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東京都交通局300形電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
東京都交通局300形電車
東京都交通局300形電車
(2021年7月 扇大橋駅 - 足立小台駅間)
基本情報
運用者 東京都交通局
製造所 新潟トランシス
製造年 2006年 - 2011年
製造数 16編成80両
運用開始 2008年3月30日
投入先 日暮里・舎人ライナー
主要諸元
編成 5両固定編成
軌間 1,700 mm
電気方式 三相交流600V、50Hz
最高運転速度 60 km/h
起動加速度 3.5 km/h/s
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
編成定員 245人
編成重量 59.1 t
車体長 (先頭車) 9,030 mm
(中間車) 9,000 mm
車体幅 2,490 mm
車体高 3,340 mm
車体 オーステナイト系軽量ステンレス鋼(ヘアライン仕上げ)
主電動機 三相かご形誘導電動機
(自己通風式)
主電動機出力 110 kW × 5 基
制御方式 IGBT素子CI制御
(VVVFインバータ制御)
制御装置 三菱電機製主変換装置
MAP-111-A55V153
保安装置 ATOATC
備考 自動運転(駅ATO装置併用によるワンマン運転機能付き)
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東京都交通局300形電車(とうきょうとこうつうきょく300がたでんしゃ)は、AGT新交通システム)である日暮里・舎人ライナーで使用されている東京都交通局の鉄道車両。

概要

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2008年3月30日の日暮里・舎人ライナー開業に合わせて投入された。車両竣工は2006年からで、開業時点では12編成が投入され、その後2011年までに4編成が増備された。製造メーカーは新潟トランシスである。車両の外観や編成番号の表記などは、東京都が出資しているゆりかもめで使用されている車両(7000系・7200系)に似たデザインとなっている。

車体

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車体は軽量ステンレス製であり、ドアは都営地下鉄新宿線10-300形などと同じくステンレス鋼製で内外とも表面ヘアライン無塗装仕上げで、窓は車内側からゴムによる接着式である。1両あたり片側2か所の外吊り式片開きで、戸閉装置はスクリュー式である。車側表示灯は車体に埋め込まれており、側面からは見えるが、最前部や最後部からは見ることを考慮した設計になっていない。これは営業時が無人運転であるため、車両から車側表示灯を確認する必要がないためである。なお、ホームドアにも戸閉め表示灯が設置されている。また、車体に巻かれたラインカラーの緑色と桃色は、前者が沿線の自然を表し、後者は街の活性化をイメージしたものである。

車内装備

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車内は当初、オールロングシートの座席を採用する予定だったが、想定以上の乗客が乗車可能であったため、安全確保と乗客への配慮の観点より車体中央部をクロスシートに変更された[1]。1人掛けクロスシートは壁面との間に荷物置き場がある。ドア間のつり革は2人掛けクロスシート上の物は通路側座席旅客の頭上にあり、立ち客には使いにくい。貫通妻面を背にするクロスシートは貫通路に座席がはみ出している。

2009年度に増備された第13編成以降は、1・2・4・5号車の従来2列だったシートが1列に変更され、反対側の従来1列のシートの部分がロングシートへと、またモケットが緑色になり、手すりがオレンジ色になる、車端部へのつり革の増設、ドアチャイムの変更などの改良が実施されている。後に第01 - 12編成においても増備編成と同様のシート変更改造が施されている。ただし、既存編成のシート変更改造車では車端部のつり革の増設は行われていない。

主要機器

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制御装置はVVVFインバータ装置を採用しており、コンバータ装置とVVVFインバータ装置を1つのユニットにまとめた主変換装置(CI装置)により誘導電動機を制御している。また、5両編成のすべてが電動車となっている。

その他

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  • 第3・4・9・10編成は一部車両の物置き場が撤去されている。
  • 本形式は東京都交通局所有の車両であるため、車両の前面と側面に東京都のシンボルマークが貼付されている。
  • 5両編成のうち日暮里寄り3両は台車がT台車であり、残り2両はその逆である。従って車内床の点検トラップもD台車位置に合わせている(写真の床を参照)。
  • 全編成に、マナー啓発文言の書かれた車両編成ステッカーが貼られている。編成ごとに異なる動物のイラストが描かれており、第1 - 12編成は十二支順、第13編成以降はそれぞれゾウライオンキリンパンダが描かれている。
  • 開業時から運用されている計12編成については、2022年度から2024年度にかけてオールロングシートの330形に置き換えられる予定となっている[2][3][4]
  • 2021年10月7日に発生した千葉県北西部地震により、下り列車として運転されていた第2編成が舎人公園駅を発車した直後に脱輪し、立往生した。当該車両はクレーンにより吊り下げられ、移送された[5]

参考文献

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  • 新交通システム建設物語―日暮里・舎人ライナーの計画から開業まで(著・「新交通システム建設物語」執筆委員会)

関連項目

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脚注

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  1. ^ 日暮里・舎人ライナーの座席配置の一部変更について”. 東京都交通局. 2007年10月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年1月4日閲覧。
  2. ^ 東京都交通局経営計画2019 - 38頁(p44)、2020年6月16日閲覧。
  3. ^ 「日暮里・舎人ライナー」車両の更新を進めます~6月25日から運行開始~”. 東京都交通局 (2022年6月23日). 2022年6月24日閲覧。
  4. ^ 東京都交通局から日暮里・舎人ライナーの新型車両を12編成(60両)受注 三菱重工エンジニアリング、更新で混雑緩和等に貢献へ 三菱重工業プレス・インフォメーション(2020年6月16日)2020年6月17日閲覧。
  5. ^ 脱輪事故の舎人ライナー、先頭車両の車輪が走行路から外れる…運輸安全委が調査開始”. 読売新聞 (2021年10月8日). 2021年10月11日閲覧。

外部リンク

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