出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
令制(りょうせい)で定められた定員以外に置かれた官の一つ。権官と員外官との区別はかならずしも容易ではないが、員外官は令規の正官と並ぶ定員外の官で、主として奈良時代に京官、地方官に任命された。781年(天応1)の詔により、郡司、軍毅(ぐんき)を除いて、内外文武官を問わず、員外の任はいっさい廃止されて以来、権官がこれにかわって盛行する。ただし、奈良時代においても権官はみえるが、多くは「かりの官」として、暫定的に政務の運営に参与させたという意味である。779年(宝亀10)藤原田麻呂(たまろ)をもって中衛(ちゅうえ)権大将に任命したのが正規の権官の初見か。以後、平安時代に入ると内外官ともに権官が増加する。
[渡辺直彦]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
権任の官。正官に対して仮に任じた官の意であるが,8世紀末に停廃された員外官の系譜をもひき,任じた事情によって栄誉官・補佐官・左遷官など異なった性格をおびた。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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