16年という年月をセクシー女優に捧げ、レジェンドと称された吉沢明歩。栄枯盛衰が目まぐるしく、浮き沈みも激しいAV業界で、単体女優としては最高本数を誇る351本に出演。今年3月のセクシー女優引退から半年が過ぎ去ったこの秋、『おたぽる』取材班が吉沢明歩に緊急インタビュー!
―― 16年間ずっと続けてきたセクシー女優を、今年3月で引退されましたね。
吉沢明歩(以下、吉沢) はい、セクシー女優としてはもう、出来る範囲のことはやりつくしたのかなと思いました。これ以上粘るよりは、何か新しいことに向かっていきたいし、ちょうどいい時期かなと。
引退そのものはずっと考えていましたね、10周年を迎えたその後くらいから。恵比寿マスカッツも終わって、ファンの人たちから何時まで続けるのか聞かれることも多くなってきて。でも私、あまのじゃくなので、だったら期待を裏切ってずっと頑張っていこうと。そう思って、新しいジャンルの作品にもチャレンジしました。なので、ここ2年くらいは以前よりもハードな内容の作品が増えてきましたね。
学生のサークル内で、女の子を酔わせてといったような事件が社会問題化していった中で、そういった犯罪の抑止力になればと考え、凌辱的な作品に出演したこともありました。ところが、女性側から「抑止力になっていないんじゃない?」といったような声も聞こえてきたので、同じ女性としての立場や生きづらさを考えていく中で、そろそろ自分的にも限界なのかなと……。
―― 吉沢さんはアダルト系の作品とは別に、映画やTVドラマ、Vシネマなどにも女優として出演されてきました。
吉沢 役を演じてみたいっていう願望とは裏腹に、演技に関しては今まで何一つ勉強してこなかったんです。なので、映画やドラマの撮影現場で一つ一つ勉強させて頂きました。行き届かないところも多かったので、周囲に迷惑をかけながらのチャレンジだったと思います。
―― 僕がプロデューサーを担当した映画で孤高のヒロインを熱演して頂き、それは素晴らしい演技でした。ですが、当時はセクシー女優としての撮影やイベント、それにレギュラー番組の収録などが重なり、映画出演して頂こうにも、撮影スケジュールが立てられないような状況で。
吉沢 あの当時を振り返ると、もう日々めまぐるしくて、スケジュール帳がすべて仕事で埋まってしまうような日常でした。でも、ずっとそうなりたかったし、なりたかった自分になれたんだと実感できる充実した日々でした。よくあんなに仕事ができたなと。なので恋愛なんかは二の次でした、仕事が出来ればよかったので。
―― 恋愛と仕事の両立は、男女を問わずシビアな問題ですからね。
吉沢 私が落ち込んでしまった時、好きな人が近くにいてくれて、仕事との均衡が保っていられたらよかったのでしょう。でも、そのどちらも頑張らないといけなくなってしまうと、結局は仕事へと戻ってしまう。そういった部分も含めて、仕事に賭けてきた16年間でした。
―― そして現在は、カウンセラーとして「アリア六本木クリニックメンズ」に勤務されているんですよね。
吉沢 タレント活動と並行してカウンセラーをさせて頂いております。ジャンルという部分では、以前からカウンセリングに興味があったんです。所属事務所の社長が元々、クリニック経営をしていた経緯もあって勤務することになりました。
カウンセリングを通して感じたのは、悩みを打ち明けるのって、とっても勇気がいることなんだなぁと。先ず、女性に悩みを打ち明けるのには高いハードルがあって、そんなハードルを何とか乗り越えて来て頂いてます。相談者に対しては、私自身もそうなんですが、良い面も悪い面もちゃんと提示しなくてはならないと思ってます。その両面をきちんと伝えた上で賢く選択して頂くという、そんなカウンセラーでありたいと何時も考えているんです。
そもそも、男性の悩みというのは思いのほか深く、多岐に渡ります。当然、専門知識を磨いておかないと私自身も苦しいので、今は勉強の毎日です。
―― 相談者はカウンセラーが吉沢明歩だと知って、クリニックを訪れるんですか?
吉沢 会いたいから来てしまったという感じの方は多いですね。なのに、私に悩みを打ち明けるんですから、内心は恥ずかしいんだと思います。
最初、生活スタイルから聴くんですが、的確な回答がすぐに出てくる場合と、そうでない場合とに分かれてしまいます。得意なのは、ダイエットや栄養面でのカウンセリングですね。AGAで悩んでいる人は、脂っこい食事をしている人が多いので、食事の管理を細やかに伝えています。