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総観気象(そうかんきしょう)とは? 意味や使い方 - コトバンク

総観気象(読み)そうかんきしょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「総観気象」の意味・わかりやすい解説

総観気象
そうかんきしょう

天気図などの総観的手段を用いることにより、大気動態を明らかにしていくことで、気象学の一分野としての総観気象学synoptic meteorologyは、以前は綜観(そうかん)気象学と書かれたが、天気図を手段とした天気予報法の基礎となる重要な分野である。

 鳥が高所から広い区域を見下ろすように、さらに大規模には、気象衛星地球の広区域を見下ろすように、ある時点の大気中の姿を一枚の図に描き出し、これを次々に並べることによって大気の動態を映し出していく気象学独特の方法を、総観法synoptic methodという。総観法は例えてみれば映画的手法といってもよい。静止した物体なら、これを映し出すのに一枚の写真で足りるが、動く物体のようすを表すには、映画の手法を借りなければならない。すなわち、われわれが日常見慣れている天気図とか衛星写真は、フィルムの一こまに相当するものである。次々の時点で、その時点における一こまとしての天気図をつくり、これを並べて見ていくことによって、天気の動態がとらえられるのである。

 気象学の1分野としてこのような特徴的方法がとられるのは、大気現象が他の地球科学現象と比較したとき、その動きと変化が激しいことによるのである。これと対照的なのは地図による地形表現であり、地理学の一手段となるが、これは地表の変化が大気の変化に比べて桁(けた)はずれに緩やかであることによる。

根本順吉

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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