ユーバーレーベン
ユーバーレーベン(欧字名: Uberleben、2018年1月27日 - )は、日本の競走馬[1]。2021年の優駿牝馬の勝ち馬である。
ユーバーレーベン | ||||||
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2021年オークス | ||||||
欧字表記 | Uberleben[1] | |||||
品種 | サラブレッド[1] | |||||
性別 | 牝[1] | |||||
毛色 | 青鹿毛[1] | |||||
生誕 | 2018年1月27日[1] | |||||
登録日 | 2020年1月30日 | |||||
抹消日 | 2023年3月3日[2] | |||||
父 | ゴールドシップ[1] | |||||
母 | マイネテレジア[1] | |||||
母の父 | ロージズインメイ[1] | |||||
生国 | 日本(北海道新冠町)[1] | |||||
生産者 | ビッグレッドファーム[1] | |||||
馬主 | (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン[1] | |||||
調教師 | 手塚貴久(美浦)[1] | |||||
競走成績 | ||||||
生涯成績 |
15戦2勝[1] 中央:14戦2勝 海外:1戦0勝 | |||||
獲得賞金 |
2億3940万800円[3] 中央:2億1869万5000円[1] UAE:18万米ドル[4] | |||||
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馬名の意味は、ドイツ語で「生き残る」[5]。
戦績
編集2歳(2020年)
編集6月14日、東京競馬場の芝1800mの新馬戦に単勝オッズ10.2倍の4番人気で戸崎圭太を背に出走。直線先に抜け出した2番人気グアドループをハナ差で差し切り勝利[6]。2戦目で9月5日の札幌2歳ステークスで重賞初挑戦、5番人気で出走し、ソダシのクビ差2着と敗れた[7]。次いで出走した10月31日のアルテミスステークスでは初の乗り替わりとなり、柴田大知が騎乗して9着[8]。そして4戦目・阪神ジュベナイルフィリーズでは道中後方で脚を溜め、直線外から追い上げたが、先に追い比べを展開していたソダシとサトノレイナスには届かず3着[9]。4戦1勝で2歳シーズンを終えた。
JPNサラブレッドランキングの2歳部門では、レーティング110で8位(うち牝馬ではソダシ、サトノレイナスに次ぐ3位)に入った[10]。
3歳(2021年)
編集年明けは始動戦として桜花賞トライアルであるチューリップ賞を予定していたものの、2月21日に疝痛を発症したため回避[11]。フラワーカップに目標を変更する。ミルコ・デムーロの騎乗停止により3戦連続で乗り替わりとなり、このレースでは丹内祐次が騎乗した。道中後方集団で待機し、直線では馬場の外目から伸びるもホウオウイクセルを差しきれず3着に敗れた[12]。この敗戦により目標を優駿牝馬に切り替え、次走をオークストライアルのフローラステークスに決定。レースでは先に抜けていたクールキャットとスライリーの3着に敗れた[13]。この敗戦により収得賞金を獲得できず、一時は優駿牝馬への出走が危ぶまれていたが、サトノレイナスの東京優駿への出走表明など、賞金上位馬が回避したため出走が可能になった。
そして5月23日、優駿牝馬に単勝8.9倍の3番人気で出走。道中後方から直線上がり一気の競馬でアカイトリノムスメらをかわし勝利した。ゴールドシップ産駒はGI初制覇、騎乗したデムーロは前年のNHKマイルカップ以来約1年ぶりのGI勝利・2019年ラヴズオンリーユー以来のオークス制覇、馬主のサラブレッドクラブ・ラフィアンは2013年NHKマイルカップ(マイネルホウオウ)以来のGI制覇かつ初めてのクラシック競走制覇となった[14][15]。その後は屈腱周囲炎を発症、休養のためビッグレッドファーム鉾田に移動[16]、経過観察を行い腫れが引くのを待ってからビッグレッドファーム明和へ移動した。
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優駿牝馬口取り式
その後、次走として秋華賞への出走を正式に表明した[17]。そして10月17日、予定通り秋華賞に優駿牝馬から直行で挑み、後方2番手から直線での末脚勝負にかけるも見せ場なくアカイトリノムスメの13着に惨敗し、2冠目奪取とはならなかった[18]。11月28日古馬との初対決となる第41回ジャパンカップに出走。単勝オッズ25.5倍の5番人気に支持された。9番手で直線を迎えると、馬群の間を割って追い込むも先に抜け出した1番人気コントレイルや同世代のダービー馬シャフリヤールらには届かず6着に敗れた[19]。
