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村治佳織

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

村治佳織
出生名 村治佳織
生誕 (1978-04-14) 1978年4月14日(46歳)
出身地 日本の旗 日本東京都台東区
ジャンル クラシック
職業 クラシックギタリスト
担当楽器 クラシックギター
活動期間 1993年 -
レーベル デッカ・レコード
事務所 村治事務所
公式サイト www.officemuraji.com

村治 佳織(むらじ かおり、1978年4月14日 - )は、日本ギタリスト東京都台東区出身。

同じくギタリストの村治奏一は実弟。

来歴

フランス留学まで(1978年 - 1999年)

村治佳織は1978年4月14日に生まれた。3歳から父・村治昇にギターの日々厳しい特訓の手ほどきを受け、その後10歳からは福田進一に師事した[1]1989年の日本ジュニア・ギター教育協会主催「日本ジュニア・ギター・コンクール」にて最優秀賞を、1991年の学生ギター・コンクールにおいて、全部門通じての最優秀賞を受賞。さらに1992年には、ブローウェル国際ギター・コンクール(東京)と東京国際ギター・コンクールで優勝している[2]

1993年、津田ホールにてデビューリサイタルを開催し、同年にアルバム『エスプレッシーヴォ』を発表しデビュー[3]。翌1994年には、日本フィルハーモニー交響楽団と共演、協奏曲デビューも果たしている[4]。なお、デビュー時には『若さ』という付加価値に頼らずに、あくまで音楽そのものを人々に伝えたいとの思いのもと、実年齢を公表していなかった[3]。1995年には第5回出光音楽賞(1994年度)を最年少で、1996年には村松賞を受賞している。同年5月、イタリア国立放送交響楽団の定期演奏会に招待されてトリノにおいて共演し、ヨーロッパでのデビューを飾った[5][注 1]

女子聖学院中学校・高等学校を卒業後の[要出典]1997年より、フランスパリエコールノルマル音楽院へ留学、プロとしての音楽活動を一時休止し、アルベルト・ポンセ英語版に師事する[3]。1999年には、テレビ番組の収録を通じて、ホアキン・ロドリーゴと亡くなる半年前に対面、彼の前でその作品を演奏する機会を得ている[4][3]。元々強く志してプロになったわけでなかった村治は、留学をとおして自らを見つめ直す事ができたと、日立ソリューションズ (2012)のインタビューに答えて述懐している。

帰国以降(1999年 - )

同1999年、エコール・ノルマル卒業と同時に帰国。本格的なソロ活動を開始し、NHK交響楽団をはじめとする国内の主要オーケストラとも共演を重ねる。

2000年、ドイツのフォーグラー・カルテットと室内楽の日本ツアーを行う。同年、韓国のソウル・アート・センターにて初の韓国リサイタルを開催。

2001年、スペインのバレンシアにてロドリーゴ室内管弦楽団と初共演。同年、初のDVD『Contrastes』をリリース。

2002年、ロドリーゴ生誕100年を記念し、同楽団と日本ツアーを行う。

2003年、フォーグラー・カルテットとの二度目の日本ツアー、韓国、ソウル・アート・センターでのリサイタル、そしてイタリア国立放送交響楽団とのトリノ、フィレンツェでの共演とそれに続く日本ツアーを行う。同年11月、デッカ・レコードと、日本人初のインターナショナル長期専属契約を結ぶ。

2004年、ホセ・マリア・ガジャルドとのデュオ・リサイタル・ツアーを行う。DECCA移籍後第一弾アルバム「トランスフォーメーション」を発売、その記念ツアーを日本全国で展開する。ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス指揮の読売日本交響楽団とロレンツォ・パロモの「アンダルシアのノクターン」の日本初演を果たす。

2005年、LGアート・センター他2か所を回る韓国ツアーを行う。上海音楽庁で上海交響楽団と共演し、中国デビュー公演を果たす。スペインにて、バレンシア・オーケストラとアランフェス協奏曲を演奏。「トランスフォーメーション」をヨーロッパ、韓国、香港をはじめ世界発売。同年10月、右手後骨間神経麻痺(橈骨神経麻痺)により演奏活動を休止、治療・静養に入る。

