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第14世代Coreプロセッサ「Core i9-14900K」は世界最高のゲーム性能を有するのか?[レビュー]
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第14世代Coreプロセッサ「Core i9-14900K」は世界最高のゲーム性能を有するのか?[レビュー]
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印刷2023/10/17 22:00

レビュー

世界最高のゲーム性能を有するのか?

Intel Core i9-14900K

Text by 米田 聡


 10月16日に発表となったデスクトップPC向け第14世代Coreプロセッサ(開発コードネーム Raptor Lake Refresh)のK型番モデルに関するレビューが解禁となった。16日の記事で報じたとおり,第14世代Coreプロセッサは,第13世代からアーキテクチャこそ変わっていないものの,製造プロセスの改善などによって高クロック化を図った製品だ。
 本稿では,デスクトップPC向け第14世代Coreプロセッサの最上位モデル「Core i9-14900K」を用意して,そのゲーム性能を調べた結果を速報としてお伝えしたい。

Core i9-14900K
メーカー:Intel
実勢価格:未公開
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 Intelが「世界最高のゲーム性能を持つ」と豪語するCore i9-14900Kの性能を,既存CPUと比較してみよう。

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 10月16日22:00,Intelは,開発コードネーム「Raptor Lake Refresh」と呼ばれてきたデスクトップPC向け第14世代Coreプロセッサを発表した。第13世代Coreプロセッサのマイナーチェンジであるが,いくつかの新機軸が盛り込まれている。新CPUのラインナップと特徴をまとめてみたい。

[2023/10/16 22:00]


競合を含むハイエンド2製品とCore i9-14900Kを比較


 デスクトップPC向け第14世代Coreプロセッサについては,16日の記事を見てもらうとして簡単におさらいしておくと,第13世代Coreプロセッサ(開発コードネーム Raptor Lake)のアーキテクチャを継承しつつ,高クロック化を図った製品になる。チップセットやソケットも変わっていないので,Intel 600シリーズおよび700シリーズチップセットの既存のマザーボードで利用できる。

Core i9-14900Kの表(左)と裏(右)
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CPU-Z(Version 2.08.0)で確認したCore i9-14900Kの主な仕様
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 Core i9-14900Kは,P-coreの最大クロックが6GHzに達しているのが特徴だが,第13世代の「Core i9-13900KS」も最大クロックが6GHzに達しているので,史上初というわけではない。「Core i9-13900KSとCore i9-14900Kは何が違うのか」という問いに対して,Intelは前者の生産数が限られているのに対して,Core i9-14900Kが豊富に量産されることを挙げていた。裏を返せば,違いはその程度というわけだ。

 なおCore i9-14900Kは,Core i9-13900KSと同じように,電力リミットを引き上げて性能を高める「Extreme Power Delivery Profile」に対応する。Extreme Power Delivery Profileは,高性能向けの電力プロファイル「Performance Power Delivery Profile」の「ICCMax」(※CPUの最大供給電流)=307Aを,ICCMax=400Aにまで引き上げた電力プロファイルだ。
 Intelによると,少なくとも最上位チップセットのIntel Z690やIntel Z790を搭載するマザーボードなら,Extreme Power Delivery Profileに対応できるとのこと。ガイドラインとしてICCMax=400Aへの対応が要請されているからだろう。チップセットが最上位でないマザーボードは,Extreme Power Delivery Profileに対応できない可能性がある。

 なお,Extreme Power Delivery Profileを利用するには,マザーボードが条件を満たしていることに加えて,PCの冷却システムにも高い性能が求められる。Intelは,高性能な液冷クーラーの利用を推奨しており,冷却システムの性能が十分でない場合は,Extreme Power Delivery Profileを設定してもほとんど意味がないということにもなりかねない。Core i9-14900Kを購入しようというユーザーは,マザーボードの設定をチェックするとともに,冷却システムを事前にととのえておくといいだろう。

 前置きはこれくらいにして,テストに移ることにしよう。
 今回は比較対象として,第13世代の「Core i9-13900K」と,競合の16コアモデル「Ryzen 9 7950X」を用意した。Intelは,「Core i9-14900Kは,Ryzen 9 7950X3Dを上回るゲーム性能を持つ」とアピールしているので,Ryzen 9 7950X3Dを用意できればよかったのだが間に合わなかった。

