倉本一宏
倉本 一宏(くらもと かずひろ、1958年(昭和33年)6月14日 - )は日本の歴史学者。博士(論文博士・1997年)(学位論文「日本古代国家成立期の政権構造」)。専門は日本古代政治史、古記録学[1][2]。国際日本文化研究センター(日文研)名誉教授、総合研究大学院大学(総研大)名誉教授。
略歴
編集三重県津市生まれ[2]。1974年(昭和49年)、私立高田中学校卒業。1977年(昭和52年)、三重県立津高等学校卒業。1978年(昭和53年)、東京大学文科三類入学。土田直鎮・笹山晴生に師事。1983年(昭和58年)、東京大学文学部国史学専修課程卒業[3]。1989年(平成元年)、同大学院人文科学研究科国史学専門課程博士課程単位修得退学[1][3]。1997年(平成9年)「日本古代国家成立期の政権構造」で東京大学より博士(文学)の学位を取得。2009年国際日本文化研究センター教授、総合研究大学院大学教授[1]。2024年定年退職、日文研・総研大名誉教授。
著作
編集単著
編集- 『日本古代国家成立期の政権構造』吉川弘文館、1997年 オンデマンド版 2024年 ISBN 9784642723091
- 『奈良朝の政変劇 皇親たちの悲劇』吉川弘文館、1998年 オンデマンド版 2017年 ISBN 9784642754538
- 『摂関政治と王朝貴族』吉川弘文館、2000年 オンデマンド版 2024年 ISBN 9784642723497
- 『一条天皇』吉川弘文館〈人物叢書〉、2003年 ISBN 9784642052290
- 『戦争の日本史2 壬申の乱』吉川弘文館、2007年 ISBN 9784642063128
- 『歴史の旅 壬申の乱を歩く』吉川弘文館、2007年 ISBN 9784642079785
- 『平安貴族の夢分析』吉川弘文館、2008年
- 『平安貴族の夢分析』角川ソフィア文庫、2024年 - 増補
- 『持統女帝と皇位継承』歴史文化ライブラリー、吉川弘文館、2009年 オンデマンド版 2019年 ISBN 9784642756662
- 『三条天皇』ミネルヴァ書房〈日本評伝選〉、2010年
- 『藤原道長の日常生活』講談社現代新書、2013年
- 『藤原道長の権力と欲望 「御堂関白記」を読む』文春新書、2013年
- 『増補版 藤原道長の権力と欲望 紫式部の時代』文春新書、2023年
- 『藤原道長「御堂関白記」を読む』講談社選書メチエ、2013年
- 『藤原道長「御堂関白記」を読む』講談社学術文庫、2023年11月
- 『紫式部と平安の都』吉川弘文館、2014年 ISBN 9784642067867
- 『平安朝 皇位継承の闇』角川学芸出版〈角川選書〉、2014年
- 『敗者たちの平安王朝 皇位継承の闇』角川ソフィア文庫、2023年 - 改題増補
- 『「旅」の誕生 平安―江戸時代の紀行文学を読む』河出書房新社〈河出ブックス〉、2015年
- 『蘇我氏 古代豪族の興亡』中央公論新社〈中公新書〉、2015年
- 『藤原伊周・隆家 禍福は糾へる纏のごとし』ミネルヴァ書房〈日本評伝選〉、2017年
- 『戦争の日本古代史 好太王碑、白村江から刀伊の入寇まで』講談社現代新書、2017年
- 『日本古代氏族研究叢書6 藤原氏の研究』雄山閣出版、2017年、新版2023年
- 『藤原氏 権力中枢の一族』中公新書、2017年
- 『『御堂関白記』の研究』思文閣出版、2018年
- 『内戦の日本古代史 邪馬台国から武士の誕生まで』講談社現代新書、2018年
- 『はじめての日本古代史』ちくまプリマー新書、2019年
- 『公家源氏 王権を支えた名族』中公新書、2019年
- 『皇子たちの悲劇 皇位継承の日本古代史』KADOKAWA〈角川選書〉、2020年
- 『平安京の下級官人』講談社現代新書、2022年
