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甘辛のれん会 | 老舗物語  小鯛雀鮨 すし萬
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老舗物語  小鯛雀鮨 すし萬
sushi.jpg すし萬は、承応2年(1653)初代萬助が、魚屋を開業し、副業として雀鮨を営んできた。
天明元年(1781)京都の御所へ献じることがあり、西宮沖の小鯛を用いて雀鮨を作り評判を得、白河御殿御鮨師となり爾来世襲し、この折小鯛雀鮨を創業し、雀鮨専門店となり、ことさらに、総本家小鯛雀鮨と称する。
以後、初代萬助より数えて349年、その間変革を経ながら、伝統を守りながら、今日に至る。
平成22年8月、重厚、格式を誇り、老舗の代表的な筋違橋の本店は、老朽化により西靭本町に移転している。
● 大阪ずしとは
 大阪ずしはもともとお土産であって、すし屋は物品販売業である。今では90%までにぎり鮨になり、サービス業の感があるが、戦前は客席のないのが、格式であった。
戦後加工鮨の取扱いをはじめてからデパート等で、売場をもつようになった。

● おすしは漬ける
 小鯛雀すしの場合、桶詰が本来であったが、文化・文政の頃より、現在の大阪ずしの型<おしずし>ができ、その影響から布巾で仕上げたり箱で圧したりして現今の姿になってきたので、いま一般の雀鮨は、魚の身をおろしてはりつけてあるだけで、箱ずしに似ている。

● 鯛について
 すし萬では明治初年のの型を残し、一尾約220gの鯛を3寸×2寸にしあげたもの2個で一人前になっている。
昔は西宮沖、明石海峡、戦後は海流が変わったのと汚染のため淡路島南端から沼島付近で一本釣りのものを集めている。
 塩を打つにも手だてがあり、塩そのものにも加工したが精製塩で方法も変わってきた。

● 昆布について
 白板昆布は身湿度を保つためであったのが、最近は昆布も食される方が多くなり、従って昆布自体も吟味しなければならなくなり、北海道の尻岸内を使用している。

●<おすしは漬ける>は、なれずしの名残で今でも<漬ける>という。調理場を漬け場、
飯は「シャリ」が江戸、大阪では堂島に米穀取引所が在ったことから「しま」という。
●鯖ずしは、松前ずしともいうが、皮の形が柳の葉に似せて張るので、<すし萬>では<柳ずし>と称している。
●いそ巻きは昭和26年頃、すし萬のすしに馴染んで頂くため、記録にあった仕事を復元したもので急速に普及し、いそ巻きの総本家といえる。
●宇の丸は、夏に鯖の味が落ちるので、鰻を使用。
●ます巻きも同系である。

                               編集部
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