※Ryzen 9 7950XはCPUコアの動作クロックを示す
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 マザーボードには,ASUSTeK Computerが第14世代Coreプロセッサに合わせて発売する新製品「ROG MAXIMUS Z790 FORMULA」を用意した。

ROG MAXIMUS Z790 FORMULA
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 ゲーマー向けブランド「Republic of Gamers」の最上位マザーボードシリーズ「ROG MAXIMUS」の中で「FORMULA」の名を冠する製品というと,かつてはIntel Z490チップセットを搭載した「ROG MAXIMUS XII FORMULA」や,前世代の「ROG MAXIMUS Z690 FORMULA」といった製品があったが,Z790チップセット搭載製品では,まだ登場していなかった。そのFORMULAが第14世代Coreプロセッサとともに帰ってきたわけだ。

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 ハイエンドモデルらしく,電源部には液冷に対応できる大型の冷却システム「ROGウォータークーリングゾーン」を搭載。直接に液冷システムに接続できるクーラーによりPCのオール液冷化が可能だ。また,SSD用ヒートシンクにファンを内蔵するなど,冷却周りの設計は非常に豪華である。
 オンボードの装備も充実している。たとえば,ROG MAXIMUS Z790 FORMULAでは,Wi-Fi 7対応を果たした。残念ながら,日本では法規制の関係でまだWi-Fi7は利用できないが,Z790チップセットを搭載するマザーボードとして,最新の装備で固められているのもROG MAXIMUS Z790 FORMULAの特徴といっていいだろう。

 第14世代Coreプロセッサに合わせて発売されるだけにCPUへの対応は万全で,Extreme Power Delivery Profileへの対応はもちろん,第14世代限定の機能である「Application Performance Optimization」も,筆者が試用した時点で対応が完了してる。第14世代Coreプロセッサと同時にマザーボードも入手しようというPCユーザーになら,ROG MAXIMUS Z790 FORMULAのようなマザーボードが最適だろう。

 そのほかの機材は表2にまとめたとおり。CPUクーラーにはいつもどおり,360mmの大型ラジエーターを備える液冷クーラー「ROG RYUJIN II 360」を使用して,今回はよりアグレッシブに冷却を行う「Turbo」プリセットで統一した。

※クリックすると詳細版を表示します
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 実行するベンチマークは,4Gamerベンチマークレギュレーション26.1に準拠した。ベンチマークレギュレーションはレギュレーション27が最新だが,今回は手違いにより,1つ前のバージョンで実施していることをお断りしておく。

 ゲームテストの解像度は,3840×2160ドットと2560×1440ドット,1920×1080ドットの3パターンとした。グラフィックス品質の設定は高負荷よりだが,超解像技術,とくにNVIDIA独自の超解像技術「DLSS」が利用できるタイトルでは,一部の例外(※後述)を除いて有効化しており,GPUのスループットを高めることでCPUの性能差が得られやすい設定を採用している。
 やや余談だが,かつてはGPUのスループットで頭打ちになる高解像度時にはCPUの性能差が顕在化しにくいという常識があった。だが,超解像技術が標準的に利用されるようになったことから,高解像度時にも以前よりはCPU性能が重要になってきているといえるのではなかろうか。


前世代とのCPU性能差は2%ほど


 まずは「3DMark」(version 2.27.8177)の結果から見ていこう。グラフ1は,3DMarkのDirectX 11テストである「Fire Strike」の総合スコアである。

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 前世代のCore i9-13900Kと比べると,グラフィックス負荷が高いFire Strike Ultraはほとんど変わらないものの,Fire Strike Extremeでは約3%,Fire Strikeでは約6%ほどCore i9-14900Kのほうが高いスコアとなった。アーキテクチャが同一で動作クロックの差は平均3%と考えれば,まずまずの結果だ。
 一方で,Ryzen 9 7950XとCore i9-14900Kを比較すると,Fire Strike Ultraはほぼ同じだが,Fire Strike Extremeでは約6%,Fire Strike Ultraでは約11%ほどCore i9-14900Kのほうが低い。Fire Strikeでは,Ryzenが高スコアを出す傾向は変わっていないようだ。