2006年1月、復帰してすぐにフランス、ナント音楽祭に参加、レコーディングも再開する。同年4月、アメリカ西海岸での初リサイタル・ツアーを行い、アメリカデビューを果たす。

2007年4月、大阪国際フェスティバルで、ロドリーゴ作曲による2本のギターの為の「マドリガル協奏曲」を、アンヘル・ロメロと共に演奏。

2008年、第9回ホテルオークラ音楽賞を受賞。同年4月、ベトナム国立交響楽団の定期演奏会(ハノイ・オペラハウス)に出演。7月、ケヴァントハウス・バッハ・オーケストラと日本、韓国ツアーを行う。8月、スペイン・サラゴサ万博のジャパン・デーにて、渡辺貞夫と共演。10月、トゥールーズ室内合奏団と、現地にて共演した後、日本ツアーを行う。

2009年、稲本響(ピアノ、作曲)、藤原道山(尺八)、三響会(邦楽囃子)、英哲風雲の会(和太鼓)とともに珠響(たまゆら)を結成し、2月にサントリーホールにて第一回公演を行う。10月、ドイツ人テノールのヤン・コボウとシューベルト「美しき水車屋の娘」を中心としたリサイタル・ツアーを開催。11月、韓国・ソウル・アート・センターにて、アンサンブルDITTOのリーダーであるヴィオラ奏者、リチャード・ヨンジェ・オニールをゲストに迎え、リサイタルを開催。

2011年11月、再び右手後骨間神経麻痺(橈骨神経麻痺)の治療により演奏活動を一時休止。

2012年2月、復帰。

2013年7月22日、舌腫瘍に罹患していることを公表し、治療のために長期休養に入ることを発表した[7]

2014年7月24日、自身のオフィシャルサイトにて以前より交際していた一般男性と結婚した旨を公表した[8]

2014年9月、吉永小百合主演の映画「ふしぎな岬の物語」のイベントに出演し演奏活動を再開[9]

2019年、12月23日発売の初エッセイ本「いつのまにか、ギターと」のなかで、2018年に離婚したことを綴り、明らかにした[10]

人物

  • テレビやラジオ番組のレギュラー出演のほか、テレビCMへの出演やイメージキャラクターとしての起用など、本人のメディアへの登場も多い。
  • 雑誌でのエッセイ連載や、新聞への書評の寄稿などの執筆活動も行っている。
  • 英国の名門クラシックレーベルであるデッカ・レコード(Decca Records)と、日本人としては初めてとなるインターナショナル長期専属契約を結ぶ。
  • デッカ移籍後初のアルバム「トランスフォーメーション」は、「レコード芸術」9月号にて特選に選出され、第19回日本ゴールドディスク大賞クラシック・アルバム・オブ・ザ・イヤー<洋楽部門>を受賞する。
  • 日本ではアランフエス協奏曲以外の曲がほとんど演奏されていないことを憂い、ロドリーゴのほかの曲を紹介するため積極的に演奏している。
  • クラシック・ギターの知名度を押し上げ、クラシック音楽界に活況をもたらしたことなど演奏家としての業績は大きい。クラシックではないロック系専門誌のギター・マガジン誌やYOUNG GUITAR誌のインタビューを受けることもあり、特にYOUNG GUITAR誌では90年代中期にクラシック・ギターに関する連載コーナーを持っていた。近年の作品ではロックやポップスの曲にもトライしている[11]
  • 近年、自身で「二足の草鞋をはいている」と言うほどナレーションに力を入れており、CD「音楽を夢見た少年〜ロドリーゴ」日本語版のナレーションや、ラジオ番組「MITSUBISHI JISHO Classy Café」のナビゲータを務めている。
  • 趣味は散歩と読書とカラオケ。読書はエッセイやノンフィクション物を好む。カラオケのレパートリーは、美空ひばりの「お祭りマンボ」や中島美嘉椎名林檎宇多田ヒカルなど[11]
  • 2012年9月4日に出身地の東京都台東区から「たいとう観光大使」として任命された[1]

