津村明秀
津村 明秀(つむら あきひで、1986年1月5日 - )は、日本中央競馬会・美浦トレーニングセンターに所属する騎手。騎手免許は平地競走のみである。
津村明秀 | |
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2017年トヨタ賞中京記念 | |
基本情報 | |
国籍 | 日本 |
出身地 | 千葉県船橋市 |
生年月日 | 1986年1月5日(38歳) |
身長 | 165cm[1] |
体重 | 46kg[1] |
血液型 | O型[1] |
騎手情報 | |
所属団体 | JRA |
所属厩舎 |
美浦・鈴木伸尋(2004.3.1 - 2007.8.20) 美浦・フリー(2007.8.21 -) |
初免許年 | 2004年 |
免許区分 | 平地[2] |
重賞勝利 | 18勝(中央18勝、地方0勝) |
G1級勝利 | ヴィクトリアマイル(2024年) |
通算勝利 |
11273戦653勝(中央) 104戦2勝(地方) |
来歴
編集千葉県船橋市出身で、競馬好きの父親の影響で興味を持ち、小学5年生から中山競馬場の乗馬苑に通い始めて騎手を志した。2001年、4月にJRA競馬学校騎手課程第20期生として入学。入学時の同期には川田将雅、藤岡佑介、吉田隼人、丹内祐次らがいる。卒業時に優秀な生徒に贈られるアイルランド大使特別賞を受賞した。
2003年、12月20日に中山競馬場で行われた模擬レースでリュウキュウスターに騎乗し、後続に6馬身差をつけ1着となる。模擬レースでは2戦2勝という成績だった。
2004年、2月に競馬学校を卒業し騎手免許を取得する。卒業時にアイルランド大使特別賞を受賞した。デビュー時は鈴木伸尋厩舎所属である。3月6日中京4Rでブーゲンビリアで初騎乗(4着)。3月21日中京5Rをマグマヴィーナスで勝利し、16戦目で初勝利を挙げたが、同日の第7レース発走前に騎乗馬のマイティーキングに振り落とされて落馬した際に左第1中手骨を骨折する不運に見舞われた。7月28日に船橋競馬場で行われたファビィステッキ特別でスズダニエルに騎乗し、地方競馬初騎乗を果たし10着となる。デビュー年は8勝を挙げ民放競馬記者クラブ賞を受賞した。
2010年2月20日の東京競馬場第5レースで、コスモグレイスに騎乗して直線先頭に立っていたが、馬が急に外側に逃避し、バランスを崩して落馬した。診断の結果第2頸椎骨折・右肘挫傷の重症と診断され、約5か月間の戦線離脱を余儀なくされた[3]。その後1か月の安静・リハビリを経て、同年7月3日の福島競馬で復帰した。この影響もあり、翌年2011年にはデビュー以来有していた障害競走の騎手免許を返上し、平地免許のみとなった(障害競走への騎乗は、デビュー以来一度もない)。
現在は同期の丹内同様、サラブレッドクラブ・ラフィアンなどのビッグレッドファーム系列所有馬への騎乗を中心としている。
2021年2月6日、東京第6Rを勝利し、JRA通算500勝を達成した[4]。
2022年4月24日、東京第7Rでタマダイヤモンドに騎乗して史上48人目となるJRA通算10000回騎乗を達成した[5]。
2023年12月16日、中山11Rでアナザーリリック(7着)に騎乗し、史上44人目、現役では28人目の記録となるJRA通算11000回騎乗を達成した[6]。
2024年5月12日、東京11Rのヴィクトリアマイルをブービー14番人気のテンハッピーローズで制し、デビュー21年目・挑戦48戦目にして悲願のGI初制覇を飾った[7][8]。
エピソード
編集- 坂井千明元騎手が主宰する「千明塾」の門下生である。
- 2008年6月22日の函館競馬1Rで、騎乗したシルクアルバスがゴール直前でつまづき、落馬しないようこらえながら何とか1着でゴールするシーンがあった。この模様は、翌週2008年6月29日放送のサンデーモーニングの人気コーナー「週刊御意見番」で取り上げられ、大沢啓二に「あっぱれ!」と賞賛された。同番組では、GIレースの模様や騎手の大記録達成で競馬が稀に取り上げられることがあるが、好騎乗が取り上げられることはめずらしい。
- 2012年10月26日に、当時新潟県在住の一般女性と結婚した[9]。その後、2人の息子をもうけている。
- 自身そして家族全員が、Jリーグ・鹿島アントラーズのサポーターである。
騎手成績
編集日付 | 競馬場・開催 | 競走名 | 馬名 | 頭数 | 人気 | 着順 | ||
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中 央 |
初騎乗 | 2004年3月6日 | 1回中京1日4R | 3歳未勝利 | ブーゲンビリア | 16頭 | 4 | 4着 |
初勝利 | 2004年3月21日 | 1回中京6日5R | 4歳上500万円下 | マグマヴィーナス | 16頭 | 1 | 1着 | |
重賞初騎乗 | 2005年4月3日 | 3回中山4日11R | ダービー卿CT | ミッドタウン | 16頭 | 4 | 7着 | |
