<中津江村>
大分県の村である。
現在は、合併して日田市(ひた)となったが、
2002年のサッカーワールドカップで、突然脚光を浴びた。
ご存知、カメルーンの合宿地になったのである。
その中津江村に、
奇祭があるというので、テレビ取材で出かけた。
とても暑い日だった。
大分県人でも滅多に足を運ばない山奥に、その村はあった。
<麦餅搗き祭り>
もち米ではなく、麦を搗くのである。
六尺ふんどし一丁になった男達が、樫の棒を手に、
臼の周りに群がる。
威勢のいい歌を唄いながら、臼の周りを回る。
皆で、麦を搗いてゆく。
麦はもち米と違って、なかなか潰れない。
粘り気も出てこない。
必然、搗いて搗いて搗きまくる事になる。
ただでさえ、暑い九州だ。
日田市といえば、時折、テレビの天気予報にも登場する。
アナ「本日の最高気温が、大分県の日田市で記録されました」
そんな日に、炎天下で餅つきを始めたらどうなるか?
全身汗まみれである。
バケツの水をかぶったって、こうはならないだろうと思われる。
っと思っていたら、ホントに、観客がバケツで水をかけ始めた。
それでも、暑い。
途中、みそぎの為、ため池に向かう。
山の中にあるため池だ。
水温が相当低い。ビールが冷えそうだ。
スイカが縮みあがりそうだ。
ドッボ~ン!
素晴らしく冷たい!
焼けた体がいっきに冷える!
う~ん、夏はやはりコレだね。
この祭り、なんと700年の間、続けられているそうな。
その夜、鏡に写した私のお尻が、
六尺ふんどし型に日焼けしていたのが、恥ずかしかった。