ディスコグラフィー

アルバム

発売日 タイトル 規格 規格品番 発売元 備考
1st 1993年10月21日 espressivo エスプレッシーヴォ CD VICC-132 ビクターエンタテインメント
2012年9月5日 VICC-60813(再発)
2nd 1995年1月21日 GREEN SLEEVES グリーンスリーヴス〜シュークスピア時代の音楽 CD VICC-159 ビクターエンタテインメント
2012年9月5日 CD VICC-60814(再発)
2001年2月21日 XRCD VICC-60224
3rd 1996年7月24日 sinfonia シンフォニア CD VICC-186 ビクターエンタテインメント
2012年9月5日 VICC-60815(再発)
4th 1997年11月21日 Pastrale パストラル CD VICC-60034 ビクターエンタテインメント ロドリーゴ作品集。
1999年9月22日 CD VICC-60135
2012年9月5日 CD VICC-60816(再発)
2001年11月21日 30cmアナログディスク VIJC-60002
5th 1998年11月21日 CAVATINA カヴァティーナ CD VICC-60104 ビクターエンタテインメント
2008年12月17日 SHM-CD VICC-70004
2012年9月5日 CD VICC-60817(再発)
2000年3月23日 アランフェス協奏曲 CD VICC-60154 ビクターエンタテインメント 最初の協奏曲アルバム。演奏:村治佳織、山下一史(指揮)、新日本フィルハーモニー交響楽団。
2000年6月21日 XRCD VICC-60192
2000年6月21日 30cmアナログディスク VIJC-60001
2012年9月5日 CD VICC-60818(再発)
2002年4月24日 Resplandor レスプランドール CD VICC-60292 ビクターエンタテインメント スペイン・デビュー盤。
2012年9月5日 VICC-60819(再発)
2004年2月21日 LA ESTELLA エステーラ CD VICC-60390 ビクターエンタテインメント 1993年のデビューから2005年まで、ビクター在籍中の10年間に発表した9アルバムから、自身で選曲した初のベスト・アルバム。
2012年9月5日 VICC-60820(再発)
2004年7月21日 Transformations トランスフォーメーション CD UCCD-1115 ユニバーサルミュージック クラシック デッカ移籍第1弾アルバム。
2005年3月8日 SACDハイブリッド 4756618(輸入盤)
2005年4月21日 SACDハイブリッド UCGD-7036
2008年12月17日 SHM-CD UCCD-9732
2005年3月23日 音楽を夢見た少年〜ロドリーゴ CD UCCD-1135 ユニバーサル ミュージック クラシック ロドリーゴの生涯を、彼の作品を織り交ぜながら、村治佳織が語るという子供向けアルバム。その物語とイラスト付きのブックレットが付属。
2005年10月21日 Spain スペイン CD VICC-60460 ビクターエンタテインメント ベスト・アルバム。
2012年9月5日 VICC-60821(再発)
2005年10月26日 lumières リュミエール CD UCCD-1147 ユニバーサルミュージック クラシック
2006年2月17日 CD 4757651(輸入盤)
2008年12月17日 SHM-CD UCCD-9733(Limited Edition)
2006年10月25日 Lyre & Sonnet ライア&ソネット CD UCCD-1176 ユニバーサルミュージック クラシック 「村治佳織 & ザ・シックスティーン」名義。イギリスのコーラス・グループ「ザ・シックスティーン(The Sixteen)」とのコラボレーション・アルバム。
2008年12月17日 SHM-CD UCCD-9734
2007年2月23日 Into The Light CD 4758199(輸入盤) ユニバーサルミュージック クラシック 「ライア&ソネット」インターナショナル盤。
2007年4月25日 Amanda アマンダ CD+DVD UCCD-1188 ユニバーサルミュージック クラシック
2007年10月17日 Viva! Rodrigo ビバ!ロドリーゴ CD UCCD-9444(初回生産限定盤) ユニバーサルミュージック クラシック
2008年02月01日 CD 4780076輸入
2008年12月17日 SHM-CD UCCD-9735
2008年10月29日 KAORI MURAJI plays BACH 村治佳織 プレイズ・バッハ CD UCCD-1223 ユニバーサルミュージック クラシック 初のバッハ・アルバム。
2009年10月7日 Portraits ポートレイツ CD UCCD-1250 ユニバーサルミュージック クラシック
2010年9月22日 Soleil 〜Portraits2〜 ソレイユ〜ポートレイツ2〜 CD UCCD-1273 ユニバーサルミュージック クラシック
2011年10月5日 Prelude プレリュード CD UCCD-1305 ユニバーサルミュージック クラシック
SHM-CD+DVD UCCD-9806
2011年10月17日 Re-Cycle リ・サイクル 村治佳織ベスト CD UCCD-1345/6 ユニバーサルミュージック クラシック DECCA初となるベスト盤。
2SHM-CD+CD-ROM UCCD-9886
2012年12月19日 KAORI MURAJI EARLY BEST CD VICC-75009/10 ビクターエンタテインメント
2014年5月21日 村治佳織 コレクション I SACD SACG-30011/14 日本伝統文化振興財団 シングルレイヤーSACD/「エスプレッシーヴォ」「グリーンスリーヴス」「シンフォニア」「パストラル」を収録
2014年6月19日 村治佳織 コレクション II SACD SACG-30015/18 日本伝統文化振興財団 シングルレイヤーSACD/「カヴァティーナ」「アランフェス協奏曲」「レスプランドール」「スペイン」を収録

