美少年
未成年で容姿が可憐またはカッコ良い少年または男の子
美少年(びしょうねん)は、一般的に未成年で容姿が可憐またはかっこいい少年・男児を指す。成人の場合は美男が一般的に呼称される。
語句定義
編集美少年は、漢語あるいは日本語の単語である。広義では美少女も「美少年」であり、広辞苑に美少年は載っているが美少女は載っていなかったが[1]、第六版で美少女の単語が収録された。また、「美人」も男性を指す場合がある。(少女という単語自体は飛鳥時代から存在している。)
もともとは文学上の修辞語で、古くは中国唐代の詩人杜甫の詩「飲中八仙歌」の一節「宗之瀟灑美少年 宗之(そうし)は瀟灑(しょうしゃ)たる美少年」に現れている。 肌のつやつやした様子を強調して「紅顔の美少年」という形容が使われることもある。
日本の美少年(美青年)
編集中世
編集- 平維盛
- 梅若丸(隅田川物等)
- 戦国三大美少年;名古屋山三郎、不破万作、浅香庄次郎
- 戦国美少年四天王;名古屋山三郎、不破万作、浅香庄次郎、井伊直政
- 上杉景虎 - 『野史』に「幼にして、姿儀 尤も美なり」と記されている[注 1]。
- 森成利(通称:森蘭丸)
- 天草四郎
- 島津豊久
現代
編集現代においては日本以外でも特にアメリカでは「bishonen」という言葉は美形の男性を指す。また、必ずしも年少である必要はなく、美形の男性なら年配でも「bishonen」と呼ばれる。 多くのアメリカの歴史家や社会学者は、この概念は年齢や文脈に関係なく、すべての男性に適用され、これは日本の男性にとって従順な女性的理想の証拠であると考えている。しかし、日本の歴史家の多くはこれに反論し、アメリカの歴史家はこの概念を誤って解釈していると主張している。彼らはまた、人種差別主義者であるか、あるいは異国で誤解された異国の文化を利用して同性愛の支持を合理化しようとしていると非難している。
美少年を扱った創造作品
編集- 彫刻 『ヘルマフロディーテ』 - ルーブル美術館に所蔵。美少年(のち両性具有)の神像。
- 彫刻 『ダビデ像(伊: David di Michelangelo)』 - ミケランジェロが1504年に公開した彫刻作品。フィレンツェのアカデミア美術館に収蔵。
- 漫画・アニメ 『パタリロ!』(原作:魔夜峰央) - ギャグ漫画ではあるが、作中にはマライヒはじめ多くの美少年(ビョルン・ザカーリなど)・美青年(クリスチャンなど)が登場する。彼らは髪を女のように長く伸ばし(ビョルンは、ルージュなど化粧も施している)、ホットパンツ(たまにミニスカート[注 2])や体にフィットした細身のパンツに合わせて、ヒールのあるピカピカのロングブーツ(女物の長靴[注 3]やハイヒール、ミュールも)を履いたりするので[注 4]、女性のように見える事が多い。魔夜作品では、『ラシャーヌ!』や、日本が舞台の『翔んで埼玉』などにも美少年が多く描かれている。そのものズバリの表題『美少年的大狂言』という作品もある。
- 漫画 『美少年倶楽部の秘密』(原作:かまぼこRED)[2]
- 小説 『真夜中の天使』(原作:栗本薫) - 美少年・今西良が、その美貌を武器に、芸能界でトップを目指していく物語[注 5]。シリーズは『翼あるもの』、『朝日のあたる家』と続く。栗本には、『美少年学入門』のような美少年を論じた評論・エッセイ作品(中島梓名義)もある。
- 小説 『美少年探偵団』(原作:西尾維新) - 『美少年探偵団 きみだけに光かがやく暗黒星』から始まる青春ミステリーのシリーズ。メンバーそれぞれが「美脚」「美声」「美学」「美術」「美食」と、団則の一条「美しくあること」の要素が異なる[注 6]。『ARIA』2016年6月号より、「美少年探偵団」のタイトルで漫画版が連載されている。作画は小田すずか。
- 映画・小説『ベニスに死す』(原作:トマス・マン/監督ルキノ・ヴィスコンティ)1971年 - ビョルン・アンドレセン演じる美少年タジオの、セーラー服からノースリーブやワンピースの水着にいたるまで、中性的なファッションが印象に残る作品。
- 映画『薔薇の葬列』(脚本・監督 松本俊夫)1969年 - 松本の劇場用長編第1作であり、ピーター(池畑慎之介)のデビュー作でもある。(DVD:ユーレカ、2006年)
- ピエール・エ・ジル 美少年等、耽美な写真作品を手掛けるフランス人カメラマンカップル。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ フジテレビトリビア普及委員会『トリビアの泉〜へぇの本〜 3』講談社、2004年。
- ^ “美少年倶楽部の秘密 1”. KADOKAWA. 2020年7月7日閲覧。