 以上を踏まえたうえで,個別スコアを見ていこう。グラフ2にFire StrikeのGPUテストである「Graphics test」を,グラフ3にFire StrikeのCPU性能テストとなる「Physics test」の結果をまとめている。

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 Graphics testはGPUの性能テストで,CPUの性能差は出にくいはずだが,もっともGPU負荷が軽いFire Strikeにおいて,Core i9-14900KがCore i9-13900Kに対して約10%ほど高いスコアを記録した。原因は不明だが,Fire Strikeは古いテストで最近のGPUとCPUの組み合わせだとブレが大きくなってしまっている。それが出てしまったのだろうと思う。
 また,Core i9-14900KとRyzen 9 7950Xを比べると,わずかながら3つのテストともにRyzen 9 7950Xのほうが高いスコアを記録する。この傾向は,Core i9-13900KとRyzen 9 7950Xの比較でも同様だ。Graphics testは総合スコアに反映される比率が高いので,Fire Strikeの総合スコアにおいてRyzen 9 7950Xが有利になる原因のひとつになっている。

 一方,CPU性能をテストするPhysics testのテスト結果は,順当なものだ。Core i9-13900Kとの比較では,Core i9-14900Kが約2%強ほど高いスコアを記録している。クロック差が平均3%なので妥当なスコアだ。
 Ryzen 9 7950Xに対しては,Core i9-14900Kのほうが約16%ほど高いスコアを残し,コア数の違いを見せつけた格好だ。

 続くグラフ4は,CPUとGPUの双方に負荷をかける「Combined test」の結果だ。

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 Core i9-13900Kと比べた場合,Fire Strike Ultraで約3%,Fire Strike Extremeで約8%の向上と順当だが,Ryzen 9 7950Xに対しては大きく届かない結果を残している。とくにFire Strikeでは,Ryzen 9 7950Xに比べてCore i9-14900Kのスコアは約35%も低い。これがFire Strikeの総合スコアにおいてCore i9-14900KがRyzen 9 7950Xに届かない2つめの理由と言っていいだろう。
 Ryzen 9 7950XはCombined testでやたらに高いスコアを残すのだが,古いテストだけに,ゲームとの相関がほとんどなくなっているので,結果に意味があるかは微妙な印象だ。いずれにしても,Combined testにおけるCore i9-14900Kは,Ryzen 9 7950Xに届かないことも含め順当な結果と見ていいかと思う。

 より現代的なテストであるDirectX 12テストのTime Spyの総合スコアを見ていこう(グラフ5)。

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 Core i9-14900KとCore i9-13900Kの比較では,グラフィックス負荷の高いTime Spy Extremeは,ほぼ横並び。Time Spyは約1%上回っているが,有意といえるかは微妙な差だ。
 一方,Ryzen 9 7950Xとの比較では,Fire Strikeからは一転してCore i9勢が高スコアを残しており,とくにTime Spyでは,Core i9-14900KがRyzen 9 7950Xに対して約20%も近く高いスコアを残している。そうなった理由を個別スコアで見ていくことにしよう。

 グラフ6にTime SpyのGPUテストとなるGraphics testの結果を,グラフ7にTime SpyのCPUベンチマークとなるCPU testのスコアをまとめている。

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 GPU性能を見るGPU testは,Core i9-14900KとCore i9-13900Kの差がほとんどないのは妥当だ。ただ,Ryzen 9 7950Xとの比較では,Time SpyにおいてCore i9勢が10%以上高いスコアを残している。この差が総合スコアでCore i9勢有利となった原因だろう。

 CPU testのスコアを,Core i9-14900KとCore i9-13900Kで比較すると,Core i9-14900Kが約2%ほど高い。クロック差から妥当なところだ。
 一方,Ryzen 9 7950Xと比べた場合,Time Spy Extremeは,ほとんど横並びだが,Time Spyになると,Core i9勢が40%以上も高いスコアを記録している。Time Spy ExtremeはAVX2命令セットを使うのに対して,Time SpyはSSE3命令セットまでしか使われないという違いがあり,スコア差はそれが原因と見て間違いない。Ryzen 9 7950Xは,AVX2の性能は高いものの,SSE3のスループットがCore i9勢に大きく及ばないというわけだ。