重賞初勝利 | 2006年7月2日 | 2回福島6日11R | ラジオNIKKEI賞 | タマモサポート | 16頭 | 5 | 1着 | |
GI初騎乗 | 2009年3月29日 | 2回中京6日11R | 高松宮記念 | アイルラヴァゲイン | 18頭 | 17 | 13着 | |
GI初勝利 | 2024年5月12日 | 2回東京8日11R | ヴィクトリアマイル | テンハッピーローズ | 15頭 | 14 | 1着 | |
地 方 |
初騎乗 | 2004年7月28日 | 5回船橋2日10R | ファビィステッキ特別 | スズダニエル | 11頭 | 8 | 10着 |
初勝利 | 2008年6月16日 | 盛岡9R | エメラルド賞 | コスモクルトゥーラ | 12頭 | 2 | 1着 | |
重賞およびJpnI初騎乗 | 2010年11月3日 | 8回船橋3日9R | JBCスプリント | アイルラヴァゲイン | 14頭 | 5 | 5着 |
年度 | 1着 | 2着 | 3着 | 騎乗数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 表彰 |
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2004年 | 8 | 9 | 11 | 240 | .033 | .071 | .117 | 民放競馬記者クラブ賞 |
2005年 | 36 | 45 | 40 | 577 | .062 | .140 | .210 | |
2006年 | 22 | 28 | 25 | 547 | .040 | .091 | .137 | |
2007年 | 38 | 36 | 39 | 654 | .058 | .113 | .173 | |
2008年 | 28 | 45 | 60 | 648 | .043 | .113 | .205 | |
2009年 | 16 | 18 | 36 | 505 | .032 | .067 | .139 | |
2010年 | 17 | 22 | 25 | 370 | .046 | .105 | .173 | |
2011年 | 21 | 15 | 26 | 452 | .046 | .080 | .137 | |
2012年 | 35 | 24 | 31 | 551 | .064 | .107 | .163 | |
2013年 | 28 | 31 | 44 | 524 | .053 | .113 | .197 | |
2014年 | 17 | 29 | 47 | 502 | .034 | .092 | .185 | |
2015年 | 28 | 44 | 43 | 547 | .051 | .132 | .210 | |
2016年 | 32 | 41 | 50 | 598 | .054 | .122 | .206 | |
2017年 | 51 | 40 | 33 | 630 | .081 | .144 | .197 | フェアプレー賞 |
2018年 | 52 | 62 | 67 | 704 | .074 | .162 | .257 | |
2019年 | 39 | 60 | 46 | 634 | .062 | .156 | .229 | |
2020年 | 31 | 59 | 43 | 554 | .056 | .162 | .240 | フェアプレー賞 |
2021年 | 41 | 58 | 45 | 582 | .070 | .170 | .247 | |
2022年 | 38 | 38 | 54 | 580 | .066 | .131 | .224 | |
2023年 | 56 | 58 | 59 | 624 | .090 | .183 | .277 | |
2024年 | 40 | 48 | 35 | 483 | .083 | .182 | .255 | |
中央 | 674 | 810 | 859 | 11056 | .059 | .129 | .204 | |
地方 | 2 | 9 | 13 | 104 | .021 | .106 | .231 |
(JRA騎手名鑑より)[2]
おもな騎乗馬
編集太字はG1・Jpn1競争を示す
- タマモサポート(2006年ラジオNIKKEI賞、2009年京都金杯)[13]
- ファイアーフロート(2010年京成杯オータムハンデキャップ)[14]
- クリールパッション(2010年エルムステークス)[15]
- トーセンベニザクラ(2012年フェアリーステークス)[16]
- グランドシチー(2013年マーチステークス)[17]
- タマモベストプレイ(2014年丹頂ステークス)
- ガルボ(2014年函館スプリントステークス)[18]
- ヤマカツエース(2015年福島記念)[19]
- パッションダンス(2016年新潟大賞典)[20]
