<夜光貝(やこうがい)>
沖縄系の南の島に行くと、
お土産屋さんで、この貝を磨いたモノが売られている。
料理屋で頼むと、すこぶる高価なお値段をとられる貝なのだ。
味は旨い・・・のだが、
現地の人達は、中身より、
貝殻を欲しがる。
貝殻を磨いてアクセサリーを作り、売るのである。
「さあ、磨いてみらんね」
与論島の食堂<一休>のご主人から、殻を頂いた。
まず、塩酸で、外周の余分な石灰石を溶かすらしい。
塩酸を買った。かけた。
少しだけ綺麗になった。
サンドペーパーで擦った。
一時間擦った。対して変らない。
二時間擦った。対して変らない。
その時だ。私の頭の中に
危険の光が走った。
昨年、やはり、一休のご主人から夜光貝を頂いた
為藤(ためとう)さん。(08年1月12日参照)
数ヶ月に渡り磨き続け、ついに
腱鞘炎になって
病院通いをする羽目になってしまった。
やばい、このまま磨き続けては、為藤さんの二の舞になる。
為藤さんがせっかく体をもって教えてくれた教訓を生かさねば!
っと気付いたら、日曜大工の店にいた。
「これ下さい」
<グラインダー>という機械を買った。
丸いヤスリが高速で回転する、恐ろしげな機械だ。
おまけに、轟音を発する。
貝を磨く以外には、私的には、一生使わないであろう機械だ。
貝を磨いたアトに、私家では、置き場に困ってしまう機械だ。
恐る恐る、貝に近づける。
ギャ~~~~~~ン!
我が家が、ケタタマシイ音を発する、町の鉄工所になった。
夢中になった。
お昼に始めた鉄工所が、日没まで続いた。
没頭とは、こういう事をいうのだろう。
はっと気付くと、ピカピカの物体が目の前にあった。
こんなん、出来ましたぁ~
コレが こうなる