖かったじゃない。下の階に女の子がいて、上の部屋から殺しの音だけ、やたらと聞こえる。殺す描写は映ってないのに怖い。その音が本当に気持ち悪かった。
必ずご覧になりなさい。わたくしの命令!💎
──難しいかもしれませんが、残酷描写が苦手な人に鑑賞を勧められますか?
わたし、ほぼほぼ目をそらしてますけど(笑)。怖すぎて、嫌すぎて。もうピエロ、大っ嫌い!
──苦手な人は観ないほうがいいですかね……。
いや、でも観てほしいのよ。「アンタたち観ないでください」って言ったら終わりじゃない。だからね、怖いところは目を背けていい。でも、殺すまでの過程の面白さも一級品。アート・ザ・クラウンの行動が読めないから、殺すまでもじっくり面白い。
──アレン様のファンの方々は観てくれるでしょうか。
わたしのファンは「観なさい」って言ったら観るもの(笑)。クリマン(ファンの通称)は映画を観た事後報告までしてくれると思います。「観なさい、怖くても」の一言で済みます。アレン様って普段どんな映画を観てるの?と気になってる人は観てください。強い命令のほうがいいですか?
──では、それでお願いします。
ァンタたち(命令&強制指示)、必ずご覧になりなさい。わたくしの命令!
インタビューのおまけにアレン様に聞いた“トラウマホラー3選”。「テリファー 聖夜の悪夢」の惨劇に備えてホラーに慣れておくのもいいかも。そしてアレン様が語ってくれた通り、やっぱり人形ホラーが好きみたい……!
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1本目
「ホステル」(2005年・米)
刺激を求めて旅する3人のバックパッカーが、男の快楽を提供するという東欧の田舎町にあるホステルへ。快楽は本当だったが、恐怖と苦痛に満ちた地獄も待ち受けていた。「シリーズになってるけど、わたしは1、2、3全部好き。自分が海外のホステルを実際に見てるし、想像ができちゃうから。けっこう残虐だけど、映画みたいな出来事があってもおかしくないと思えます。海外のホテルは用心しないと!」
※R18+指定作品
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2本目
「アナベル 死霊館の人形」(2014年・米)
実在する“史上もっとも呪われた人形”のアナベルをモチーフに、想像を絶する事態に見舞われる夫婦の運命を描き出すストーリー。続編として人形の起源に迫る「死霊人形の誕生」、アナベルがあらゆる悪霊を解き放つ「死霊博物館」も製作された。「アナベルの人形って妙にリアルだし、大きさもデカいのよね。小さい女の子ぐらいあるのかな。そこにスリルを感じて、手に汗握るの。自分の家にあってもおかしくないし」
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3本目
「ザ・ボーイ~人形少年の館~」(2016年・米)
新天地にやって来た女性が、老夫婦と暮らす8歳の少年の子守を務めることに。しかし、その少年は老夫婦が“ブラームス”と呼び、本当の息子として溺愛する人形だった……。「こっちは、かなり大きい男の子の人形のお話。制服を着させているのが不気味で、本当に魂が入っていそうな人形なの。彼を世話する10のルールとかもあって。老夫婦の子育てへの理想が怖すぎ! 最後の展開にもびっくりした」
プロフィール
アレン様(アレンサマ)
マダムタレント。2014年に「日本一の謎の整形男子」としてデビューし、タレント活動をスタートした。整形の総額は1億円以上。3年間の「整形ちゃんねる」への出演を経て、2023年3月に自身のYouTubeチャンネル「アレン様のゥットリ・ブチギレ人生」を始動した。メンズ視点の美容家としてテレビやYouTube、SNSを通して発信を行う。2024年10月には自身の半生を語り、人生相談に答えた公式ファンブック「全てアレン様が正しいでございます」(玄光社)が刊行。
🌹✨⚜️アレン様⚜️✨🌹 (@Allen_Japan_No1) | X
⚜️✨🌹アレン様 ALLEN🌹✨⚜️ (@allen_japan_official) | Instagram
アレンオフィシャルブログ「日本一の整形男子の究極の美ブログ♡」by Ameba
衣装 / 東京都台東区浅草の卸売業者 マダム・ブティック購入品
映画公開を記念したナタリーストアのオリジナルグッズが、公開日の2024年11月29日(金)18時に受注販売を開始予定!
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販売開始をお楽しみに!