ヘンルーダ
ヘンルーダ | ||||||||||||||||||||||||
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開花時の様子
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Ruta graveolens L.[1] | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
ヘンルーダ[1] | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
Common Rue | ||||||||||||||||||||||||
ヘンルーダ(オランダ語: wijnruit [ˈʋɛinrœyt])は、ミカン科の常緑小低木。日本語の「ヘンルーダ」はオランダ語に由来する。「ルー」(rue)あるいは「コモンルー」(common rue)とも呼ばれる。学名はRuta graveolensで、1753年にリンネの『植物の種』で記載されたものである[2]。
地中海沿岸地方の原産で、樹高は最大1.メートル強位。葉は、青灰色を帯びたものと黄色みの強いもの、斑入り葉のものなどがあるが、対生し、二回羽状複葉で、サンショウを少し甘くしたような香りがある。丸みを帯びたなめらかな葉がレース状に茂り「優雅なハーブ」と呼ばれる[3]。花は夏咲きで、黄色の4 - 5弁の花で、あまり観賞価値はない。
江戸時代に渡来し、葉に含まれるシネオールという精油成分が通経剤・鎮痙剤・駆虫剤などに利用され、料理の香りづけにも使われていたが、ウルシのように接触するとかぶれる[3]など毒性があるとされ、今はほとんどその目的には使われていない。精油として採取されたルー油はグラッパなどの香り付けに使われている[4]。
漢字では芸香(うんこう)[5]と書き、しおりに使うと本の虫食いを防ぐと言われた[6]。古くは書斎を芸室(うんしつ)ともいった。この名前は本種の中国名に由来しており[7][8]、生薬名にも使われている[6][7][9]。
「眼鏡のハーブ」と呼ばれるほど視力を高める効果があると信じられていた。そのため、古代ローマでは、画家はこれを大量に食べたという[10]。しかし、紀元1世紀にディオスコリデスは妊娠中の内服の危険性について警告している。
ヘンルーダは、春の彼岸過ぎにタネをまいて育てる。乾燥に強いが、半耐寒性で、高温多湿にもやや弱い。
なお、ミカン科はラテン語でRutaceaeといい、ヘンルーダ属(Ruta)が科を代表する属(模式属)になっているため、かつては日本語でも「ヘンルーダ科」と呼ばれていたが、日本人にとってはヘンルーダよりみかんの方が身近な植物であるため、1960年代半ばから、ミカン科と呼ぶようになった。
ギャラリー
[編集]脚注
[編集]- ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Ruta graveolens L.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年9月16日閲覧。
- ^ Linnaeus, Carolus (1753) (ラテン語). Species Plantarum. Holmia[Stockholm]: Laurentius Salvius. p. 383
- ^ a b サンティッチ,ブライアント 2010, p. 269.
- ^ 武政三男 『スパイス&ハーブ辞典』、文園社、1997年、p214
- ^ 三省堂百科辞書編輯部 編「ヘンルーダ」『新修百科辞典』三省堂、1934年、1893頁。
- ^ a b “ヘンルーダ”. 学校法人 東邦大学 薬学部付属薬用植物園. 東邦大学. 2023年8月14日閲覧。
- ^ a b “ヘンルーダ”. 熊本大学薬学部 薬草園 植物データベース. 熊本大学. 2023年8月14日閲覧。
- ^ “ヘンルーダ - 生薬の玉手箱”. 株式会社ウチダ和漢薬. 2023年8月14日閲覧。
- ^ “ヘンルーダ”. 松山大学 薬学部 医療薬学科. 松山大学 (2009年6月). 2023年8月14日閲覧。
- ^ 基本ハーブの事典 東京堂出版 北野佐久子 2005年p214-217
参考文献
[編集]- バーバラ・サンティッチ; ジェフ・ブライアント 著、山本紀夫 訳『世界の食用植物文化図鑑』柊風社、2010年。ISBN 9784903530352。