武英智
武 英智(たけ ひでのり、1980年12月31日 - )は、日本中央競馬会(JRA)所属の調教師、元騎手・調教助手。父は同じく元騎手・調教助手武永祥。祖父は元調教師武平三。元調教師武宏平は伯父、元調教師作田誠二は義理の叔父にあたる。元調教師武邦彦は叔従父、武豊、武幸四郎兄弟とは再従兄弟(曾祖父は共に武彦七)の関係。
武英智 | |
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第41回フェブラリーS表彰式(2024年2月18日) | |
基本情報 | |
国籍 | 日本 |
出身地 | 滋賀県 |
生年月日 | 1980年12月31日(43歳) |
身長 | 169.5cm |
体重 | 50kg |
血液型 | O型 |
騎手情報 | |
所属団体 | JRA |
所属厩舎 |
栗東・領家政蔵(1999.3.1 - 2001.6.20) 栗東・フリー(2001.6.21 - 2005.10.3) 栗東・田所清広(2005.10.4 - 2006.3.31) 栗東・山内研二(2006.4.1 - 2009.9.30) 栗東・フリー(2009.10.1 - 2012.9.30) |
初免許年 | 1999年 |
免許区分 | 平地 |
騎手引退日 | 2012年9月30日 |
通算勝利 | 1887戦66勝 |
調教師情報 | |
初免許年 | 2017年(2018年開業) |
経歴 | |
所属 | 栗東T.C. (1999年-) |
来歴
編集1980年12月31日に永祥の長男として生まれる。
1996年、競馬学校に15期生として入学。同期には北村宏司、高田潤、二本柳壮らがいる。
1999年、栗東の領家政蔵厩舎に所属し騎手デビュー。初騎乗は3月1日、高知競馬第3競走の1番人気ミシマリンボスターで、9頭立ての8着。JRAの新人騎手の初騎乗が地方競馬だったのは史上初のことだった。中央競馬初騎乗は3月6日、阪神第2競走のラインフォレストで、10頭立ての5着。4月11日、中京第8競走のユメノセテコウユーで初勝利。この年には22勝を挙げ、中央競馬関西放送記者クラブ賞(新人騎手賞)を受賞した。
2000年には18勝を挙げ、重賞でも愛知杯で2着に入るなど活躍したが、3年目以降は勝ち星が1ケタに止まった。
2007年、すずらん賞をペプチドルビーで制しオープン特別初勝利。
2008年9月13日に行われた札幌の新馬戦では、武英智騎乗の2番人気ナムラカイシュウが1着、武豊騎乗の1番人気ジョーカプチーノが2着となり、武家でワンツーを決めている[2]。
10万人に1人が発症するという指定難病サルコイドーシスを発症し何度も手術したが完治せず[3]、2012年9月30日付で騎手を引退し、木原一良厩舎で調教助手となった。
2016年12月8日、JRAより2017年度調教師試験に合格したことが発表された。2017年3月1日付で調教師免許を取得したが、暫くは厩舎は開業せず技術調教師として活動していた。なお、同時に親戚(再従兄弟)の幸四郎も調教師試験に合格したことから、2017年は武家の親族2人が同時に調教師として再出発することとなった[4]。2018年3月1日付で厩舎を開業。
2020年9月6日、管理馬メイケイエールが武豊の騎乗で小倉2歳ステークスを制し、騎手時代も含め重賞初勝利を挙げた。
2024年2月18日、管理馬ペプチドナイルが藤岡佑介の騎乗でフェブラリーステークスを制し、悲願のGI初優勝を果たした[5]。
騎手成績
編集日付 | 競馬場・開催 | 競走名 | 馬名 | 頭数 | 人気 | 着順 | |
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初騎乗 | 1999年3月6日 | 1回阪神3日2R | 3歳未勝利 | ラインフォレスト | 10頭 | 5 | 5着 |
初勝利 | 1999年4月11日 | 2回中京6日8R | 5歳上500万円下 | ユメノセテコウユー | 16頭 | 2 | 1着 |
重賞初騎乗 | 1999年11月21日 | 3回福島8日11R | 福島記念 | ピサノガレー | 14頭 | 9 | 5着 |
GI初騎乗 | 2002年11月10日 | 5回京都4日11R | エリザベス女王杯 | ビルアンドクー | 13頭 | 12 | 11着 |
年度 | 1着 | 2着 | 3着 | 騎乗数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