 3DMarkの結果をまとめると,スコアの凹凸はあるものの,純粋にCPUの性能差だけを見るテストにおいてはCore i9-14900Kは前世代のCore i9-13900Kに対して約2%ほどの性能向上と見てよさそうだ。クロック差が3%程度と考えれば,まずまず妥当と言っていいのではなかろうか。

 一方,グラフィックスに関連した性能は,3DMarkの結果はバラつきがあり読み取りにくい。ゲームではどうなるだろうか。


ゲームでも前世代を有意に上回る性能を持つ


 というわけで,最初のゲームテストとして,「Marvel's Spider-Man Miles Morales」(以下,Spider-Man MM)の結果を見ていこう。結果はグラフ8〜10だ。
 なお,Spider-Man MMでは高負荷寄りの画質設定にしたうえで,DLSSを有効化しているが,GeForce RTX 40シリーズで利用できる「DLSSフレーム生成」は無効にしている。

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 ざっくり見るとなかなか興味深い結果で,3840×2160ドットではRyzen 9 7950Xが好成績を残すものの,それ以下の解像度では,Core i9勢が有意に高いフレームレートを記録する。
 Core i9-14900Kの平均フレームレートを細かく見ると,Core i9-13900Kとの差は3840×2160ドットで約2%,2560×1440ドットで約1%,1920×1080ドットで約6%高い。アーキテクチャが変わらず,クロックの向上だけと考えれば妥当以上の性能向上だ。
 Ryzen 9 7950Xとの差は,3840×2160ドットで約4%ほど下回る。その一方で,2560×1440ドット以下では,3〜5%程度高い平均フレームレートを残している。最小フレームレートにおいても,2560×1440ドット以下ではCore i9-14900Kのほうが約10%ほども高いというのも特筆できる点だ。

 というわけで,Spider-Man MMではCPU性能差が出やすい低解像度時にCore i9-14900Kが良い成績を残すことから,CPU性能は順当に高いという見ていいだろう。ただ,GPU負荷が高い高解像度なら,Ryzen 9 7950Xが上回るようだ。

 次のグラフ11〜13は,「モンスターハンターライズ:サンブレイク」(以下,モンハンライズ サンブレイク)を,グラフィックス品質「高」でテストした結果である。

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 Core i9-14900Kの平均フレームレートは,前世代に対して3840×2160ドットで約4%向上しているものの,そのほかの解像度では,ほとんど横並びと見ていいだろう。
 Ryzen 9 7950Xとの比較は,Spider-Man MMを極端にしたような結果だ。2,560ドット以下の解像度では,Core i9-14900Kのほうが2割以上高いフレームレートを記録している。平均で数十フレーム違うという大きな差からすると,最適化の差だけでなく,モンハンライズ サンブレイクのゲームエンジンである「RE ENGINE」が,Intelのハイブリッドアーキテクチャをうまく使えているといったことが考えられそうだ。
 いずれにしても,モンハンライズ サンブレイクにおいては,Core i9-14900Kの性能は,前世代とあまり差がなさそうだと言えるだろう。

 次の「Call of Duty: Modern Warfare II」(以下,CoD MW2)では,グラフィックス品質を「極限」としつつ「アップスケール/シャープニング」でDLSSを選択したうえで,「NVIDIA DLSSプリセット」設定を「バランス」としてテストを実行した。結果はグラフ14〜16だ。

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 CoD MW2はGPU性能寄りのタイトルで,CPUではほとんど差がつかない。平均フレームレートは,ほぼ横並びと言ってよく,強いて言えば1920×1080ドット時の最小フレームレートにおいて,Core i9-13900K比で約4%,Ryzen 9 7950X比で約10%ほど高いことが目立つ程度だ。
 Intelは,Core i9-14900Kの99パーセンタイルの優秀さもアピールしていたりするので,先のSpider-Man MMの結果と合わせ,その片鱗を見せているとは言えるかもしれない。

 Fortniteは,アップデート後に「アンチエイリアス&スーパー解像度」の選択から「NVIDIA DLSS」の項目がなくなるという不可解なトラブルに見舞われたため,今回は画質を左右する「クオリティプリセット」に「最高」を設定したうえで,以下のようにGPU負荷を軽減する設定を採用した。

