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Link to original content: http://ja.m.wikipedia.org/wiki/キャンバス
キャンバス - Wikipedia

キャンバス

絵画の支持体として用いる帆布

キャンバス英語: canvas)とは、帆布であり、油絵具アクリル絵具を用いて描かれる支持体に使用される。

典型的な「亜麻のキャンバス

キャンバスは主に亜麻の繊維から作られるが、大麻、亜麻と大麻の混織、綿合成繊維などから作られる場合もある。 使用前に絶縁地塗りが施され、枠に張られるか、木の板か厚紙に接着される。現在画材店で売られているキャンバスは既に絶縁や地塗りを施してあるものが多く、木枠に張ったものや厚紙に貼付したものもよく市販されている。このように加工を施した物も、単にキャンバスとも呼ぶので紛らわしい。

帆布画布とも言う。英語 canvasの語源は俗ラテン語 cannapaceus = 「麻に由来するもの」であり、さらにギリシャ語で麻(英語: cannabis)を意味する Κάνναβις に遡る[1]

カンヴァスカンバスは単に表記のゆれである。

歴史

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仮止めしたキャンバスに描く画家。アールト・デ・ヘルデル画(1685)

キャンバスはそれまでの板絵に徐々に取って代わり、油彩の支持体として最も普及したものとなった。キャンバスに描かれた油絵として最も古い作品の1つは、1410年ごろにフランスで描かれ、現在ベルリンの絵画館に所蔵されている『マドンナと天使たち』である。しかしながら、板絵もイタリアでは16世紀北欧では17世紀まで存続していた。画家アンドレア・マンテーニャヴェネツィアの芸術家たちがキャンバスへの移行を引き起こした代表的な存在である。伝承によると、ヴェネツィアのような湿潤な気候では木は傷みやすいので、画家たちは船用の帆布を用いるようになったといわれる。ヴェネツィアの帆布=キャンバスは簡単に入手でき、品質も優れていると考えられていた。

準備

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包み張りキャンバス

キャンバスは通常は木の枠にピンと張られ、油絵具が直接キャンバスに触れて傷んでしまうのを防ぐために、使用前の地塗りが施される。ジャクソン・ポロックケネス・ノーランドフランシス・ベーコンヘレン・フランケンサーラーダン・クリステンセン英語版ラリー・ゾックス英語版ロニー・ランドフィールド英語版などの、カラーフィールド・ペインティング運動や叙情的抽象fr:abstraction lyrique)運動の画家たちは、損傷のリスクを冒してでもジェッソを施さない「素のキャンバス」に描くことがある。

今日ではキャンバスの製造は工業化されているが、伝統的な方法で製作されたキャンバスを好む画家もいる。今日の絵画技法と古典的な画家のそれとの違いの最も大きなものの1つはキャンバスの準備にある。「現代的な」技法ではキャンバスの織り目、肌理の利点を引き出すが、これは古典的絵画の写実性をほとんど不可能にしてしまう。ルネサンス美術の画家たちはキャンバスの織り目が目立たなくなるよう気を使った。

通常の枠に張ったキャンバスとは異なり側面でなく裏面に止め金で固定されている「裏張りキャンバス」というものもある。この種のキャンバスの利点は側面がきれいなままなので縁まで塗って絵に取り込めることにある。

キャンバスの種類

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最初は、キャンバスの布は褐色がかった非常に丈夫な繊維であるリンネル(亜麻)で出来ており、従って油絵に特に適していた。20世紀初頭に、綿のキャンバスが使われ始める。リンネルのキャンバスは乾性油に対して強く、特に油彩を描く画家の間で人気を保っている。それでも、より完全に伸びる綿のキャンバスは安価な選択肢を提供している。アクリル絵具の登場は綿のキャンバスの人気と利用を著しく増大させた。

主な寸法

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F(Figure・人物)、P(Paysage・風景)、M(Marine・海景)、S(Square・正方形)という規格がある。

以下は木枠の寸法であり、実際には折り返した画布の厚さなどが加算される。また、SM はサムホール(: thumb hole)と読む。

サイズ表(単位 mm
号数 F P M S W
0号 180×140 180×120 180×100 180×180 360×140
SM 227×158 227×140 227×120 227×227 454×158
1号 220×160 220×140 220×120 220×220
2号 240×190 240×160 240×140 240×240
3号 273×220 273×190 273×160 273×273 546×220
4号 333×242 333×220 333×190 333×333 666×242
5号 348×273 348×242 348×212 348×348
6号 410×318 410×273 410×242 410×410
8号 455×380 455×333 455×273 455×455
10号 530×455 530×410 530×333 530×530
12号 606×500 606×455 606×410 606×606
15号 652×530 652×500 652×455 652×652
20号 727×606 727×530 727×500 727×727
25号 803×652 803×606 803×530 803×803
30号 910×727 910×652 910×606 910×910
40号 1000×803 1000×727 1000×652 1000×1000
50号 1167×910 1167×803 1167×727 1167×1167
60号 1303×970 1303×894 1303×803 1303×1303
80号 1455×1120 1455×970 1455×897 1455×1455
100号 1620×1303 1620×1120 1620×970 1620×1620
120号 1940×1303 1940×1120 1940×970 1940×1940
130号 1940×1620
150号 2273×1818 2273×1620 2273×1455 2273×2273
200号 2590×1940 2590×1818 2590×1620 2590×2590
300号 2910×2182 2910×1970 2910×1818 2910×2910
500号 3333×2485 3333×2182 3333×1970 3333×3333

脚注

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  1. ^ Douglas Harper (2001年11月). “Online Etymology Dictionary” (英語). 2009年9月29日閲覧。

関連項目

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