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ミロシュ・オブレノビチ(みろしゅおぶれのびち)とは? 意味や使い方 - コトバンク

ミロシュ・オブレノビチ(読み)みろしゅおぶれのびち(英語表記)Miloš Obrenović

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミロシュ・オブレノビチ」の意味・わかりやすい解説

ミロシュ・オブレノビチ
みろしゅおぶれのびち
Miloš Obrenović
(1780―1860)

近代セルビアのオブレノビチ王家創設者。セルビア公(在位1815~1839、1858~1860)。貧農の出で、家畜を扱う商人となり、1804年オスマン・トルコ帝国に対する第一次セルビア蜂起(ほうき)に参加。蜂起は失敗したが、彼は1815年に第二次蜂起を組織する。現実主義的なミロシュは、トルコからの解放を前面に出して闘い失敗した第一次蜂起の教訓を生かし、反乱を起こすと同時にオスマン帝国との外交交渉を続けた。ナポレオン戦争が終結し、ロシアがバルカン半島に全勢力を注ぐことができるようになった当時の国際情勢も彼に味方した。同1815年10月、トルコ軍指揮官とミロシュとの間に協定が結ばれ、セルビアに一定の自治が認められ、彼は公となった。国内的にはカラジョルジェビチ家を中心とする反対勢力を抑えることが課題であった。これと並行して自治を求める交渉を続け、1830年に至りセルビアはスルタンからの正式な自治を獲得し、公国として国際的にも承認された。セルビア発展の基礎を築いた人物として評価されている。

[柴 宜弘]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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