- 『平氏 公家の盛衰、武家の興亡』中公新書、2022年
- 『紫式部と藤原道長』講談社現代新書、2023年
- 『平安貴族とは何か 三つの日記で読む実像』NHK出版新書、2023年
- 『平安貴族列伝』SYNCHRONOUS BOOKS・ワニブックス、2024年
- 『平安貴族の心得 「御遺誡」でみる権力者たちの実像』朝日新書、2024年
- 『平安時代の男の日記』KADOKAWA〈角川選書〉、2024年
- 『摂関期古記録の研究』思文閣出版、2024年
共著・編著
編集- 『古事類苑新仮名索引』吉川弘文館、2010年。編著、ISBN 9784642014564
- 『日記・古記録の世界』思文閣出版、2015年。編著
- 『日本人にとって日記とは何か 日記で読む日本史1』臨川書店、2016年。編著
- 『古代史から読み解く「日本」のかたち』 祥伝社新書、2018年。里中満智子と共著
- 『戦乱と民衆』講談社現代新書、2018年。磯田道史・呉座勇一・フレデリック・クレインスと共著
- 『説話研究を拓く 説話文学と歴史史料の間に』思文閣出版、2019年。編著
- 『新説戦乱の日本史』SB新書、2021年。亀田俊和・川戸貴史・千田嘉博・長南政義・手嶋泰伸と共著
- 『王朝再読 王朝時代の実像1』臨川書店、2021年。編著
- 『貴族とは何か、武士とは何か』思文閣出版、2024年。編著
共編著
編集- 『日本古代の地域と交流』加藤謙吉、佐藤信と共編 臨川書店、2016年
- 『日本的時空観の形成』吉川真司と共編 思文閣出版、2017年
- 『説話の形成と周縁 古代編』臨川書店、2019年。小峯和明・古橋信孝と共編
- 『説話の形成と周縁 中近世編』臨川書店、2019年。小峯和明・古橋信孝と共編
- 『『小右記』と王朝時代』吉川弘文館、2023年。加藤友康・小倉慈司と共編 ISBN 9784642046749
翻訳
編集- 『藤原道長「御堂関白記」 全現代語訳』 講談社学術文庫(全3巻)、2009年
- 『藤原行成「権記」 全現代語訳』 講談社学術文庫(全3巻)、2011~2012年
- 『現代語訳 小右記』吉川弘文館 (全16巻)、2015年~2023年
- ①三代の蔵人頭〈貞元2年(977)3月―永延2年(988)12月〉2015年10月刊 ISBN 9784642018166
- ②道長政権の成立〈永祚元年(989)正月―長徳元年(995)10月〉2016年4月刊 ISBN 9784642018173
- ③長徳の変〈長徳2年(996)正月―寛弘2年(1005)3月〉2016年10月刊 ISBN 9784642018180
- ④敦成親王誕生〈寛弘2年(1005)4月―寛弘8年(1011)12月〉2017年4月刊 ISBN 9784642018197
- ⑤紫式部との交流〈長和元年(1012)正月―長和2年(1013)6月〉2017年10月刊 ISBN 9784642018203
- ⑥三条天皇の信任〈長和2年(1013)7月―長和3年(1014)12月〉2018年4月刊 ISBN 9784642018210
- ⑦後一条天皇即位〈長和4年(1015)4月~長和5年(1016)2月〉2018年10月刊 ISBN 9784642018227
- ⑧摂政頼通〈長和5年(1016)3月~寛仁元年(1017)12月〉2019年4月刊 ISBN 9784642018234
- ⑨「この世をば」〈寛仁2年(1018)正月~寛仁3年(1019)3月〉2019年10月刊 ISBN 9784642018241
- ⑩大臣闕員騒動〈寛仁3年(1019)4月~寛仁4年(1020)閏12月〉2020年4月刊 ISBN 9784642018258
- ⑪右大臣就任〈治安元年(1021)正月~治安2年(1022)12月〉2020年10月刊 ISBN 9784642018265