- ウインガニオン (2017年中京記念[21])
- ディオスコリダー (2017年カペラステークス)
- ワンブレスアウェイ(2019年愛知杯[22])
- アナザーリリック(2022年福島牝馬ステークス)
- ハヤブサナンデクン(2023年マーチステークス)[23]
- テイエムトッキュウ(2023年カペラステークス)[24]
- リカンカブール(2024年中山金杯)[25]
- ミアネーロ(2024年フラワーカップ)[26]
- テンハッピーローズ(2024年ヴィクトリアマイル)[27]
表彰
編集- アイルランド大使特別賞・民放競馬記者クラブ賞(2004年)
脚注
編集- ^ a b c “津村明秀のプロフィール|競馬データベース - netkeiba.com”. netkeiba.com. 2016年4月14日閲覧。
- ^ a b JRA公式騎手名鑑
- ^ “津村騎手が落馬骨折 全治は不明”. スポーツニッポン. (2010年2月20日) 2014年6月7日閲覧。
- ^ “津村明秀騎手、JRA通算500勝達成 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2021年2月6日閲覧。
- ^ “津村明秀騎手がJRA通算10000回騎乗達成「引き続き精進していきたい」 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2022年4月25日閲覧。
- ^ “津村明秀騎手がJRA通算1万1000回騎乗 史上44人目”. UMATOKU | 馬トク - スポーツ報知 (2023-12-16JST18:47:00+0900). 2023年12月17日閲覧。
- ^ “【ヴィクトリアM】テンハッピーローズがG1初V 14番人気が大波乱演出 津村明秀騎手もG1初勝利で涙”. ウマトク (2024年5月12日). 2024年5月12日閲覧。
- ^ “【ヴィクトリアM】テンハッピーローズが直線突き抜けV!単勝オッズ208.6倍の低評価を覆し大金星”. サンスポ (2024年5月12日). 2024年5月12日閲覧。
- ^ “津村明秀騎手が結婚! 新潟県在住の一般女性と”. スポーツニッポン. (2012年10月27日) 2024年5月20日閲覧。
- ^ “森保ジャパンに続け!美浦きってのサッカー通が狙う〝桶狭間の歓喜〟 土曜中京は津村に注目!”. 東京スポーツ. (2022年11月30日) 2024年5月20日閲覧。
- ^ “【ヴィクトリアM】38歳津村明秀騎手がテンハッピーローズで大波乱演出!妻と2人の息子はJリーグ観戦で不在も「早くみんなを抱きしめたい」”. スポーツ報知 (2024年5月13日). 2024年5月25日閲覧。
- ^ “『単勝200倍とは思えない』 ヴィクトリアマイル、14番人気テンハッピーローズの勝利に驚き デビュー21年目でG1初勝利の津村明秀騎手にも祝福の声”. 中日スポーツ. (2024年5月12日) 2024年5月20日閲覧。
- ^ “タマモサポート”. netkeiba.com. 2016年5月14日閲覧。
- ^ “京成杯オータムハンデ|2010年09月12日”. netkeiba.com. 2016年5月14日閲覧。
- ^ “エルムステークス|2010年09月20日”. netkeiba.com. 2016年5月14日閲覧。
- ^ “フェアリーステークス|2012年01月09日”. netkeiba.com. 2016年5月14日閲覧。
- ^ “マーチステークス|2013年03月24日”. netkeiba.com. 2016年5月14日閲覧。
- ^ “函館スプリントS|2014年06月22日”. netkeiba.com. 2016年5月14日閲覧。
- ^ “福島記念|2015年11月15日”. netkeiba.com. 2016年5月14日閲覧。
- ^ “新潟大賞典|2016年05月08日”. netkeiba.com. 2016年5月14日閲覧。
- ^ “【中京記念】WINガニオン“夏男”だ!3連勝で重賞初V”. スポーツニッポン (Sponichi Annex). (2017年7月24日) 2017年7月24日閲覧。
- ^ “【愛知杯】8番人気の伏兵ワンブレスアウェイが重賞初V”. スポーツニッポン (Sponichi Annex). (2019年1月26日) 2019年1月26日閲覧。
- ^ “ハヤブサナンデクン”. JBISサーチ. 公益財団法人日本軽種馬協会. 2023年3月26日閲覧。
- ^ テイエムトッキュウJBISサーチ、2023年12月10日閲覧
- ^ リカンカブールJBISサーチ、2024年1月7日閲覧
- ^ “ミアネーロ”. JBISサーチ. 公益財団法人日本軽種馬協会. 2024年3月16日閲覧。
- ^ “テンハッピーローズ”. JBISサーチ. 公益財団法人日本軽種馬協会. 2024年5月12日閲覧。