レース後、放牧に出され翌年の京都記念を目標にすると発表された[20]。
4歳(2022年)
編集年明け初戦として、予定通り京都記念に出走。単勝オッズ3.1倍の1番人気に支持された。レースでは、3番手を追走するも、道中「プレッシャーをかけられ」(騎乗したデムーロのレース後コメントによる)、5着に敗れた[21]。その後、追加選出されたドバイシーマクラシックに挑戦することが発表された[22]。
3月26日、ドバイシーマクラシックに参戦。同レースには同期のダービー馬シャフリヤールや前年の香港ヴァーズ勝ち馬であるグローリーヴェイズなど、日本馬が5頭出走していた。オッズ16.9倍の7番人気ではあったものの、5着と健闘した。しかしその後は札幌記念11着、天皇賞(秋)では8着と掲示板にすら入れないレースが続き、ジャパンカップを10着で終えた後は放牧に出された[23]。
5歳(2023年)
編集2023年1月22日、5歳初戦となったアメリカジョッキークラブカップでは3着と善戦。なお、牝馬がAJCCで馬券内に入るのは1996年のダンスパートナー以来、27年ぶりの快挙となる。
その後、金鯱賞に向けて調整されていたが、2月28日に左前屈腱部に触診で反応が見られたことから精密な検査が行われ、左前浅屈腱炎を発症している事が判明した。9ヶ月以上の休養を要する見込み[24][25]から、3月2日、ラフィアンターフマンクラブより現役引退が発表された。現役引退後はビッグレッドファーム明和で繁殖牝馬となる予定である[26][27][28]。引退について手塚調教師は「急なことで残念だけど、今ならまだ種付けのシーズンに間に合うので…。GI(オークス)を勝ってくれたし、古馬になってからは常に一線級の男馬と一緒に走って頑張ってくれました。いいお母さんになってほしいです。お疲れ様でした」と話している[27]。同月3日付でJRAの競走馬登録を抹消した[2]。
競走成績
編集以下の内容は、JBISサーチ[29]およびnetkeiba.com[30]に基づく。
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 | タイム (上り3F) |
着差 | 騎手 | 斤量 [kg] |
1着馬(2着馬) | 馬体重 [kg] |
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2020. 6.14 | 東京 | 2歳新馬 | 芝1800m(不) | 12 | 1 | 1 | 10.2 (4人) | 1着 | 1:52.6(35.3) | -0.0 | 戸崎圭太 | 54 | (グアドループ) | 458 | |
9. 5 | 札幌 | 札幌2歳S | GIII | 芝1800m(良) | 14 | 5 | 8 | 10.6 (5人) | 2着 | 1:48.2(36.6) | 0.0 | 戸崎圭太 | 54 | ソダシ | 478 |
10.31 | 東京 | アルテミスS | GIII | 芝1600m(良) | 16 | 3 | 5 | 11.1 (4人) | 9着 | 1:35.7(33.7) | 0.8 | 柴田大知 | 54 | ソダシ | 484 |
12.13 | 阪神 | 阪神JF | GI | 芝1600m(良) | 18 | 6 | 11 | 30.0 (6人) | 3着 | 1:33.2(33.6) | 0.1 | M.デムーロ | 54 | ソダシ | 470 |
2021. 3.20 | 中山 | フラワーC | GIII | 芝1800m(良) | 16 | 7 | 13 | 3.6 (1人) | 3着 | 1:49.4(35.1) | 0.2 | 丹内祐次 | 54 | ホウオウイクセル | 464 |
4.25 | 東京 | フローラS | GII | 芝2000m(良) | 17 | 2 | 3 | 3.5 (2人) | 3着 | 1:59.6(33.2) | 0.2 | M.デムーロ | 54 | クールキャット | 454 |
5.23 | 東京 | 優駿牝馬 | GI | 芝2400m(良) | 18 | 5 | 9 | 8.9 (3人) | 1着 | 2.24.5(34.4) | -0.0 | M.デムーロ | 55 | (アカイトリノムスメ) | 462 |
10.17 | 阪神 | 秋華賞 | GI | 芝2000m(良) | 16 | 6 | 11 | 10.6 (5人) | 13着 | 2:02.7(36.3) | 1.5 | M.デムーロ | 55 | アカイトリノムスメ | 464 |
