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橘守部

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
橘 守部
人物情報
別名 通称:飯田元輔(源助)
:池庵、椎本、生薬園など。
生誕 天明元年4月8日 (1781-05-01) 1781年5月1日
伊勢国朝明郡小向村(現・三重県三重郡朝日町小向)
死没 嘉永2年5月24日 (1849-07-13) 1849年7月13日(68歳没))
江戸
国籍 日本の旗 日本
配偶者 政子
両親 飯田元親
学問
時代 江戸時代後期
研究分野 国学
主な業績 神典の研究
影響を受けた人物 谷川士清
主な受賞歴 正五位
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橘守部生誕地案内板(三重県三重郡朝日町小向地区)
朝日町役場前には「橘守部翁生誕之地」と刻まれた石碑がある。

橘 守部(たちばな もりべ、天明元年4月8日1781年5月1日) - 嘉永2年5月24日1849年7月13日))は、江戸時代後期の国学者通称は飯田元輔・源助。は池庵・椎本・生薬園など。

生涯

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天明元年(1781年)、伊勢国朝明郡小向村(現在の三重県三重郡朝日町小向)の庄屋の家に生まれた[1]飯田元親谷川士清の門人であった[2]

文化6年(1809年)、武州幸手に移住。この頃に田村清八の娘政子と結婚した[3]。晩年は江戸に住んで肥前国平戸藩松浦氏の知遇を得た[要出典]

嘉永2年(1849年)、69歳で死去。墨田区向島にある長命寺に葬られた[4][注 1]。墓碑は墨田区の登録文化財に登録されている[6]

昭和3年(1928年)、正五位を追贈された[7]

業績

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八丁堀に転居した頃に『宇治大納言物語』『古今和歌集』『十訓抄』等を読み、父の遺志を継承する形で、国学の道へ進んだ[3]

守部は本居宣長を痛烈に批判し[3]、『古事記』よりも『日本書紀』を重んじて、神話の伝説的な部分と史実の部分の区分の必要性を説いた。晩年には死後安心論にも関心を寄せた[要出典]。守部による独自の学説は、武蔵国北部から上野国にかけて普及し、機業家などに門人を広げた[要出典]

著書

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『神風問答』『伊勢物語箋』『待問雑記』『山彦冊子』『稜威道別』『稜威言別』『神代直語』『難古事記伝』『土佐日記舟の直路』『万葉集墨縄』『万葉集檜嬬手』『湖月抄別記』『長歌撰格』『短歌撰格』『心の種』などがある[8][9][10]

脚注

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注釈

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  1. ^ 守部の生家は浄土真宗だが、天台宗の長命寺に墓所があるのは、守部と長命寺の住職歌道の親交が深かったからと言われる[5]

出典

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  1. ^ すみだゆかりの人々 1985, p. 38.
  2. ^ 谷川士清顕彰保存会編『資料・谷川士清をめぐる人々』谷川士清顕彰保存会、1975年。
  3. ^ a b c すみだゆかりの人々 1985, p. 39.
  4. ^ 長命寺 -天台宗東京教区
  5. ^ すみだゆかりの人々 1985, p. 40.
  6. ^ 橘守部墓・橘冬照墓 -すみだ文化財・地域資料データベース
  7. ^ 田尻佐 編『贈位諸賢伝 増補版 上』(近藤出版社、1975年)特旨贈位年表 p.56
  8. ^ 中根粛治編『慶長以来諸家著述目録:和学家之部・小説家之部』青山堂支店、1893年、pp.266-267
  9. ^ 大川茂雄・南茂樹編『国学者伝記集成』大日本図書、1904年、p.1261
  10. ^ 『日本古典文学大辞典 簡約版』岩波書店、1986年、P1,179

参考文献

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  • 鈴木暎一『橘守部』吉川弘文館人物叢書〔新装版〕〉、1988年9月。ISBN 4642051341 
  • 墨田区教育委員会 編『すみだゆかりの人々』墨田区教育委員会、1985年3月、38-40頁。 

関連文献

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  • 村岡典嗣『日本思想史研究』岩波書店、1930年11月(増訂版、1940年10月。ISBN 4000016008
  • 徳田進『橘守部の国学の新研究:産業意識と国民文化の形成』高文堂、1974年11月
  • 徳田進『橘守部と日本文学:新資料とその美論』芦書房、1975年5月
  • 朝日町歴史博物館編『橘守部と伊勢の国学者たち』朝日町歴史博物館、2001年2月(平成12年度特別展)
  • 朝日町歴史博物館編『守部と秋主と平戸藩:国学者をとりまく人々』朝日町歴史博物館、2003年11月(平成15年度企画展)
  • 朝日町歴史博物館編『郷土の人 橘守部』朝日町歴史博物館、2006年11月(平成18年度企画展)
  • 朝日町歴史博物館編『橘守部の学問斯道文庫コレクション展』朝日町歴史博物館、2012年8月(開館15周年記念企画展)
  • 朝日町歴史博物館編『橘守部:国学研究と門人たち』朝日町歴史博物館、2021年11月(令和3年度企画展)