シェパーズ・ブッシュ・エンパイア
シェパーズ・ブッシュ・エンパイア Shepherds Bush Empire | |
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2011年撮影 | |
概要 | |
住所 | Shepherds Bush Green, London W12 8TT |
国 | イングランド |
座標 | 北緯51度30分13秒 西経00度13分27秒 / 北緯51.50361度 西経0.22417度 |
落成 | 1903年 |
所有者 | Academy Music Group |
設計・建設 | |
建築家 | フランク・マッチャム |
その他の情報 | |
収容人員 | 2,000人 |
ウェブサイト | |
http://www.shepherds-bush-empire.co.uk/ |
シェパーズ・ブッシュ・エンパイア (Shepherds Bush Empire) は、ロンドン西部のシェパーズ・ブッシュにある、アカデミー・ミュージック・グループが運営する演奏会場のひとつ。スポンサーであるO2の名を冠して、O2 Shepherds Bush Empire と表記されることもあれば、地名のシェパーズ・ブッシュに準じて、(アポストロフィを付けて)Shepherd's Bush Empire と表記されることもある。この建物はもともと1903年にミュージックホールとして建てられたものであったが、1953年にBBCが取得して、「BBCテレビジョン劇場 (BBC Television Theatre)」と改称した[1]。後にBBCの手を離れ、1991年以降は、演奏会場として運営されている。
歴史
[編集]シェパーズ・ブッシュ・エンパイアは、1903年に興行主オズワルド・ストールが、劇場建築で知られた建築家フランク・マッチャムの設計により建設した[2]。エンパイアでは、多様な演芸やレビューといったミュージックホール系の娯楽が舞台にかかり、そうした演目は、その種の娯楽が衰退していった1950年代はじめころまで続けられた[3]
シェパーズ・ブッシュ・エンパイアは、第二次世界大戦の戦火をかろうじて免れた建物である。シェパーズ・ブッシュ・エンパイアに隣接するシェパーズ・ブッシュ・パビリオンは、1944年に飛行爆弾の爆撃によって内部を破壊され、1955年まで再開業されなかった[4][5]。
1953年、シェパーズ・ブッシュ・エンパイアはBBCに売却され、テレビ放送用のスタジオ劇場として利用されることになり、BBCテレビジョン・シアター (the BBC Television Theatre) と改称した[2]。ここで制作された番組には、『Crackerjack』、『Hancock's Half Hour』、『The Old Grey Whistle Test』、『That's Life!』、『The Generation Game』、『The Basil Brush Show』、『Juke Box Jury』、『This is Your Life』、『Jim'll Fix It』といった、BBCの軽い娯楽番組の大部分のほか、 クリフ・リチャード、ルル、Cilla Black、Spike Milligan、ダスティ・スプリングフィールド、シャーリー・バッシー (Shirley Bassey)、ヴェラ・リン、Harry Secombe、ペトゥラ・クラークらが登場するような軽音楽系の娯楽番組の大部分や、ユーロビジョン・ソング・コンテストの国内予選にあたる『A Song For Europe』などがあった。1985年以降は、ここから毎週3夜放送されていたトーク番組『Wogan』の専用となった[6]。
BBCは、1991年にこの建物から退去した。1993年には、実業家アンドリュー・マーラー (Andrew Mahler) がこの建物を取得し、100万ポンド以上の資金を投じて建物を改修した[2]。1994年には、名称をシェパーズ・ブッシュ・エンパイアに戻し、再開業を果たした[6]。以降は、もっぱら音楽演奏会場として知られるようになった。
再開後のシェパーズ・ブッシュ・エンパイアには数多くの有名アーティスト、バンドが出演してきたが、ここでの演奏をライブ盤や映像作品としてリリースする例も数多くある。キング・クリムゾンの1996年の演奏は後にCD化され[7]、ビョークの1997年のステージは『Live at Shepherds Bush Empire』として2001年にリリースされた。
近年
[編集]近年、この会場で収録され、DVDがリリースされたライブ映像の例には、2002年のパンク・ロック/ゴス・バンドのダムドの演奏、2003年9月25日木曜日に収録されたオーペス(スウェーデンのプログレッシブ・メタル・バンド)の最初のライブDVD『Lamentations』、2005年11月18日の公演を収めたブルートーンズのライブ盤『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ウェスト・トゥエルヴ』、インディーズ・バンドであるザ・ウェディング・プレゼントの2005年11月のコンサート、ジ・オンリー・ワンズの2007年6月のカムバック・コンサートなどがある。2007年にリリースされたエイミー・ワインハウスのライブ盤『I Told You I Was Trouble: Live in London』もエンパイアでの公演を収めたものである。また、トランスアトランティックの3枚目のライブ盤『Whirld Tour 2010: Live in London』は、この会場でレコーディング、撮影された。
ダンス・ミュージックの世界において、エンパイアは Frantic や Heat といったレイブやハード・ダンス (hard dance) のイベントに使用される会場として知られている。
エンパイアの収容人員は2,000人しかないが、小規模なギグに適した会場としてよく使われる。
イラク戦争開戦直前の2003年3月10日、アメリカ合衆国の女性カントリー・バンド、ザ・ディクシー・チックスがここで公演した際、ボーカルのナタリイ・メインズ (Natalie Maines) はステージトークでジョージ・W・ブッシュ大統領に批判的なコメントをして、大きな議論を巻き起こした(参照:ディクシー・チックス#政治的な論争)[8]。
出典・脚注
[編集]- ^ BBC handbook British Broadcasting Corporation - 1961 "In 1953 the old Shepherds Bush Empire was acquired mainly for the production of light entertainment shows."
- ^ a b c Denny, p.93
- ^ Venue History (Official site) accessed 19 August 2008(2006年9月28日時点のアーカイブ)
- ^ Shepherd's Bush Blog Retrieved December 2011
- ^ Denny, p.101
- ^ a b “The BBC's old studios in London”. 2010年2月18日閲覧。
- ^ “Collectable King Crimson: Live At Shepherds Bush Empire, London, 1996 CD”. CDUniverse. 2012年5月6日閲覧。
- ^ Clarke, Betty (2003年3月12日). “"The Dixie Chicks" concert review”. Guardian Unlimited. 2010年12月13日閲覧。
参考文献
[編集]- Denny, Barbara, Hammersmith and Shepherd's Bush Past, Historical Publications Ltd, London (1995), ISBN 0 948667 32 X
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- O2 Shepherd's Bush Empire - 公式サイト(英語)
- Shepherds Bush Empire venue page - Molson Coors Brewing Company (UK) Ltd による紹介