11.28 | 東京 | ジャパンC | GI | 芝2400m(良) | 18 | 7 | 14 | 25.5 (5人) | 6着 | 2:25:5(34.2) | 0.8 | M.デムーロ | 53 | コントレイル | 472 |
2022. 2.13 | 阪神 | 京都記念 | GII | 芝2200m(稍) | 13 | 5 | 6 | 3.1 (1人) | 5着 | 2:12.3(34.5) | 0.4 | M.デムーロ | 54 | アフリカンゴールド | 466 |
3.26 | メイダン | ドバイSC | G1 | 芝2410m(良) | 15 | 3 | 15 | 16.9 (7人) | 5着 | (1馬身) | D.レーン | 54.5 | Shahryar | 計不 | |
8.21 | 札幌 | 札幌記念 | GII | 芝2000m(良) | 16 | 7 | 14 | 18.7 (6人) | 11着 | 2:02.6(36.8) | 1.4 | M.デムーロ | 55 | ジャックドール | 498 |
10.30 | 東京 | 天皇賞(秋) | GI | 芝2000m(良) | 15 | 8 | 14 | 43.8(10人) | 8着 | 1:58.3(33.3) | 0.8 | M.デムーロ | 56 | イクイノックス | 476 |
11.27 | 東京 | ジャパンC | GI | 芝2400m(良) | 18 | 8 | 17 | 35.5(10人) | 10着 | 2:24.7(34.8) | 1.0 | M.デムーロ | 55 | ヴェラアズール | 476 |
2023. 1.22 | 中山 | AJCC | GII | 芝2200m(良) | 14 | 4 | 6 | 8.0 (3人) | 3着 | 2:13.7(34.9) | 0.2 | M.デムーロ | 55 | ノースブリッジ | 478 |
血統表
編集ユーバーレーベンの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | サンデーサイレンス系/ヘイロー系 |
[§ 2] | ||
父 ゴールドシップ 芦毛 2009 |
父の父 ステイゴールド黒鹿毛 1994 |
*サンデーサイレンス | Halo | |
Wishing Well | ||||
ゴールデンサッシュ | *ディクタス | |||
ダイナサッシュ | ||||
父の母 ポイントフラッグ芦毛 1998 |
メジロマックイーン | メジロティターン | ||
メジロオーロラ | ||||
パストラリズム | *プルラリズム | |||
トクノエイティー | ||||
母 マイネテレジア 青毛 2007 |
*ロージズインメイ Roses in May アメリカ 青鹿毛 2000 |
Devil His Due | Devil's Bag | |
Plenty O'Toole | ||||
Tell a Secret | Speak John | |||
Secret Retreat | ||||
母の母 マイネヌーヴェル黒鹿毛 2000 |
*ブライアンズタイム | Roberto | ||
Kelley's Day | ||||
*マイネプリテンダー | Zabeel | |||
Giladah | ||||
母系(F-No.) | (FN:6-b) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Halo 4x5, Hail to Reason 5x5 | [§ 4] | ||
出典 |
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c d e f g h i j k l m n o “ユーバーレーベン”. JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2022年11月27日閲覧。
- ^ a b “ユーバーレーベンが競走馬登録抹消”. www.jra.go.jp. 日本中央競馬会. 2023年3月3日閲覧。
- ^ “競走馬情報 - ユーバーレーベン”. www.jra.go.jp. 日本中央競馬会. 2023年3月3日閲覧。
- ^ “2022 ドバイ・ワールドカップ・デイ施行競走 登録要綱(簡易版)”. 2022年3月26日閲覧。
- ^ “所属馬詳細 ユーバーレーベン”. ラフィアンターフマンクラブ公式ウェブサイト 2023年3月2日閲覧。
- ^ “【東京5R新馬戦結果】ゴールドシップ産駒ユーバーレーベンがゴール寸前で差し切る”. netkeiba.com. (2020年6月14日) 2021年3月25日閲覧。
- ^ “【札幌2歳S】ユーバーレーベン、首差及ばず2着 戸崎圭「頑張ってくれた」”. netkeiba.com. (2020年9月6日) 2021年3月25日閲覧。
