ナタルマ
ナタルマ(Natalma、1957年 - 1985年)は、アメリカ合衆国で生産、カナダで調教されたサラブレッドの競走馬、および繁殖牝馬。歴史的種牡馬ノーザンダンサーの母として知られ[1]、2007年にはカナダ競馬の殿堂入りしている。
ナタルマ | |
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品種 | サラブレッド |
性別 | 牝 |
毛色 | 鹿毛 |
生誕 | 1957年 |
死没 | 1985年1月29日(28歳没) |
父 | Native Dancer |
母 | Almahmoud |
生国 | アメリカ合衆国ヴァージニア州 |
生産者 | Mrs. E. H. Augustus & Daniel G. Van Clief |
馬主 | Edward P.Taylor |
調教師 | Horatio Luro |
競走成績 | |
生涯成績 | 7戦3勝 |
獲得賞金 |
16,015ドル (アメリカドル換算) |
概要
編集父は20世紀を代表するアメリカの名種牡馬ネイティヴダンサー、母はマームード産駒のステークス勝ち馬アルマームードである[2]。アルマームードの第3子としてヴァージニア州で生まれたこの牝馬はサラトガのイヤリングセールで売りに出され、カナダのビール醸造業者であったエドワード・プランケット・テイラーに35000ドルで購入された。
同馬はナタルマと名付けられ、1959年に競走馬としてデビューした。同年のスピナウェイステークスではゴールに1位で入線したものの、3着に降着されている。翌年、ケンタッキーオークスへの出走を目指して調教していた最中に膝を骨折、大競走への出走を断念して引退、7戦3勝と平凡な成績で競走生活を終えた。その後、テイラーが所有するオンタリオのウインドフィールドファームで繁殖入りした。
繁殖入り初年度の種付け相手は、同年に種牡馬入りしたテイラー所有のネアルコ産駒、ニアークティックであった。ナタルマはこの年ニアークティックの仔を身籠り、翌年1961年の5月27日に鹿毛の牡馬を出産した。この仔馬が後にノーザンダンサーと名付けられ、ケンタッキーダービーに勝ち、さらに種牡馬として20世紀最大級の成功を収めるに至った。これにより、ナタルマの血脈はノーザンダンサーを介して多数の名馬に受け継がれていった。ノーザンダンサーの活躍により、日本にもナタルマの産駒であるノーザンダンサーの全弟、半弟が種牡馬として輸入されている。
ノーザンダンサー以外にも1981年までに15頭の競走馬を産み、そのうちの3頭がステークス競走で勝ちを挙げている。
- Native Victor - カナディアンハンデキャップなど
- Regal Dancer - ジャックカーターステークス
- Born a Lady - パールネックレスステークス
また、競走馬として成績を出せなかったものの、後に名馬の母、または祖先となった産駒も存在する。代表的な馬にノーザンダンサーの全妹にあたるArctic Dancer(アークティックダンサー)がおり、同馬はバックパサーとの間にアメリカ・カナダで殿堂入りした牝馬ラプレヴォヤンテを儲けている。このほか、1974年生まれのSpring Adieu(スプリングアディユ・父バックパサー)は名種牡馬デインヒルの祖母に、1978年生まれのRaise the Standard(レイズザスタンダード・父ホイストザフラッグ)は、成功種牡馬エルモキシーの母、さらにフランスの名種牡馬マキャベリアンの祖母になっている。また、レイズザスタンダードからはナタルマの牝系が後世に伝えられ、4代先には仏1000ギニーを制したBluemambaや仏グランクリテリウムを制したウェイオブライト、5代先には凱旋門賞馬バゴが出ている。(その他ナタルマ以下の牝系図はアルマームード#おもな牝系図を参照。)
1985年、ナタルマはウインドフィールドファームのメリーランド支場で疝痛を発症、手当ての甲斐もなく、1月29日に安楽死処分が施された。遺骸は同牧場の墓地に埋葬された。
ナタルマはノーザンダンサーの母として、競走成績以上に多大な評価を与えられている。1965年にはウッドバイン競馬場に「ナタルマステークス」が創設され、2007年にはカナダ競馬名誉の殿堂に殿堂馬として選定された。
血統表
編集ナタルマの血統(ネイティヴダンサー系 / Fair Play 5x5=6.25%) | (血統表の出典) | |||
父 Native Dancer 1950 芦毛 アメリカ |
父の父 Polynesian1942 青鹿毛 アメリカ |
Unbreakable | Sickle | |
Blue Glass | ||||
Black Polly | Polymelian | |||
Black Queen | ||||
父の母 Geisha1943 芦毛 アメリカ |
Discovery | Display | ||
Ariadne | ||||
Miyako | John P Grier | |||
La Chica | ||||
母 Almahmoud 1947 栗毛 アメリカ |
Mahmoud 1933 芦毛 フランス |
Blenheim | Blandford | |
Malva | ||||
Mah Mahal | Gainsborough | |||
Mumtaz Mahal | ||||
母の母 Arbitrator1937 鹿毛 アメリカ |
Peace Chance | Chance Shot | ||
Peace | ||||
Mother Goose | Chicle | |||
Flying Witch F-No.2-d |
脚注
編集- ^ “Natalma (USA)”. American Classic Pedigrees. 2022年2月5日閲覧。
- ^ “ナタルマ(1957) | 産駒一覧”. 競馬ブック. 2022年2月5日閲覧。
外部リンク
編集- Canadian Horse Racing Hall of Fame - Natalma - カナダ競馬名誉の殿堂
- 競走馬成績と情報 netkeiba、JBISサーチ、Racing Post