【箱根駅伝予選会】麗沢大は今回も悲願の初出場ならず

2024年10月19日 11時24分スポーツ報知

◆報知新聞社後援　第１０１回東京箱根間往復大学駅伝競走（箱根駅伝）予選会（１９日、東京・立川市陸上自衛隊立川駐屯地スタート～立川市街地～国営昭和記念公園ゴール＝２１・０９７５キロ）

　４３校が参加し、各校１２人以内がハーフマラソン（２１・０９７５キロ）を一斉スタート。上位１０人のハーフマラソンの合計タイムで競い、上位１０校が箱根駅伝本戦（来年１月２、３日）の出場権を獲得した。麗沢大は落選し、今回も悲願の初出場はならなかった。

　前回優勝の青学大をはじめシード１０校、予選会通過１０校と、予選会敗退校の選手で編成されてオープン参加する関東学生連合の計２１チームが１０１回目の継走に臨む。

　昨年の予選会は第１００回記念大会だったため、例年より３増の上位１３校が出場権を獲得できたが、今回は例年通り、予選会からの出場枠は１０校だけ。「箱根への道」は険しく、厳しい。麗沢大は、その激戦を勝ち残ることはできなかった。

　出場権が得られる１０位までに「麗沢大学」の名前が呼ばれず、落選が決定。山川達也監督（４０）、主将の鈴木康也（４年）、エース格の工藤大和（４年）、チーム初のケニア人留学生のジュンゲヤネイヤイ（３年）らはがっくりと肩を落とした。

　２０１８年、１９年は２年連続で次点に泣いた。今回も立川の関を越えられず、箱根駅伝史上４５校目の初出場校として名乗りを挙げられなかった。

　最初のチャンスにして、最初の試練は２０１８年の予選会だった。第９５回記念大会だったため、出場枠は通常より１増の１１枠。１１位の上武大と１分５０秒差の１２位だった。その１年前の１７年は、チーム最高（当時）の１５位となり、選手は大喜びした。１８年はチーム最高成績を更新したが、選手は悔し涙を流した。本気で箱根駅伝出場を狙う力がついた証しだった。「悔しいという気持ちになったのも、（本戦に）行ける、という気持ちになったのも、その時が初めてでした」と山川監督は当時を振り返る。

　リベンジに燃えて挑んだ１９年の予選会。さらにチーム最高記録を更新し、１１位となったが、この年の出場枠は通年通りの１０校。２年連続で次点に泣いた。しかも、１０位で通過した中大とは、わずか２６秒差。歴代６位タイ（当時）の僅差だった。ひとり平均２・６秒、距離にして約１５メートル。ただ、その１５メートルが遠かった。膝から崩れ落ちて涙する選手に山川監督は「やってきたことはうそじゃない。それを一番近くで見てきた。本当にすまん…」と目を赤くして呼びかけた。

　３度目の正直で挑んだ２０年の予選会は１３位で敗退。２１年はチーム内で新型コロナウイルス感染が拡大した影響で２８位と惨敗した。近年、描いてきた上昇曲線が下降曲線に変わり、麗沢大のチャンスは消えたかに見えたが、２２年は１４位まで挽回。２３年も１５位。通過ラインが見える位置で踏ん張ったが、今回も、またもや、夢の箱根路を逃した。

　夏合宿では３０キロ走を繰り返し行うのが麗沢スタイル。同じ場所で合宿を行っている他校の選手たちが「麗沢大、きょうも３０キロ走だってよ」と驚くほど、泥臭く走り込んできた。選手たちの地道な努力に加え、２２年には麗沢大で初めてのケニア人留学生のジュンゲヤネイヤイが入学。今年はシューアキットゥも加わり、チームを大胆に強化した。

　山川監督は、箱根駅伝出場校の監督としては珍しい中京大の出身。中京大の大先輩に当たる青学大の原晋監督（５７）とは夏に長野・菅平高原などで合宿地が重なった時、夜に酒を飲みながら、陸上について熱く語り合う仲だ。原監督は「麗沢大の歴代の選手たちと山川監督の努力に敬意を表します。青学大も（２００７年に）次点に泣いた後、その翌年の予選会で３３年ぶりの復活出場を果たした。次点の悔しさ、突破の喜びを知っています。麗沢大も諦めずにチャレンジしてほしい」と激励した。

　関東学生連合の一員として１年時に６区（区間１０位相当）を駆け下った鈴木康也、２年時に花の２区（区間２０位相当）を担った工藤大和と２人の箱根駅伝経験者が来春、卒業する。今回の予選会に６人が登録された鈴木・工藤世代の４年生の穴は大きいが、麗沢大は果敢なチャレンジャーとして、第１０２回箱根駅伝の予選会でも、伝統校、常連校に立ち向かう。

【シード１０校】

青学大

駒大

城西大

東洋大

国学院大

法大

早大

創価大

帝京大

大東大

★関東学生連合