世界の地名を日本語で
子供の頃、地図帳に載っている世界地図の見知らぬ土地に心引かれて、特に目的も無くいつまでもぱらぱらとめくっていました。
Google マップでも同じことをしてみるのですが、何かが違うなあ、と思っていました。
そう、地名が日本語ではないんです。
楽しみながら見て回るには、やはり慣れ親しんだ言語の方がいいようです。
そこで、Google マップで世界の地名を日本語で見ることができるようにしてみました。それが「世界地図日本語版」です。
「パリ」などと検索すると地図が日本語で表示されます。
周辺の都市も全て日本語が併記されています。
また、ズームインしていくと、フランス語を全く知らなくても "Avenue des Champs-Elysées" を見てこれが有名なシャンゼリゼ通りだとすぐに分かるようになりました。
他にも、ニューヨークの金融街ウォール・ストリートやボルドーワインの産地であるボルドーなど日本語で見てみると世界が身近に感じられませんか。
また、地図だけでなく航空写真もあわせると、イチローのいるシアトル・マリナーズの本拠地セーフコ・フィールドやローマの観光名所トレヴィの泉などの様子が見えてきます。
お子さんと一緒に世界中を見て回ったり、旅行の計画にご活用いただければ幸いです。
このプロジェクトは、Google マップの日本チームが主導で進めてきたのですが、
グローバルのプロジェクトとして、まず、日本の地図をローマ字で読めるようにするところからスタートしました。
そして、本日晴れて日本語表記への対応を発表するに至りました。
日本語表記への対応で、大変だったのはデータをどのように用意するかでした。
今回私たちは十分な量と質を確保するために、複数のソースからデータを新たに追加しています。
一つは株式会社平凡社地図出版様よりご提供いただいた30,000以上の海外地名のデータです。
これにより世界中の都市名をカバーしています。
また、Wikipedia などインターネット上のデータから抽出した名前も利用しています。
さらに、地名専用の翻字システムによって日本語表記地名を生成されしています。
これは"世界の地図を世界の言語で"という目標の元に新たに開発されたシステムで、機械学習など様々な手法を組み合わせて地名の翻字を自動的に行なうものです。
今回はその第一弾として、まずは英語・フランス語・イタリア語など7ヶ国語の地名から、数千万件を日本語に変換しています。
結果として、街路の詳細地図に関しては、60カ国で80%以上のカバー率を実現しました。
現時点ではまだ修正が必要な点もいくつか見受けられるかと思いますが、今後とも品質の向上と対象地域の拡大に努力していきたいと考えておりますので、お気づきの点等ございましたらぜひお知らせください。
世界をより身近なものにするべく、Google マップは今後も国際化・地域化を進めていきます。
世界の全てを日本語で見られるようになるまで、みなさんと一緒にがんばっていきたいと思いますので、どうぞこれからもよろしくお願いします。