- ⑫法成寺の興隆〈治安3年(1023)正月~治安3年12月〉2021年4月刊 ISBN 9784642018272
- ⑬道長女の不幸〈万寿元年(1024)正月~万寿2年(1025)8月〉2021年10月刊 ISBN 9784642018289
- ⑭千古の婚儀頓挫〈万寿2年(1025)9月~万寿4年(1027)6月〉2022年4月刊 ISBN 9784642018296
- ⑮道長薨去〈万寿4年(1027)7月~長元2年(1029)10月〉2022年10月刊 ISBN 9784642018302
- ⑯部類記作成開始〈長元3年(1030)正月~長久元年(1040)11月〉2023年4月刊 ISBN 9784642018319
- 源顕兼『古事談 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』角川ソフィア文庫、2020年
- 藤原行成『権記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』角川ソフィア文庫、2021年
- 藤原実資『小右記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』角川ソフィア文庫、2023年
データベース
編集- 摂関期古記録データベース(2012年 - 24年)
- 本康親王『八条式部卿私記』、宇多天皇『宇多天皇御記』、醍醐天皇『醍醐天皇御記』、藤原忠平『貞信公記』、藤原実頼『清慎公記』、重明親王『吏部王記』、『御産部類記』(編者不明)、藤原穏子『太后御記』、藤原師輔『九暦』、藤原師尹『小一条左大臣記』、村上天皇『村上天皇御記』、沙門仲増『沙門仲増記』、藤原元方『元方卿記』、源延光『延光記』、藤原兼通『忠義公記』、平親信『親信卿記』、藤原済時『済時記』、藤原宣孝『藤原宣孝記』、『小記目録』(編者不明)、藤原実資『小右記』、藤原為光『法住寺相国記』、藤原行成『権記』、藤原信経『信経記』、惟宗允亮『宗河記』、藤原道長『御堂関白記』、藤原師実抄出『御堂御記抄』、一条天皇『一条天皇御記』、源経頼『左経記』、藤原資房『春記』、藤原頼通『宇治殿御記』、源師房『土右記』、藤原教通『二東記』、『宗金記』(記主不明)、後朱雀天皇『後朱雀天皇御記』、藤原資平『資平卿記』、平範国『宇治関白高野山御参詣記』、平定家『定家朝臣記』、藤原経任『経任記』、藤原資仲『資仲記』、中原師平『師平記』、藤原師実『師実公記』、後三条天皇『後三条天皇御記』、『寛治二年記』(記主不明)、藤原季仲『季仲卿記』、高階仲章『高階仲章記』、清原重憲『清原重憲記』
脚注
編集- ^ a b c d “戦争だけが歴史じゃない 2024年大河ドラマ「光る君へ」時代考証・倉本一宏教授インタビュー【後編】”. 東大新聞オンライン. 公益財団法人東京大学新聞社 (2023年12月29日). 2024年3月6日閲覧。
- ^ a b “倉本 一宏 KAZUHIRO KURAMOTO”. 現代新書 | 講談社. 2024年3月6日閲覧。
- ^ a b “倉本一宏 | SYNCHRONOUS シンクロナス”. SYNCHRONOUS シンクロナス. シンクロナス (2023年11月22日). 2024年3月6日閲覧。
外部リンク
編集- 国際日本文化研究センター|倉本一宏(https://www.nichibun.ac.jp/ja/research/staff/s065/)
- Amazon.co.jp : 倉本一宏(https://www.amazon.co.jp/s?k=%E5%80%89%E6%9C%AC%E4%B8%80%E5%AE%8F&i=stripbooks&__mk_ja_JP)
- シンクロナス|倉本一宏
- 倉本一宏 (@DrKazz) - X(旧Twitter)