きる

キル も参照。

日本語

動詞: 切る

きる

1. 基本義（切・斬・伐・剪・截）: 刃物などを用いて、断（た）つ・分離する。切り離す。切断する。
   1. 【切る】刃物で二つ以上に分（わ）ける。
   2. 【切る】つながっているものを外す。
   3. 【切る】ある数量を下回る。
   4. 【切る】（動詞の連用形について）完（まっと）うする。終わりまでやる。しつくす。
   5. 【切る】（動詞の連用形について）極限に達する。
      • 弱りきる。疲れきる。
   6. 【切る】（動詞の連用形について）離す。
      • 断ち切る。振り切る。
   7. 【切る】（動詞の連用形について）（九州方言）できる。可能である。
   8. 【斬る】刀（かたな）、剣（つるぎ）などの白兵（刃物）で殺（ころ）す。
   9. 【斬る】鋭く批判する。欠陥を論（あげつら）う。
   10. 【伐る】木を切り倒す。

活用

活用と結合例

き-る 動詞活用表（日本語の活用）

ラ行五段活用
語幹	未然形	連用形	終止形	連体形	仮定形	命令形
き	ら ろ	り っ	る	る	れ	れ

各活用形の基礎的な結合例

意味	語形	結合
否定	きらない	未然形 + ない
意志・勧誘	きろう	未然形音便 + う
丁寧	きります	連用形 + ます
過去・完了・状態	きった	連用形音便 + た
言い切り	きる	終止形のみ
名詞化	きること	連体形 + こと
仮定条件	きれば	仮定形 + ば
命令	きれ	命令形のみ

語源

古典日本語「きる」（切る） < 日本祖語 *kiru

発音

• (東京式) き​る [kíꜜrù] (頭高型 – [1])
• IPA^(?): [kʲiɾɯ̟ᵝ]
• (京阪式) きる

類義語

• （語義1-2）伐採する、切断する。切除する。

派生語

• きっての

翻訳

刃物などで分離させる

• イタリア語: tagliare
• 英語: cut ^(en), cut off ^(en), sever ^(en); （主に食べ物を刻む） slice ^(en)
• スペイン語: cortar ^(es)
• 中国語: 砍、剪、切、割
• ドイツ語: schneiden ^(de)
• フランス語: couper ^(fr), trancher ^(fr), tailler ^(fr)
• ポーランド語: ciąć ^(pl), obcinać ^(pl)/obciąć ^(pl); （伐る、斬る） ścinać ^(pl)/ściąć ^(pl); （切り傷を作る） kaleczyć ^(pl)/skaleczyć ^(pl); （主に食べ物を刻む） kroić ^(pl)
• ポルトガル語: cortar
• リトアニア語: kirsti ^(lt), nukirsti ^(lt), pjauti ^(lt)
• ルーマニア語: tăia, secera

動詞: 着る

きる【着る・著る】

1. 衣服などを身に付ける。
   • 今日は新しい洋服を着る。
2. 身に負わされる。受ける。
   • 濡れ衣を着る。
   • 恩に着る。

活用

活用と結合例

きる 動詞活用表（日本語の活用）

カ行上一段活用
語幹	未然形	連用形	終止形	連体形	仮定形	命令形
(語幹無し)	き	き	きる	きる	きれ	きろ きよ

各活用形の基礎的な結合例

意味	語形	結合
否定	きない	未然形 + ない
意志・勧誘	きよう	未然形 + よう
丁寧	きます	連用形 + ます
過去・完了・状態	きた	連用形 + た
言い切り	きる	終止形のみ
名詞化	きること	連体形 + こと
仮定条件	きれば	仮定形 + ば
命令	きろ きよ	命令形のみ

発音

• (東京式) きる [kìrú] (平板型 – [0])
• IPA^(?): [kʲiɾɯ̟ᵝ]
• (京阪式) きる

類義語

• まとう

翻訳

衣服を身に付ける

• イタリア語: indossare
• 英語: wear ^(en), put on ^(en)
• 中国語: 穿
• 朝鮮語: 입다 ^(ko) (ipda)
• フランス語: mettre, porter
• ポーランド語: ubierać się ^(pl)/ubrać się ^(pl)
• ルーマニア語: purta

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古典日本語

動詞：切る

きる【切る】

1. 切る。切断する。
2. 決着をつける。
3. 期限を決（き）める。
4. （動詞の連用形に付いて）すっかり～する。～し終（お）える。

き-る 動詞活用表（日本語の活用）

ラ行四段活用
語幹	未然形	連用形	終止形	連体形	已然形	命令形
き	ら	り	る	る	れ	れ

きる【切る】

1. 切（き）れる。分断される。
2. 決着がつく。
3. 終（お）わる。尽（つ）きる。
4. 逸（そ）れる。

き-る 動詞活用表（日本語の活用）

ラ行下二段活用
語幹	未然形	連用形	終止形	連体形	已然形	命令形
き	れ	れ	る	るる	るれ	れよ

語源

日本祖語 *kiru

発音（四段活用）

二拍動詞二類^(?)

• 連体形

  (平安時代)きる

  (南北朝時代)きる

  (室町時代)きる

  (江戸時代)きる

動詞：霧る

きる【霧る】

1. 霧（きり）や霞（かすみ）がかかる。霞（かす）む。
2. 目（め）が涙（なみだ）で曇（くも）る。

き-る 動詞活用表（日本語の活用）

ラ行四段活用
語幹	未然形	連用形	終止形	連体形	已然形	命令形
き	ら	り	る	る	れ	れ

派生語

• きらす
• きらふ
• きり（霧）

動詞：着る

きる【着る】

1. 衣服などを身に付ける。履（は）く。
2. （笠などを）被（かぶ）る。

きる 動詞活用表（日本語の活用）

カ行上一段活用
語幹	未然形	連用形	終止形	連体形	已然形	命令形
（語幹無し）	き	き	きる	きる	きれ	きよ

発音

二拍動詞一類^(?)

• 連体形

  (平安時代)きる

  (南北朝時代)きる

  (室町時代)きる

  (江戸時代)きる

動詞：鑽る

きる【鑽る】

1. 火（ひ）を起（お）こす。

き-る 動詞活用表（日本語の活用）

ラ行四段活用
語幹	未然形	連用形	終止形	連体形	已然形	命令形
き	ら	り	る	る	れ	れ