- ^ “【アルテミスSレース後コメント】ソダシ吉田隼人騎手ら”. netkeiba.com. (2020年10月31日) 2021年3月25日閲覧。
- ^ “【阪神JF結果】ソダシが接戦を制し無傷の4連勝! 史上初、白毛馬のGI制覇!”. netkeiba.com. (2020年12月13日) 2021年3月25日閲覧。
- ^ “JPNサラブレッドランキング - 2020年 2歳” (PDF). 日本中央競馬会. 2021年8月10日閲覧。
- ^ “チューリップ賞回避のユーバーレーベンはフラワーC目標”. サンケイスポーツ. (2021年2月25日) 2021年8月19日閲覧。
- ^ “【フラワーC結果】ホウオウイクセルが好位から抜け出し重賞初制覇”. netkeiba.com (2021年3月20日). 2021年3月26日閲覧。
- ^ “【フローラS結果】クールキャットが快勝! 重賞初制覇&樫切符獲得”. netkeiba.com (2021年4月25日). 2021年5月12日閲覧。
- ^ “【オークス結果】3歳女王はユーバーレーベン! ソダシは無敗2冠ならず8着”. netkeiba.com (2021年5月23日). 2021年5月23日閲覧。
- ^ “【オークス豆知識】ゴールドシップ産駒GI初制覇、マイネル軍団は悲願のクラシック初制覇”. netkeiba.com (2021年5月23日). 2021年5月23日閲覧。
- ^ “オークス馬ユーバーレーベンは屈腱周囲炎”. ZBAT!競馬. 産経新聞 (2021年5月27日). 2021年8月10日閲覧。
- ^ “【注目馬動向】ユーバーレーベンの秋華賞参戦が正式決定”. スポーツ報知. (2021年9月10日) 2021年9月13日閲覧。
- ^ “【秋華賞】オークス馬ユーバーレーベンは後方まま13着 デムーロ「行きっぷりが悪かったです」”. サンスポZBAT!競馬 (2021年10月17日). 2021年10月19日閲覧。
- ^ “【ジャパンCレース後コメント】コントレイル福永祐一騎手ら”. netkeiba.com. (2021年11月28日) 2021年11月29日閲覧。
- ^ “今年の樫女王、ユーバーレーベンは放牧へ 来年は京都記念から始動”. netkeiba.com. (2021年12月1日) 2021年12月1日閲覧。
- ^ “【京都記念レース後コメント】アフリカンゴールド国分恭介騎手ら”. netkeiba.com. (2022年2月13日) 2022年3月4日閲覧。
- ^ “ユーバーレーベンがドバイシーマクラシックに参戦”. ウマニティ. (2022年2月25日) 2023年11月3日閲覧。
- ^ “【注目馬動向】ユーバーレーベンがアメリカJCCへ向けて帰厩後初の馬場入り | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2022年12月25日閲覧。
- ^ 金鯱賞を目指していたユーバーレーベンが左前屈腱部に触診で反応 - サンスポZBAT! 2023年2月28日
- ^ ユーバーレーベンが故障 - JRAニュース(日本中央競馬会)2023年3月2日
- ^ “所属馬詳細 ユーバーレーベン”. ラフィアンターフマンクラブ公式ウェブサイト 2023年3月2日閲覧。
- ^ a b 「ユーバーレーベンが屈腱炎で引退、繁殖入りへ 一昨年のオークス馬」『サンケイスポーツ』2023年3月2日。2023年3月2日閲覧。
- ^ 「21年のオークス馬ユーバーレーベンが引退、繁殖入り」『スポーツ報知』2023年3月2日。2023年3月2日閲覧。
- ^ “ユーバーレーベン 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年10月30日閲覧。
- ^ “ユーバーレーベンの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2022年10月30日閲覧。
- ^ a b c “血統情報:5代血統表|ユーバーレーベン|JBISサーチ(JBIS-Search)”. JBISサーチ(JBIS-Search). 日本軽種馬協会. 2021年5月25日閲覧。
- ^ a b c d “ユーバーレーベンの血統表”. netkeiba.com. 2021年5月25日閲覧。
- ^ “ユーバーレーベン - Uberleben - 競走馬データベース”. 競馬ラボ. 2021年9月17日閲覧。
- ^ “【新潟記念】マイネルファンロン豪脚V 前走14着から驚きの逆襲劇で重賞初勝利”. netkeiba.com (2021年9月6日). 2021年9月7日閲覧。