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2月28日はカレワラの日!フィンランドの誰もが知っている北欧神話「カレワラ」とは? | LifTe 北欧の暮らし

2月28日はカレワラの日!フィンランドの誰もが知っている北欧神話「カレワラ」とは?

2月28日は、フィンランドは休日ではないのですが、多くの場所で国旗が掲揚されます。

それは「カレワラの日」だから。

フィンランドが好きな方であれば「カレワラ」という言葉は聞いたことがあるかもしれませんが、今回は改めて、カレワラとは何なのか、そしてなぜフィンランドの人々にとって重要な物なのかを紹介します。




カレワラの日とは

LifTe 北欧の暮らしフィンランド 国旗 ヴァイキングライン

フィンランドが独立したのは1917年12月6日のこと。1809年から1917年までの期間はロシアの統治下に置かれていました。

フィンランドの独立機運を高めたものは様々あると言われていますが、大きな役割を果たしたのが、フィンランドの民族叙事詩「カレワラ」なのです。

「カレワラ」の初版が発行されたのが1835年の2月28日だったことから、2月28日はフィンランドでは「カレワラの日」とされ、フィンランドでは国旗が各所で掲揚されるのです。

フィンランドでは誰もが知っているカレワラ物語

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「カレワラ」は、医師のエリアス・リョンロートが、フィンランドの各地に出向き、その土地土地に伝承されている口承詩や、伝承を集め編集したものです。

フィンランドでは小学生の時に授業でカレワラの物語を学ぶこともあり、誰しもがこの物語を知っています。

天地創造から物語が始まり、様々な神が登場する「カレワラ」は、日本の文学で言うと日本の成り立ちをドラマチックに描いたとも言われる「古事記」がやや近い存在ですが、民族意識を高めるのに貢献したと言う意味では、日本で近いものは見当たらないのではないでしょうか。

ロシア統治下時代、ロシアは比較的フィンランドの文化や自治に寛容ではありましたが、フィンランドに対してロシア化政策があったことも事実です。

そしてロシア統治下の前には、6世紀弱の期間スウェーデンの統治下だったこともありました。

統治下が長かったフィンランド国民が、自分たちは何者なのかと考え始めたのはスウェーデン統治が終わる頃。自分たちが何者かは、地方に残る口承詩や、伝承からわかるという発想で「カレワラ」の編纂は少しずつ進んでいきました。

ロシアの統治下においてもこの動きは進み、カレワラの編纂と共に「自分たちはスウェーデンでもなく、ロシアでもなく、フィンランド人なんだ」と、自分たちのアイデンティティを取り戻す大きな機運となっていったのです。

このことよりフィンランドでは、カレワラが発刊された2月28日は「カレワラの日」、別名「フィンランド文化の日」とも呼ばれています。「カレワラ」は、フィンランド国民誰しもが知っていて、大事にされているのです。

型にはまらない面白さがある「カレワラ」

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「カレワラ」が興味深いのは、内容が型にはまってないと言うこと。

主人公の老人「ワイナミョイネン(ヴァイナモイネン)」は、偉大な力を持ちますが、女性も好きだし、強欲だったりもします。他に登場する人物も強烈なキャラクターが揃います。

「カレワラ」を作り上げたエリアス・リョンロートが集めた口承詩は、フィンランドの伝統楽器カンテレを弾きながら歌い継がれたものが多いため、作品の中でもカンテレが登場し、歌がキーポイントにもなってきます。

多様な文化に影響を与えた「カレワラ」

「カレワラ」は、フィンランドの独立機運を高めた重要な作品ということで、その後現代にわたるまで様々な分野に影響を与えています。

フィンランド第2の国歌とも言われる「フィンランディア」を作曲した"ジャン・シベリウス"は、カレワラを題材にした組曲を作り、フィンランドでもっとも有名な画家の1人と言われる"アクセリ・ガッレン・カッレラ"は、「カレワラ」に出てくる様々なシーンを絵画として残しています。

そして、現在のフィンランドで最も有名なヘヴィメタルバンド「Amorphis(アモルフィス)」も、「カレワラ」を題材にしてコンセプトアルバムを発表しています。

フィンランドの独立機運を高めただけではなく、後世でも多くの影響を持たらしているのが「カレワラ」なのです。

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カレワラ物語は確かに長編ですが、魔法や吟遊詩人、精霊などファンタジー色も強いので、ファンタジー好きな方でもきっと楽しめるはずです。

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