  • アンチエイリアス&スーパー解像度は「TSR最高」
  • 「テンポラルスーパー解像度」は「パフォーマンス」
  • 「3D解像度」は50%

 結果はグラフ17〜19のとおり。

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 ざっくり見ると,Core i9勢は1920×1080ドットでRyzen 9 7950Xとほぼ横並びながら,解像度2560×1440ドット以上だとRyzen 9 7950Xのほうが平均フレームレートで約6%弱も高くなり,3840×2160ドットでも約4%ほどCore i9-14900Kを上回る結果となっている。
 一方,Core i9-14900KとCore i9-13900Kを比べると,ほとんど横並びながら,いずれの解像度でも平均フレームレートがわずかに前世代に届いていないのが特徴だ。Fortniteはこれまでも,新しいCPUだとフレームレートが伸びないという結果をたびたび記録していて,今回もそれが出たとみていいだろう。
 Fortniteは,頻繁なアップデートで新CPUへの対応を行っているようなので,Core i9-14900Kのフレームレートも今後のアップデートで変わる可能性が高いと予想するのが妥当ではなかろうか。

 グラフ20〜22は,「God of War」(以下,GoW)における平均および最小フレームレートをまとめたものだ。GoWではグラフィックス品質を「ウルトラ」としたうえで,DLSSを有効化してテストを行った。

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 GoWは,プレイヤーによる操作が必要なので,結果のブレが比較的大きい。それを踏まえたうえで結果を見ると,ほとんど横並びと言える程度の差しかない。強いて言うなら,Core i9-14900KはCore i9-13900Kに対してどの解像度でも平均,最小フレームレートを数フレーム上げてきた。Core i9-14900Kのクロック向上が影響したのかもと,見ることはできるだろう。

 次のグラフ23は,FFXIV暁月のフィナーレ ベンチの総合スコアだ。

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 Core i9-14900Kのスコアを前世代と比較した場合,1〜4%程度の向上となり,CPU性能差が出やすい低解像度ほど差が大きいという順当な結果になった。1920×1080ドット時には堂々の4万超えのスコアを記録している。参考値になるが,これまで4万を超えたのはRyzen 9 7950X3Dと「Ryzen 7 7800X3D」だけだ。これらを超えると言うほどではないが,比肩する結果なのは確かだろう。
 なおCore i9-14900Kは,Ryzen 9 7950Xを8〜10%程度も上回っている。Ryzen 9 7950XはFFXIV暁月のフィナーレ ベンチで好成績を残すCPUというわけではないので,ここは順当といったところだろうか。

 グラフ24〜26に,FFXIV暁月のフィナーレ ベンチにおける平均および最小フレームレートをまとめている。

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 おおむね妥当と言えるが,少し面白いのは,Ryzen 9 7950Xの1920×1080ドットの平均フレームレートがCore i9-13900Kとほぼ同等になった点だろうか。であるにもかかわらず総合スコアがCore i9-13900Kと比べて有意に低いのは,Ryzen 9 7950Xの最小フレームレートが低いからと考えられる。

 ゲームテストの最後となる「F1 22」の結果がグラフ27〜29だ。F1 22では,グラフィックス品質を「超高」に設定すると同時に,DLSSを有効化してレンダリング負荷を下げてテストを実行した。

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 傾向としてはSpider-Man MMに近く,3840×2160ドットではRyzen 9 7950Xが好成績を残す一方で,2560×1440ドット以下ではCore i9勢が有意に高い平均,最小フレームレートを記録した。Core i9-14900Kと前世代の差は,3840×2160ドット時でほぼ横並び,それ未満では約2%前後と,クロック差を考えれば妥当なものとなっている。

 定番のベンチマークでCore i9-14900Kの性能をチェックしてきたが,Core i9-13900Kに比べると,多くのタイトルで2〜数%程度の性能向上が得られているようだ。大幅な向上とは言い難いが,アーキテクチャの変更がない高クロック版と考えれば妥当以上だろう。Ryzen 9 7950X3Dと比較していないので,今回の結果だけでは,Intelが主張するように世界最高のゲーム性能を持つと断言はできないが,Core i9-13900Kよりも有意に高いゲーム性能を持つCPUとは言えよう。