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1999年 | 22 | 21 | 21 | 326 | .067 | .132 | .196 |
2000年 | 18 | 23 | 23 | 345 | .052 | .119 | .186 |
2001年 | 4 | 6 | 7 | 203 | .020 | .049 | .084 |
2002年 | 6 | 6 | 2 | 144 | .042 | .083 | .097 |
2003年 | 2 | 6 | 9 | 126 | .016 | .063 | .135 |
2004年 | 2 | 5 | 3 | 103 | .019 | .068 | .097 |
2005年 | 1 | 2 | 5 | 94 | .011 | .032 | .085 |
2006年 | 3 | 2 | 5 | 89 | .034 | .056 | .112 |
2007年 | 4 | 1 | 2 | 100 | .040 | .050 | .070 |
2008年 | 1 | 2 | 0 | 80 | .013 | .038 | .038 |
2009年 | 0 | 3 | 7 | 90 | .000 | .033 | .111 |
2010年 | 1 | 4 | 1 | 78 | .013 | .064 | .077 |
2011年 | 2 | 1 | 0 | 61 | .033 | .049 | .049 |
2012年 | 0 | 0 | 3 | 48 | .000 | .000 | .063 |
中央 | 66 | 82 | 88 | 1887 | .035 | .078 | .125 |
地方 | 0 | 1 | 3 | 13 | .000 | .077 | .308 |
通算 | 66 | 83 | 91 | 1900 | .035 | .078 | .126 |
主な騎乗経験馬
編集調教師成績
編集日付 | 競馬場・開催 | 競走名 | 馬名 | 頭数 | 人気 | 着順 | |
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初出走 | 2018年3月3日 | 1回阪神3日4R | 障害4歳上未勝利 | テイエムファンドル | 14頭 | 6 | 7着 |
初勝利 | 2018年5月12日 | 3回京都7日10R | 蹴上特別 | タマモアタック | 11頭 | 6 | 1着 |
重賞初出走 | 2018年4月22日 | 3回京都2日11R | マイラーズC | テイエムイナズマ | 14頭 | 12 | 13着 |
重賞初勝利 | 2020年9月6日 | 2回小倉8日11R | 小倉2歳S | メイケイエール | 10頭 | 2 | 1着 |
GI初出走 | 2018年12月16日 | 5回阪神6日11R | 朝日杯FS | イッツクール | 15頭 | 12 | 9着 |
GI初勝利 | 2024年2月18日 | 1回東京8日11R | フェブラリーS | ペプチドナイル | 16頭 | 11 | 1着 |
主な管理馬
編集※括弧内は当該馬の優勝重賞競走、太字はGI級競走。
- メイケイエール(2020年小倉2歳ステークス、ファンタジーステークス、2021年チューリップ賞、2022年シルクロードステークス、京王杯スプリングカップ、セントウルステークス)
- ジューンベロシティ(2023年・2024年東京ジャンプステークス、2023年阪神ジャンプステークス、2024年東京ハイジャンプ)[6]
- ペプチドナイル(2024年フェブラリーステークス)
- ジューンテイク(2024年京都新聞杯)[7]
脚注
編集- ^ 藤田伸二「競馬番長のぶっちゃけ話」(2009年、宝島社)
- ^ 2008年9月13日 2回札幌1日目 2歳新馬
- ^ 調教師試験合格!武英智新調教師に話を聞いてきました!
- ^ 2017年度 新規調教師免許試験合格者日本中央競馬会、2016年12月8日閲覧
- ^ 藤本真育. “【栗東便り】武英師が騎手、調教師通じ初G1制覇 苦楽ともにしたパートナーとの冒険はまだ続く - 競馬 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2024年2月23日閲覧。
- ^ “ジューンベロシティ”. JBISサーチ. 公益財団法人日本軽種馬協会. 2023年6月24日閲覧。
- ^ ジューンテイクJBISサーチ(日本軽種馬協会)、2024年5月4日閲覧