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ハリガネムシとは? 意味や使い方 - コトバンク

ハリガネムシ

デジタル大辞泉 「ハリガネムシ」の意味・読み・例文・類語

はりがねむし【ハリガネムシ】[書名]

吉村万一短編小説。平成15年(2003)発表同年、第129回芥川賞受賞

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ハリガネムシ」の意味・わかりやすい解説

ハリガネムシ (針金虫)

類線形動物門Nematomorphaに属する無脊椎動物の総称。体が針金のように細長く,体表のクチクラがかなり硬いところからこの名がある。淡水中で自由生活する。体長は,ふつう10~40cmであるが,1mほどになるものもあり,体色も白色,黄色,暗褐色など,いろいろである。体の前端はまるくて中央に口が開き,後端はまるいか2~3葉に分岐する。消化管は体の腹側を縦走するが,成体になって成熟してくると管のところどころが退化して閉ざされ,食物をとることはできなくなる。循環系,呼吸器,排出器はない。雌雄異体で,交尾して産卵する。水中で孵化(ふか)した体長50μmほどの幼虫が,ユスリカやフタバカゲロウなどの幼虫が吸水するときに侵入して成長し,中腸壁の外側でシスト化する。これらの昆虫が羽化してカマキリキリギリスゲンゴロウなどの昆虫に食べられると,宿主内で成長して成体となり,宿主の肛門近くの体節の間に孔をあけ,水中にでて自由生活する。ニホンザラハリガネムシChordodes japonensis,フクイザラハリガネムシC.fukuiiなど,日本では十数種が知られ,世界では200種ほど報告されている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハリガネムシ」の意味・わかりやすい解説

ハリガネムシ
はりがねむし / 針金虫
hairworm

類線形動物門ハリガネムシ目Gordioideaの総称。体はその名のとおり針金のように細長く、体長数センチメートルから数十センチメートル、まれに1メートルになるものもある。体色は白、黄、暗褐色など種類によって異なる。雌雄異体で、雌は雄よりも大きい。世界中で約250種が知られ、日本には約10種がいる。

 成虫は水中で自活生活をするが、食物をとらず、雄は体の後部を雌に絡ませて交尾し、繁殖期を終えるとやがて死ぬ。産卵は春から夏に行われ、水中で孵化(ふか)した幼虫は直接宿主に食べられるか、あるいは一度ユスリカやフタバカゲロウなどの幼虫に取り込まれ、その体内で小さな袋に包まれ、これらの昆虫が羽化後カマキリなどの宿主に食べられて、その体腔(たいこう)内で寄生生活をしながら成長する。成長が終わると、宿主の肛門(こうもん)近くの体節間に孔(あな)をあけ、虫体の先端をのぞかせ、宿主が水のあるところへきたとき脱出する。脱出は夏から秋にかけてが多く、越冬後産卵するが、なかには宿主に寄生したまま越冬し、春から夏に脱出して産卵するものもある。

 ハリガネムシの宿主は昆虫類のカマキリ、キリギリス、コオロギゴミムシ、ゲンゴロウなどで、前述のユスリカやフタバカゲロウなどはこれらの宿主へ移行するための移動宿主と考えられる。なお、まれに幼児から吐き出された例があるが、これはおそらく偶然飲み込まれたものと考えられる。

[町田昌昭]

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百科事典マイペディア 「ハリガネムシ」の意味・わかりやすい解説

ハリガネムシ

(1)類線形動物門ハリガネムシ類の無脊椎動物の総称。体長はふつう10〜40cmの細長い針金状で黒褐色。湿地や小川などの水中にすむ。幼生はカマキリやバッタなどの昆虫類の体腔に寄生し,成長すると寄主の体外にでる。(2)コメツキムシ類の幼虫の総称。

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