箱根駅伝前哨戦のMARCH対抗戦で中大が青学大を破って優勝 1万メートル平均タイムもトップ浮上
◆陸上 GMOインターネットグループプレゼンツMARCH対抗戦2024(23日、東京・町田GIONスタジアム)
第101回箱根駅伝(来年1月2、3日)に出場する青学大(前回優勝)、法大(前回6位)、中大(前回13位)、立大(前回14位)と、予選会で敗退した明大(前回20位)の5校が参戦。4組行った1万メートルの公認レースの上位10人の合計タイムで争い、中大が平均28分21秒71で優勝した。今回が4回目で、過去3回いずれも優勝していた青学大に競り勝った。この日、第2組で28分43秒30でトップを取った阿部陽樹(4年)は「箱根駅伝予選会(6位通過)、全日本大学駅伝(12位)では中大は苦戦しましたが、箱根駅伝には(調子を)合わせていきます」と巻き返しを誓った。
中大はエースの吉居駿恭(しゅんすけ、3年)が27分44秒48で全体2位。今年、溜池一太(3年)がマークした28分52秒38の中大記録を更新した。全体3位の本間颯(2年)も27分46秒60で従来の中大記録を超えるなど、好タイムが続出。今季のチーム上位10人の平均タイムで28分21秒89で1位だった国学院大を抜き、トップに浮上した。
平均28分24秒42の好記録ながら中大に次いで2位だった青学大の原晋監督(57)は「箱根駅伝では3強(国学院大、駒大、青学大)に加えて、地力のある中大も優勝争いに絡んでくるでしょう」と警戒心を強めた。
ただ、青学大も順調に強化は進んでいる。鶴川正也(4年)が27分43秒33で全体トップ。今季絶好調の鶴川は自己ベスト記録を約1分47秒も更新し、黒田朝日(3年)が今年にマークした27分52秒02の青学大記録も更新した。日本人学生歴代7位の好タイムをマークした。黒田が27分49秒60の自己ベスト記録で全体4位。若林宏樹(4年)が27分59秒53で全体5位。3人が27分台をマークした。
レース後のチームミーティングで原監督は「夏合宿の成果が出ています。やっていることは間違っていない。あと40日、さらにパワーアップして、正月(箱根駅伝)は勝とう」と選手に呼びかけ、主将の田中悠登(4年)も「必ず勝ちましょう」と力強く話した。
MARCH対抗戦は、ブランド校として知られる「MARCH(マーチ)」(明大、青学大、立大、中大、法大)が箱根駅伝の前哨戦として参戦(今回、明大は予選会敗退)。ファンや応援団がトラック近くで応援し、各校のスクールカラーのレーザービームが飛び交う派手な演出がMARCH対抗戦の特長。さらに今年は女性アイドルグループ「僕が見たかった青空」がスペシャルライブを行った。大会発起人の原監督は「従来の陸上の大会の概念を覆すような派手で楽しく、それでいて、競技は真剣でレベルの高い大会です。名付けて『僕が見たかった箱根への夢大作戦』。MARCH対抗戦は、各校で箱根駅伝メンバー争いに向けて重要な選考レースです」と高いテンションで話した。
MARCH対抗戦は、優勝校に30万円、2位校に20万円、3位校に15万円、4位校に10万円、5位校に5万円の奨学金が贈られた。個人表彰もあり、1位に3万円、2位に2万5000円、3位に2万円、4位に1万5000円、5位に1万円、6位に8000円、7位に5000円、8位に3000円の奨学金が授与された。28分16秒00(第108回日本選手権大会申込資格記録)で1万円、28分00秒00で5万円、27分21秒52(日本人学生最高記録、東農大・前田和摩)で10万円の奨学金が別途、贈られた。また、第2~4組出場選手の中で、自己ベスト記録を最も大きく更新した選手に「ABEMA賞」として3万円が授与された。「学生スポーツにお金なんて、という否定的なご意見もありますが、今の時代、頑張った選手に対して、ご褒美があってもいいと思います」と原監督は持論を展開した。
MARCH対抗戦の結果は以下の通り。
▽チーム対抗
<1>中大 平均28分21秒71
<2>青学大 平均28分24秒42
<3>明大 平均29分14秒89
<4>法大 平均29分24秒34
<5>立大 平均29分27秒08
▽個人1万メートル
<1>鶴川 正也(青学大4年)27分43秒33=青学大新記録
<2>吉居 駿恭(中大3年) 27分44秒48=中大新記録
<3>本間 颯 (中大2年) 27分46秒60=中大新記録
<4>黒田 朝日(青学大3年)27分49秒60=青学大新記録
<5>若林 宏樹(青学大4年)27分59秒53
<6>岡田 開成(中大1年) 28分08秒51
<7>白石 光星(青学大4年)28分21秒57
<8>藤田 大智(中大2年) 28分29秒98