FLOSS
FLOSS(フロス)は、Free/Libre and Open Source Softwareの頭字語であり[注釈 1]、自由ソフトウェアとオープンソースをまとめて表現する語である[1]。Free/Open Source Software の頭字語を取ってFOSSとも呼ばれる。
FLOSSという名称の背景
[編集]自由ソフトウェアという語は1980年代に、自由ソフトウェア運動の創始者であるリチャード・ストールマンにより創られていた。
しかし英語の"Free"には「自由」と別に「無料」という意味もあるためオープンソースソフトウェアという言葉が使われるようになったが、これにより本来の目的であるユーザーの「自由」の語が削られてしまった[2][3]。
リチャード・ストールマンをはじめとするフリーソフトウェア運動の推進者は、「オープンソースという語は自由ソフトウェアの意図を表していない」として論難し、「自由ソフトウェアと呼ぶべきである」と主張している[4]。
その結果[要出典]、フリーソフトウェアとオープンソースの双方を包括する表現としてFOSS (Free/Open Source Software) やFLOSSが使われるようになっていった[いつから?]。
FOSSとFLOSS
[編集]Free/Open Source Softwareという英語の頭字語であるFOSSは、時が経つにつれ、より多くの言語で概念を伝えるためにFLOSSとなっていった[注釈 2]。Lは「自由な」を意味するフランス語やスペイン語のlibre、イタリア語のliberoを表す。
また、freeという語が多義であり、Free softwareについては「自由」の意であるのにもかかわらず、「無料」の意と混同されがちである。そのため、自由ソフトウェア支持者はしばしば、「自由」の意を明確にするために、英語ではないもののあえてラテン語(ないしフランス語、スペイン語)のlibreという語を好むことがある(例えばLibreOffice)。
自由ソフトウェアやオープンソースの概念を生み出した陣営はそれぞれの用語を生み出した経緯もあり、FLOSSなどの頭字語を支持する立場ではない[要出典]。しかし、両陣営間での摩擦を望んでいる訳ではないため、両者の関係を良好にするこの用語を歓迎している。事実、自由ソフトウェアの創始者であるリチャード・ストールマンは、公共の場でもこの頭字語を用いている。とりわけ、研究プロジェクトなどではこの頭字語を使って中立性を保っている[5]。
2004年末には、FLOSSという頭字語は、南アフリカ共和国[6]やスペイン[7]、ブラジル[8]を含むいくつかの国の英語での公式文書内で使われている。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ Richard Stallman (2016年11月18日). “FLOSS and FOSS”. 2018年2月9日閲覧。
- ^ “「マイクロソフトを嫌っていたのではない、われわれが嫌われていたのだ」――Rubyまつもとゆきひろ氏が語る、MSの壁”. ITmedia (2016年6月8日). 2024年8月8日閲覧。
- ^ “「フリーソフトウェアの目的は多くの人に使われることではない。使う人を自由にすることだ」─Internet Week 2001「リチャードストールマンと話そう」BOFレポート”. ASCII.jp (2001年12月8日). 2024年8月8日閲覧。
- ^ リチャード・ストールマン. “なぜ、オープンソースは自由ソフトウェアの的を外すのか”. 2021年3月3日閲覧。
- ^ Free Software - Free Society!:リチャード・ストールマンとのインタビュー、2004年。
- ^ Free/Libre and Open Source Software and Open Standards in South Africa: A Critical Issue for Addressing the Digital Divide、National Advisory Council on Innovation(NACI)による。2004年7月。
- ^ FLOSS deployment in Extremadura, Spain、Interoperable Delivery of European eGovernment Services to public Administrations, Business and Citizensによる。2003年10月。
- ^ Relatório da ONU aponta o Software Livre(FLOSS) como melhor、softwarelivre.orgにて。2004年2月2日。