さあ、本日は、《鯛の鯛》ご本人の登場だ。先日来、《ブリのブリ》だの《イサキのイサキ》だのと、
タイにおんぶに抱っこしながらの紹介だったのだが、
「御本尊は出ないのか?」という声にない声に反応し、
ゆうべ、鯛を一匹まるごと買い求めたのである。
税込み880円。800グラム。
あの鯛が、養殖とはいえ、あの鯛が、
1000円を切った値段で売られている。
いまやグラムで割ると、最も安い魚にランクされている。
養殖のタイはそれなりの丁寧な扱い(占め方)をしてあり、
かなり旨い。
ってことで、カマの部分を酒蒸しにした。
食べすすめると、当然、両側にあるヒレを動かすタイのタイが、
最後に残る。
丁寧に静かにそっと持ちあげ、流しに行き、
歯ブラシでコシこシこする。
(いま何気なく読んだ方は)
コシコシの部分をゴシゴシと見たと思われる。
点々が付くとないとでは、
行為が雑なのか丁寧なのかの差が出る。
あくまでコシコシでなくてはならぬ。
ゴシゴシだと、タイのタイは獲得できるが、
頭についたトサカは外れてしまう。
コシコシ済みの骨たちを、台所のツルツルの壁に貼り付ける。
朝まで貼っておくと、カラカラに乾く。
いったん乾けば強度が増し、
あやまって落としたくらいでは壊れない。
もっと強度を増したければ、透明のマニキュアを塗ればよい。
もちろん色付きを塗ってもよい。
このタイのタイを基本として、様々な魚のその骨を見てみると、
面白い。
そのうち、いろんな魚の魚が登場すると思う。
そしたら、「ああ~ゆうべコイツの本体を頭ごと食べたナ」と、
推してもらえばありがたい。
一匹買いだと当然、両側のタイのタイ