消費電力も順当に増加したCore i9-14900K


 レギュレーションに準拠した方法で,ゲーム実行中の消費電力を測定して,Core i9-14900Kの電力性能をチェックしていくことにしよう。まずは,アプリケーション実行中におけるCPU単体の最大消費電力がグラフ30である。

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 最大値を記録したのは3DMark実行時の約305Wだが,3DMarkは純粋なCPU性能テストを含むので,最大を記録するのは当然だろう。ゲームで見ると,最大を記録したのはSpider-Man MM実行時の約248Wだった。前世代にくらべて最大値が低いタイトルも散見されるものの,全般的には,やはりCore i9-14900Kは前世代より消費電力が上がっている傾向が見える。
 なお,Windows 11が最新の「22H2」にアップデートされた直後は,CPUのアイドル時消費電力が下がりにくくなっていたが,アップデートが進んだためかCore i9勢は順当に2W前後まで下がるようになっていた。Ryzen 9 7950Xの20W台に比べると圧倒的に優秀で,Ryzen勢にはもう少し頑張って欲しいという印象だ。

 というわけで,Core i9-14900Kを最大消費電力で見ると厳しい印象だが,CPU単体の最大消費電力は瞬間最大風速のようなもの。実際の消費電力の参考にはなりにくい。より参考になるのは,次のグラフ31にまとめたアプリケーション実行中の典型的な消費電力を示す消費電力中央値だろう。

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 Core i9-14900Kの中央値を前世代と比較すると,CoD MW2実行時のように例外的に下がっているタイトルはあるものの,それ以外のタイトルでは,おおむね高くなっている。ばらつきはあるが,差は数Wから数十Wといったところ。2%強ほどの性能差と考えると,消費電力あたり性能はよくない,と結論せざるを得ない。フレームレートあたりの消費電力という観点で見れば,ゲームではせいぜい140W台で収まるRyzen 9 7950Xのほうに軍配が上がりそうだ。

 参考までに,ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いて,各テストの実行時におけるシステムの最大消費電力をグラフ32にまとめておこう。

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 GeForce RTX 4090というモンスターGPUを使っているので,全体の消費電力はGPUが支配的になるが,アプリケーション実行時の最大消費電力をざっくり平均してみるとCore i9-14900Kが約712W,Core i9-13900Kが約695W,Ryzen 9 7950Xが約670Wという結果になる。
 やはりCore i9-14900Kは前世代に対して,システムの消費電力が上がっていると言えよう。GeForce RTX 4090とCore i9-14900Kを組み合わせると,ときとして800Wを超える消費電力を叩き出すので,電源ユニットには1200W程度は必要だろうと思われる

 ただ,Core i9勢は,アイドル時の消費電力が優秀で,Ryzen 9 7950Xよりも10W以上低い。ただ,Core i9-14900KがCore i9-13900Kよりも低いアイドル時の消費電力を記録した理由は,実のところよく分からない。CPU単体のアイドル時消費電力はほとんど変わらないので,CPU以外の要因でCore i9-14900Kのアイドル時の電力が低下したのは間違いないようだ。


高クロック版としては妥当なCore i9-14900K


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 今回は速報的に,Core i9-14900Kのゲーム性能を重点的にチェックしてきた。おおむね,Core i9-13900Kから2%前後のフレームレート向上で,動作クロック差からすれば妥当以上のゲーム性能向上を見せたとまとめられよう。性能差だけなら,Core i9-13900Kから買い替えるほどの価値は見いだせないが,おおむね価格は前世代並みに抑えられているので,これからLGA 1700マザーボードを導入しようというゲーマーなら,Core i9-14900Kは最高性能を狙える選択になるはずだ。

 ゲームに関連して注目できる点としては,第14世代からサポートされるApplication Performance Optimization(以下,APO)が挙げられる。対応ゲームが限定される同機能だが,対応しさえすれば10%超の性能向上が見られるようだ。APO対応ゲームが広がってくれば,Core i9-14900Kの価値はより高まるに違いない。今後の普及に期待したい。

IntelのCoreプロセッサファミリー情報ページ

  • 関連タイトル:

    第14世代Core(Raptor Lake Refresh)

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