シングル

発売日 タイトル 規格 規格品番 発売元
1st 1996年3月23日 メヌエット/過ぎさりしトレモロ 8cm CD VIDC-1 ビクターエンタテインメント

映像作品

  発売日 タイトル 規格 規格品番 発売元 備考
ライブビデオ 2001年11月21日 CONTRASTES HOMENAJE AL MAESTRO RODERIGO コントラステス〜マエストロ・ロドリーゴへのオマージュ VHS VIVC-36(初回限定盤) ビクターエンタテインメント 出演:ホセ・エンシナール/マドリッド州立交響楽団/村治佳織。
VHS VIVC-37
DVD VIBC-6(初回限定盤)
DVD VIBC-7
ライブビデオ 2005年11月25日 アランフェス協奏曲&デ・ブルゴス/展覧会の絵 ライヴ2003 DVD JPBX-14501 ドリームタイムエンタテインメント フリューベック・デ・ブルゴス指揮、イタリア国立放送交響楽団との共演。
2007年11月20日 DVD JPBX-13801(再発)
ライブビデオ 2006年6月21日 村治佳織 生命の色彩・原色の響き コスタリカ DVD UCBD-1042 ユニバーサル ミュージック クラシック 村冶佳織が南米コスタリカを案内役として旅した映像と、現地でのライブ映像を収録。
ライブビデオ 2007年11月7日 TRES DVD UCBD-1067 ユニバーサルミュージック クラシック

書籍

写真集

  • 村治佳織写真集「dulcinea/ドゥルシネア」(木楽舎、月刊ソトコト編集部 編) ISBN 4907818300

楽譜

  • CDでわかるギターの名器と名曲(2011、年ナツメ社、濱田 滋郎との共著) ISBN 4-8163-5066-7
  • 村治佳織ギターソロ・コレクション(1998年、現代ギター社) ISBN 4874711677
  • 村治佳織 ギターソロコレクション Vol.2(2010年、現代ギター社) ISBN 4874714846

エッセイ本

連載

  • Grazia誌(講談社)「ギター、ときどき恋する旅」(2010年 - )

主な出演

テレビ

ラジオ

CM

イメージキャラクター

演劇

受賞歴

脚注

注釈

  1. ^ このコンサートは、ヨーロッパ全土にテレビ放映された[6]

出典

参考資料

外部リンク